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戸倉城山・金比羅山 [奥多摩]

2021/11/12(金)

■第447回 : 戸倉城山(434m)・金比羅山(468m)


この日は奥多摩へ(といっても、そのほんの入口あたりの低山だけど)。比較的近い上に魅力的な山が多く、何度も通って行き慣れたこのエリアも、コロナ禍で遠出を控えていたため訪れるのは2年以上ぶりです。

巡ったのは、いずれも過去に登っている山ですが、歩いたことのない道が大半となるコースが組めて、初めて登る時に近い気分で歩けましたし、低山ながら2座をそれぞれ登り下りしたことで、歩き応えもまずまずでした。

 累積標高差(登り):698m / 距離:11.5km / 歩行時間:3時間50分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:26-05:48 八王子 05:51-06:03 拝島
拝島 06:06-06:24 武蔵五日市

(登山行程)
武蔵五日市駅 06:30
光厳寺    07:05-07:15
戸倉城山   07:40-07:50
十里木    08:10
横根峠    09:00
531m峰    09:25
金比羅山   09:45
金比羅園地  09:55-10:10
(樽分岐)   10:30
武蔵五日市駅 10:55

(復路)
武蔵五日市 11:09-11:26 拝島 11:31-11:42 八王子
八王子 11:49-12:04 橋本 12:08-12:15 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

武蔵五日市駅から歩き始めます。日の出時刻を迎えたばかりだったから、駅舎があたかもモルゲンロートみたいに紅く染まり、特段色付いている訳ではなかった樹木も、すっかり紅葉しているかのようでした。
はじめ30分ほど、最初に登る戸倉城山を正面に見ながら車道を歩きます。ちょうどその方向から、季節風が絶え間なく吹いてきて、それが結構な強風だったから冷たいのなんの。歩いていても身体は冷える一方でした。
秋川に架かる橋を渡ったすぐ先で、こんな通路っぽいところに入ります(道と呼べるほどではなかったけれど、人はちゃんと通れます)。ここまで来ると、戸倉城山が風を遮ってくれて、冷たさからは解放されました。
バス道路を横切って進むと、次の角には光厳寺への案内があって、あとはそれに従って行くだけです。
給水所の前はなかなかの急坂。でもおかげで、身体がいくらかは暖まってきたでしょうか。
光厳寺の手前にあったトイレ。駅で利用したばかりなのに、身体が芯から冷えていて思わず駆け込みました。


光厳寺に着きました。山門をくぐって境内へ。
光厳寺は建武年間(1334~1338年)に足利尊氏により創建されたと伝わる古刹。本堂前で軽く手を合わせます。
境内には布袋尊や天満宮なども。
光厳寺といえばヤマザクラが良く知られているので、見に行ってみたものの‥‥。さすがにこの季節は、あまり見応えがありません。花は期間が短いからともかくとして、せめて葉が茂っている間に来なければダメですね。
おまけにまだ日が低い時間でもろに逆光になるため、写真を撮るにも厳しい条件でした。解説板に「樹齢400年以上」「都内のヤマザクラとして一番大きな老巨樹」とあるので、ここにはまた折を見て来てみたいです。


光厳寺の先から、戸倉城山への登山道が始まります。
はじめは進路を誤っていないかと不安になるほどの、細くて頼りない道。しかも緩やかながら下りが続きます。
やがて登り坂に変わって、尾根に乗ってからは、しっかりした道幅の歩きやすい道になりました。
この先は急坂とありますが、言われなくても、目の前に見上げるような斜面が迫っていました。
取り付いてみたら、確かに急ではあるものの、序盤のうちは割と普通に歩ける道です。
しかし、途中に一旦緩やかな区間を挟んだ先で、いよいよ傾斜がキツくなりました。段差の大きな箇所が少なくない上に、そうでない場所も歩幅を選ぶ余地があまりなくて、かなり苦しい登りです。
石が階段状に積まれた道には年季が感じられ、もしかすると山城があった頃まで遡るものも残っていたりして?
目前に岩の壁が立ちはだかって、これを登るのかと思ったら、左脇に手すり付きの道が見えて、やや拍子抜け。
しかしその道は岩壁の途中まで。最後には少しばかり岩道を登ることになって、ここでは手も使っています。


岩の上に上がれば、すぐ先が戸倉城山の山頂でした。2008年4月以来の2度目の登頂となります。
そこそこ冷え込んだ朝だけに空気が澄んでいて、大きく開けている都心方向が遠くまでクリアに見渡せました。
一番高いと思われる地点(ちょうど登ってきた側でした)に三角点。
ここからは展望写真をいくつか。遠望がきいてはるか先の筑波山まで眺められたほか、眼下に広がる五日市の市街を見下ろせば、歩いてきた駅からの道のりがしっかりと分かりました。
    ※下の写真にマウスを乗せると地名等を表示します。縮小前の大きな写真も こちら に。
こちらが展望のほぼ全容ですが、肉眼ではクッキリと見えていた都心のビル群やスカイツリーが、ほとんど写っていないと帰宅後に分かってガッカリ。逆光だったためと思いますが、撮り方にも工夫の余地があったのかも。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
筑波山をズームで。左には峰続きの足尾山や加波山も見えていました。
南東側には房総半島のシルエットが見えていて、上のパノラマでは白飛びしてしまったものの、ズームで撮ったほうにはしっかりと写っていました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、地名等を表示します。
北側には御岳山などを眺められたほか、手前にはこれから向かう予定の横根峠を通る尾根も見えていました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。


戸倉城山からは、まずは西へ延びる尾根道を進みます。山頂直下には素朴な構造のトイレが。
トイレの先の分岐点で、2008年4月の時に登ってきた、西戸倉からの道を見送ります。
この尾根道は急な箇所がなくて歩きやすく、良く整備されていて、道標もうるさいくらい頻繁に見ました。
10分もかからずに次の分岐点へ。今回はここで尾根道から外れて、十里木へと下ります。
すると北斜面を下るので、この時間は少々薄暗さが残る道でしたが、写真はカメラが明るく撮っていました。
しばらく下って竹林に入る頃には、左手に下界の街並みが見られるようになっていました。


最後はスロープ状の道を下って十里木交差点へ。ちょうど十里木バス停の真ん前に出ました。今回巡る2座は、峰続きでも何でもない別々の山なので、途中で完全に人里まで下ってこないと、コースが繋がらないのです。
十里木交差点から養沢への道に入ると、すぐに十里木駐車場があって、ここでトイレを利用させて頂きました。
十里木駐車場の少し先にも落合橋公衆トイレが。こちらは十里木駐車場の案内図によると冬期閉鎖らしい。
落合橋バス停の先で、道なりに左へは進まずに、右折して細い道へ。次に目指している、横根峠を経由して金比羅尾根へ向かう道は、一般的な登山地図には出ていないので、このあたりに道案内などは全くありません。
※2021/11/19追記:後日書店で最新版(2021年版)の「山と高原地図」を確認したら、なんとこのコースが赤線で描かれていました(いつの間に?)。しかも破線ではなく実線ですから一般登山道扱いになったようです。
5分ほど進んだら、このT字路を左に折れて、星竹林道へと続く道に入ります。
両側に畑が広がる気持ち良い景色の中、この日初めて明るい日差しを目一杯受けて登っていると、ようやく身体が暖まってきて、ここでジャケットを脱ぎました(ここ以降は山シャツの上に化繊のベストという格好に)。
道が森の中へ入って左カーブを曲がると、その先で右手にスロープ状の山道が分かれます。大回りする林道を大幅にショートカットできそうですし、踏み跡も明瞭なように見えたので、そこへ入ってみることに。
あまり期待していなかった道にしては、思いのほか歩かれている様子で、踏み跡もしっかりしています。
少し進むと、地形図で見られる通りに道が二手に分かれます。直進する踏み跡が優勢なのに対して、横根峠への登り口へは左に折れる必要があることが地形図から読み取れたので、大いに怪しげな左の道(写真の点線)へ。
そこからは踏み跡の薄い急斜面に踏み込むことに。なんとも地面が脆くて、登りだから少々足を取られながらでもどうにか歩けたけれど、下りだったらズルズル滑り落ちるような具合になってしまうのではないでしょうか。
でもそんな斜面も短い間のこと。すぐに階段が見えてきて、星竹林道(先程までの道の続き)に上がりました。
そして正面には横根峠への登り口が。ここには意外にもきちっとした感じの道標も立っていました。


横根峠への登り口にはトラロープが下がっていましたが、登りならば使う必要がない程度のものでした。
その先には、手作り感満載の木段が続きます。一般登山道ではないから、てっきり頼りない道かと思いきや、この様子ではそれなりに手入れがされているのかも(登山道としてではなく、作業道としてでしょうけれど)。
尾根に上がった後はしっかりした道に。要所には道標もあり、もう普通の登山道と変わらない感覚で歩けます。
送電線鉄塔をくぐった先では、道の脇に小さな祠を見ます。
415mピークの手前は分岐点になっていて、横根峠への道がピークを巻いている一方で、ピークへの道が「山の神、行き止まり」となっていたので、そこまで行ってみました。
わずかに登った「山の神」のピークには、いかにも神が宿りそうな大木が立ち、根元には小祠がありました。
2つめの送電線鉄塔をくぐって、軽く下って行くと‥‥
横根峠に降り立ちます。今歩いている尾根通しの道はもちろん、峠越えする左右の道もいずれも明瞭でした。
峠から、さらに尾根の続きを進みます。杭があるので、このあたりの尾根道は送電線巡視路も兼ねている模様。


ほどなく道が二手に分かれます。尾根を直登する道よりも、右に尾根を外れてトラバース気味に登る緩やかな道のほうが明瞭で、尾根道の先には送電線巡視路の杭も見えたので、右が登山道と判断してまずはそちらへ。
しばらく進み、その道が1度大きく折り返して再び尾根に近付くと(この写真の地点)、見えてきた尾根にも明瞭な道が続いている様子。どうやら横根峠から上は、尾根を直登する道と緩やかに登るジグザグ道の2系統があって、どちらを進んでも可だから分岐に道案内がなかったのでしょう。ここで尾根道のほうに移ってみました。
すると尾根上には、丹念に設置された木段が続きます(実は結構な手間をかけて整備した道なのでは?)。途中には一部で道が細くなる箇所があったものの、問題になるほどではありません。
ほどなく、ジグザグ道が前方を横切る形で現れて、尾根を直登してきた道もそれに合わさるようです。
2つの道が合流してから分岐点を振り返ったところです。少し離れてみたら、もう尾根道はあまり目立たない存在になっていたので、下る際にはほとんどの人がジグザグ道へ進むのではないでしょうか。
    ※下の写真にマウスを乗せると、補足説明を表示します。
さらに登って、520m圏のピークの左を巻くあたりまで来ると、前方に金比羅尾根らしいものが見えてきます。
ここで金比羅尾根に上がります。歩いてきた横根峠経由の尾根道は、良く踏まれてしっかりしていた上に適切な道案内もあって、一般登山道と比べてもあまり遜色なく、登り下り双方とも問題なく歩けるという印象でした。
ちなみに、このあたりが今回のコースで最も高いのですが、この分岐点は標高値が不確かです(地形図から510m圏だと分かる程度)。最高点の標高が概数というのでは、なんとも記録として締まりが悪いですし、都合良くすぐ近くに531m標高点のピークがあるので(何もない地点だと分かっていますが)、そこまで行ってみます。


ということで、金比羅尾根を一旦北上していくと、登山道は531mピークを手前から左に巻いてしまう模様。
そこで右の斜面に上がってみたら、そこにも明瞭な道形が。きっとこれは昔の道で、その頃はちゃんと531mピークを踏んでいたのだろう、と確信して進んだところ、こちらもピークのわずか手前で微妙に巻いていました。
なので最後は適当に斜面を登るようになりますが、ピークを踏もうとする人は少なくないらしく、それっぽい踏み跡が多数散見されますし、そうでなくてもピーク直下まで来ているので、適当に登る距離は短いものでした。
531mピークに到着しました。無名峰で標識類も一切ない地味な地点ですが、ここが今回の最高点になります。
最高点の樹木に巻かれたテープには「辺」のマジック書きが。きっと林業で必要とされる何かのサインで、登山者に向けられたものではないだろうと思いつつ、もしかして何か意味があるのかもとちょっと気になりました。


531mピークから引き返したら、先程の分岐点を直進して次は金比羅山へ。この先は何度か歩いている道です。
だから、ただ森の中を歩いて行くものと思っていたら、ふいに伐採地に出て、一気に開放的な景色の中へ。これには驚きました。2年前に通った時は、確かこんな箇所はなかったはずでしたから。
ただ残念ながら、道の両側にネットが張られていて(伐採後に植樹した幼木の食害を避けるためかと)、せっかくの展望も登山道からはネット越しにしか見られないこと。でも何枚か写真を撮っていたら、作業中の関係者の方が近くまで来て、作業用にネットを開けている箇所を教えて下さいました。これには感謝しかありません!
お陰様で、伐採地側に出て展望写真を撮ることができました。そこからは戸倉三山の山並みを見渡せています。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
伐採地の南端まで来て振り返ると、馬頭刈山が見えるようになっていました(写真左側の突起状のピーク)。


登山道はその後、星竹林道と立体交差した先で、金比羅山を巻いて進んでしまいますし、これまでは私自身も、いつも道なりに歩いて金比羅山を巻いていましたが、今回はきちんと寄っていきたいと思います。
それには、星竹林道の上を跨いだらすぐに現れる道標の2~3m先から、左に分かれていく踏み跡を追います。
その踏み跡に入ると、もはや踏み跡と言えないほど立派な道筋だったので、かなり歩かれている様子です。
ほんの2~3分で着いた金比羅山のピークも、先程の531mピークと同様に、何の変哲もない樹林の中でした。
ただ、こちらには私製の山名標がありました。さすがに地形図に山名が書かれているだけはあります。
元の登山道に戻るべく、金比羅山で右に折れたら、こちらは踏み跡レベルに近い細い道になりました。
ほどなく前方に登山道が見えてきても、その合流地点も雑然としていて少々分かりにくかったです。
登山道側に出て金比羅山への踏み跡を振り返りました。分かりにくい代わりに、近くの樹木に金比羅山のプレートが括られていて(写真左上。上の写真の右端にもその裏側が写っています)、目印になっているようです。


金比羅山の先にある分岐点では、金比羅園地に寄って行くべく右の道へ。
ほどなく休憩舎やトイレなどもある金比羅園地に出ました。
すぐ近くには琴平神社も。
展望も決して悪くはなく、一応は都心側を見通せますが、邪魔になる高さまで枝を払ってくれているとはいえ、樹木の間からの眺めなので、あまり見栄えはしません。
明るくてベンチも多く、居心地の良い園地なので、ここで少しゆっくり過ごしていきます。ひとつモヤモヤさせられたのは、ここが金比羅園地なのか金比羅園地なのか、はたまた金比羅公園なのか、見る物によって表記が違っていたことで、だから正式名称がイマイチ不明なのですが、この記録では金比羅園地としました。
休憩後は琴平神社を背にして鳥居をくぐり、石段を下っていきます。
緩やかに下った先にもあずまやがあって、金比羅園地の中ではここからの展望が一番だったようです。
あずまやからの展望は、都心側の広い範囲を見渡せて壮観でした。この頃にはかなり気温が上がって過ごしやすくなっていて、早朝に戸倉城山にいた頃ほどクリアな眺めではなくなっていたけれど。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
もう少し下ると、今度は「展望台」が。
ただし、ここからは見られる方角が限られていて、「展望台」がすっかり名前負けしているように感じました。


展望台の隣で、金比羅園地を経由せずに下ってきた登山道と合わさったら、あとは武蔵五日市駅を目指して下るだけです。10時を過ぎ、歩いていると汗ばむ陽気になってきて、着たままでいたベストをここで脱ぎました。
その後もしばらくは、金比羅園地の中だからか、舗装された道が続きます。ここを歩くのは今回で3回目となるものの、前回が2009年なので当時の記憶なんてとっくに忘却の彼方、果たしてこんな道だったっけ?
途中の分岐点で「金比羅山まき道」なる道を合わせると、快適に歩けそうな山道に見えたので、次に来た時はそちらを歩きたいと思います(でもこの上で分岐を見た覚えはなく、どこで分かれて来たのかは謎でした)。
さらに進んで、明らかに園地から出たと思われる森の中に入っても、道は舗装されたままでした。
あとは駅までずっと舗装路かとガッカリした矢先で、「樽方面」への分岐が現れました。全くのノーマークでしたが、見るとそちらは山道ですし、地形図の通りならば、駅へも特段の遠回りになったりはしない様子です。
ということで、その「樽方面」の道へ。少々頼りなくはなるものの、良く踏まれた明瞭な道が続きました。
しばらく下った先の分岐点にもちゃんと道標が。ここを「武蔵五日市駅方面」の案内に従って左折します。
最後に小さな橋を渡って、市街地の外れに出ました。ここも金比羅山への登山口のひとつになるのでしょう。
あとはのんびりと車道を歩くだけです。
武蔵五日市駅に戻ってきたのは11時前。思惑通り、お昼時の比較的空いている電車で帰れそうです。


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