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金比羅山・鳶尾山・八菅山 [丹沢]

2022/05/20(金)

■第452回 : 金比羅山(213m)・鳶尾山(234m)・八菅山(225m)


この日の行先は、厚木市と愛川町にまたがる丘陵地帯。並行する2本の河川に挟まれた細長い丘を、南から北へ向かってほぼ端から端までたどり、超低山ながらプチ縦走気分を味わってきました。

実はほぼ同じコースは、 2010年2月 にも歩いたことがあり、今回はその時と歩く向きを逆にした上で、道の選択肢が複数あるところで前回とは少し経路を変えてみた、という具合になっています。

 累積標高差(登り):434m / 距離:8.4km / 歩行時間:2時間30分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
市営斎場入口 06:04-06:13 相模大野 06:26-06:46 本厚木
本厚木 07:02-07:19(延着07:28) 棚沢

(登山行程)
棚沢バス停     07:30
常昌院(手前)    07:40
山王社       07:50
金比羅社      08:00-08:05
金比羅山      08:10     (鳶尾山観光展望台)
鳶尾山       08:30-08:40
やなみ峠      08:45
八菅神社      09:15
八菅山(展望台広場) 09:25-09:40
八菅山(三角点)   09:55
幣山        10:15
角田大橋バス停   10:30

(復路)
角田大橋 10:40-10:57 田名バスターミナル 11:10-11:38 北里大学病院・北里大学
北里大学病院・北里大学 11:46-11:55 東通り


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

本厚木駅から乗ったバスを棚沢で下車します。バス停の周囲には住宅街が広がっていました。
でも、すぐにバス道路を離れて常昌院を目指すと、山に向かって歩くように。ここが常昌院の入口でしょうか。
奥にある本堂までは行かず、手前で右手に墓地が現れたら、写真右端の石垣に沿ってスロープを上がります。
スロープの先には階段が続き、墓地の端を登っていきます。このあたりの通路は墓参の方と共用なのでしょう。
墓地の最上部まで登ると、その先に山道が続いていました。バスを降りて約10分で山に入れたことになります。
常昌院の敷地との境界に沿った道を少し登ると分岐があって、左に分かれる道は常昌院の本堂あたりに通じているっぽい(入口の門が害獣対策用の電気柵で封鎖されていたので、普段は開放されていない様子でしたが)。
左手に続く電気柵が見た目には少々マイナスですが、道は良く整備されていて歩きやすいです。
登るにつれて勾配が上がっていき、大きな段差が苦しく感じるようになると、前方に何か見えてきました。
標高167mの小ピークに登り着くと、そこにあったのは山王社で、常昌院の社のひとつらしい。
常昌院のウェブサイトによれば、山王社からは相模湾や伊豆大島を望めるとあります。しかし、この日はどの方角も遠くは霞んでしまって、ほど近くにある海老名駅周辺のビル群が眺められる程度でした。


山王社の小ピークの先で一旦軽く下ったら、その後は緩やかに登っていきます。
しばらくの間、ほとんど息も乱れないくらいの穏やかな傾斜の道で、気持ち良く歩けました。
次の分岐点で、前回(2010年)のゴール地点だった天覧台公園からの道を合わせると、そのすぐ上(写真右上)に金毘羅社があるようなので、そこに寄っていきます。
金毘羅社には、見るからに新しそうな社や鳥居などが建ち並び、規模はささやかながらも、手入れが行き届いたとても小綺麗な空間になっていました。前回来た時ここは金毘羅社"跡"に過ぎず、満足な建物もなかった気がしたので調べてみたら、この神社には1650年の創建と伝わる古い歴史があり、1951年の焼失後そのままになっていたものが、2019年に再建されたばかりだとか。道理であるもの全てが真新しく見えた訳です。
金毘羅社を去り際に振り返ったところ。さほど広くはないけれど、開放的で居心地の良い場所でした。


金毘羅社のすぐ先で登り詰めたピークには、鳶尾山観光展望台が建っていて、結構な高さがあります。
――コースはまだ序盤なのに、この階段を登る途中で足がプルプルしはじめて、あまりの脚力の落ち方に愕然とさせられます。そこで、その後はなるべく丁寧に歩くよう心掛けていたら、以降は何も支障が生じずに、最後まで順調に歩き切れたのですが‥‥。
展望台に登ると、丹沢の山々が眺められて、丹沢山など主脈稜線上のピークもどうにか見えていました。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
展望台からは360度の展望があり、標識によれば東側に東京タワーや横浜ランドマークタワーが見られるはずのところ、この日はそこまでの眺めがなかったのが残念です。
このピークに山名標はなく、周辺の道標等でも「鳶尾山観光展望台」と書かれているだけですが、直下に金毘羅社があるからか「金毘羅山」という呼び名もあるようなので、この記事でもここを「金毘羅山」としています。


金毘羅山からの下りは、思っていたよりも大きくガクンと下る感じでした。
下り切ったあたりでは、採石場の脇を抜けていきます。
その先で登り返しが始まっても、最初に登るのが小さなコブで、またすぐ下る羽目に(まき道もありました)。
次の登り返しで、いよいよ鳶尾山を目指します。さすがに頂上に近付くと、やや急な登りもありました。
鳶尾山に着きました。今回のコースで唯一、しっかりとした山頂らしさのある地点です。
上の写真にも写っている、大きな句碑(左)と山頂碑(右)です。ところで、厚木市内の山なのに、小さな山には不似合いなほど立派に思える山頂碑が愛川町の製作によるものなのは、土地所有者が愛川町だかららしい。
そして鳶尾山には一等三角点があり、日本最古の三角点のひとつとして、その方面ではちょっと知られた存在です(写っている解説板にもそのことが記されていて、よく見るとこれも愛川町が製作したものでした)。
そこそこ広さのある山頂で、あまり多くはないけれど(4脚ほどだったかな?)ベンチも置かれていました。
ただし展望は今ひとつで、唯一開けている北側に高尾山などが眺められる程度だったでしょうか。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


鳶尾山から先になると、ゆったりとした道幅があって穏やかな勾配の道がしばらく続き、鼻歌混じりでも歩けそうな具合に。このあたりはサクラの木が並んでいて、満開の頃なら綺麗な景色も楽しめそうです。
5分ほど下って、舗装された車道に出たところが「やなみ峠」です。
やなみ峠に立っていた案内板です。前回来た時に案内板の上に据え付けられていた、「やなみ峠」と手書きされた標識は、2つに折れて大部分が地面に落ちていて、案内板の上には標識の下端部だけが残っていました。
やなみ峠からは車道の緩やかな下りが続きます。峠が厚木市と愛川町の境だったので、この先は愛川町に。
T字路に突き当たると、向こう側はもう「八菅山いこいの森」のエリア。正面の木段を上がれば八菅山に早く登れますが、前回スルーしていた場所に今回は寄りたかったので、T字路を右折してさらに車道を進みます。
川沿いを下った先は山麓の集落で、山から一旦は下り切った形に。次の八菅山へは改めて登り返す具合です。


集落に入ると間もなく、左手に八菅神社の鳥居が現れるので、下をくぐって境内へ。
鳥居のすぐ先には鐘楼と宝物館があり(手前には社務所も)、それらを左手に見ながら参道を進みます。
八菅神社は拝殿が山の上にあり、参道もはじめから登り坂。奥には急な石段が控えているのが見えてきます。
参道脇では、推定樹齢300年という大ケヤキがどっしりとした存在感で参拝者を見守っていました。
ここから約300段の石段を登ります(左には大回りするスロープもあり、往復なら下りはそちらが良いかも)。
石段は途中でスロープと交差します。そこで登ってきた石段を振り返ると、急だけに目が眩みそうでした。
石段を8割ほど登ったあたりに平坦地があって、手水舎などがここに置かれていたほか‥‥、
「八菅山いこいの森」全体の案内図と、「八菅修験ハイキングコース」についての解説板がありました。後者がこれから歩くコースで、その起点が到着目前の八菅神社になっているのです。
平坦地まで登ってくれば、石段も残りわずかで、石段の先には拝殿が姿を現しました。
八菅神社の拝殿は、古くからの信仰の聖地で修験道の一大拠点だったらしく、山の中にありながら立派な構えをしています。ただ、ネットでは詳細な情報が探せないので、確かなことはあまり分かっていないのかも。


八菅神社からは、拝殿の左奥へと続く道を、「八菅修験ハイキングコース」の案内板に従って進みます。
その先は「八菅山いこいの森」として整備されたエリア。歩くのも尾根道とはいえ舗装された遊歩道です。
ほどなく差し掛かる「お花見広場」は、明るく開けた気持ち良く過ごせそうな場所で、ヤマザクラの木が多く春先の景色も見てみたかったです。広場には11種類のアスレチック器具のほか、端にはトイレもありました。
緩やかな遊歩道を登って「八菅山いこいの森」の一番奥まで進むと、右手に「展望台広場」が現れます。
こちらの展望台はさほど高くありませんが、地上では樹木が妨げている展望を、登ればちゃんと楽しめます。
といっても、この日のどんよりとした空では、クリアに見渡せるのはお隣の相模原市くらいまで。その中で、小田急沿線の各駅はビル群が目立っていたり、同じ方向に特徴的な工業団地の建物があったりして分かりやすかったのに対して、JR横浜線の沿線はこの距離からでもどの駅がどのあたりなのかを見分けにくかったです。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
展望図は下の地面にあって(設置時はここから見えたのか?)、東京都心や横浜・川崎などが眺められる模様。
展望台の奥には休憩舎があったので、ここで帰りのバスへの時間調整を兼ねて、少し足を休めていきました。
休憩舎の脇から展望台広場を振り返りました(展望台は右端で樹木に隠れ気味)。この広場が「八菅山いこいの森」の中で最も高い場所で、地形図によれば標高は205m前後。少し先に標高値が225mの三角点があるからか、この展望台広場の標高を225mと書いている雑な紹介文が各所に見受けられますが、それらは誤りです。


「八菅山いこいの森」として整備されたエリアは展望台広場まで。尾根道も、その先は山道に変わります。
とはいえ、いくらかでも尾根道っぽい風情を味わうことができたのは、ほんのわずかな間だけでした。
間もなく尾根道の左側にゴルフ場が広がるようになり、尾根道にその管理道が合わさってくると、あとはもう未舗装の車道を歩くばかりになって、尾根道らしい趣はあらかた失われてしまいます。
車道を進むと間もなく「405」と書かれた標識が。2010年に見ていた目印は、今も変わらずに立っていました。
「405」標識の脇から細い踏み跡に入ると、すぐにこのような分岐が。でも直進側はすぐ先が藪っぽく見えたため、最初はここを分岐とは捉えておらず、良く踏まれていてピンクテープの誘導もある左折方向に進みます。
ところがその道は、右手側の高まりには近付かず、そのうち下り始める始末(どこに出る道なのだろう?)。
なので途中で、右手側のこんな斜面を適当に登る羽目になりました。距離はいくらもなかったけれど。
そうして着いたのが、225mの三角点「幣山」です。三角点の周囲だけ藪が払われているような印象でした。
三角点背後の明るく写っているあたりは崖で、すぐ下に先程歩いて通った車道があります。また、右奥が3枚前の写真の分岐方向ですが、ここからもその方向が藪っぽく見えたので、そちらへ進まずに来た道を戻りました。
なお、この三角点の地点も、この一帯の最高点ではなくて、八菅山の標高を225mとするのも不正確なのかも。
※そもそも、どこを八菅山の山頂とするのが妥当なのかが、調べても判明しませんでした。一般的には「八菅山いこいの森」で一番高い「展望台広場」が山頂とされているようで、整備されたエリアがそこまでである以上、それが合理的なのかもしれません。


尾根筋の道に戻ると、その先もわずかな登り勾配の道が続きます。
左手に送電線鉄塔が現れるあたりがこの一帯の最高点で、最新の測量では標高236m。従って、もしこの丘陵全体を八菅山とするのなら、八菅山の標高も236mで解決なのですが、それが適当かどうかは微妙でしょうか。
尾根筋を歩くのはここまでで、送電線鉄塔の向かい側に、幣山集落へ下る道があります。2010年にも歩いた道ですが、歩く人が余程少なかったのか、その後は荒廃して廃道同然と化し、一旦は通行困難な状況になっていたものを、2021年春頃までに再整備して、「八菅修験ハイキングコース」の一部として歩けるようにしたらしい。
再整備から間もないこともあってか、細いながらもしっかりした道。上部は勾配も緩やかで歩きやすいです。
下るにつれて傾斜がきつくなってきても、木段が整備されていたりして、概ね問題なく歩ける道でした。ただ、中には少々足元が不安定な箇所もあったりしたので、雨後など条件の悪い時には避けた方が良いかも。
竹林の中を進むようになると、集落までの距離もあとわずか。
山林を抜けて畑地に出る手前で、動物除けのフェンスに行く手を阻まれました。2010年に歩いた時は、直進方向が経路だったのに対して、現在はここから左に迂回するようになっていて、コースが変えられたようです。
なのでフェンス沿いを進んで、少し離れた出口へ。その間は倒木などの障害物が多くて歩きにくかったです。


扉を開閉して畑地に入れば、そのすぐ先で幣山集落に迎えられます。
小さな集落なので、集落内をいくらも歩かないうち、意外に交通量の多い2車線の車道に突き当たります。
2車線の車道に出てきて振り返ったところです(写真右端の細い道から出てきました)。
2車線の車道を歩道のある側に渡って、同じように振り返りました。ここが「八菅修験ハイキングコース」への入口なのに、なぜかそれに関する案内が全くないのは不親切に感じます。
    ※下の写真にマウスを乗せると、角田大橋側から歩いてきた場合の経路を重ねて表示します。
※最近の再整備によるコースの変更はまだ地形図に反映されておらず、ヤマレコなど登山関係のサイトでも当面は旧コースの情報のほうが目に付きやすい状況に思われるので、それらを参考に歩く方が間違えないよう、ここに案内があるのが望ましいでしょう。


幣山集落の最寄りのバス停がある角田大橋へは、この道路を歩いて15分ほどです。
中津川に架かる角田大橋を渡り、その先で県道54号(相模原愛川線)に突き当たれば、バス停は左折してすぐ。
ゴールの角田大橋バス停。このあと、路線バスだけを3本乗り継いで帰宅しました。なお、相模原市内の自宅へ向かうにはこのバス停が好都合だったのですが、ここからだと鉄道の駅へ直接行けるバスが出ていないため、例えば小田急線の本厚木駅へ向かおうとしたら、もう少し歩いて田代バス停を目指すなどする必要があります。

さて、コースの序盤で早くも足がガクガクした時は少し慌てましたし、あとは問題なく歩けたとはいえ、足には現在の力量以上の負担がかかっていた感触があり、案の定その日の夜から翌日にかけて、軽い筋肉痛が出てしまいます。超低山かつ距離も短めのこんな易しいコースで筋肉痛なんてと、脚力の衰えを痛感させられました。こんな調子では大きな山に登れそうもなく、初心に帰って、少しずつ脚力を取り戻していくしかなさそうです。

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