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城ヶ崎自然研究路・大室山 [伊豆]

2018/03/31(土)

■第379回 : 城ヶ崎自然研究路・大室山(580m)


この日歩いてきたのは、海・山・花と盛り沢山の見所を詰め込んだ欲張りなコースです。
城ヶ崎海岸駅から歩き始めた途端、満開の桜並木にお出迎えを受けたのを皮切りに、海岸沿いの遊歩道では、変化に富んだ城ヶ崎海岸の景色を満喫、そして一番の楽しみだった伊豆高原桜並木がドンピシャの最盛期で、圧倒的な華やかさに魅了された後は、大室山の頂上でお鉢めぐりからの360度の展望を楽しんでいます。
(見事な満開がずっと続いていた伊豆高原桜並木)

 累積標高差(登り):901m / 距離:14.6km / 歩行時間:4時間30分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:15-05:19 町田 05:34-05:54 本厚木
本厚木 05:56-06:33 小田原 06:45-07:08 熱海
熱海 07:22-07:49 伊東 07:50-08:08 城ヶ崎海岸

(登山行程)
城ヶ崎海岸駅     08:15
ピクニカルコース入口 08:40
門脇灯台       09:00-09:05
蓮着寺        09:30-09:40
対島の滝       11:10
八幡野漁港手前    11:30   (城ヶ崎自然研究路終端)
伊豆高原桜並木    12:15   (高原中央バス停付近)
シャボテン公園バス停 13:05
(大室山リフト乗車)  13:35-13:40
大室山お鉢めぐり   13:40-14:00
(大室山リフト乗車)  14:05-14:10

(復路)
シャボテン公園 14:11-14:50 伊東 15:21-15:44 熱海
熱海 15:49-16:11 小田原 16:27-17:19 相模大野
相模大野 17:28-17:43 市営斎場入口


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

今回の下車駅は、伊豆急行線の城ヶ崎海岸駅。同じ電車から降りた乗客は十数人程度で、駅前は静かでした。
駅前からすぐに始まる桜並木は、事前に得ていた情報通り、ちょうど見頃を迎えているようでした。
すぐにバス道路を横断します。海岸沿いの遊歩道の入口には、バス道路を経由するほうが近いので、桜の時期でなかったら左折するところですが、さすがに満開の桜をスルーしては勿体なさ過ぎるので、もちろん直進です。
交差点を直進して別荘地内に入ると、桜並木はそこからが核心部でした。
満開の桜が見事です。2~3日前にはすでに満開を迎えていたらしく、散り始めのものがいくらか混ざっていたようで、風が吹けば桜吹雪がきれいに舞ったりして、すごく風情がありました。
この時間は、ほぼ太陽に向かって歩く具合になり、進行方向が逆光になってしまうので、写真は振り返って撮るほうが明るい仕上がりになりました(以降の写真も何枚かは振り返って撮っています)。
別荘地ということから、大々的には宣伝されていないらしく、ここを歩く人はまばらで(まだ早朝だったこともあるのかもしれません)、車もほとんど通らず、この景色をのんびりと愛でながら歩くことができました。
事前に見てきた案内図で、桜並木が別荘地の途中までとなっていたのに対して、実際には別荘地内はずっと桜並木が続いていたので、かなり長い間楽しめています。
ほぼ真っ直ぐだった道路は、別荘地の末端で右カーブに差し掛かります。このまま道なりに進んでも、目的の遊歩道には出られるのですが、その場合は遊歩道の途中から入る形になってしまうので、この先を左折します。
左折してしまう前に、歩いてきた桜並木を振り返りました。
その後はクネクネと、予め地図を見て決めておいた最短距離の道順で進み、二車線の道路に出たら左折します。


ピクニカルコースの入口には、目印となる石標が目立ちすぎるくらいの大きさで立っていました。
海岸沿いを進むコースなので、左手には海が見えていることが多くなり、潮風を感じながらのハイキングに。
ところによっては、海岸線の近くまで降りてくることもあります。
「ぼら納屋」の前を通過します。伝統的なぼら漁のための建物が、現在はそのまま食事処になっていました。
路面は概ね簡易的な舗装がされていて、歩きやすさは万人向けの遊歩道といった感じ。ただ、登ったり下ったりが思っていた以上にあり、階段の昇降が結構多かったので、体力面も考慮すると健脚者向けでしょうか。
変化に富んだ海岸線と、海の青さが美しかったです。


道の整備状況は良好で、途中には東屋もありました。
東屋の前では海側がいっぱいに開けていて、大海原が一望できました。写真の先に浮かんでいるのは大島です。
城ヶ崎海岸は、この日最後に登る大室山が約4000年前に噴火した際の溶岩流が、その後の風波の浸食を受けて、断崖絶壁や深い入り江など千変万化な海岸線を形作ったものだとか。そのため、見ていて飽きない風景が続きますが、地形が複雑なゆえに高度を一定に保って歩くのが難しくて、アップダウンが多くなっているのでしょう。
行く手に小さな吊り橋が現れると、その先に門脇灯台が見えてきました。


高さ約25mの門脇灯台は、地上17mの展望台まで登ることができます。さらに、近くを車道が通っていて駐車場もあり、遊歩道を歩かなくても手軽に来られるからか、灯台の周辺だけは人が多かったです。
展望台まで上がってみましょう。灯台内部には階段が2系統作られていて、登り下りが分離されていました。
門脇灯台の展望台からの眺めです(窓からの眺めにつき、ワイヤー入りのガラス越しとなりました)。こちらは歩いてきた方向で、コースは写真左端の植生があるあたりを通っていました。
こちらはこれから進む方向で、この海岸沿いをさらに6km以上歩く予定です。
そして山側を向くと、最後に向かう大室山が見えていました(写真中央の薄緑色をした富士山型の山です)。
門脇灯台から先も、海岸線近くに下りたかと思えば‥‥。
すぐに登り返したりというのが何度か繰り返されます。この区間は、遊歩道を軽く歩くくらいのお気楽な心構えでいたのに、すでに足には思いのほか疲労感が生じていました。


ピクニカルコースが終わると、「ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン」の前に出ました。
その先、城ヶ崎自然研究路の入口までは、少し車道を歩くことになりました。
ほどなく伊豆海洋公園の前を通ります。ここのダイビングセンターはダイバーに人気らしく、まだ朝早いのに園内にはダイビングスーツ姿の人がたくさん。そういえば伊豆急線の車内にも、それっぽい乗客が結構いたなぁ。
車道歩きは蓮着寺の手前まででした。


蓮着寺の境内に入ります。日蓮ゆかりの寺ですが、自身による建立ではなく、開山は日蓮の死後約200年です。
広い境内には、私のほかに誰もいません。閑かさの中で石段を上がり、本堂でお参りしていきました。
本堂前にあった日蓮上人像です。鎌倉幕府から流罪とされた日蓮は、しばらくこの地方に謫居していたらしい。


城ヶ崎自然研究路は、蓮着寺の境内から始まっていました。この標識に従ってコースに入ります。
すぐに蓮着寺の奥の院の前に出ます(なぜか奥の院の写真は撮り忘れ)。洋上に浮かんでいるのは伊豆大島。
奥の院を過ぎると、ようやく土の道に変わりました。ここから先は、普段の山歩きに近い感覚で歩けています。
以降は海岸から離れて歩くことも多くなりますが、時折こうして、海を見渡せる地点への道が分岐します。
上の写真の分岐道の先にあった「灯明台」という場所から見た景色です。縮小写真では識別できなくなりましたが、奥に写っている門脇岬には先程訪れた門脇灯台が見えていたので、それがこの地名の由来だと思われます。


海岸線が入り組んでいるだけに、見られる景色もバラエティに富んでいて、変わった名前の付いた地点を次々と通過します。そんな中、解説板による説明付きの「にちょう」という地点に来ました。
そこには、海岸に達した溶岩流が冷えて固まる過程でできた、大きな亀裂がありました。
「にちょう」の亀裂は、かなりの高さがある陸地内にまで深く切れ込んでいて、そこをほぼ真上から覗き込んだところです。落ちたらまず助かりそうもない高さがあるので、ちょっと足がすくみました。
ここは「いがいが根」と名付けられていて、名前の通り、イガイガした棘のような岩が折り重なっていました。
その後は平坦に近い道がしばらく続き、快調に歩を進めることができた一方で、視界が遮られることが多くなってしまいます。それでも海岸に打ち寄せる荒波の音はずっと聞こえていて、間近に海を感じながら歩けました。
そんなわけで、時折こうして海側が開けても、高巻いた道から見下ろす感じの眺めが続きました。
相変わらず、海岸へ向かうらしい道への分岐が頻繁に現れますが、随分な高度差を行き来する羽目になりそう。足には既に結構な疲労感がある上、最後には大室山への登りも控えているので、分岐は全てスルーしました。
ここなどは、柱状節理の見本になりそうな景色でした。海中に流れ込んだ溶岩が急激に冷やされたのでしょう。


しばらく穏やかだった道も、コースの後半に入ると再び起伏が激しくなります。この頃には私自身の疲労も進んでいて、次第に階段がすんなりとは登れなくなるなど、登りではガクンとペースが落ちるのを実感しました。
さらに進むと、対島の滝展望台への分岐が現れました。ここは小さく下るだけのようですし、入ってみます。
対島の滝は、溶岩台地上を流れる対島川が城ヶ崎海岸に直接落下する、なかなか豪快な滝でした。ここは、対島川の水量が少ない時は滝のように見えないらしいので、ちゃんと流れ落ちるさまが見られてラッキーでした。
上流側を見ると、そこにも小滝が連なっていて、全体を大きな滝として見ることもできるようです。


対島の滝からコースに戻ると、すぐに橋立吊橋が現れました。
橋立吊橋は全長60m。頑丈に出来てはいますが、その長さゆえ、結構揺れました。
橋の上からは、太平洋を一望することができました。こちらは橋の真ん中付近から進行方向を見たところです。
渡り終えた橋立吊橋を振り返りました。
その後も比較的大きなアップダウンが最後まで続き、単に海岸線を歩いていただけなのに、それなりの山をひとつ登り下りしたくらい、足には疲労が溜まっていました。城ヶ崎自然研究路を侮ってはいけなかったようです。
最後は割と唐突に民家の脇に出て、そこで城ヶ崎自然研究路はおしまいでした。


八幡野漁港の手前で、集落に入るところを右折して、ここからは伊豆高原の桜並木を目指します。
急坂を伊豆急線の線路脇まで登ると、その先に最終目的地の大室山が見えてきましたが、まだ遠い眺めでした。
それから国道に入ると、途中にマックスバリュ伊豆高原店があったので、ここでトイレ休憩させて頂きました。
※城ヶ崎自然研究路の案内図には、国道に出る手前あたりに、トイレがある施設として八幡野コミュニティセンターが書かれていたのですが、それを見つけられないまま国道に出てしまったので(帰宅後にGoogleマップで確認してもその所在が良く分からない‥‥)、自由に入れるこのスーパーの存在は有り難かったです。
さらに国道を進むと、いよいよ前方に目的の道との立体交差が見えてきました。
この階段を上がれば、伊豆高原駅前から始まる「伊豆高原桜並木」に出られます。桜の木も見えていますね。


今回の行程で一番の楽しみにしていたのが、この伊豆高原桜並木です。
約3kmにわたって続く伊豆高原桜並木を会場として、先週末から明日にかけて「伊豆高原桜まつり」が開催中。今年はそこに見頃のピークがピッタリとハマッたようで、多くの見物客が繰り出していました。
道路の両側に、桜の木が全く途切れることなくずっと続いていて見事です。
結構交通量の多い道路なのですが、時折車が途切れるタイミングを狙って、車道からも撮ってみました。
一貫して登り坂が続くので、次第に汗ばんできます。そのためか、歩いている人の数は、登るにつれて減ってきているように感じました。同じような景色が続きますから、そりゃ途中で引き返したくもなりますよね。
桜並木は、高原中央バス停付近で左折方向にも分岐します(この写真はその左の道に少しだけ入ったところ)。実は最も濃密な桜のトンネルはこの先にあって、だから人や車の流れも完全にそこを目指しているようだったのですが、私が向かっている大室山からは離れてしまう方角になるので、今回はこの道には入りませんでした。
ということで、左折の道を見送って直進すると、あからさまに人も車も数がガクンと減りました。
それでも桜並木の見事さは変わらずに続いていて、見物客が減った分、落ち着いた雰囲気の中で楽しめるようになります。その反面、坂の傾斜は一段とキツくなって、登るのは辛くなってきました。もう汗が止まりません。


長く続いた桜並木が終わると、道路脇の建物も少なくなって、左手には最終目的地の大室山が姿を現しました。
大室山は頂上部でリフトの営業があり、その区間は徒歩での登山が禁止されているため、最後の標高差約140mは自分の足で登ることができず、一般的には登山の対象と考えられていないと思われます。
でも今回、海抜ほぼ0mの城ヶ崎海岸から、リフトがある標高約400mまでは、自分の足で登ろうとしていて、現在はその途上にあります。まず先に登山口まで車などで上がっておき、そこから上を歩いて登る普通の登山と比べると、その順序こそ逆転しているものの、リフト区間の約140m以外はすべて自力で登っている訳です。
これは、標高580mの山に、標高140mの登山口があると仮定してそこから登るのと意味合いは変わりませんから、大室山への「登山」だと堂々と言えるのではないでしょうか。とはいえ、歩いた区間がすべて車道だったという点において、登山のイメージからかけ離れた内容になってしまったのは正直なところ否めませんが‥‥。


さらに坂を登り、大室高原エリアの入口まで来たら、別荘地の案内図が立つ地点を左折して細い道に入ります。
別荘地内に入ると、正面に捉えた大室山に向けて、いよいよ勾配が急になりました。局所的には車道であることが信じられない程の激坂も出てきます。この日は、前半の城ヶ崎自然研究路を歩き終えた時点でもう、かなり消耗が進んでいたので、そこからさらに400m近く登った挙句のこの急坂に、何度か心が折れそうになりました。
二車線の道路を横断する地点まで来ると、いよいよ大室山が間近に迫ってきました。山体が一年生の植物によって均一な緑色に染められて、それ以上の丈の植物が見られないのは、毎年冬に山焼きが行われているからです。
その後も容赦なく傾斜を増した別荘地内の激坂を登り、ヘロヘロになった頃、大室山の外周道路に出ました。
最後は大室山の斜面を左に見ながら登ります。少しは傾斜が緩んだものの、なおも続く登り坂に、もう汗だく。


ようやく、大室山のリフト乗り場が近付いてきました。誰もがここまで車で来ていて、風がやや涼しいので上着などを羽織っている中、私ひとりだけ半袖なのに大汗をかいて肩で息をしているのが違和感ありまくりです。
リフト乗り場の前まで来ると、そこには長蛇の列ができていて、最後尾に並んでからリフトに乗れるまでに、実に30分を要しました。人混みや混雑が嫌いなので、旬なものを旬の時期に合わせて見に行くような真似を、普段の私は滅多にしないのですが、それを今回はしてしまったことをちょっとだけ後悔しています。
列に並ぶこと30分、間もなくリフトに乗れそうです。
約6分間の空中散歩を楽しみながら、大室山の頂上部へ。


さて、ここで大室山の空撮写真をお見せしたいと思います。こんなものが自分で撮れるはずもなく、当然拾い物なので少し躊躇しましたが、やはり言葉で書くよりも見て頂くのが早いので載せてしまいました。
大室山は約4000年前の噴火によって形成された円錐台状の丘で、手前側の山腹に見られる筋状の部分が、リフトの施設に当たります。最高点はリフトの山頂駅から火口壁を伝った反対側(この写真では火口の奥側)です。


リフトから降りたら早速、大室山の火口壁を一周する“お鉢巡り”を始めます。どの方向も視界を遮るものが一切なく、大展望を得ながら歩けるのが、物凄く気分爽快でした。彼方の洋上に浮かんでいるのは伊豆大島です。
北側を眺めてみると、伊東市街や一碧湖、初島などを見渡すことができました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
東側に目を移すと、シャボテン公園を見下ろす先に、小室山の小さな頂が見えていました。
深さ約70mのすり鉢状の噴火口跡は、アーチェリー場になっていました。
大室山の頂上は、リフトの駅の反対側にあって、リフトの駅よりも40mほど高く、これはその最後の登りです。
登って来た道を振り返りました。


大室山の頂上に着くと、そこには三角点がありました。
三角点を少し過ぎた所には、大室山の解説板が立っていて、それが展望盤も兼ねていました。
その南側の展望です。結構雲が出ていた割には、天城山の万二郎岳がちゃんと見えていました(天城山最高峰の万三郎岳は、遠笠山に前を遮られて見えていません)。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
頂上から、アーチェリー場がある噴火口跡越しに、リフトの駅を振り返りました。
頂上からの下りです。なお雲が多かった西側は、下でリフトの列に並んでいた頃まで見えていた富士山がその雲の中に入ってしまったりしていて、この時は写真を撮るほどの眺めがありませんでした。
このあと、下りのリフトでも駅前にも短い列ができていて少し待たされたりして、乗ったリフトが山麓駅に着く前に乗ろうとしていたバスがバス停に入っていくのが見え、リフトから降りたら一目散に走ってそのバスにギリギリ間に合いました。ということで、最後にバスに乗ったシャボテン公園バス停の写真は取り損なっています。

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三室山(通矢尾根から) [奥多摩]

2018/03/17(土)

■第378回 : 天王山(351m)・細尾山(457m)・三室山(646m)


花粉の飛散がピークを迎えたこの時期、山の中でガッツリ過ごす気にはならなかったので、この日は軽く歩いて済ませようと、近場の奥多摩へ。バリエーションルートの通矢尾根を、その末端近くの白山神社から三室山まで登り詰めたら、その後はとっとと青梅側に下ってきてしまうという、距離的には割とお手軽なコースです。

とはいえ、通矢尾根は未整備なだけに厳しい急登が断続的に現れて、体力的には決して楽ではなく、また、かなりマイナーなルートであっても私製の道標を見掛けることが多くなった昨今において珍しく、ここには未だに道標類を一切見ないなど本来の「バリエーション」らしさが留められていて、いくらかの緊張感も味わえました。

 累積標高差(登り):841m / 距離:10.3km / 歩行時間:3時間35分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:27-05:49 八王子 05:51-06:03 拝島
拝島 06:05-06:09 福生 06:15-06:38 大久野中学校

(登山行程)
大久野中学校バス停 06:45
白山神社      07:15-07:20
天王山       07:25
檜山路峠      07:50
細尾山       08:35-08:40
肝要峠       09:10
三室山       09:55-10:05
琴平神社      10:15-10:20
下山八幡神社    10:40
梅郷バス停     10:45

(復路)
梅郷 10:45-11:01 青梅 11:06-11:23 拝島
拝島 11:31-11:42 八王子 11:50-12:02 橋本
橋本 12:05-12:15 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

今回は、珍しく福生駅からバスに乗ります。武蔵五日市駅行きの始発便は、こんな早朝にもかかわらず乗客が10人以上いて、しかも長距離の利用も多く(なぜか大半は外国の方でしたが)、そこそこ盛況でした。
大久野中学校で下車します。3つ先がもう終点の武蔵五日市駅なので、逆行便を利用する方が安上がりなのですが、その場合は到着が30分ほど遅くなります。普段なら気にしない程度の差なのに、今回敢えて交通費に目をつぶってでも早い乗り継ぎを選んできたのは、なるべく花粉の飛散が少ない時間に歩きたかったからなのでした。


車道を2~3分も歩くと、右手に幸神神社が見えてきました。
幸神神社で軽くお参りしていきます。
幸神神社のお隣にある大久野幼児園はちょっとユニークで、木造で雰囲気のある建物と、庭に並んだ木製の机や椅子に、自然の温もりが感じられました。ここで過ごす子どもたちは、感性豊かに育ちそうな気がします。
大久野幼児園のすぐ脇には細い川が流れていて、それを小さな橋で渡ります。
橋を渡って車道に出たら、道なりに直進します。空き地の満開の梅からは、甘い香りが漂っていました。


2車線の道路を横断した先に「白山神社入口」の石柱がありました。すぐ近くには新井バス停があり、武蔵五日市駅からつるつる温泉行きのバスを利用して、このあと紹介する道を歩く場合は、そこで降りるのが近いです。
登り坂に変わった道を少し進んだのち、左手に見えてくるこの木柱が示す細い道に入ります。
細い道は数軒の住宅の間を抜けるとすぐに終わり、その先に白山神社の参道が現れました。
通矢尾根を歩く際、尾根の末端にある白山神社までは、車道を歩いて上り下りするのが一般的です(その場合、「萓窪」が最寄りのバス停になります)。しかし地形図を見ていて、麓から白山神社への山道が書かれているのを発見しました。そこを歩いた記録を探しても全く見つからず、どんな道なのかは不明なものの、Googleマップのストリートビューで上2枚の写真にある「白山神社入口」の標柱が確認できたので、今も歩ける状態にありそうです。ならば、車道よりも気持ち良く歩けそうな山道を選ぼうと、このコースで計画を立ててきたのでした。


白山神社の参道は、はじめこそ石段でしたが、やがて山道に変わりました。
道の状況によって、部分的に石段の箇所があるものの、概ね山道を歩けたので、この道を選んで良かったです。
最後のほうで、寺山竹の子園のあたりに出ると、そこからは車でも通れそうな道に変わりました。


萓窪から登ってきた車道に出ると、ほどなく白山神社の鳥居の前に出て、少し奥には社務所も見られます。
白山神社の社務所前からは、都心方向が眺められました。大した眺めではありませんが、この日のコースは見晴らしの良い地点がほとんどなかったので、これでも貴重な展望です。
白山神社では、ちょうど神職の方が境内を掃き清めているところ。綺麗になったばかりの石段を登るのは清々しくて、ちょっと得をした気分になります。拝殿の前で神職の方に軽くご挨拶して、参拝をすませました。
白山神社の裏手で車道に出ると、その向かい側に少しだけ組まれた石段が見えてきました。何も案内はありませんが、ここが通矢尾根の山道への入口で、いよいよバリエーションルートの尾根歩きが始まります。


ところが、意外にも道はすこぶる明瞭で、これは相当に歩かれているなぁ、という印象でした。全然バリエーションルートらしからぬ雰囲気に、大いに拍子抜けしてしまいます。
5分ほどで着いた351mピークには、良く手入れされた小さな祠があり、その周囲もきれいに整っていました。
351mピークには「日の出山の会」の小さな赤い杭が設置されて、現在地を天王山としていました。同じ杭は、昨年5月に西隣のロンデン尾根を歩いた時にも見ているので、この山域を精力的にカバーしているようです。


あれ、歩きやすい道だと思っていたら、天王山から先は途端に道が頼りなくなりました。つまり、良く踏まれていたのは天王山までだったのです。ここからは想像ですが、整然としていた天王山の祠は白山神社と関連があって(奥社である可能性が高いかも)、神社の方が手入れのため頻繁に通ってきているとかではないでしょうか。
以降は、か細い踏み跡レベルの道が続きます。やっぱり、バリエーションルートはこうでなくっちゃ。道案内も皆無なので、時折現れる分岐では、進路は全て自己判断となります。割と単純な地形の尾根のため、登りでは道の選択を迷いませんでしたが、分岐点を振り返った時、下りだったら間違えそうなのが2箇所ほどありました。
そして峠が現れると、そこへ下る急斜面がもう道の体をなしていません。写真は下ってから振り返ったもので、距離が短いことと、補助ロープにも助けられてどうにか下れたものの、ロープがなければ結構危なかったかと。
明瞭な道が越えていた峠にも、「日の出山の会」の赤い杭があって、現在地を檜山路峠としていました。
そして檜山路峠は、登り返しも見上げるような急斜面で、さらに地面が脆いので難儀しました。しかも、先程の下りが短かったのに対して、今度はかなりの高さがあり、所々で這うようにして、どうにか登り切っています。
ヤレヤレと思ったのも束の間、またも急すぎる斜面が出現、再び地面に手を付いたりしながら登ります。まだ登りだから急でも何とかなったものの、この尾根を逆コースで下るのは、かなり厳しいのではないでしょうか。
その後はほぼ平坦な道が当分続いて、小刻みな登り下りが大半を占めたこの尾根で、珍しく平和な区間でした。


369mピークを通過します。「日の出山の会」の赤杭を見ても現在地名の記載がなく、ここは無名峰らしい。
その赤杭に、この尾根が「通り矢尾根」と書かれていたお陰で、正しい読み方が分かりました。ただ、ネットを検索しても、送り仮名付きの表記はほとんど定着していないようなので、この記録では「通矢尾根」とします。
林道と交差する地点に出ました。通矢尾根は尾根沿いに山道と林道が並走していて、この先にも林道との出合いが2回あります。ここでは林道に出た地点に「日の出山の会」の赤杭があり、逆コースで下る際に山道の入口の目印になるようです。一方、少し林道を歩いて再度山道に入る地点には、目印的な物は何もありませんでした。
林道の路肩には、マンホール型の四等三角点がありました。
山道の続きはまたも急登。でもここは2本足で普通に歩けたので、それほど厳しい傾斜でもなかったのですが。


唐突に、山道が十字路状に交差する地点が現れて、ベンチと道標が目に入ってきました。ここまで、道案内の類を一切見ずに歩いてきたので、急に整備された登山道っぽい雰囲気に変わったことが違和感ありまくりです。でも道標を見ると、案内されているのは交差する山道のほうだけで、今歩いている尾根道は完全に無視されていました。日の出山荘からのハイキングコースが、たまたまここで尾根を越えるルートになっているのでしょう。
左手を見ると、すぐ下に林道が通っていたので、先程のハイキングコースは概ね林道を歩く具合のようです。
この分岐点は、登りでは間違えようがなかったのですが、通過後に振り返ってみて、もしも逆コースで歩いていたら確実に間違える自信がありました。そしたら一体どこに下ってしまうのだろう?(日の出山荘あたりかな)
  ※下の写真にマウスを乗せると、道の様子を補足説明します。
457mピークの細尾山は、ほとんど人の手が入っていない様子で、周囲と何も変わらない森の中の1地点です。
細尾山にあったものは、上の写真の祠のほかは、この「日の出山の会」の赤い杭だけ。ここは前後に巻き道があり、巻き道のほうが明らかに良く踏まれていたので、立ち寄っていく人は少ないようです。


さらに進むと、2つの林道が合わさるT字路の少し手前の地点に出ました。ここも先程あった林道との出合いと同様、山道から林道に出た地点に「日の出山の会」の赤杭があったので、下る人にとって山道の入口が分かりやすいように、という設置の意図が窺える気がします(専ら下る人の便宜が図られているところをみると、この尾根は下りで歩く人のほうが多数派、ってことなのでしょうか? でもそれだと崖のような急斜面を何度も下ることになり、大変どころか危険にすら思われるので、この尾根は登りで歩くほうが無難な気がします)。
T字路には珍しく道標が立っていて、今歩いてきた方向を示していました。といっても、未整備の尾根道が一般向けに案内されているはずがなく、林道を下っていくと、先程交差したハイキングコースに繋がるのでしょう。
T字路付近で、車を3台ほど見掛けました(直後に2人組のハンター(らしき方々)と会ったので、一部はその方々の車だった模様)。それはともかく、この左手の斜面に、とても道があるようには見えないのですが‥‥
なんと、ここを登るのが正解なのでした。ヤマレコの「みんなの足跡」を見て、この地点に登り口があると知っていなかったら、とてもこんな所が道だとは思わなかったでしょう。ここも取り付きは急な崖でしかなく、登り出しなどは、生えている草を掴み、それを手掛かりに体を引き上げる具合だったので、下るのはヤバそうです。


しばらく進んで、みたび林道と出合うのが肝要峠です。ここには、尾根を進む2本の道(山道と林道)のほか、峠越えの山道を加えた計3本の道が一堂に集結して、6差路になっています。このうち道標が道案内をしているのは林道と肝要へ下る道だけで、尾根通しの山道はここでも存在が認められていないような扱いでしたが、これまで同様、下る人にとって山道の入口となる地点には、「日の出山の会」の赤杭が埋められていました。
肝要峠では本当に林道を横断するだけで、すぐに向かい側の山道(ちょっと隠れた位置にあって、北東側へ下る道に少し入らないと見つからない)に取り付くと、その先にも急登が待ち構えていました。
しかもこの急登が、ここでは少し長く続きます。途中にはこの通り補助ロープが下がるような場所もあって、逆コースで下る場合には転げるような急坂に感じるのではないかと思われました。


送電線鉄塔の脇を通過する地点まで来て、南側の景色を少し眺められたのが、この尾根での唯一の展望でした。
その後は道幅が広がって、しばらくの間は歩きやすい道が続きましたが‥‥
それは登山道が送電線巡視路と重なっていたからで、ほどなく巡視路を分けると、また細い道に戻りました。
通矢尾根の最上部まで登り詰めたところで、ようやく一般登山道にぶつかりました。ここは、吉野側から登ってきた道(右)が、三室山へ向かう道(直進)と巻き道(左)とに分かれる地点です。従って、三室山から下ってきて通矢尾根に入る場合は、この地点から、何も道案内のない直進方向の踏み跡を追うことになります。
結局、通矢尾根のコース上には、最後まで道案内が一切ありませんでした。時折見掛けた「日の出山の会」の赤杭は、現在地を示すだけで進路については何の示唆も与えないようになっていて、このようなバリエーションルートにおける好ましい関わり方ではないでしょうか(赤杭は正しいコース上にいることの確認にはなります)。そのほか、他のコースでは目立ちがちなテープ・リボン類もここではその存在が控え目で、そうした目印を追って歩くだけにならないところに、バリエーションルートらしい面白さが色濃く残されていると感じました。


一般登山道に出たら、あとはひと登りで三室山の山頂に到着です。
いくつかの標識と三角点があるだけの、割と手狭な感じの山頂でした。
まだ10時になったばかりですが、気温が上がって花粉の飛散量が増える前に歩き終えたいところです。唯一開けていた都心方向も、この日は霞んでいて楽しめるほどの眺めもなかったので、とっとと下山を開始することに。


吉野梅郷方面に下り始めたら、その道のなんと歩きやすいこと。バリエーションルートから一般登山道に入ったので、当然ではありますが、それにしてもこの道は、緩やかな傾斜とゆったりした道幅で歩きやすかったです。
あまりの快適さに道を駆け下りるようにしていたら、三室山から10分ほどで琴平神社に着いてしまいました。
社殿の側面を回って、崖の上にせり出した形の狭い境内に向かいます。
琴平神社の社殿は小ぶりなものでしたが、それ以上に境内が狭くて距離が取れず、全容を写せませんでした。


その後も歩きやすい道が続いて、吉野梅郷方面と、即清寺・下山八幡神社方面との分岐点へ。登山地図には直進する前者しか載っていませんが、梅の季節につき梅郷からの道は人が多そうに思えたので、左折してみました。
こちらも良く踏まれている歩きやすい道でした。登山地図にこそ載っていないものの、公的な道標による道案内もしっかりしていましたので、バリエーションルートと呼ぶには無理があり、一般登山道の範疇だと思います。
最後の最後で1つチョンボをしたようで、即清寺方面と下山八幡神社方面を分ける分岐点にも、そこにあったはずの分岐道標にも気付かないうちに、かなり下まで下っているのが分かって焦りました。だから目の前に町並みが広がって見えてきた時も、実はそのどちらに出たのかが判断できていなかったのですが‥‥
※この写真は拾い物※ こんな立派な道標があり、きっと分岐自体も明瞭だったろうに、なぜ見落とせたのだろう?(思えば途中で7~8人の自転車集団が結構なスペースを取って休憩中で、そこが怪しかったっぽい)


山道が終わると下山八幡神社に出たので、無意識ながら予定通りに進めていたようです。まぁ即清寺に向かったところで、歩く距離は大差なくバス停も近いので、最後はどっちに出ても良いと思って歩いていたのでしたが。
あとは下山八幡神社の参道を歩いて、鳥居をくぐった先がバス道路です。バス道路から鳥居を振り返りました。
もう青梅線の駅まで歩ける距離ですが、さらなる花粉を避けて、梅郷バス停で青梅駅行きのバスを待ちました。

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秋葉山 [静岡]

2018/03/03(土)

■第377回 : 秋葉山(885m)


今回は静岡県西部の秋葉山に行って来ました。全国にある秋葉神社・秋葉権現・秋葉寺の大半の起源とされる秋葉神社があり、東京・秋葉原の地名の由来でもある山です。頂上の上社では、秋葉神社の総本宮に相応しい立派な社殿が見られて、登山口の下社や中腹の秋葉寺ともども、1度は訪れる価値があると感じられるものでした。

その一方、登山道はといえば、殺風景な植林の中を進むばかりで、変わり映えしない景色には退屈すら覚えてしまったほど。数少ない見所も、古い常夜灯や丁石といった、かつて神社の参道として栄えた頃の名残でした。だから、どうしても山自体の印象は薄く、「秋葉神社の山に登ってきた」というのが率直な感想となっています。

 累積標高差(登り):846m / 距離:11.2km / 歩行時間:3時間35分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:37-05:41 町田 06:01-06:21 新横浜
新横浜 06:52-08:10 掛川 08:19-09:13 西鹿島
西鹿島 09:47-10:28 西川

(登山行程)
西川バス停      10:30
戸倉(登山口)     11:05
秋葉山(秋葉神社上社) 12:55-13:10
秋葉寺        13:25
秋葉神社下社     14:15-14:20
秋葉神社バス停    14:25

(復路)
秋葉神社 15:41-16:29 西鹿島 16:36-17:08 新浜松
浜松 17:21-18:39 小田原 18:42-19:32 相模大野
相模大野 19:45-20:00 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

この日は、小田急線の遅延で朝からバタバタしましたが(後注※1)、なんとか予定通りの新幹線に乗れました。
秋葉山への登山に利用できるバスは、遠州鉄道と天竜浜名湖鉄道が接続する西鹿島駅から出ています。折角なので行き帰りでその両方の路線に乗ろうと、まずは掛川で新幹線を降りて、天竜浜名湖鉄道に乗り換えました。
天竜浜名湖鉄道は、1両編成で乗客も少なく、車内はローカル線らしい長閑な雰囲気。でも沿線は思っていた以上に開けていて、車窓から人家などの建物が途切れることがなく、田園風景はほとんど見られませんでした。
西鹿島駅に着いたら、路線バスに乗り換えます。
西鹿島駅のバス乗り場です。この日は良く晴れた上に気温がグングンと上がって(4月下旬並みだったようです)、日向ではもうポカポカ陽気。暑くて着ていられなくなったジャケットを脱いで、バスを待ちました。
西鹿島駅で購入した「遠鉄ぶらりきっぷ」です。遠州鉄道の電車・バス全線が1日乗り放題でお得なのは良いのですが、B5サイズというその大きさには驚きました。こうして二つ折りにしても、服のポケットとかには全然入らず、扱いが少々面倒なのです。ここまで大きなきっぷを見たのは、これが初めてではなかったでしょうか。
大きさの理由は、購入後3ヶ月という有効期間にありました。従って、使用する月と日はスクラッチカードの要領で削って明示する仕組みで、提示時の視認性を考慮してか、スクラッチ面がB5サイズになっていたのです。


水窪町行きのバスは、西鹿島駅からの乗客は私を含めて2人だけ、途中からの利用者を加えても4人止まりでした。まぁ休日の朝の下りですから、こんなものでしょうか。西川バス停で降りたのも、もちろん私だけでした。
バス道路からは、この細い階段道で1段下の集落へ下りますが、バス停付近には秋葉山への案内が全くなく、事前にGoogleのストリートビューを見て階段の存在を知らなかったら、少し戸惑ったのではないかと思います。
集落に下り小さな橋を渡った先で、東海自然歩道のコースになっている道路に入りますが、そこにも道標はなかったように思うので、秋葉山から西川バス停を目指す逆コースの人にとっても、ここは分かりにくいのではないかと。その後、集落内を緩やかな傾斜の道で上がっていくと、行く手に秋葉ダムが見えてきました。


東海自然歩道は、秋葉ダムのすぐ手前に架かる歩行者専用の竜山橋で天竜川を渡ります。
竜山橋は細い吊り橋ですが、鉄骨で頑丈に造られているようで、これだけ長いのにほとんど揺れませんでした。
竜山橋の上から見た秋葉ダムです。


竜山橋を渡った先に、東海自然歩道の案内図が立っていました。この日歩くコースは、これから秋葉山を越えて秋葉神社バス停に下るまでの全体が、まるまる東海自然歩道と重なっています。
何軒かだけ建っていた人家の間を細い道で抜けた先で、東海自然歩道の道標に従って階段を上がります。
車道に出たら、しばらくの間は車道歩きです。はじめのうち緩やかに上っていた道は、進むにつれてほぼ平坦に近くなって、歩くのに苦はありません。道沿いには人家が時折見られる程度で、景色はやや単調でしたけれど。
東海自然歩道だけに、ところどころにある道の分岐でも道案内は万全で、進路に全く不安はありません。
30分ほどの車道歩きも、正観世音菩薩を納めたお堂がある東福寺の前を通れば、もう終盤です。
「ここは戸倉です」と現在地が併記された東海自然歩道の案内図が現れたら、そのすぐ先で‥‥
車道から山道が分岐していました。案内図や道標等で公式にそう表現されているのは見ていませんが、ここが秋葉山(裏参道)の実質的な登山口になるのでしょう。


車道から外れて、いよいよ登山道に入ります。車道を緩やかに上っている間に、フリース姿でも汗をかいてきたので、ここでフリースも脱いで山シャツ姿に。まだ3月初旬なのに、こんな薄着で山に入ることになろうとは。
上の写真の階段を上がり、畑地などの間を抜けていくと、すぐに山道が始まりました。
登山道は、植林帯の斜面を比較的緩やかな傾斜で登っていきます。
秋葉山はかなり上までずっと植林帯が続いていて、いくら進んでも景色がほとんど変わりません。
道の様子に変化があるのは、時折こうして未舗装の林道と絡むところくらいでした。
道端には時折、丁石を兼ねた古い常夜灯が立っていました。かつては多くの人が歩いた信仰の道なのでしょう。
ほぼ一定の傾斜が保たれて、急坂や大きな段差が全くなく、とても歩きやすいのは良いのですが、とにかく似たような景色ばかりが連続するので少々退屈気味になります。


道の味気なさに耐えて黙々と登っていると、近くに舗装道路が現れました。変化に乏しかった道の中で、かなり登ってきたことが明確に分かる地点なので、ここで少し気持ちを新たにして、さらに上を目指します。
そしてこのあたりから、少し傾斜がきつくなった気がしました(疲労の蓄積の影響もあったと思いますが)。
その後も道は相変わらず植林の中ですが、頻繁に車道と交差したりするようになって、少しは気が紛れました。
そしてついに、車道と交差した先が山道ではなく、石段に変わりました。これを上がると‥‥


秋葉神社の広い第一駐車場に出ました。ここまで来れば、あとはわずかな登りを残すのみです。
第一駐車場にはバス停もあって、毎年11月~1月の特定日にはバスが運行されている模様。もちろん、こんな所までバスで上がってしまっては全く登山にならないので、この路線の運行日は全く気にせずに来ています。
巨大な大鳥居をくぐった先には、きれいに整えられた石段の参道が続いていました。


参道に入ると、常夜灯が短い間隔で並んでいました。今でも大晦日などには明かりが灯されるのでしょうか。
参道の途中で荘厳な神門をくぐります。秋葉神社は戦時中の火災でほとんどの建物を失ったのち、長い年月がかかって近年ようやく再建に至ったため、建物や参道などの多くが比較的新しいのものなのですが、その中でもこの神門は2005年の完成で、境内で最も新しい建造物のようです。
食事処と土産物店を兼ねた秋葉茶屋の前を通れば、登り続けてきた石段も残すところあと少しです。
社務所前の石段を登っていくと、前から気になっていて、実際に見るのが楽しみだったあるモノが現れました。
それがこの、金色に輝いてひときわ異彩を放つ「幸福の鳥居」です。これを立派で神々しいと見るか、悪趣味と見るかは意見が分かれそうですね~(ちなみに私は後者寄りです。もうちょっとネーミングセンスが感じられるような名前だったら、少しは印象が違ったかもしれないけれど)。
幸福の鳥居をくぐると、いよいよ最後の石段と、その上にある本殿が見えてきました。
秋葉神社の本殿です。この時は訪れる人もまばらで、ゆっくりと落ち着いて参拝することができました。


本殿の左手側には「展望台」という標識が立っていて、その奥にはこの写真で分かる段差の分だけわずかに高くなった場所がありました。ここが境内で一番高い所に当たるようです。
南側が開けた展望台には、望遠鏡が設置されていたほか、こうした展望写真も掲げられていました。
が、この日はいかんせん気温が高すぎたらしく、空気が淀んでいて実際の展望はこの通り。浜松アクトタワーや浜名湖は、一応肉眼では確認できたものの、縮小写真にしたらほとんど識別できない写り方になってしまったので、いつものようなパノラマ写真への文字入れは諦めました
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
ところで、この展望台が秋葉神社の境内で一番高いと書きましたが、秋葉山の頂上はさらに20mほど登った地点にあります。普段なら最高点には拘ることが多いのですが、ここでは本殿のさらに奥を歩き回ることが好ましそうには思われなかったので、頂上探索は自粛しました。このため、秋葉山自体の標高は885mとされていますが、今回私が登ったのは、それよりも20mほど低い865mあたりまでとなっています。


社務所の前にあった、ベンチが設置された場所で少し足を休めたら、引き続き東海自然歩道の標識に従って、秋葉神社バス停へ向かいます。登ってきた道は秋葉神社の裏参道でしたが、こちらは表参道になります。
下り始めるとすぐに神門が現れます(くぐった後で振り返りました)。火事の類焼を免れたこの門は、唯一の江戸時代の建造物で、傍らに立つ石柱碑には「文政十三庚寅年 再建嘉永三庚戌五月」と彫られていました。
表参道も穏やかで歩きやすい道です。登ってきた裏参道よりも道幅が広く、いかにもメインルートという感じ。
15分ほど下ったところに秋葉寺があるので寄っていきました。
頂上の秋葉神社が、とても立派ではあったものの建造物がどれも真新しくて垢抜けた印象を受けてしまったのに対して、この秋葉寺はこぢんまりとした境内ながらも、古びた堂宇には長い歳月を経た重みが感じられて、過去の歴史に思いを馳せるには相応しい雰囲気でした。
表参道を下っているだけに、秋葉寺には奥のほうから先に境内に入ってしまい、あとで山門の裏側から出てくることになりました。なので山門の写真も、先程の秋葉神社の神門と同様、くぐってから振り返って撮ることに。
ちなみに秋葉山は江戸時代までは、秋葉権現社(現在の秋葉神社)と秋葉寺とが同じ境内にある神仏混淆の山だったようです。それが明治時代に入ると政府の方針で神仏分離が行われ、それが引き金となって(直接の原因ではないらしい)秋葉寺は一旦廃寺となってしまい、現在の場所に改めて創建されたという歴史を持っています。


歩きやすい道ではあるけれど、こちらも裏参道と同じく、ほぼずっと植林の中を進む感じで、景色は単調です。
表参道だけに、時折すごく立派な丁石が見られました。
常夜灯も、裏参道で見たものよりもひと回り大きなサイズでした。
富士見茶屋跡を通過します。このあと、1箇所だけ東側の景色が開けた場所を通りましたが、この日はそこからの展望も今ひとつで、条件が良ければ見られるらしい富士山は影も形もありませんでした。
常夜灯についての解説版がありました。それによると、表参道に残る常夜灯の多くは、嘉永5年(1850年)に奉納されたものだとか。もう150年以上、こうして立っているものなんですね。


その後は下るにつれてやや傾斜が増したので、逆コースで表参道を登る場合は、序盤のほうがきつく感じられるのではないかと思います。終盤で九十九折りになった山道は、石畳に迎えられたところで終了となりました。
あとは楽に歩けるかと思いきや、この石畳区間がかなりの急坂で、最後まで気が抜けませんでした。
赤い橋が見えてきたあたりで、ようやく傾斜が収まって、そこからは普通の車道歩きになりました。
2車線の道路に出て10分ほど歩けば、ゴール地点に到着です。すでにバスを待つバス停も見えていますが‥‥


そこは秋葉神社の下社の門前です。折角ですから、頂上の上社だけでなく、下社もセットで参拝することに。
下社の境内へは、石段を20mほど登ります。大した長さではないのに、この石段ときたら、やたら段差が大きくて、すでにひと山登り下りしてきた足にはちょっと堪えました。
下社の境内に上がりました。火災に遭った上社が再建されるまでの間、この下社が本社として機能していたことを事前に知った上で訪れたのですが、その情報から想像していたよりは、ずっとささやかな感じの境内でした。
それでも、今もこちらにも社務所があって、お札や祈祷などを受けられるようになっていました。


下社から戻ったら、秋葉神社バス停で西鹿島駅行きのバスを待ちます。
この日はすでに朝イチで1度バタバタさせられていたのに、最後にももうひとつ思い通りにいかないことがあって、このあたりで小1時間ボーっとして過ごす羽目になってしまいました。(後注※2)
冒頭に書いた通り、往路は天竜浜名湖鉄道を利用したので、復路は浜松経由にして遠州鉄道を利用しました。
遠州鉄道は、車両こそ2両編成と短いものですが、ほぼ全線を通して住宅街や商業地域など人の多いエリアを走っているためか、12分間隔で次々と電車が来るにもかかわらず、途中からは立ち客が出るほどの盛況です。走りもとてもテキパキとしていて小気味良く、利用感はいつも乗り慣れている首都圏の鉄道と変わりませんでした。

【後注】
※1:町田で小田急線に乗り換えて小田原に向かおうとしたら、乗る予定の電車は10分程度遅れて来るとのこと。10分までの遅れならギリギリセーフですが、もう1~2分でも遅れが大きくなると、小田原で新幹線に乗り継げなくなり、その時点でこの日の計画が全部パーになります。それを回避するべく、今からでも余裕で間に合う新横浜乗り換えに変更したので、乗車券などをコマ切れで買うことになり、少しばかり余計に高く付いてしまいました。
※2:実は最後に食事でもと考えていて、バス停から歩いて5分程の秋葉橋の近くにお蕎麦やさんを見つけてあったのです。ところが店の前まで行ってみると、なんと営業していません。事前にウェブで営業時間を調べた際に、昼は~15:00という情報が見つかったのでそれを信じていたのですが、帰宅後に改めて調べたら~14:00という情報も見つかって、どうやら後者のほうが正しかったようなのです。近くにはほかにお店がなさそうなので、仕方なく持参していた行動食で繋ぐことにしたところ、幸いバス停の目の前にある気田川の河原に落ち着ける場所が見つかったので、残りの時間をそこで潰しています。

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