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笠ヶ岳(志賀高原) [上信越]

2018/07/21(土)

■第387回 : 笠ヶ岳(2075m)


この日は志賀高原の笠ヶ岳に登ってきました。
連日の猛暑はこの日も衰える気配がなく、さほど標高が高くない志賀高原での登山はコンディション的に厳しそうに思われたので、行程が短めの山を選びましたが、せっかく新幹線を利用しての遠出になるので、登山後はそのまま自然探勝コースに入り、木戸池・長池・蓮池などの数々の池や田ノ原湿原などを巡り歩いています。

 累積標高差(登り):640m / 距離:12.7km / 歩行時間:3時間35分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 04:45-04:49 町田 05:09-05:49 新宿
新宿 05:57-06:16 東京 06:28-08:06 長野
長野 08:51-09:36 湯田中 09:40-10:21 熊の湯

(登山行程)
熊の湯バス停  10:30
笠峠(峠の茶屋) 11:30
笠ヶ岳     11:55-12:05
笠峠(峠の茶屋) 12:15
笠岳バス停   12:55-13:00
木戸池     13:15
田ノ原湿原   13:25
三角池     13:40
長池      13:55
蓮池      14:15-14:25
蓮池バス停   14:30

(復路)
蓮池 14:51-15:21 湯田中 15:34-16:22 長野
長野 16:45-18:08 大宮 18:13-18:44 新宿
新宿 18:49-19:25 相模大野 19:45-20:00 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

長野駅から私鉄とバスを乗り継いで志賀高原に上がり、熊の湯ホテルの前にある熊の湯バス停で下車しました。
熊の湯ホテルの(ほぼ)全景です。
ホテルの裏手にあるスキーゲレンデに向かうと、リフトの管理事務所が入る建物の脇に、笠ヶ岳へのコース案内が出ていました。道順を示す4地点の写真に説明文が添えられていて、親切で分かりやすかったです。


コース案内に書かれていた通り、第4ペアリフトに沿って、スキーゲレンデを登り始めます。
リフト乗り場を過ぎてすぐの所には、道標も立っていて、そこが正しいコースだと教えてくれます。
それは良かったのですが、スキーゲレンデですからそれなりの斜度があり、そこを登るのはなかなか苦しかったです。気温は恐れていたほど高くはなく、風も爽やかに吹いていて、普通に歩く程度なら快適な状況だったのに、日なたが続く中での急な登りに、もう暑くて仕方ありませんでした。
リフトの中間降り場が迫ってくると、その少し上に、登山道への入口に立つ道標が見えてきました。が、ここを境に傾斜が一段とキツくなり、その道標までの短い登りが地獄のような暑さになって、大汗をかかされました。
あまりに苦しいので、とてもひと息には登り切れません。呼吸を整えがてら途中で振り返ると、志賀草津道路を挟んだ向かい側に、2年前に登った志賀山・奥志賀山(写真中央)や鉢山(写真右)が眺められました。
さらに右を見ると、同じく2年前に登った横手山が、じきに雲に巻かれようか、という按配で見えていました。


ここが登山道の入口で、ようやくキツかったスキーゲレンデから離れられます。
山道が始まると、そこからはほぼ平坦な道に変わりました。小さなアップダウンは随所に出てくるものの、煩わしく感じるほどではなく、楽に歩けます。
しかも大半が木陰の道で、風の通りも良い箇所が多く、先程までかいていた汗がスーッと引いてくれました。
途中には何箇所か、目指す笠ヶ岳を木立の間から望める場所がありました。頂上部が険しそうな鋭鋒で、特に左側は切り立った崖に見えますし、そうでない側もどこも勾配はキツそう。一体どこをどう登るのでしょうか。
しばらくほぼ平坦だった道も、笠峠までの残り半分ほどの距離は登り主体に変わります。登り坂には足場があまり良くない上に段差の大きな箇所も多く、かつ風の通りも悪かったので、ここで再び大汗をかかされることに。


笠峠に着きました。頂上までの標高差が200mを切るこの地点を車道が通っていて、ここから登山を始めれば、1時間以内で登り下りできてしまいます。ここに着くまで誰にも会わなかったので、多くの人はマイカーでここまで入り、頂上までの短い登山道を往復しているのでしょう。なんだか物足りなさすぎる気もしますが‥‥。
笠峠に建つ峠の茶屋越しに笠ヶ岳を見上げました。こちら側から見える斜面は森で覆われていて、あまり険しい印象は受けませんが、ここから上がすべて急斜面になることに変わりはありません。


その急斜面に取り付くと、案の定、道は大半が階段状でした。はじめはまだ傾斜が穏やかだったのですが‥‥。
木段の形状が変わるこのあたりから、段差が大きくなり始めます。腿上げがキツイことといったら。
休み休み登りながら、ひと息つく合間に振り返ると、ガスがすぐ下まで迫っていました。早いとこ登らなきゃ?!
その後は登るにつれて勾配が増す一方で、あまりの苦しさに、吹き出てくる汗の量も半端ではなくなります。
しまいには、階段なのに、ほぼ垂直になって吃驚! こうなると、ほとんど真上に登る感覚で、過去に登ったどの山でも、ここまで急な階段は見たことがありません。段差も激高で、足だけで登るのはキツすぎるため、下がっているロープを掴み、腕力にも頼ってどうにか登ります。呼吸の乱れ方が、もう尋常ではありませんでした。
そして頂上直下は岩場になりました。特別な険しさはなく、普通に2本足で登れる程度のものですが、足が悲鳴を上げつつあったので、引き続きロープも使いながら、腕力併用で登り詰めていきます。


最後は汗まみれになりながら、笠ヶ岳の頂上へ。大岩がゴロゴロと転がる手狭な頂上は、このとき無人でした。
上の写真で祠が祀られて写っている、一番高い岩にも登っておきました。三角点より1mくらい高かったかな。
上空の雲には隙間があるものの、周囲にも雲が多く、360度あるはずの展望はパッとしません。近くにある志賀山・奥志賀山のほかは、鉢山の後方に赤石山が辛うじて霞んでいる程度で、志賀高原の核心部は雲の中でした。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
さらに右を向くと、登り始めた頃には見えていた横手山も、やはり雲に隠れていました。


頂上を独占して10分ほど経った頃、単独行の男性が現れたので、それを潮時に下山を始めます。登る時にほぼ垂直に見えたこのあたりは、下る途中で見下ろしても、やはりほとんど垂直に見えました。
25分かけて登った道も、ほとんど水平距離がなく、ただ高度を落とすだけに近いので、下るのはあっという間。ものの10分で笠峠に戻ってきました。
笠峠からの下り方には少々迷った結果、同じ道を戻るのも味気ないので、やや退屈な気もしましたが車道を選びました。登ってきた山道が必ずしも歩きやすい所ばかりではなかった上、アップダウンも結構あったからです。
この頃には日が陰るようになっていたことも、車道を選んだ理由のひとつ。山道より風の通りも良くて快適でしたし、傾斜も緩やかで、アスファルトの堅い路面を歩き続けていても、足への負担をあまり感じませんでした。


ずっと1本道だった車道を歩くこと約40分、やっと現れた交差点は、実は見覚えのある地点なのでした。
笠岳バス停が立つその地点は、先程バスに乗って熊の湯へ向かう途中に、車窓から見ていたのです。ここまで下ってくると、強い日差しが復活してきたので、ここで紫外線対策などをしつつ短い休憩を入れてから行動を再開します。ちなみに、今回の行程で、笠ヶ岳への登山に相当するのはここまでになるでしょうか。
少し歩いて国道292号線(志賀草津道路)に出たら、それを横断した先で草原の中に延びる小道に入ります。地図には載っていないこの小道の存在も、先程バスの車窓から見つけてあったのでした。
その小道は、すぐに熊の湯と木戸池を結ぶ散策路に合わさります。が、少々余計なアップダウンがある割に、特段の見所のない散策路だったので、決して安全ではないけれど、国道を歩いたほうが体力的には楽だったかも。


木戸池に到着しました。2年前に志賀山から横手山へと縦走した時のスタート地点だったので、ここを訪れるのは2度目です。でも前回は、ほとんど一瞥するくらいで出発してしまったので、今回はしっかり見ていきます。
本来は静かな池なのでしょうが、遠足に来たと思われる大勢の小学生たちがいて、この時は賑やかでした。
木戸池の畔は木道で歩けるようになっていて、周囲をぐるりと半周ほど巡ります。
到着地点から見て対岸に当たる地点まで回って来ると、木戸池越しに笠ヶ岳が眺められる景色に変わりました。


木戸池の畔を離れたら、三角池や長池などを経て蓮池へと続く自然探勝コースに入ります。ここからはきっと楽な道のりだろうと思っていたら、いきなり大きな登りが現れて、お散歩気分は吹っ飛んでしまいましたけれど。
でも、登り詰めたその先に、心が洗われるような景色が見えてきて、俄然、足取りが軽くなりました。この日に見た景色の中で、一番印象に残ったのがここだったかも。
目の前に現れたのは、田ノ原湿原。決して大きな湿原ではないけれど、柔らかな緑に包まれて気分が和みます。
湿原の中に入ると、お決まりのように木道が続いていました。
この日、湿原内で良く見られたのが、このヤナギランです。
ニッコウキスゲも少しだけ。咲き残りでしょうか。
湿原を真ん中付近まで歩いてくると、ベンチがあったので、行動食を摂りながら少し腰を下ろしていきました。
湿原の中央部では、ワタスゲがいっぱい見られました(白い小さな点が全部ワタスゲです)。
田ノ原湿原のワタスゲは、綿毛が小振りなものが多かったです。
湿原の反対側の入口あたりから、通ってきた湿原を振り返りました。


田ノ原湿原を過ぎると、またまた登りが現れました。笠ヶ岳は、登山としては軽めのはずだったのに、あまりの急勾配に足が想定外に疲れていて、これ以上の登りがキツくなっていましたし、登りになると暑さも堪えます。
そこへ畳み掛けるように、実はこの先も、池や湿原の間にいちいちアップダウンが付いて回って苦しめられました。せっかく池や湿原で清々しい気分に浸れても、次の池や湿原に行く間にまた汗だくになる、という繰り返しが、ゴールの蓮池までずっと続いてしまったのです。ここを歩くなら、もっと爽やかな季節が良かったのかも。
次に巡った三角池は、池の周囲を3分の1周ほど回りました。
その先の日陰湿原では、再びワタスゲのお出迎えを受けます。
日陰湿原のワタスゲは、綿毛が立派に生えているものが多く、ワタスゲの綿毛をきちんと見るのは初めてだったので、これは嬉しかったです。願わくば、もう少し形が整っていて写真映りが良ければ‥‥。
上ノ小池は、その名の通りこぢんまりとした池で、木道もその一端をかすめる程度でした。
そして長池では、木戸池以来ずっとニアミス状態が続いていた、小学生の遠足と見られる大集団にここで取り込まれて、写真は取り損ねてしまいました。下の写真は長池公衆トイレ前で、その集団の一部をパスするところ。
こちらは下ノ小池。水際に近いあたりの水面は、ミツガシワに埋め尽くされていました。


最後は蓮池スキー場のゲレンデを下ってきます。ゲレンデには鮮やかな朱色のコオニユリが群生していました。
ゴールの蓮池に到着です。まず先にバス乗り場の様子を窺ってみたところ、まだ30分以上も早いためか、外のバス停にも建物内の待合室にも誰もいません。そこで‥‥
しばらく蓮池の畔で過ごしてから、バスを待つことにしました。この池は誰もいなくて静かだったなぁ。。。

タグ:上信越
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