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金勝アルプス [関西]

2018/11/24(土)

■第394回 : 金勝アルプス(鶏冠山(490m)・龍王山(604m)


今回訪れたのは、滋賀県栗東市の金勝アルプス(こんぜあるぷす)。関西への日帰り遠征です。
標高500m前後の低山ながら、稜線には花崗岩が風化した巨岩や奇岩が点在して、あたかもアルプスの高山帯のような景観を形作り、その中を縫って進むアスレチック感覚のコースが魅力で、大変楽しんで歩いてきました。

 累積標高差(登り):869m / 距離:10.4km / 歩行時間:2時間55分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:15-05:39 新横浜 06:00-07:24 名古屋
名古屋 07:37-08:00 米原 08:18-08:50 草津
草津 09:00-09:30 上桐生

(登山行程)
上桐生バス停 09:30
鶏冠山    10:20-10:30
天狗岩    11:10-11:20
白石峰    11:35
龍王山    11:50-12:00
横ヶ峯展望所 12:05-12:10
金勝寺    12:30-12:55
道の駅こんぜの里りっとうバス停  13:25

(復路)
道の駅こんぜの里りっとう 14:20-14:50 手原
手原 15:12-15:17 草津 15:21-15:53 米原
米原 15:57-16:25 名古屋 16:29-18:39 小田原
小田原 18:46-19:39 相模大野 19:45-20:00 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

JR草津駅から、車内で京都っぽい言葉が交わされていたバスに30分揺られて、終点の上桐生からスタートです。
このあたりは「近江湖南アルプス自然休養林」として整備されていて、すぐ先には大きな駐車場が現れます。キャンプ場などもあるからか、この日は登山道でも中高生くらいの若い世代のグループを多く見掛けました。
駐車場にあった、トイレが入った建物にはハイキングマップが置かれていたので、1部頂きました。
駐車場の奥から登山開始です。


はじめは舗装された道(北谷林道)を、紅葉の名残を感じながら進みます。
最初の分岐点で一旦で北谷林道と分かれて、落ヶ滝(今回は行きませんでした)と案内された道に入ります。
すると山道に変わりますが、このあたりでは傾斜はまだまだ緩くて、楽に歩けました。
分岐点には必ず道標があって、コースは良く整備されていました。この地点で落ヶ滝への道と分かれて、北谷線(北谷林道の続き)に向かいます。一旦登山道に入っていたのは、林道歩きが長いと味気なさそうだったから。
登山道から北谷線への連絡道は、あまり歩かれてないのか少々荒れ気味ですが、歩きにくいほどではありません。進むにつれて本格的な登りになってきて、初冬らしい冷え込みの中でも汗をかかされるようになりました。
傾斜はきつくなる一方で、次の分岐点で北谷線に出たら、たまらずジャケットを脱いでいます。本当は、その下のフリースも脱ぎたいくらいの暑さでしたが、空気が冷え冷えしていたので、そこまで思い切れませんでした。
が、そこまでの登りはまだ序の口だったらしく、分岐点の先には、さらに急な登りが待っていました。
一貫して急登が続いて、段差の大きな所も多い苦しい登りに、汗が止まりません。仕方なくフリースも脱いで山シャツ姿になりましたが、風に吹かれると逆に少し寒くなるほどで、この時期はウェアの調整が悩ましいです。


稜線に上がるとようやく傾斜が収まり、ほどなく、ピークというほどではない、ちょっとしたコブに出ました。
そこにあった私製の標識でも、山と言えるほどの地点でもないことが、書きぶりに現れていたような‥‥。
北東側がいくらか開けていて、この日初めての展望を少し楽しめました。


さらにひと登りで、鶏冠山に到着です。木立に囲まれた、展望のない地味なピークだからか、ここには寄る人も少ないようで、着いた時は無人。休憩中にあとから現れた登山者も1人だけでした。
標識と三角点以外には何もありません。休んでいると身体が冷えるので、ここで再びフリースを羽織りました。
標識だけは矢鱈とあるのが五月蠅い感じの頂上です。左上の物などは3つもあって、もう見苦しいだけでした。


鶏冠山からはどんどん下ってしまいます。途中には、ロープの助けが必要だったザレ場の急斜面もありました。
こんなに下ったら、龍王山はまた1から登り直しになってしまうと心配になり始めた頃、ようやく落ヶ滝から登ってくる道との分岐点に出ました。ここが鶏冠山と龍王山との鞍部になります。
鞍部からの登り返しは、ごく普通の山道で始まりますが‥‥。
次第に花崗岩が目立つようになって、岩盤が道の形に掘り下げられたような場所も。
時には、露出した花崗岩の間を縫って進むようになります。
登山道脇では、巨岩や奇岩をたびたび目にするように。
振り返ると、巨岩越しに琵琶湖などが眺められるようになっていました。


そしていよいよ、花崗岩の露出帯に突入して、さらに景色が一変しました。低山ではなかなか見ない風景に、テンションが上がります。行く手には天狗岩も見えてきました(写真右端)。
進むにつれて、天狗岩が近付いてきました。上のほうに登ると展望が素晴らしいらしいので楽しみです。
露岩帯には険しい箇所もありますが、多くは普通に登り下りすることができて、ここもロープは不要でした。


天狗岩の真下までやって来ました。見上げると、結構な数の人が上のほうにいる模様です。
ロープを使ってほぼ真上に登っていくのは最初だけで、あとは手足を使ってよじ登るような具合の箇所が続きます。危険を感じるほどの傾斜や険しさはなく、ちょっとしたスリルを味わう程度でした。
が、てっぺんの岩(写真右)の基部まで来たところで、なんと前が混み合っていて進めません。さすがにこの岩の上には登れないのですが、でももう少し先まで行けるはずですし、行かないと展望が楽しめないのです。
しかしタイミング悪く、この時周囲にいたのが未成年のグループで、引率する大人もいないのか他人に配慮する様子なんてなさそう。少し待ってみても、今いる場所を動く気配がないので、諦めて下りてきてしまいました。
天狗岩を少し過ぎてから振り返りました。もし登れれば、琵琶湖方面がスッキリと眺められたはずだったのに。
この時、天狗岩の上部はこんな様子でした。私が行けたのは岩の左側面あたりまででしたが、その先を右側に回り込めば、展望の良い場所に出られたようなのです。もう少し粘ってみても良かったのかも知れません。


天狗岩を過ぎても、露岩帯はまだまだ続きます。
さらに進んで、耳岩まで来ました。やはり要所となるポイントには、それなりに人がいますね。
耳岩にも先客が多く取り付いているようでしたが、元々ここは登るつもりでなかったのでスルーしました。
ここでは岩と岩に挟まれた、狭い場所を通過していきます。
上の写真の場所を通過してから振り返りました。
巨岩・奇岩帯はもう少し続きます。展望は残念でしたが、歩いていて楽しい景色に満足感を味わえていました。


分岐点となっている白石峰にも、休憩中の人が多数いました。
白石峰から龍王山へ向かうと、ほどなく茶沸観音の前を通過します。
その後は花崗岩の露出がめっきり減って、ありふれた表情の登山道に戻り、出会う人も少なくなりました。鶏冠山や龍王山は、展望がなくて面白味には欠けるピークなので、天狗岩を周回するだけの人が多かったようです。


龍王山の頂上直下には八大龍王の祠があって、このあと向かう金勝寺の奥宮にあたるようです。頂上が狭いので、休憩にはこちらのほうが向いているようでした。
そこからほんのひと登りで龍王山に到着すると、そこは4~5人もいれば混み合ってしまいそうな、手狭な場所でした。この時も、この右側で2人の登山者が食事中だったので、写真は頂上の左側半分を撮ったものです。
鶏冠山ほどではないにせよ、龍王山も私製標識が乱立していて邪魔臭かったです。なおウェブでは「竜王山」の表記が一般的なのに対して、公式の地図や道標が「龍王山」としているので、この記録はそれに合わせました。
龍王山では、わずかに開けた木立の間から、北側の展望を少しだけ楽しめました。


龍王山から金勝寺に向かうと、少し下ったかと思えば登り返しがあったりして、大きく下ることはありません。
そうこうするうち、車道に出てしまうと‥‥。
車道の終点が横ヶ峯展望所になっていて、北側を中心に大きく広がっている眺めを楽しめました。
展望鏡もありましたが、有料なので使うのは遠慮しておきます。
横ヶ峯展望所からの眺めです。概ね晴れていたこの日、なぜかこの昼前の時間帯だけ日が陰って、せっかくの展望写真がパッとしない出来になり、朝は見えていた琵琶湖対岸の比良の山々も、雲に隠れてしまっていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
展望所を背にした小高い場所には、馬頭観音堂がありました。これも金勝寺と何か関連があるのでしょうか。
車道に出てしまったので、金勝寺へは車道歩きになります。途中では時折、見納めの紅葉を楽しめました。


金勝寺の入口に着くと、ほとんど人のいない時間に当たったようで、あたりは静寂に包まれていました。
寺務所で拝観料を納めると、管理人の方が、境内に点在するいくつものお堂や、それらに安置されている仏像などについて、とても丁寧に説明をして下さいました。
金勝寺の境内に入ると、参道の石段を登り詰めた先に仁王門が見えてきました。このとき石段を下ってきた1人の男性が、広い境内にいた唯一の参拝者だったようで、その方とすれ違ったあとは、私ひとりしかいなくなった境内で静寂な佇まいに存分に浸れるように。それゆえ、ここが今回の山行で最も印象深い場所になりました。
まずは仁王門をくぐりますが、その前に‥‥。
仁王門を少し違った角度から。
紅葉がまだ残っていてくれたこともあって、どこを写しても割と絵になります。
参拝順路に従い、次は二月堂へ。小さなお堂ながら、堂内では巨大で迫力ある明王像が仁王立ちしていました。
本堂も、控えめな紅葉の中に佇んでいます。
奈良時代の創建と伝えられる歴史ある古刹の本堂です。創建当初の建物は室町時代の火災で焼失したとあり、現在の建物はその後(江戸時代?)に再建されたものらしい。
本堂だけは、内部の撮影を禁止する掲示がなかったので、ご本尊の木造釈迦如来座像を撮らせて頂きました。
虚空蔵堂では、畳に上がって虚空蔵菩薩像などを拝んでいきました。
15分ほどで境内を回り終えても、美しい景色と閑かさを自分ひとりで独占している贅沢さに、ちょっと去り難い気持ちでした。そこでベンチでもうしばらく過ごし、次の参拝者が参道に現れたのを潮時に腰を上げています。


金勝寺は、以前は公共交通では来られない場所でしたが、現在は「こんぜめぐりちゃんバス」が目の前まで来てくれます(ただし季節運行で、今年は今週末の運行が最後)。私ももちろんこれに乗りますが、次のバスまで1時間以上も待つので、この先の下調べができていなかったことを気にしつつも、もう少し歩いてしまうことに。
ということで、次のバス停があり、飲食や買物ができて時間もつぶせる「道の駅 こんぜの里りっとう」を目指して、歩きを再開します。車道の続きでは、それまでと同様に紅葉を少し楽しめたりもしました。
ほどなく三叉路に出たら、地図によると、右折して車道を進めば難なく道の駅に出られるようです。調査不足だった以上、安全策を取るべきか迷いましたが、退屈そうな車道歩きに気が進まないでいたところ‥‥。
地図にはお誂え向きに、三叉路を直進した先で分岐する「ナンダ坂狛坂石段」なる道が書かれていて、それでも車道とほぼ同じ距離で道の駅に出られそうなのです。どんな道なのか一切不明なことに一抹の不安を感じながらも、何か困っても時間には余裕があるし、車道歩きよりは面白いだろうと、ここからその石段に入ってみます。


するとその石段は、結構急な上に想像よりもずっと長く、いつまでも下り続けてなかなか終わりません。緩い坂道の車道と同じだけ下れば十分なのに、それを遙かに超えて下っているとしか考えられず、いやな予感が‥‥。
ちょっとした広場に出て、ようやく急な下りが収まりましたが、一体どこまで下ってしまったのだろう。
そこは「滝広場」となっていて、確かに後方に小さな滝があります。が、まず石段自体があまり歩かれていない様子で少々荒れ気味ですし、この広場も雑然としていて、あまり気分良く過ごせる場所ではありませんでした。
その後は車道に合わさって、さらに軽く下っていきます。
桂谷池という場所に出て、ようやく現在地が把握できたのは良いけれど、案の定、大いに下り過ぎていました。
なので桂谷池からは石段が登りに。ここまでの展開から確信していたとは言え、実際に見て少々へこみました。
その先で道が分岐するようになると、案内が決して分かりやすくはないので、多少行き当たりばったりで進まざるを得ない展開にもなりました。「県民の森」を目指してみて、結果的に正解だったから良かったのですが。
結構な登り返しの挙げ句、次の広場まで上がると、ようやく先ほど別れた車道が同じ高さに近付いていました。
そのすぐ先で「ナンダ坂狛坂石段」から車道に戻りました。楽だけど退屈そうな車道と、余計な登り下りをさせられて特段の見所となる景色もない石段のどちらが良かったかは、考え方次第でしょうか。


再び車道を歩き出したら、間もなく前方に「道の駅 こんぜの里りっとう」が見えてきました。
「道の駅 こんぜの里りっとう」です。建物内にはレストランや土産物店があり、裏手には足湯もありました。
レストランで「こんちゃんうどん定食」を注文していきます。うどんには猪肉が入っていて、多少の固さはあったものの、あっさり目の味付けが好みと合っていて、美味しく頂きました。
道の駅に隣接して広い公園があったので、食後はそこでバスが来るまでの時間を過ごしています。


最後は「道の駅 こんぜの里りっとう」のバス停で、「こんぜめぐりちゃんバス」を待ちました。
ところで「こんぜめぐりちゃんバス」には、往復乗車時にお得になる1日フリー乗車券のほか、朝に乗った上桐生への路線バスと合わせて片道ずつ利用できる「金勝山相互乗車券」も用意されていて、後者を利用しました。
今回の私のように上桐生への路線を先に利用する場合、「乗車証明書」を受け取っておく必要があります。この日は草津駅での乗車時に、他の乗客が運転手に請求していたのを見て、私も便乗して一緒に受け取りました。証明書は十分な用意があるとは限らないようで(この時も慌てて取り寄せていた)、請求は早めが良いようです。
こちらが「金勝山相互乗車券」です。上桐生への路線バスの「乗車証明書」を提示すると、支払い済みの運賃との差額で購入できました。

タグ:関西
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御嶽山・桜山 [奥武蔵・秩父]

2018/11/17(土)

■第393回 : 御嶽山(343m)・桜山(591m)


今回の行先は、約7000本の冬桜が咲くことで知られる、群馬県藤岡市の桜山です。冬桜の見頃はもう少し先になるようでしたが、紅葉と合わせて楽しもうと、冬桜の最盛期にはいくぶん早めのこの日に出掛けてきました。
桜山の登り下りだけでは、少々物足りなさそうだったので、埼玉県の御嶽山とコースを繋げて歩いています。

桜山公園では、紅葉のほうはほぼ見頃でした。

 累積標高差(登り):1023m / 距離:16.0km / 歩行時間:4時間20分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:36-05:58 八王子 06:08-06:54 高麗川
高麗川 06:58-08:05 丹荘
丹荘駅入口 08:20-08:29 新宿

(登山行程)
新宿バス停      08:35
金鑚神社       08:55-09:00
岩山展望       09:15-09:20
御嶽山        09:30-09:40
秋葉神社登山口    10:05
八塩温泉郷バス停   10:20
弁天山展望台     10:50
桜山公園第一駐車場  11:55
桜山         12:10-12:30
金丸登山口      13:00
鬼石保育園入口バス停 13:20
神泉総合支所バス停  13:35

(復路)
神泉総合支所 13:54-14:13 丹荘駅入口
丹荘 14:57-16:01 高麗川 16:03-16:42 八王子
八王子 16:50-17:02 橋本 17:05-17:16 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

この日は、まず最初に御嶽山を目指すので、八高線の丹荘駅で下車します。八高線では埼玉県最北の駅です。
駅から少し歩いて県道に出たら、丹荘駅入口バス停でバスを待ちます。
バスに乗っている時間は10分ほど。新宿バス停で下車して歩き始めます。
はじめ少し国道を歩くのですが、この国道ときたら、大型のダンプが頻繁に通って空気が悪い上に、写真でも分かる通り、途中には歩道のない箇所もあって、気持ち良く歩ける道ではありませんでした。


15分ほど歩いて金鑚神社の大きな鳥居の前まで来れば、ようやく落ち着いて歩けるようになります。
国の重要文化財に指定されている多宝塔などを見ながら、金鑚神社の参道を進みます。
神橋を渡って境内へ。ここから先が神域です。
拝殿で、これからの登山の無事をお願いしました。


さらに奥へと進んだところが登山口で、御嶽山への案内がありました。
コースの案内図もあって、山頂へ通じる道は4方向から書かれています。そして右上にある、老人とその孫らしい2人が手を繋いでいるイラストが、これらの道が老若男女を問わず安全に歩けるよう整備されていることを強く印象付けていますが、それを真に受けると場合によっては大変な目に遭いますのでご注意下さい。
下の写真にマウスを乗せると、私が歩いたコースを示します。現在はバス停からピンク色の車道を歩いて金鑚神社まで来たところで、続いてオレンジ色の「金鑚コース」で御嶽山に登るまでは、何の問題もない道でした。ところが下山に選んだ黄色の「秋葉神社コース」は、整備不良で歩行困難に限りなく近かったのです(後述)。
道はすぐ二手に分かれて、金鑚神社からは御嶽山を周回することができます。だから、どちらの道も良く歩かれているようでしたし、山頂近くに神社の奥宮があることから、参道の延長として整備もされているのでしょう。
御嶽山へ直行する右の道を選ぶと、長い階段が始まりました。道の脇には無数の歌碑が続きます。
最初に見えていた範囲の階段を登り終えた先にも、階段はずっと続いていました。
しばらく登ると、国の特別天然記念物に指定されている「御嶽の鏡岩」が現れました。これは断層活動によって生じたすべり面で、断層がずれた際に岩が強い摩擦で磨かれて、光沢を帯びた鏡のような表面になったとか。
さらに階段を登って、2つある御嶽山のピークの間の鞍部へ。ここまでは、ほとんど階段ばかりでした。


山頂は後回しにして、「岩山展望」と案内されている左の道に入ると、すぐに休憩舎が建つ広場に出ました。
広場の周囲には、いくつもの石仏が並んでいました。解説板によると、ここは江戸時代頃の巡礼の地で、往時には88体の石仏が配置されて、四国88ヶ所の霊場を模していた場所だったようです。
広場の奥から「岩山展望」に向かいます。すると、ようやく階段ではない道になって、登山らしくなりました。
とはいえ岩山へ登る道だけに、土の上を歩くことは少なくて、岩の斜面を登っていく具合でした。
ひと登りで「岩山展望」に着きました。金鑚神社の奥宮とみられる社のほか、展望図などがあります。
北側に北関東の山々をぐるりと見渡せました。雲が多くて、上越国境の稜線までは見られませんでしたが‥‥。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
一方の南側にはほとんど雲がなく、秩父方面の山々をスッキリと眺められました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


鞍部まで戻ったら、今度は山頂への道に入ります。こちらは、引き続き石仏が並ぶ道でした。
頂上直下はロープが下がる急斜面。でも木の根を足場にして登れるので、特段の難しさはありません。
御嶽山の頂上は樹木に囲まれた手狭な場所ですが、ありのままに近い姿が残っている感じは悪くありません。
標識なんかも、夏とかだったら草藪に埋もれてしまいそう。
展望も、樹木の間からいくらか覗き見できる程度でした。
低山に登るには早い時間だったからか、御嶽山の山中は静かで、登る途中ですれ違ったのは1人だけ、到着時は無人だった頂上に後から現れたのも1人だけです(ただ、登山道のない北西側の踏み跡から現れたので吃驚)。
そして、この後の下りは、以降を読んで頂ければ分かりますが、人と会うような道ではありませんでした‥‥。


頂上での休憩を終えたら、秋葉神社へ下る道に入ります。登山口にあった案内図に載っていた道ですし、私製っぽい物とはいえ頂上からの下山口に道標も立っていたので、何の不安も持たずに下り始めました。すると道はすぐに草深くなり、あまり歩かれていない様子でしたが、地面には道が明瞭に付いていたので、構わず進みます。
ところがこの道標の地点で不動沢への道を分けたら、その後はいよいよ道が不明瞭になりました。不動沢への道の様子は不明ですが、少なくとも私が向かっている秋葉神社からの道は、ほとんど歩かれていないのでしょう。
しかも進むにつれて、歩きにくい箇所が次々と現れ始めます。ここは木段が壊れたことでただの急斜面になっていて、ロープがなければ通過は困難。単に歩かれていないだけではなく、整備も行き届いていない様子です。
要所には道標が立つほか、最小限の間隔でテープも付けられていて、道が明瞭だった当初は迷う心配のない状態だったのでしょうが、道が頻繁に不明瞭になるため、次のテープが探せずに周囲をウロウロする状況に何度か陥りました。正しいコース上を歩いていても、そこに道があるように見えないため、コースを外していないか常に不安でしたし、歩行困難な箇所が多くて難儀させられたので、経験が浅い人が歩き通すのは難しいと思います。


そんな状況でも、なんとか無事に秋葉神社にたどり着けて、ホッと胸をなで下ろしました。
秋葉神社までは歩く人がいるのか、神社から先は参道らしい広い道に変わって、難なく歩けるようになります。
車道に出て秋葉神社の参道を振り返りました。ここにも金鑚神社で見たのと同じ案内図があり、今歩いてきたコースをしれっと表示していましたが、これだけ整備不良なら、何らかの注意喚起が必要なのでないでしょうか。
悪路で余計に時間がかかったようで、ここで計画上の到着時刻に約5分の遅れが生じていました。計画には余裕を見込んであり、普段通りのペースで歩けて、特段のトラブルもなければ、大抵は前倒しになるものなので、ちょっと想定外の事態です。しかもある事情から、たった5分とはいえ、決して小さくない誤算だったのでした。
というのも、いつものように計画よりも早めに歩き終えることを見越して、帰りのバスは、バス停への計画上の到着時刻より20分ほど早い13:54発を目標にしていたのです(次の14:52発だと、丹荘駅での乗り換えが1時間待ちとなり、それは避けたかった‥‥)。ここに計画よりも5~10分程度早く着いていれば、そのままのペースで歩き続けられたところですが、ここからは遅れを取り戻すべく、少しペースを上げて歩くことにしました。


さて、ここまでは埼玉県内を歩いてきましたが、次に目指す桜山は群馬県にあるので、どこかで県境の神流川を渡らなければなりません。このあたりに架かる橋の数は少なくて、少し遠回りをさせられてこの橋を渡ります。
歩行者専用のこの橋は、何という名前か分かりませんでした(どこにも書かれていなかったようです)。
桜山ハイキングコースの起点となっている、八塩温泉郷バス停がある交差点まで来ました。ここにはJR高崎線の新町駅またはJR八高線の群馬藤岡駅から、日本中央バスの路線バスで来ることもできます。


細い車道を登り始めると間もなく、案内図が設置された駐車スペースがありました。でも別の駐車スペースがもっと上にあるので、こちらはあまり使われていない感じです。
この案内板の脇のポストには紙版の案内図が入っていて、有難く1部頂きました。これは親切で良いですね。
次第に高台へと上がっているので、振り返ると先程登ってきた御嶽山を眺められました。
御倉御子神社への石段を右手に見送って、さらに車道を登ります。
舗装された車道の終点にも駐車スペースがあって、こちらが実質的な登山口として使われているようでした。


その先も、しばらくは未舗装の林道を進みます。ここからようやく山道に入るかと思ったら‥‥。
山道と言えば山道なのですが、引き続き車でも通れそうな道幅があります。何らかの重機で切り開いたような道で、あまり歩いていて楽しい感じではありませんでした。
ようやく山道らしくなったのは、かなり登ってからのこと。ほどなく通過した「いっぷく平」は、その名前に反して単なる斜面の中の一角に過ぎず、平坦な場所ではなかったので、このネーミングはちょっと謎です。
弁天山展望台に着くと、あずまやは先客のグループでいっぱいでした。
てっきりピークにあるかと思っていた展望台は北側の斜面に建っていたので、眺められるのも北側だけでした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
あずまやには入れず、北側に雲が多かったこの日は、展望もさほど見事という訳でもありません。元々ペースを上げて歩いているところだったので、展望台では休憩しないで先へ進んでしまいました。


展望台を過ぎても登りは続いて、弁財天の前を通過していきます。これが弁天山という山名の由来でしょうか?
その後ももう少し登らされて、道標のあるこのあたりが、弁天山一帯の最高点だったようです。一応、道標の背後にあるピークの様子を窺ってみましたが、そこに山名標のようなものはなく、ただの無名峰だったようです。
弁天山一帯を過ぎると、一旦下りに変わったのち、再び登りが続くようになります。弁天山付近では雑木林の中を気持ち良く歩けていましたが、その後は植林が多くなって、若干面白味に欠ける山道となりました。
ひとしきり登ると、その先にはしばらく大きな登りがなくなって、小さなアップダウンだけが連続するようになります。楽に歩ける反面、景色はさらに単調になりますが、途中にはこんな穏やかな風景の場所も現れました。
その後は林道との合流や分離を2回ほど繰り返します。このあたりまで来ると、道はほぼ平坦になりました。
パッとしない景色が続いて退屈しかけた頃、雲尾の集落に出ました。ここまで来ればもう桜山は間近で、冬桜見物の観光客のものとみられる車が次々と車道を行き来していました。
少しだけ車道を歩いたら、再び山道へ。ただしこの山道、一旦大きく下ってから登り返しをさせられたので、オフシーズンなど通行量が少ない時であれば、車道を進んだ方が体力的には随分と楽そうでした。


桜山公園の第一駐車場には、食事処や土産物店などが並んでいて、多くの観光客で賑わっていました。
桜山公園内に入ると、紅葉を楽しむにはちょうど良い頃合だったようです。
一方の冬桜は、遊歩道上から見られるものはどれも花付きが今ひとつでした。見頃はもう少し先でしょうか。
遊歩道から離れた斜面には満開の冬桜が並んでいましたが、少し遠目に見るしかなかったのが残念です。


最後に約200段の階段を登って、桜山の頂上へ。
最高点はここで間違いないのですが、周囲をいくら探しても標識などはなく、なんだか中途半端な頂上の写真になりました。また頂上の周囲には樹木が多くて、景色を眺められる方角が限られていました。私はスルーして来てしまっていたのですが、展望を楽しむのなら、途中にあった展望台からのほうが良かったのかもしれません。
頂上でも紅葉はいくらか楽しめました。
冬桜も、頂上ではそこそこ咲き揃っていました。一斉に咲いて華やかな雰囲気の春の桜と比べると、小さく可憐な花がパラパラと咲く具合ですし、ほんのりと淡い彩りなので、どこか儚い印象を受けますね。
限られていた頂上からの展望のうち、こちらは東側で、奥武蔵方面の山々を眺められました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
そして南側には秩父・奥秩父あたりの山並みが見られました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


ハイペースで歩いてきた甲斐あって、時間にはかなりの余裕ができていたので、頂上では少しゆっくりと過ごすことができました。冬桜と紅葉と展望を満足するまで楽しんだら、冬桜が咲く道を南東側へ下ります。
大半が車で訪れた観光客なので、駐車場と違う方向に下るのは私だけ、すぐに周囲から人が消えて寂しくなります。かなり下って、この道で合っているか不安になりかけた頃、ようやく金丸登山口への道案内が現れました。
その道は、一旦車道に出てしまいますが‥‥。
車道を横断した先に、すぐ山道の続きがありました。
その後はやや急な下りがしばらく続いたのち、ガクンと傾斜が緩むと、積もったばかりの落ち葉を踏みしめて歩く気持ちの良い道になりました。もう少し早ければ、紅葉の真っ只中を歩けたのではないでしょうか。
さらに進むとトラバース状の道が続く区間に入って、軽い登り返しが繰り返されたりもしました。
再び下り一辺倒の道になり、久々沢経由で下ってきた道を合わせると、ほどなく金丸登山口に到着です。


あとは車道を歩きます。車道でも冬桜が見られたのは、さすが「藤と冬桜のまち」をPRしている藤岡市ですね。
金丸登山口から20分ほど歩いて、国道462号線との交差点まで来ました。
この交差点には、日本中央バスの鬼石保育園入口バス停があります(金丸登山口の最寄りのバス停になるはず)が、新町駅行きのバスは2時間後まで来ないタイミングなので、さらに別のバス停を目指して先へ進みます。
交差点を直進すると、すぐ先に神流川を堰き止めている神水ダムがあって‥‥。
堤頂部を通って対岸に渡ることができます。県境を越えるので、朝以来の埼玉県側に戻ることに。
埼玉県内に入って、最初に現れるのがこの丹生神社。ここには公衆トイレもありました。
ゴールの神泉総合支所バス停に到着です。ここは朝に丹荘駅から新宿まで乗った路線バスの終点になります。
このバス停はトイレと待合室が入った建物付きで、バスが来るまでの時間を待合室でゆったりと過ごせました。

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守屋山 / 高遠城址公園 [南アルプス]

2018/11/03(土・祝)

■第392回 : 守屋山(1650m) / 高遠城址公園


今回の行先は、南アルプス山系の最北端に位置する守屋山です。
一般的には、杖突峠など中腹の登山口から登る山ですが、山麓の諏訪大社上社からガッツリ登ってきました。

下山後はバスで高遠まで足を伸ばし、「もみじ祭り」が開催中の高遠城址公園で紅葉狩りも楽しんでいます。

 累積標高差(登り):1146m / 距離:10.8km / 歩行時間:3時間55分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 04:59-05:21 八王子 05:35-06:19 大月
大月 06:23-07:12 甲府 07:24-08:32 上諏訪
上諏訪 08:40-09:05 上社

(登山行程)
上社バス停    09:10
諏訪大社上社本宮 09:15-09:25
展望台      09:35-09:40
武居城跡森林公園 10:00
分杭平      11:20-11:30
守屋山(東峰)  12:05
守屋山(西峰)  12:20-12:50
守屋山(東峰)  13:05
立石登山口    13:45
古屋敷バス停   14:00

(バス移動)
古屋敷 14:45-15:20 高遠横町

(おまけの散策)
高遠城址公園 15:35-16:00

(復路)
高遠駅 17:15-18:15 茅野 19:05-20:35 八王子
八王子 20:44-21:06 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

上諏訪駅から諏訪市のコミュニティバス「かりんちゃんバス」に乗車、上社バス停で下車します。
バス停から歩き始めるとすぐ、土産物店などが並ぶ参道の先に、諏訪大社上社本宮の鳥居が見えてきました。
諏訪大社上社本宮で参拝していきます。このあと登る守屋山は、諏訪大社のご神体とも言われていて(これには否定説もあります)、今回はその両方を結んで歩くコースを選びました。
一般参拝なので、拝所で参拝をすませます。祈祷をお願いすると、この奥にある拝殿の前まで入れるようです。
参拝後は、「布橋」と呼ばれる回廊を通ります。回廊の左右にも、様々な社殿が並んでいました。
「布橋」から出ると、左手に「大欅」がありました。樹齢約千年とあり、境内最古の樹木のひとつだとのこと。
東参道の鳥居をくぐって、諏訪大社上社本宮の境内を後にします。


諏訪大社上社本宮からは、少し道路を歩いても良かったのですが、山側に遊歩道が書かれた案内図を事前に見ていたので、その方向に向かいます。すぐ先にある法華寺の前までは、舗装された車道でした。
法華寺の左手から、それらしい山道が延びていて、てっきりその遊歩道かと思ったのでしたが‥‥。
山道を少し登った所に現れた広場は、その全体がゲートボール場になっており、いくつものコートが所狭しと並んでいるばかりで、その中に明確な道がありません。道標をはじめとする道案内の類も皆無で、なんか変です。
そこでは、折しも多くのシニアの方々がゲーム中で、先に進むには、プレイを邪魔しないようにしてコート内を次々と突っ切るしかありません。進行方向も感に頼るしかなく、実際はそこに遊歩道などなかったのでしょう。


それでも正しい方向に歩けたようで、諏訪大社から道路を歩いた場合の山道への入口に無事に出られました。
そこからの道は、しっかりとした遊歩道の体裁になって、不安なく進めるようになります。
数分もすると展望台がある地点に出ました。「諏訪盆地眺望」と書かれています。
高台のヘリに当たるその場所は、草原状の広場になっていて、大きく開けた北側に向けて展望台がありました。
展望台からは、まさに諏訪盆地を一望できたほか、山岳展望もそれなりに楽しめました。標高が低いので、美ヶ原などは前山にほぼ隠れてしまう眺めでしたが、条件次第では北アルプスの一部がスッキリと望めるようです。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


その後、畑に囲まれた中を進む分かりにくい箇所もありましたが、問題なく次の案内がある地点まで来ました。
その地点に立っていた、この付近の案内図です。予めネットで見ていたこの案内図を参考にして、諏訪大社から山道を歩くコースを考えてきたのに、すでに書いた通り、そこにはハイカー向けの道なんてありませんでした。
さらにその案内図には、その地点から車道をショートカットする山道が書かれているので、予定通りその方向に進んだところ、すぐに壊れかけた動物除けの柵に前進を阻まれました。ネットが破れた所から強引に突破したものの、その先は藪っぽい上に倒木が放置されているなど、満足に歩けなさそうな状況なので引き返しています。
案内図まで戻って、仕方なく車道を進むと、ほどなく登山口に出ました。なお、先程途中まで進みかけた藪道からの出口を探しても、近くに見当たらなかったので、歩かれなくなった道が不明瞭になってしまったようです。
ここまで来てようやく、道標による行先案内の中に「守屋山」が初めて現れました。


登山道は少々急な木段で始まり、以降もジグザグを描かずに斜面を直登する箇所が大半で、やや辛い登りです。
紅葉を楽しむには、来るのが若干遅かったようです。実は守屋山には、7年前のほぼ同じ時期(2011/11/02)にも登っていて、その時は紅葉がほぼ見頃だったのですが、今年は木々の色付きが少し早く推移したようです。
しばらく登っていると、なにやら解説板が現れました。武居城跡森林公園に着いたようです。
武居城跡森林公園への分岐道に入ると、すぐ上が小ピークになっていて、そこに休憩舎が建っていました。
でも、休憩舎以外で目立った人工物といえば、武居城跡森林公園と彫られたこの石柱くらいのようです。
周囲は1枚の写真に収まる程度の面積で木々が刈られ、いくらか開けた空間が広がっていますが、公園というほどの印象は持てません。森林破壊を最小限に抑えた配慮なのか、それとも整備途上なのか、どちらでしょうか。


武居城跡森林公園から登山道に戻ると、そこからが長く感じました。割と単調な景色が続いて変化に乏しい上に、登山口からずっと続いている少々きつめの傾斜が一向に収まらず、快適に歩ける箇所も少ないのです。
林道を横断してさらに登ります。
すると、次第に曇り空に変わって、元々見頃を過ぎた黄葉が、さらに冴えない色合いになってしまいました。
隣の尾根のカラマツ林も、まださほど標高を上げていないのに、かなり落葉が進んでしまっているようでした。
ひたすら淡々と登るだけの状況から解放されたのは、右折を示すこの道標が現れた時のこと。そこで道が下りに変わると、なぜか急に細くて頼りない道幅になり、少々ヤブっぽくもなります。それでも明瞭な道形を信じて下っていくと、ほどなく林道に降りた地点に何の案内もなく、林道を左右どちらに進めば良いかが分かりません。地形図を確認して、かなり近付いていた分杭平が左の方向にあると分かったので、左に進んでみましたが、間もなく林道が途切れてしまったら、そこから先には道はおろか踏み跡すら見当たらないので困ってしまいました。
林道の終点からは、別の林道がすぐ下に見えていたので、道のない斜面を強引に下って、このゲートの脇に出てきました。その斜面にはいくつかの足跡が見られたので、かつて同じ状況に陥った先人のものと思われます。※帰宅後に調べたところ、最初に林道に降りた地点では、林道に惑わされずに直進するのが正解だったようです。


それでもゲートの前に立てば、すぐ先に分杭平が見えていてひと安心です。登山口以来、全く人の気配がない中を登ってきましたが、分杭平に着くと大人数のグループが休憩中で、この日初めて会う登山者になりました。
分杭平は、7年前に訪れた時にカラマツの黄葉の最盛期で、青空の下で森全体が黄金色に輝くさまが美しく印象的でした。再会を目論んで今回もほぼ同じ日に来てみたのに、落葉は進んでいるわ、空は曇っているわで、すっかり思惑が外れてしまいましたが、曇り空の下でも心安まる雰囲気は健在で、お気に入りの場所のひとつです。
キャンプ場でもあるらしい分杭平には、避難小屋やトイレのほか、いくつものテーブルとベンチがあります。


その先も登山道は所々で急登になり、疲労してきた足には少々きつく感じますが、一気に登ってしまいます。
守屋山の東峰に到着しました。ここからの展望も見事で、一応は写真に収めたのですが、展望は最高点の西峰からのほうが一枚上に感じましたので、ここからの展望写真は割愛します。
展望写真を撮っている間に、日差しが復活! これ以降はずっと晴れ間が続いて、気持ち良く歩けています。


東峰の頂上直下には守屋神社の奥宮があります。下山先の古屋敷には里宮があって、のちほど参拝する予定。
東峰と西峰の間は、穏やかな傾斜の気持ち良い尾根道で結ばれていて、疲れた中でも足取りが軽くなりました。
避難小屋のような建物の前を通れば、もう守屋山最高点の西峰は目と鼻の先です。


守屋山の頂上(西峰)に到着です。分杭平以降は登山者と次々とすれ違っていて、この頂上でも15人前後と居合わせています。でも、広さのある頂上なので混み合っている感じはなく、座れる場所にもまだ余裕がありました。
しかも意外なことに、山シャツ1枚で快適に過ごせます。日差しには力強さがあって、穏やかに吹く風も心地良い程度。この日は今シーズン初めて冬用のウェアを着てきてみたら、予想外の暖かさに登山口の時点ですでに上に羽織っていた物が全て不要になっていたのですが、頂上での休憩中もずっとそのままでいられるなんて‥‥。
頂上では360度の展望があり、快晴に恵まれた7年前は、それはもう見事な眺めでした。しかしこの日は雲が多く、クリアに望めたのは美ヶ原や霧ヶ峰などがある真北の方角だけ。すぐ右隣の八ヶ岳は完全に雲の中でした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
南アルプスの方角は特に雲が多くて、ほとんど何も見えていない状況です。
中央アルプスは、見えている山もあるものの、肝心の核心部は雲に隠れてしまっていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
北アルプス方面も、雪を抱いた山稜の一部が辛うじて望めた程度で、多くのピークは雲に覆われていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
期待が大きかっただけに展望は残念でしたが、下山後に乗る予定のバスの時間までには余裕があり、快適な気候で居心地が良かったこともあって、珍しく頂上でゆっくりと30分ほど過ごしてから、下山を始めています。


来た道を戻って、東峰の手前まで来ると、すでに1度見送っていた古屋敷への分岐点があります。下山後は古屋敷からバスに乗るため、当然ここから下るほうが近いのですが、この道は2011年の時に歩いていることから、今回は別の道を下ることにしてきたので、この分岐は再度見送ります。
2度目となる東峰を通過して、もう少しだけ来た道を戻ります。
立石登山口への分岐点まで戻ってきました(この地点も登りの途中で1度見送っています)。立石・古屋敷の両登山口の間は15分ほどで歩ける距離なので、今回はここから立石へ下ったのち、車道で古屋敷へ移動します。


立石への道を下り始めると、登山道の上部は少々急な斜面に入って、小刻みなジグザグが繰り返されました。
上部のジグザグを下り切った地点では、三角点がある前嶽への道が分岐していました。片道3分の表示を見て往復するか迷いましたが、久しぶりにマトモに山を歩いて早くも疲れ始めていたので、スルーしてしまいました。
途中には、わずかながら紅葉が楽しめる樹木が残っていました。
その後は浅間の滝への道が2回分かれましたが、寄り道した場合の時間が読めないので見送りました。
しばらく下ると、目の前に大きな岩が現れました。標識によると「百畳岩」だそうですが、短いハシゴで岩の天辺に立ってみると、その広さなんてせいぜい数畳がいいところ。少々誇張が過ぎるような気がします。。。
「百畳岩」の上からの眺め。たぶん南東方向です。紅葉の見頃は低い山に移っているようですね。


「百畳岩」の前からコースが2つに分かれていて、そのうち「岩巡りコース」に入ってみます。すると、登山道脇に変わった形の岩が次々と現れるようになって、目を楽しませてくれました。
最初の巨岩はこの「鬼ヶ城」です。地面付近にある窪みに、かつて鬼が棲んでいたとも伝えられているらしい。
なるほど、その窪みは大人でも何人かが入れそうな大きさがあって、雨露を凌ぐのに十分使えそうでした。
親子岩と夫婦岩です。写真は別々に撮っていますが、すぐ近くに寄り添うようにしていて一緒に見られました。
こちらは十文字岩。写真にはうまく撮れていませんが、写真左上あたりに亀裂が十字状に入っていました。
そして次に現れたのが、コース名の由来らしい「立石」です。
なるほど、このコースを象徴するに相応しい立派な岩で、地元の人たちが朝晩祈りを捧げてきたとのこと。
最後は「亀石」。確かに左上端あたりが、亀が甲羅から顔を出しているように見えますね。


立石登山口まで下ってきました。ここまで車で入れるようです。
車道を少し下ると、2つ目の駐車スペースがあって、こちらのほうがやや広めだったように思います。
しばらく車道を下ると、国道256号線(杖突街道)に出ました。
ここから古屋敷まで、15分ほどこの国道を歩くのですが‥‥。
その計画はあまり宜しくなかったようです。というのも、交通量がそれなりにあり、結構飛ばしている車も多いのに、歩道が全くないばかりか、路肩すら狭い箇所が大半だったのです。車が通るたび、安全にやり過ごすのにいちいち気を遣う必要があって、沿道に時折紅葉が見られても、それを楽しむ心のゆとりは持てませんでした。


古屋敷に着いたら、危なっかしい国道歩きを終えてひと安心。待合室付きのバス停は、見覚えのある7年前の姿のままでした。その時と同じく、ここからバスに乗って高遠に向かいます(というか高遠にしか行けません)。
が、バスが来るまで随分と時間があるので、やはり前回と同じく、守屋神社で時間を潰していきます。
静かな境内で、誰も来ないものと油断していたら、地元の方らしい男性が参拝に現れて不意を突かれました。


古屋敷から乗ったバスを、今回も、この路線で高遠城址公園に最も近いと思われる高遠横町で下車します。
高遠横町バス停からも、7年前と同じ道のりで高遠城址公園へ。先週から「もみじ祭り」が開催中ですが、この日の各種イベントは午後3時までに全て終わっていたので、人が減り始めた頃合いだったのだろうと思います。
グランドゲートから公園内に入ります。春のさくら祭りとは違って、もみじ祭りは入園料はいりません。
高遠城址公園の紅葉はほぼ見頃でした。木々が密集せずに散在しているので、圧倒されるほどの印象はなく、1本1本を個別に楽しむ感じの場所が多かったです。その中でも鮮やかだったものの写真を何枚かご覧下さい。


高遠城址公園を後にしたら、高遠駅に向かう途中で、水曜日に訪れた7年前は定休日だった「あかはね」に立ち寄って、「高遠まん頭」を購入します。10個入りのものはお洒落な化粧箱入りでなかなかGoodでした。
あとは高遠駅で、2014年から運行が開始された路線バス「南アルプスジオライナー」の茅野駅行きを待ちます。伊那市駅行きのバスしかなかった7年前は、伊那市から飯田線を北上し、岡谷で中央線に乗り換えるという大回りな経路で帰ってくるしかなかったので、当時と比べると高遠からは随分と楽に帰れるようになりました。
余談になりますが、最後に大幅に時間が余ったので、高遠の中心街で食事でもと考えていました(城址公園で時間を潰してしまう手もあったけれど、遅まきながら昼食をと、時間の余裕を残して高遠駅に向かったのです)。
なのに高遠駅周辺の食事処ときたら、軒並み午後3時台には中休みに入っていて、営業再開はどこも夕方から。午後4時頃にいくら探しても、営業中のお店なんて1軒も見つかりません。タイミングが悪かったようです。
しかも、食料品を扱うお店すら見当たらず、おにぎり1つパン1個買えずじまい(住民の皆さんはどこで買物をしているのだろう?)。結局、高遠駅の待合室で暇を持て余すしかなく、食事も茅野駅までお預けとなってしまいました。でも、初めて食べた茅野駅の駅ソバが評判通り美味しかったので、それはそれで良かったけれど。

タグ:南アルプス
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