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都留アルプス [富士山とその周辺]

2019/02/23(土)

■第400回 : 都留アルプス(蟻山(658m)・長安寺山(654m)・古城山(583m)


この日は都留アルプスを歩いてきました。山梨県都留市のほぼ中央に連なる標高500~700m級の山々を繋いだコースで、地元山岳会の発案によって2017年に整備された、比較的新しいコースです。

当初は雨が降ると予報されていた日に(予報が変わったのは前日)、早朝の7時前に歩き始めて10時過ぎには下山していたことも重なってか、自分以外の登山者に全く会わないまま歩き終えていますが、このコースの存在もまだ広くは知られていないのでしょう(例年ならば積雪が考えられるという、時期的な影響もあったのかも)。

 累積標高差(登り):807m / 距離:10.0km / 歩行時間:3時間20分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 04:59-05:21 八王子 05:35-06:19 大月
大月 06:33-06:49 都留市

(登山行程)
都留市駅 06:55
蟻山   07:35-07:40
白木山  07:50
長安寺山 07:55
天神山  08:20
713m峰  08:55-09:00
697m峰  09:50
古城山  10:10-10:15
東桂駅  10:30

(復路)
東桂 10:43-11:15 大月 11:22-12:06 高尾
高尾 12:11-12:17 八王子 12:20-12:43 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

富士急行線の都留市駅からスタート。昨夜までぐずついていた天気が、朝には回復しているという予報だったのを受けて早出してきたのに、上空はどんよりとした雲に覆われていました。
市街地を少し歩いて、ひまわり幼稚園の裏手から、「都留アルプス」の道標に従って登り始めます。
はじめは、谷村発電所の導水管に沿って、ジグザグに登ります。このことは予め知っていたのだけれど‥‥。
それが、こんな舗装された道だとは思いませんでした。なんだかちょっと味気ない登りです。


発電所の作業路でもあるらしい道を、導水管の落ち口の高さまで登ったところに、富士山展望台への分岐がありました。こんな空模様では何も見えないことが分かりきっていますが、一応は寄って行くことに。
分岐から1分も歩くと、ちょっと小高くなった場所が現れて、どうやらそこが展望台のようです。
案の定、「富士山展望台」なのに肝心の主役が不在です。展望写真も空しく見えて、すぐに引き返しました。


元の道の続きに戻ると、ようやく山道を歩けるようになりました。
「都留アルプス」の道標が割と短い間隔で道案内をしてくれて、相当の手間を掛けて整備した様子が窺えます。
「都留アルプス」最初のピークとなる蟻山に着きました。どの方角も見通しが良くて、かつて狼煙台があったという解説板の説明も頷けます。でも現在は元々さほど広くない頂上部の大半が電波塔に占有されて、手狭な場所となっている上に、見通せる方角も限られていました。それに、「蟻山」の標識も見当たらないようです。
天気はまだ回復する兆候すら見られず、どの方角を向いてもこんな景色ばかりでした。
短い休憩を取ったのち、蟻山を後にすると、なぜか一段下がった場所に「蟻山」の標識がありました。


エスケープルートの多いコースだけに、その後はしばしば分岐点を通過することになりますが、要所にはしっかりと道標が設置されていて、道案内は万全だったと感じています。
2番目のピークとなる白木山は、なだらかな尾根の途中といった具合の、あまり山頂っぽくない場所です。
白木山は大した展望もなく、蟻山で少し休んでから時間も経っていないので、通過するだけになりました。
次の長安寺山へは、プラスチック杭の階段道を登ります。ほぼ送電線に沿って進むこの登山道は、送電線巡視路と重なっているらしい区間が多く、この先でも同じような巡視路仕様の階段が何度も現れるのでした。
長安寺山も、雰囲気は先ほどの白木山と似ていて、あまりパッとしないピークです。
標識だけがポツンと立っていたのも、白木山と同様でした。他に何もないので、ここもスルーしてしまいます。


長安寺山から先へ進むと、すぐに「パノラマ展望台」への分岐があって、それらしい場所がもう見えています。
分岐点からほんの数十秒で「パノラマ展望台」に到着です。都留市駅側から歩いてきた場合、ここで初めてベンチを見ることになるので、ここを休憩地点にするのが良さそう。
未だ天候回復の気配はなく、ここからの眺めも残念なものに終わりました。来る時間が早すぎたのでしょうか。


展望台から元の道に戻ると、その後は一気に高度を落とし、山の麓あたりまで下った頃に分岐点に出ました。
だから分岐点で左を向くと、もう市街地がほぼ同じような高さに迫っていました。
一方、右には水路橋が見えていたので、近くまで行ってみます。橋の中を通っているのは、登りしなに見てきた谷村発電所へ通じる水路で、「都留アルプス」の登山道はこの水路沿いを進むコースにもなっているのでした。
水路橋の説明を読んでいたら、最後に気になる一文が。
  『★橋の下の中央で手をたたくと「鳴り龍」が聞ける。』
手を叩いてみたら、その余韻がちょっと面白かったです。2つの橋脚が近距離で隣接しているその間で手を叩くと、反射音が橋脚間を瞬時に往復しながら減衰していくので、あたかも一連の断続音っぽく聞こえるのでした。


登山道に戻って軽く登り返して行くと、ほどなく鉄塔が建つピークがあります。てっきりそこが天神山だとばかり思っていたら、周囲をいくら探しても山名標が見当たりません。
その代わり、そこを過ぎて一旦軽く下り、同じくらい登り返すと、何やら前方に標識らしき物が。もしや‥‥。
やはり、それが天神山の標識でした。なぜこんな、およそ山のてっぺんっぽくない場所が選ばれたのだろう?
天神山の先で、再びガクンと下ると、目の前に再び水路橋が現れました。
ここでも水路橋と同じくらいの高さまで下るので、橋を横から眺めて通過していきます。


水路橋の先で、谷村第一小学校の学校林に入ります。「友愛の森」と名付けられた林内には東屋が建っていたほか、近くには多数のベンチもあり、ここが、このコースで腰を下ろして休憩できる最後の地点となりました。
東屋を少し過ぎたあたりで、道の左側になにやら標石を見掛けました。
地形図では何の表示もない地点なのに、標示杭には「大切にしましょう三角点」とあります。帰宅後に国土地理院のサイトで調べると、この地点にあるのは「図根点」となっていて、三角点の補助的なものなのでしょうか。
その後は割とダラダラとした登りを続けていくと、広く伐採されたエリアに入りました。そこでは大々的に桜の植樹が進められていたので、将来は桜と展望の両方を楽しめる場所になりそうです。
伐採地からの展望はこんな具合。見えているのは、都留文科大学前駅を中心とした町並みです。


都留文化大学前駅への分岐点まで来ました。都留アルプスには、その全長にあたる「がっつりコース」のほかに、家族で楽しめる「ファミリーコース」や登山初心者向きの「一般コース」の設定もあって、最も短い「ファミリーコース」はここから下山となります。実際のところ、楽しく歩けるコースはここまでだったような‥‥。
というのも、そこから先になると、ゴール間近の古城山に着くまでは見所らしい見所がなく、変わり映えしない景色の連続で、歩くこと自体が好きな人でないと退屈するのではと心配になるような状況だったのでした。
しかも、713mピークの手前には、少々急な登りが現れたりもして、ややタフなコースに変わります。
急坂を登り詰めた地点の道標には、手書きで「713M地点」と書き加えられていましたが、それは誤りです。さほど難しい地図読みではなく、地形図を見て歩いていれば誰でも気付けそうなことなのに、なぜ間違えた?
正しい713mピークは、この松林の中だったようです。このコースで最も標高の高い地点にしては、何もなさすぎて残念な景色ですけれど。


713mピークを過ぎると、間もなく尾崎山への分岐点に出て、都留アルプスの続きは案内通り右折になります。
その後はあまりパッとしない景色の中を、ウネウネと曲折を繰り返しながら下っていきます。あまりに頻繁に進行方向が変わる上に、地形的な特徴にも乏しいので、地形図を見ていても現在位置が分からなくなりました。
ただ、道標は過剰に感じるくらいに立っていて、道に迷う心配はありません。やがて、運動部の部活系らしい声やら物音やらが間近に聞こえてくるようになると‥‥。
楽山球場のすぐ脇を通過していきます。
ほどなく、楽山球場への分岐点に出ました。「一般コース」の場合はここまでなので、さらに先へ進むのは「がっつりコース」を選んだ人だけとなります。実はこの先にもまだ、結構大きな登りが控えていたりするので、ここまで来た時点で体力の残りに不安があれば、無理せずここからコースを外れた方が良さそうに思われました。


分岐点を過ぎると、薄暗くて殺風景な植林帯に入り、沢状の地形(この日は枯れていて水流はありませんでした)に沿って、長い登りが始まりました。はじめのうち、傾斜は穏やかでしたが‥‥。
しばらく登って沢から離れると、所々で景色が開放的になる一方で、傾斜はきつくなります。疲れが溜まってきた終盤での急な登りは、なかなか苦しいところ。それはそうと、今頃になって晴れてきたけれど、もう遅いよ!
その後もどんどん登らされて、一体どこまで行くのかと思ったら、鉄塔が立つ697mピークでようやく登りが収まりました。そこには「尾崎山」を示す道標も立っていて、分岐点にもなっているようです。
それにしても、都留アルプスのコースマップでは、コースの後半部分がまるで何事もなく歩けるかのようにあっさりと書かれているのに、実はそこに、コース中でも最大規模の登りが2つも潜んでいたことになります。
さらに先程の713mピークといい、この697mピークといい、コース中で最も高い2地点に名前がないことも残念に感じました。確かに、どちらもピークとしては中途半端で、名付けるほどの地点でもないのですが‥‥。


697mピークからの下りは、気持ちの良い雑木の尾根道になりました。傾斜もほどほどで歩きやすいです。
最後はやや急な下り坂になって、一旦森から抜けます。ここまで来れば、あとは古城山への登りを残すのみ。
しかし、その最後の登りがまた、ほんの短いものですが傾斜はすこぶる急でした。ここがコース中で一番の急登だったと思われ、あまりの急斜面に、プラスチック杭の階段も崩壊気味です。
急登を登り詰めると、最後のピーク、古城山に到着です。
山頂の南側には住吉神社が鎮座しています。
急だったとはいえ、短い登りだっただけに、麓との標高差は小さくて、町並みがすぐ下に見えていました。


神社の境内で少し息を整えたら、最後は住吉神社の参道を下っていきます。
少し下って、奥からくぐってきた鳥居を振り返りました。
参道の途中には獣害防止の柵があって、扉を開閉して通過します。
こちら側の登山口となっている参道の起点まで、山頂からほんの数分で下ってしまいました。


あとは車道を歩いて、東桂駅へと向かいます。
この頃にはすっかり晴れ渡っていて、三ツ峠山をスッキリと眺められました(このあと富士急行線の車窓からは富士山も拝めています)。この時間から歩き始めていれば、展望台からの景色も見応えがあったことでしょう。
ゴールの東桂駅に到着。この日は都留市駅からここまで、自分以外の登山者と全く会わず、静かに山歩きができています。マイナーなコースでは時々あることですが、一般向けに整備されたコースなので少し意外でした。

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