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岩櫃山・観音山 [上信越]

2019/04/29(月・祝)

■第406回 : 岩櫃山(802m)・観音山(530m)


今回の行先は群馬県東吾妻町の岩櫃山です。標高800mそこそこの低山ながら、上部には険しい岩稜が連なり、登山道も一部がその中を縫うように通されていて、スリリングな山登りができそうなのが楽しみでした。

山の南面には高さ約200mもの断崖絶壁が切り立っていて、中国の南画をも思わせるその荒々しい山容が、2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」のオープニング映像に登場していたのをご記憶の方も多いのではと思います。
そのことで一躍有名になったこの山も、放送から2年が経過、人出も落ち着いた頃合とみて出掛けてきました。
「真田丸」のオープニング映像にも登場した、岩櫃山南面の大絶壁

(往路)
古淵 05:36-05:58 八王子 06:08-06:54 高麗川
高麗川 06:58-08:27 高崎 08:53-09:56 郷原

(登山行程)
郷原駅     10:00
密岩通り登山口 10:25
岩櫃山     11:15-11:25
岩櫃城本丸址  11:55-12:00
平沢登山口   12:10
不動堂     12:30
観音山     12:45-13:00
不動堂     13:10
群馬原町駅   13:30

(復路)
群馬原町 13:46-14:36 新前橋 14:40-14:50 高崎
高崎 15:36-17:20 赤羽 17:26-17:41 新宿
新宿 17:57-18:28 町田 18:48-18:51 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

JR吾妻線を郷原駅で下車すると、同じ電車から降りたのは、私のほかには観光客風の男性1人だけでした。駅のすぐ北側には、岩櫃山の独特の山容が迫っています。
岩櫃山は、もちろん郷原駅のホームからも見上げることができました。

駅から10分ほど車道を歩いたところに登山者用の駐車場があって、そこが古谷登山口となっていました。
停められていた車は3台だけで、ちょっと安心。これから向かう、細くて険しい登山道では、人が多いと渋滞やすれ違い待ちが頻発して、思うようなペースで歩けない心配があったのですが、この台数なら大丈夫でしょう。
古谷登山口まで来ると、いよいよ岩櫃山南面の大絶壁を間近から見上げる形になっていて、迫力満点です。
引き続き車道を歩いていると、集落のあちこち花々が咲き乱れて、山里の遅い春を謳歌しているようでした。
車道区間だけで100mほど登ってしまい、一番奥にある民家のあたりで横道に入ると、間もなく登山口です。
登山口手前から見上げる岩櫃山です。この絶壁自体を登るわけではないとはいえ、こんなに険しく見える岩峰の上に、一体どうやって登るというのだろうか‥‥。

岩櫃山には5本の登山道があって、難易度はそれぞれで異なりますが、せっかく遠出してこの山を登りに来たのだから、その険しさを存分に体感しようと、登りのコースには最も急峻で中・上級者向けとされる「密岩通り」を選びました。ここがその登山口です。
登山道は最初から急勾配です。木段が断続的に現れて、段差の大きな箇所も少なくありません。
登山口から山頂までの標高差は約250mほどしかなく、その数字だけで考えると楽に登れそうな気になりますが、実はその間の水平距離が700mくらいしかないので、勾配は平均で約35%にもなるのでした。
ほどなく、岩場というほどではないけれど、クサリが下がる岩混じりの急斜面も出現します。
それにしても、序盤から容赦ない登りが続くので、時々立ち止まって呼吸を整えながらでないと登れません。
登るにつれて、足場も次第に悪くなっていきます。本格的な岩場が現れるのはまだまだ先のことですが、ここまでですでに、このコースが下りには向かないことが良く分かりました。

急斜面を登り切り、尾根に上がった所が六合目です(ちなみに郷原駅が一合目、古谷登山口が二合目で、登山道が始まる密岩通り登山口が三合目でした)。ここはこのコースでは貴重な平坦地で、ホッとできる場所でした。
登山道の険しさは、六合目より先が本番。七合目まで進むと、最大の難所「天狗のかけ橋」が待っていました。
「天狗のかけ橋」には迂回路があってそちらが先に目に入りますが、迂回路も決して楽な道ではなさそうです。
「天狗のかけ橋」は、両側が切れ落ちた細いアーチ状の岩場でした(分かりにくいけれど写真の下半分がそれ)。長さはほんの2~3mで、真っ直ぐに歩いてさえいればすぐに通過できそうなのに、ただでさえ狭い足場が結構凸凹していて、もし途中で身体がグラついてしまうと即落下なので、通る決心が固まるまで少々躊躇いました。
「天狗のかけ橋」を振り返りました。通ってしまえばほんの一瞬ですが、左右どちらかに落ちれば一大事になるだけの高さがあって、心臓がバクバクでした。なお微妙に登り傾斜だったので、下るほうが余計に怖そうです。

以降はクサリ場の連続となりますが、クサリで登る岩場には手掛かり足掛かりとなる凹凸が豊富で、傾斜も極端に急にはなりません(垂直に近い岩壁になると、大抵はハシゴが設置されていました)。整備状況も良かったので、「天狗のかけ橋」を除けば大きな危険を感じることはなく、スリルを味わう程度の感覚で歩けています。
頂上部が見えてきました。最後はどうにかして、あの岩塔に登るようです。
岩の中にできた、こんなトンネルをくぐり抜けて進むことも。規模は違うけれど、妙義山の石門みたい。
ほどなく、先程から見えていた岩塔が目前に迫り、その基部をトラバースして反対側に回り込むと、険しかった「密岩通り」コースの中でも最大規模のクサリ場が現れて、最後の仕上げを慎重に登っていきます。なお、このクサリ場は全コース共通で、ほかの比較的穏やかなコースから登ってきても、ここだけは避けて通れません。

岩櫃山の頂上に到着しました。標識が立っている小さな岩頭が最高点です。頂上の全体写真は撮り忘れましたが、今立っているあたりが狭いながら平坦地になっていて、10人くらいまでなら居合わせても大丈夫そうでした。
小さな岩頭のてっぺんに埋設されていた三角点は、その場所の狭さゆえか、金属製の丸いタイプのものでした。
岩櫃山の頂上からは、360度すべての方角をぐるりと見渡すことができて、展望盤も設置されていました。
まず南側を見てみると、すぐ近くにある榛名山が存在感を示していました。
その榛名山をアップにしてみました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
続いて西側の展望です。天気が緩やかな下り坂だったこの日、西側は雲が多くて、浅間山はその雲の中でした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
それに対して北側はまだ見通しが良く、雪を抱いた谷川岳など上越国境の山々を眺められました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
そして東側を見ると、小野子三山の後方で赤城山が霞んでいました。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
この時頂上にいたのは私だけでしたが、東隣にあるもうひとつの岩塔には、何人かの登山者の姿がありました。
このあと、その東隣の岩塔から、4人くらいのグループがこちらに移動してくるのが見えたので、それを潮時に頂上を後にします。彼らとは2つの岩頭の鞍部ですれ違い、短いクサリを登って、今度は私が東隣の岩塔へ。

東隣の岩塔から頂上を振り返りました。見えているクサリとハシゴを登り、先程まで私が立っていた場所です。
東隣の岩塔を過ぎると、その先にはもう険しい場所はなく、比較的穏やかな登山道に変わります。
しばらく下ったあたりに2つの分岐点があり、「沢通り」と「赤岩通り」を見送って「尾根通り」に入ります。
2つの分岐点では標識によって案内の仕方がまちまちで、地図を見ないと道を間違えそうで注意が必要でした。
「尾根通り」は途中で岩場コースと迂回路に分かれます。岩場コースを選んでみたものの、途中に現れた岩場はたいしたことがなく、写真も撮らずに通過していたら、じきにまた道が合流してしまいました。

東に延びる尾根を中腹まで下ってくると、岩櫃城本丸址に出ます。往時の建物は何も残されておらず、建物の土台らしい形跡や竪堀などの地形が遺構として見られるのみですが、すぐ下の駐車場から遊歩道を15分も登れば着く場所ですし、真田氏ゆかりの地ということもあってか、多くの観光客の姿がありました。
立派な標柱と、岩櫃城の由来を記した解説板がありました。
一段下がった場所にはあずまやが建っていて、中には登山者ノートが備え付けられていたようです。

本丸址を過ぎれば、あとは穏やかな遊歩道を下るだけ。この道なら軽装の観光客でも問題なく歩けるでしょう。
本丸址からは10分もかからずに、平沢登山口に到着。岩櫃山への登山は、ひとまずここまでとなります。
平沢登山口には、NHK大河ドラマ「真田丸」の放映年にできた観光案内所があります。人が多そうだったのでスルーしてしまいましたが、中に入れば岩櫃山や岩櫃城のジオラマなどが見られたようです。
少し下ったところには大きな駐車場も。大型連休中とはいえ、放映から2年が経った今もこれだけの車が停められているのですから、放送当時は相当な賑わいだったのではと思われます。
このあと、岩櫃山とセットで登ろうと思っている観音山を目指して、車道をさらに先へと進みます。ただ、観音山を訪れる人は少ないようで、駐車場を過ぎると、途端に人気(ひとけ)がなくなりました。

車道をしばらく歩いたところに、観音山への近道があります。なぜか最近の案内図には書かれていない道なのですが、入口にはきちんとした道標が立っていたので、特に不安を感じることもなくその道に入りました。
しかし、その道をたどった先にあったのは洞窟みたいな所。これはどう見ても行き止まりだなぁ。。。
仕方なく来た道を戻りましたが、おかしなことに、いくら探しても分岐道の見落としはなく、一本道で間違いなさそうなのです。そこで今度は洞窟の奥まで行ってみたら、「石門」と書かれた標識を発見。これってもしや?
まさかと思いながら岩穴の下を覗き込むと、ハシゴとクサリが続いていましたが、この下りが結構なクセ者でした。その最大の要因はこの穴の小ささにあります。ハシゴに移る前に斜面に正対したかったのに、狭い上にハシゴの位置も微妙でうまく身体を反転させられず、その後も大きなザックを背負ったまま下るのが一苦労でした。
通り抜けた石門を下から見上げていますが、ここは登りでないと厳しく、かつ軽装でなければ難儀するでしょう。最近の案内図にこの道が書かれなくなっている理由も、そのあたりにあるのではと感じています。
さらに、上の写真を撮った時に立っていた所まででクサリは終わったのですが(岩場がそこまでだったからでしょう)、その先で土の地面に変わってもまだ急坂は続いていて、しかもサラサラに乾燥した落ち葉が厚く積もっているものだから、もう完全に滑り台状態。この直後に見事にスッ転んだばかりか、その場で尻餅をついただけでは終わらずに、2~3mほど滑り落ちたのでした。あんなに派手に尻餅をついたのは、一体いつ以来だっただろうか。落ち葉の上だったから特に怪我はなく、ウェアもほとんど汚れなかったのは幸いでしたけれど。。。

その後も続く滑り台のような坂道を慎重に下って、不動滝まで来ればひと安心でした。
滝から少し登り返した所には不動堂。周囲に人の気配はなく、不動滝の水音だけが響いて厳粛な雰囲気でした。

観音山への登山道は、不動堂の脇から始まっていました。
観音山の斜面には多数の洞窟があって、登山道もそのいくつかの近くを通ります。
随所に大岩がゴロゴロと転がり、足元の悪い所もありますが、岩櫃山と比べると全てが他愛もなく見えました。
途中には金を掘ったといわれる洞窟も。
中腹に分岐点がありましたが、南大岩窟を回るコースは整備不良で荒れているらしく、通行止めでした。
岩場ではクサリを何度か見掛けたものの、さほど険しい箇所はなく、使わずに済むことが少なくなかったです。

観音山の頂上に到着です。登山口からの標高差がほんの100mほどしかなく、登っていた時間も15分という短さでした。この山にも、かつて柳沢城という山城があって、岩櫃城の支城だったと考えられているようです。
頂上には、上の写真の観音像(それが山名の由来でしょうか)のほか、小さな社がいくつかありました。
観音山の頂上ではツツジが見頃を迎えていました。
展望はほとんどなく、かろうじて東側に十二ヶ岳や小野子山を眺められる程度でした。

観音山からは、下るのもあっという間。10分もかからずに登山口に戻ってしまって、あっけなかったです。
あとは駅まで車道をひたすら歩きます。
最後は群馬原町駅で帰りの電車を待ちました。町の中心駅だけあって、この駅は利用者が多かったです。

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独鈷山 [上信越]

2019/04/20(土)

■第405回 : 独鈷山(1266m)


この日は信州・筑摩山地の独鈷山へ出掛けてきました。標高はさほど高くないながらも、独立峰で360度の展望が楽しめて、立地的に北アルプスをはじめとした名だたる高山をぐるりと見渡せる眺めが圧巻の山です。
さらに登山口の「千本桜の里」では桜も満開、3週連続で大展望+お花見の両方を満喫する山行となりました。
満開の桜が本当に千本くらいありそうだった、独鈷山登山口・宮沢地区の「千本桜の里」

(往路)
古淵 04:45-04:54 長津田 05:04-05:34 渋谷
渋谷 05:43-06:08 東京 06:28-07:53 上田
上田駅前 08:42-09:41 宮沢(霊泉寺入口)

(登山行程)
宮沢(霊泉寺入口)バス停 09:45
千本桜の里       09:55
独鈷山         11:15- 11:35
西前山コース登山口   12:25
前山寺         12:55-13:10
前山寺バス停      13:15

(復路)
前山寺 13:45-13:54 塩田町 14:03-14:23 上田
上田 15:12-16:14 大宮 16:27-16:59 新宿
新宿 17:09-17:45 相模大野 18:05-18:20 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

上田駅で北陸新幹線から路線バスに乗り換えます。駅前には真田幸村の銅像が立ち、駅ビルや路線バスの車体には六文銭のデザインがあしらわれるなど、真田色が強く演出されていました。
2017年に焼山沢から美ヶ原に登った際にも利用した鹿教湯温泉行きのバスに乗って、宮沢(霊泉寺入口)で下車します。バスは途中で人が入れ替わりつつ、常に4~5人ほどの乗客があり、ここで下りたのは私だけでした。
バス停から独鈷山の方角を見たところですが、独鈷山は山麓からはスッキリとは見られないようです。
  ※下の写真にマウスを乗せると、独鈷山の位置を示します。

宮沢バス停から少し戻るように歩くと、すぐに登山口を示す大きな標柱と、千本桜の里への案内がありました。
小さな集落の中を登っていき、家並みが途切れた先で高台に上がると、桜並木が始まりました。
ここを左折して、千本桜の里に入ります(というか、すでに桜並木が千本桜の一部だったような気もします)。
上の写真にも写っていますが、左折地点には「子」の文字が添えられた小祠があり、中にはねずみの置物が供えられていました。ここからの登山道では、十二支の小祠が順番に現れることになります。

千本桜は満開で、ちょうど咲き揃った直後くらいの頃合に当たったようです。
桜の木は本当に千本くらいありそう。それにしても不思議なのは、これほど見事なのに、自分以外の見物客が誰もいないことです。ウェブでは積極的な広報をほとんど見なかったので、あまり知られていないのかも‥‥。
おかげで、こんなに華やかな景色をひとりで静かに鑑賞できるという、滅多にない機会に恵まれました。なお翌日は「独鈷山千本桜祭り」の開催日で、その準備中らしい方々の姿があったので、きっと賑わったことでしょう。
「きんさん」「ぎんさん」の名札が付いた桜もありましたが、ほかとは品種が違うのか、ほとんど蕾でした。
それにしても、これだけの景色を独り占めしているなんて、なんと贅沢なことでしょうか。
一番奥まで進んだところから、千本桜の里を振り返りました。

千本桜の里のエリアが終わると、すぐ先に動物除けの柵があるので、扉部分を開閉して通り抜けます。
その先にも舗装された道がもう少し続いて、山道に変わる地点に、十二支の三番目の小祠「寅」がありました。
山道は、ほぼ沢に沿って進みます。いくらも歩かないうちに、すぐにまた四番目の小祠「卯」がありました。
その後も十二支の小祠は、短いスパンで次々と現れます。こちらは私の干支でもある、五番目の「辰」の小祠。
沢のすぐ近くを通ったり、何度か沢を横切ることもありますが、この日に限ると靴を濡らす心配は不要でした。
登り始めて30分もしないうちに、もう終盤に入ろうかという「未」が現れてしまう始末。十二支の小祠の間隔は、登山道の序盤と中盤以降では全然違っていたので、どのくらい進んだのかの目安には全くなりませんでした。
次の「申」の小祠のあたりまでは、穏やかな傾斜が続いて、急に感じる箇所はほとんどなかったのですが‥‥。

「申」の小祠を過ぎると、途端に勾配が急になりました。元々が沢沿いの斜面にへばりつくような細い道なので、急坂になると即、足元に注意を払う必要が出てきます。
中には、ロープがなければ通りにくいような箇所も出てきて、滑落注意の標識も見掛けました。こうして階段状になっていても、良く見る木段と違うのは、段と段の間もずっと坂になったままで、水平に立てる場所が全くないのです。登るのもきつかったですが、下る時は余程気を付けないと、勢い余って転げ落ちてしまいかねません。
急勾配なばかりか、ザレた地面の上に落ち葉が乗って滑りやすく、登りでも時々足を取られそうになりました。
急坂区間をようやく抜けたあたりで、久しぶりに「戌」の小祠が現れると、これが最後に見た小祠になりました(このあと着いた頂上では、あるはずの「亥」を見つけられなかったのです)。

「戌」の小祠を過ぎると、空が近く感じられるようになって、ほどなく分岐点に着きました。
分岐点を通り過ぎて振り返ったところです。ここは宮沢コースと沢山池コースの分岐点になっていました。
もう少し登って頂上直下に達すると、そこは下る予定の西前山コースとの分岐点になっていました。

結局、登山道では全く人を見掛けることなく、独鈷山の頂上に到着しました。ここに写っているのがほぼ全てという手狭な場所ですが、先客も2人組の女性ハイカーだけだったので、窮屈な思いはせずにすんでいます。
三角点は標識や石祠の裏側にありました。
独鈷山の素晴らしいところは、なんといっても展望でしょう。さほど標高は高くないながらも独立峰で360度ぐるりと見渡せますし、北アルプスはその全域を望めるほか、八ヶ岳や浅間連峰などの錚々たる山々に囲まれて、立地的にも好条件なのです。しかもこの時期、それらの山々が積雪で白く輝いて、それはもう見事な眺めでした。
その雄大な展望を、南側から時計回りに紹介します。南側には八ヶ岳や美ヶ原などが見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
美ヶ原の右には北アルプス南部の名峰がずらりと。西側に少しだけあった樹木のために、北アルプスの眺めが北部と南部で分断される形になっていたのが唯一残念な点でしたが‥‥。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
そして北アルプス北部は、日本海に近いあたりまで全部見えていて圧巻でした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
こちらは長野県北部の、新潟県や群馬県との県境稜線の山々です。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
東側は少し霞んでいて、西上州とかの山々はあまり鮮明ではなかったけれど、これでぐるりと1周しました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
ここからはアップの写真を、やはり南側から時計回りで。まず最初は八ヶ岳方面です。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
美ヶ原は王ヶ頭の周辺だけに絞ってみました。
お次は北アルプス南部。名峰がこれだけ並ぶと壮観です。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
続いて北アルプス北部。いやはや、物凄い眺めです。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
こちらは頸城山塊の山々。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
そして四阿山(右)と根子岳(左)。
最後は浅間連峰です。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
南側の眼下には、登山口にあった千本桜の里が、桜が満開の様子がしっかりと分かるように見えていました。
しばらく、先客のお2人と私だけという状況が続いた頂上ですが、存分に展望を楽しんだ頃、平井寺コースから2人のハイカーが現れたので、それを潮時に下山を始めることにしました。

頂上直下の分岐点まで引き返したら、西前山コースへと入ります。
登ってきた宮沢コースも上部は急坂でしたが、この西前山コースの上部はそれ以上に急峻でした。ほとんど崖に近いような急斜面が何度か現れて、しかもザレ場で地面が脆かったりするので、もし補助ロープがなかったらとても下れません。それ以外にも緊張するような局面が続いて、当分はあまり写真を撮る余裕がありませんでした。
登山道には、登りの人向けに、頂上までの所要時間を示す標識が10分ごとに立っていました。
急峻なエリアを抜けても、ザレた地面の急坂が続くので、しばらくは気を抜くことができません。
かなり下って植林帯に入ると、足元が滑ることはなくなって気分的には楽になります。しかし勾配は思っていたほどには緩まず、相変わらずグイグイと下っていくので、踏ん張り続けている足への負担が大きかったです。
さらに下ると、次第に道幅が広がってきますが、それでも傾斜はそんなに緩みません。
ここで路面が舗装に変わって、ようやく傾斜が緩やかになり、のんびりとした気分で歩けるようになりました。

こちらのコースでも、下る途中ですれ違ったハイカーは1人だけでした。最後に動物除けの柵を通過すると、間もなく集落の家々が見えてきます。
西前山の集落に入りました。
集落内を少し歩いていき、十字路に出たところには「独鈷山登山口」の標柱が立っていました。ここからは、「信州の鎌倉」とも呼ばれる塩田平を少し散策していきます。

前山寺に向けて少し進むと、「あじさい小道」なるものがあったので、車道を歩くよりはと入ってみました。
「あじさい小道」を進んでいくと、ほどなく塩野池の近くを通ります。遠くに見えているのは四阿山と根子岳。
塩野池の畔が少し桜並木っぽくなっていたので、結局車道に出てきてしまいました。
塩野池から見た、塩田平の山々。左に大きく見えている、池面に映っている山が女神岳で、右端あたりに見えているのは子壇嶺岳です。
塩野池の少し先にある「塩田の館」のあたりでも、桜が満開でした。ところで、独鈷山で会ったハイカーは5人だけでしたが、このあたりでも観光客をほとんど見掛けず、閑散とした雰囲気でした。

登山口からゆっくりと30分ほどかけて、前山寺まで歩いてきました。
入山料を払って、境内に入ります。
前山寺は空海により812年に開かれたとされる古刹です。入ってすぐの所には、本堂と鐘楼堂があります。
奥の一段高くなったところにあるのは、国の重要文化財の三重塔です。
まずは本堂を参拝していきます。萱葺の屋根が見事で、重厚な印象の建物でした。
美しい三重塔は、室町時代の建立と推定されているようです。この寺も参拝者は数えるほど、落ち着いた雰囲気の中でゆったりと過ごせたので、とても良かったです。
参拝を終えたら、塩野池から来たときに通らなかった参道を歩きます。
参道やその周りでも、何本もの桜が満開でした。
ということで、この日の締めくくりに、前山寺の参道脇で桜を愛でていきます。

前山寺の入口にある冠木門を、くぐって出てから振り返りました。
前山寺バス停は、冠木門のすぐ隣にありました。利用したのは「信州の鎌倉シャトルバス」という、塩田平の散策向けの観光路線なのですが、私が乗った便は乗客がほかにいませんでした(便数が多いわけでもないのに)。
この日は独鈷山でも前山寺でもあまり人を見ませんでしたし、このあと上田駅から乗った新幹線もガラガラで、なぜこんなに人出が少なかったのかが不思議です(混雑を嫌う私にとっては極めて好都合だったのですが)。来週末から10連休なので、そこで出掛ける予定の人たちが2週連続の外出を避けたとか、そんなところでしょうか?

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美の山(簑山) [奥武蔵・秩父]

2019/04/13(土)

■第404回 : 美の山(簑山)(586m)


この日は先週に続いて満開の桜を楽しみに、秩父に出掛けてきました。
3日前の水曜日(4/10)に山間部などで雪が降り、標高の高いところでは週末まで積雪が残りそうだったので、その影響を避けるべく、早々に雪が消えたであろう低山を行先に選んで、お花見と絡めた計画にしたのです。
先週は別の場所で個々に楽しんだ展望とお花見を、この日は山の上で一緒に楽しむことができました。
美の山頂上から、うっすらと白く見える武甲山や奥多摩の山並みを、満開の桜とともに


(往路)
古淵 05:27-05:49 八王子 05:51-06:25 東飯能
東飯能 06:36-07:19 西武秩父 07:30-07:57 高原牧場入口

(登山行程)
高原牧場入口バス停 08:00
二十三夜寺     08:15-08:25
美の山(簑山)   09:35-10:05
道の駅 みなの   11:00-11:35
親鼻駅       11:40

(復路)
親鼻 11:57-12:15 御花畑-西武秩父 12:38-13:29 東飯能
東飯能 13:36-14:12 八王子 14:20-14:43 古淵


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西武秩父駅に着いたら、上空には抜けるような青空が広がっていました。皆野駅行きのバスに乗り換えると、乗客は私を合わせて4名だけで、車内は少々寂しい状況。目的地に着くまで、人の乗り降りも全くなかったです。
高原牧場入口で、一緒に乗っていたもうひとりの単独行の男性とともに下車しました。

バス停のすぐ先の交差点を「関東ふれあいの道」の道標に従って左折します。もうひとりの男性は右折方向に進んだので、きっと大霧山に向かわれたのでしょう。
集落内の車道を登っていくと、家々の庭では様々な花が咲き乱れていて、まさに春爛漫という雰囲気でした。
集落の最上部あたりで、道標が示す細い道に入ります。
そこからずっと山道かと思ったら、土の道と車道とを行き来しつつ、登ったり下ったりするような具合でした。
それでもこの道標から先になると、しばらく山道が続くようになります。
その山道は、やや鬱蒼とした森の中に続いていて、しかも概ね下り坂でした。

ほどなく二十三夜寺の前に出ると、参道では桜が満開でした。なお、単にこの寺を目指すだけなら、降りるバス停をもう1つ先の「三夜前」にすると、より早く着くことができます。その場合は車道歩きばかりになりますが、「高原牧場入口」バス停からの「関東ふれあいの道」も半分は車道だった上に、山道の区間も歩いていてさほど気持ちの良い道ではなかったですし、なりより余計な登り下りをしなくてすむことでしょう。
「関東ふれあいの道」を歩いてくると、いきなり二十三夜寺の境内に入れてしまうのですが(上の写真の左上が境内です)、そうはせずに車道を少し下り、石段を登って山門をくぐってから境内に入ります。
境内から、さらに短い石段を登って本堂の前に立ち、軽く手を合わせて行きました。

美の山へ続く山道は、本堂の左手にある薬師堂の裏から始まりました。
その山道は階段状になっている箇所も多く、少し急に感じる登りですが‥‥。
最初の山道区間は短くて、すぐに車道に出てしまいました。
その後は少し車道歩きが続いて、ここからまた山道に入ります。
そこからの山道も、登りあり下りありで、いくらか登りのほうが多いかなという程度です。
途中でイカリソウの群生地を通りますが、花期を外していたようで、どれがイカリソウかも私には不明でした。
その後も、林の中をさまよっているような道が続いて、あまり山の中を歩いているという雰囲気はありません。

しばらく進むと、またしても車道に出ました。このあたりは小さな集落になっていて、地形図に「美ノ山」という地名が書かれているあたりのようです。
集落上部の家並みを外れたあたりにある十字路では、人知れず、といった具合で桜が満開になっていました。
そして、その十字路から、ようやく美の山への本格的な登りが始まります。

その道はかなり良く歩かれているのか、終始ゆったりとした道幅で続いていきます。
結構登ってきたあたりで、「急坂」と「まわり道」とに分かれたので、「急坂」のほうに進みます(この地点には「関東ふれあいの道」の道標もあって、急坂の道のほうだけを示していました)。
「急坂」の言葉通り、その直後から急勾配の道に変わりました。
急坂は途中から木段の道に変わります。ただ、せっかく苦しい登りを頑張ったのに、そのあとに結構な下りが続いていて、ちょっとちぐはぐに感じる登山道でした。もうちょっとうまくルートを取れなかったものなのか‥‥。
1度だけ車道をかすめるようにする場所では、車道に続いている桜並木が満開の様子を見られました。
第2駐車場の前に出たところで山道は終わります。ここでも桜並木を見られました。

第2駐車場から上は、美の山の頂上部を占めている広大な美の山公園内になるようです。
美の山公園内に入っても、登り坂はもう少し続きます。
車道脇は漏れなく桜並木になっているようですね。

美の山頂上部の広場に着きました。ここまでに見てきた桜並木がきれいに咲き揃っていたのに対して、頂上部の桜はいくつかの異なる品種からなっていてそれぞれ見頃の時期が違うからか、見事という程ではなかったです。
頂上部に入ってすぐの所に「入口展望台」があったので登ってみると、秩父や奥多摩の山々が並ぶ南側を見渡せました。山々がうっすらと雪化粧していたり、それを桜と一緒に見られたりするのもいい感じです。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
満開の桜とともに武甲山を眺めてみたところ。両者の間にあるのは秩父の街並みです。
頂上部の桜は、アップで撮ってみました。
次に向かったのは東展望台です。正面に、いわゆる外秩父といわれるエリアの山々を眺められました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
東展望台でさらに左を向くと、はるか北にある日光連山や谷川連峰が、うっすらとながら見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。

美の山の最高点は、広場よりももう少し奥にあるので、続いてそちらに向かいます。
見えてきたのは山頂展望台です。
山頂展望台では周囲をぐるりと見渡せましたが、東側が樹木越しに見る形だったのに対して、南側から北西側にかけては、こんなふうに広い範囲をスッキリと見渡せて圧巻でした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
武甲山のアップです。手前に広がっているのは秩父の街並み。
そしてこちらは両神山(左)と二子山(右)。どちらもシルエットが特徴的です。
三角点は山頂展望台の床面に埋設されていました。この三角点の標高(581.5m)を美の山の標高としている資料も少なくありませんが‥‥。
実際の山頂は、山頂展望台よりもさらに奥にあったこの地点です。後方に写る建物ができる前は三角点もこの付近にあり(たぶん後方の建物の敷地内だったために移設されたのでしょう)、その当時の三角点の標高が586.9mだったことから、ここに立つ「美の山 山頂」標識も標高は586.9mと記されています。
山頂展望台のあたりから、一段下にあった広場を振り返りました。

美の山の山頂を後にしたら、下山も「関東ふれあいの道」の道標に従って親鼻駅へと向かいます。今回は、「関東ふれあいの道」の埼玉県内のコース「(6) 花の美の山公園を訪ねるみち」をほぼそのまま採用して歩きました。
美の山の北側では、しばらくの間、起伏が緩やかな公園内の遊歩道が続きます。
少し進んだあたりの右手の斜面に、ピンク色がひときわ鮮やかな桜がありました。八重桜でしょうか。
しばらく続いた遊歩道は、「みはらし園地」を過ぎるとこんな階段道の区間を経て、やがて山道に変わります。

登山道は概ね緩やかな傾斜で歩きやすかったです。
が、すれ違う人のまぁ多いこと。桜がまさに見頃を迎えているので予想はしていたけれど、これだけ登ってくる人がいたら、お昼頃には山頂も相当な賑わいになったのではと思います。でも私が山頂にいた10時過ぎまでは、さほど人が多くなくて静かに過ごせたので、朝早くに出掛けてきたのは正解だったのでしょう。
結構下ってきたあたりで車道を横断する箇所に出ると、そこでも桜並木が満開でした。もしかしてこの山は、頂上まで車で乗り付けるほうが、ずっと桜並木の下を走れてお花見感をより味わえるのではないでしょうか。
登山口まで下ってきたあとも、車道で大人数の集団とすれ違ったりして、山頂の混雑ぶりが目に浮かびました。

国道に出たら、近くに親鼻駅が見えてきて、電車もすぐに来るタイミングですが、お腹が空いていたので‥‥。
駅には直行せず、「道の駅 みなの」に立ち寄って、お昼を食べていくことにしました。
道の駅自体は割と朝早くから開いていますが、レストハウスが11:00からの営業なので、その時間に合わせて歩いてきたのです。開店直後の入店だったからか、「現在うどんを茹でています」とのことで少し待たされましたけれど(開店と同時に入っていたらしい先客がすでに結構いて、順番が遅かったことも重なりました)。

昼食をすませたら親鼻駅へ。踏切を挟んで両側に、上下線のホームがそれぞれ別にある、少し変わった駅です。
親鼻駅の駅舎は、踏切を渡った反対側にありました。
反対方向(寄居方面)のホームに、カメラを構えて待っている風の人がいたので、何かと思っていたら‥‥。
秩父鉄道名物のSL(パレオエクスプレス)が間もなく通過する時間だったのです。この駅は、ホームにしろ周囲の景色にしろ長閑な雰囲気が満載なので、そこにSLの姿も良く溶け込んでいるように感じました。

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