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丸山・中山・にゅう [八ヶ岳とその周辺]

2019/09/20(金)

■第413回 : 丸山(2329m)・中山(2496m)・にゅう(2352m)


この日は久しぶりに八ヶ岳へ行って来ました。
麦草峠から丸山への道を歩き始めると、早速苔生した登山道がお出迎え

北八ヶ岳らしさ全開の、苔が美しく彩る針葉樹林に気分が癒され、また天気にも恵まれたことで、縦走した各山頂からは素晴らしい眺望が堪能できて、大満足の山行となっています。
その反面、登山道は岩がゴロゴロした区間が大半で決して歩きやすくはなく、最後は相当に足が重くなってしまったので、このところ山を歩く頻度が減っていたことによる脚力の衰えが露呈する結果ともなりました。

 累積標高差(登り):592m / 距離:8.3km / 歩行時間:3時間55分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:4時間45分 

(往路)
古淵 05:27-05:49 八王子 05:51-05:58 高尾
高尾 06:15-08:48 茅野 09:30-10:34 麦草峠

(登山行程)
麦草峠バス停  10:45
丸山      11:30-11:35
高見石小屋   11:50
中山展望台   12:50-12:55
中山      13:00-13:10
にゅう     13:55-14:05
白駒池     15:00-15:20
白駒の池バス停 15:30

(復路)
白駒の池 15:43-16:52 茅野 17:52-19:33 八王子
八王子 19:47-20:09 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

まずは茅野駅のバス乗り場で、毎日運行されている麦草峠行きのバスを待ちます。ただでさえ平日なのに、少し早めの鈍行で着いたからか、しばらくバス停には私のほかに誰も現れませんでしたが、少し経って特急が着いた頃からぼちぼち人が並び始めて、最終的には12~13人を乗せて発車しています。
約1時間揺られて、麦草峠に到着。標高が2100mを超えているため、少し涼しいかもと思って、今秋始めて防寒対策をして臨んでいたものの、風もなく穏やかに晴れていたからか意外なほどポカポカと暖かく感じられて、最初から山シャツ姿で歩き始めていますし、この日は最後までその格好のままで快適に過ごせました。
麦草峠に建っている麦草ヒュッテ。以前に立ち寄って山菜うどんを食べたのが、はや10年前のことになります。とても雰囲気が良くて好印象だった小屋ですが、今回はスタート地点なので、立ち寄らずに行動開始しました。
が、まずは少し離れた駐車場に向かって、その一角にある公衆トイレへ。平日なのに駐車場はほぼ満車でした。


ヒュッテの前に戻ったら、いざ登山道へ。振り返ると、峠の反対側に10年前に登った茶臼山が見えていました。
はじめ少しだけ砂利が敷かれた遊歩道的な道を進んで、この分岐点から山道が始まります。
序盤の登山道は深く抉られていて、大小の石や落ち枝なども多く、最初からあまり歩きやすくはありません。
少し登って登山道の様子が落ち着いてくると、コケと針葉樹が織りなす美しい景色が広がるようになりました。
コケが美しいことで知られるこのエリアは、「八ヶ岳白駒池周辺の原生林」が日本蘚苔類学会より「日本の貴重なコケの森」に選定されていて、コケの観察会なども盛んに行われています。ここは10ヶ所あるらしい、名前が付けられたコケの森のひとつだったようで、苔の種類などが書かれた解説板が設置されていました。
が、登るにつれて登山道には大きな岩がゴロゴロするようになり、足の置き場を選ぶのに注意が必要になって、次第に景色を楽しむ余裕はなくなっていきます。
登りなので、歩くのがさほど難しくないだけまだマシですが、ここを下るとなると結構気疲れするでしょう。


この日最初のピークとなる丸山に着きました。三角点がここにある一方で、頂上を示す物は何もありません。
丸山頂上の標柱は、さらに少し進んだ地点にありました(標柱前の標石は三角点ではなく宮界標です)。なお2009年に訪れた時は、ここを展望が開けた居心地の良い地点として記録していたのに、現在は全く展望がなく、この10年の間にすっかり様変わりした感じでしたが、手頃な岩に腰掛けて、ここで少し休んでいきます。


丸山からの下りは、比較的斜度が穏やかだったので、石ゴロの道にしてはさほど歩きにくくはありません。
10分も下れば道はほぼ平坦になって、ほどなく星空観察で有名な高見石小屋の前に出ます。ここには四方から登山道が集まっているからか、平日にもかかわらず小屋の前では結構な数の登山者が休憩中でした。
小屋から中山へ向かう道は、はじめは緩やかな下り坂。ここにも森の名前を記したコケの解説板がありました。
すぐに登り坂に変わると、先程の丸山への登りと似たような岩ゴロ道の再現となって、これが長く続きます。
が、丸山への登りと比べて、斜度がいくぶん穏やかなのが救いで、ゆっくり登ればそんなにキツくありません。
とはいえ、転がる岩の乱雑さはこちらのほうが上で、登りでも時には足運びに細心の注意が必要でした。
ようやく傾斜が収まって開けた場所が現れるようになると、頂上はもう近いです。


まずは頂上手前にある中山展望台に出たので、そこからの展望を楽しんでいきます。
そこでは西側を中心にした方角が大きく開けていて、累々と岩が折り重なる先に、大展望が広がっていました。
南西側には中央アルプスと御嶽山が見えていて、その左に南アルプスの一部も頂上だけが見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
そして北西側には北アルプスの峰々がズラリと。もっと空気がクリアであれば壮観だっただろうなぁ‥‥。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
そのさらに右側は、雲が多くてぼんやりしていたものの、北東側にある浅間山あたりまで見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
北アルプスの核心部をアップで。この見事なパノラマを、いつまでも眺めていたい気持ちになりました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


展望台を後にして、さらに少し進んだ地点が中山の頂上でした。この場所自体は展望がありませんが‥‥。
ほんの少し頂上を行き過ぎると、今度は東側が大きく開けて、西上州や奥秩父の山々が広く見渡せたので、その眺めを楽しみながら休憩しています。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
さらに右を向くと、八ヶ岳の南部が少しだけ。手前の双耳峰は東西の天狗岳で、その左奥が硫黄岳です。


中山の先は、大岩が連なる中を両手も駆使して下る厳しい道で、もしも長く続いたら音を上げそうでしたが、幸いにもそれは頂上直下だけ。ほんの数分もすると、割と普通に歩ける道に変わってホッとしました。
分岐点に出たら、直進15分で2007年に通った中山峠を再訪できますが、今回はにゅうを目指して左折します。
分岐点を過ぎると、この日のコースで初めて普通に歩ける土の道に変わり、結果的にここがこの日のコースで唯一の歩きやい区間だったのでした。緩やかな下りなので快調に歩けますし、ここまで岩ゴロの道ばかりで思うようにペースが上がらず、あまり時間に余裕がないことが気になってもいたので、少し飛ばして歩いています。
しばらく続いてくれた歩きやすい道も、やがて登り勾配に変わると、岩ゴロ道が復活してしまいます。
ほどなく、前方に目指す “にゅう” の岩塔が見えてきました。あんな所を登るのか!
にゅうに近付くと、これまで以上に大きな岩が次々と現れて行く手を遮るようになり、乗り越えたり脇をすり抜けたりで忙しくなったほか、時にはアクロバティックな身のこなしを要求されて、ガクンとペースが落ちます。


やっとこさ、岩頭の基部まで来ました。一体どうやって登るのだろうと案じていた岩頭には、思いのほか上手く道が付けられていて、さほど難しいことをしなくても上がれています。
にゅうの頂上にあったのは三角点だけで、標識とかの類は何もなかったようです。
にゅうの頂上では、ほぼ360度の展望があって、一番開けていた東側はこんな眺めでした。先程までいた中山からの展望と、そんなに変わりませんが‥‥。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
南側には、やはり中山からと似た感じで、双耳峰の天狗岳(右)と硫黄岳(左)が見えていました。
そして北側には、蓼科山や北横岳などの北八ッの山々を眺められて、眼下にはこれから向かう白駒池も。


にゅうから白駒池への下りも、あまりいい道ではありません。特に下りしなでは手を使うような箇所が続いて慎重さが必要でしたし、途中には道が不明瞭になる地点もあって少し時間をロスしたりしました。
しばらく下ると、特段の障害こそなくなりますが、相変わらずの岩ゴロ道で、なかなか快調には下れません。
稲子方面への2回目の分岐点を過ぎると、道の傾斜が収まってくる一方で、随所に小さなアップダウンが現れるようになって、それが疲れが溜まってきた足にこたえます。
森の名前を記したコケの解説板もこれが3回目。でも、疲労が進む中で歩きにくい道が続いている状況では、もう周囲の景色を楽しむ余裕なんて残っていませんでした。
この少し手前でなんか木道が始まったと思ったら、唐突に開けた場所に出ました。
そこは白駒湿原。あまり広くはないものの、鬱蒼とした景色がずっと続いていた中にあって、開放的で心が安まるオアシスのような場所でした。
白駒湿原を過ぎれば、白駒池まではあと少し。でも、こうして木道を歩ける快適な区間があるかと思えば、そうでない区間は岩ゴロのボコボコ道で、疲れた足で歩くのが実に煩わしく、最後はかなり足が重たくなりました。


やっとの思いで白駒池の池畔に着いて、池の周囲を一周できる遊歩道に出ました。ここからは、すっかり重たくなった足を引きずって遊歩道の木道を進んでいきます。
5分ほどで建物が二棟ある白駒荘の前へ。ゆっくり歩くのがやっとの岩ゴロ道が多くて、一時は帰りのバスに間に合うのか心配になったほどでしたが、中山からにゅうの手前までをハイペースで歩けたのが幸いして、いくらか時間の余裕を残せていたので、池畔では最後に少しのんびりと過ごすことができました。
白駒荘の前から見た景色。夕刻が迫る平日だけに、もう行き交う人は少なくて、時間も静かに流れていました。


あとは、駐車場まで遊歩道のような道を少し歩くだけ。
国道に出たところある白駒池の駐車場が、この日のゴールです。ここにはチップ制の公衆トイレもありました。
最後は土産物店の脇にあったバス停でバスを待ちます。帰りの便の乗客は、ここと麦草峠からそれぞれ4名ずつが乗っただけで、朝来る時の便よりも人数は少なく、また顔ぶれも結構入れ替わっていた感じでした。

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