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舞岡公園・舞岡ふるさとの森 [東京・神奈川(平野部)]

2019/10/20(日)

■第415回 : 舞岡公園・舞岡ふるさとの森


今回は大都会・横浜の市街地の中にあって、緑地が自然公園として維持管理されている舞岡公園と、それに隣接する山林エリアを行先として選んでみました。
公園内はかなり人工的に整備されてしまっているらしい上、アップダウンも少なめで、普段の山歩きとはかなり趣が違ってしまいそうでしたが、そもそもこの日は戸塚に野暮用があり、そのついでに近くで歩けるところを探した結果なので、元々多くを求めてはいませんでした。

とはいえ、3つあったこの日の目的のうち、首尾良く達成できたものはたった1つだけで、あとの2つは通行止めや在庫切れ(笑)で果たせずじまい。ただでさえ内容の薄い計画が、さらに消化不良となって、記事として成立させられそうもないからと、歩き終えた時点ではお蔵入りにしようと思ったほどです。
しかし通行止めについては、もしかすると「通れないという情報」にもいくらかの価値があるかもしれないと考え直して、一応記録として残しておくことにしました。

 累積標高差(登り):261m / 距離:8.9km / 歩行時間:2時間25分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
市営斎場入口 10:04-10:15 相模大野 10:20-10:34 湘南台
湘南台 10:45-10:56 緑園都市 11:17-11:26 富士山下
  ※横浜新道・戸塚PA(上り線)に立ち寄り
上矢部インター 11:48-12:01 戸塚

(登山行程)
戸塚駅      12:15
上倉田北交差点  12:30
三角点「高山」  12:40
中丸の丘     12:50
さくら休憩所   13:05-13:15
カッパ池     13:35
あずまや     13:55
舞岡熊之堂交差点 14:10
東峯八幡大神   14:30-14:40
元町交差点    14:45
戸塚駅      15:00

(復路)
戸塚 15:34-15:46 湘南台 15:52-16:14 相模大野
相模大野 16:20-16:30 市営斎場入口


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

この日、まず最初に訪れたのは富士山麓です。
といっても、あの日本一のお山ではなく、ここは横浜市戸塚区。相鉄いずみの線の緑園都市駅から路線バスで10分ほどのところで、あたりには市街地が広がっています。
「富士山下」というバス停名の由来は何だろうと思って、地図で周囲を探すと、南方に「上矢部町富士山古墳」(非公開)があり、古墳に隣接する正福寺の山号が「富士山」だということも分かりました。ただ、バス停からは直線距離で500mほど離れていて、すぐ近くとは少々言いがたく、直接の由来かどうかは微妙に思われます。

バス停から歩いて7~8分で、横浜新道の戸塚料金所と、その手前にある上り線の戸塚PAが見えてきました。
戸塚パーキングエリア(上り線)です。何をお目当てにここへ来たのかというと‥‥。
この Highway Walker なのでした。
NEXCO東日本が配布しているフリーマガジンなので、NEXCO東日本管内のSAかPAに行けばもらえるのですが、
 ・私の自宅から行きやすい海老名SA(東名道)や談合坂SA(中央道)はいずれもNEXCO中日本の管内
 ・NEXCO東日本のSAは神奈川県内はおろか隣の東京都内にすらなく、最寄りはおそらく埼玉の高坂SA(関越道)
 ・NEXCO東日本のPAならば近くにいくつかあるが、首都圏にあるPAは一般道から徒歩では入れないものが大半
ということが分かって、直接の受け取りを一旦は諦めかかっていたら、戸塚PA(上り線)のWikipediaに
  PA内施設ではないが、PA南端で本線と接続する側道にデイリーヤマザキがありアクセス可能
なる記述を発見。早速Googleマップのストリートビューで見てみたら、確かに外部から歩いて出入りできることが分かり、それでここをこの日の最初の目的地としてやって来たのでした。

が、なんということか、PA内を探しても Highway Walker が見当たらないではないですか!
ハイウェイスタンプが置かれた台の横に、それらしい棚があったものの、そこが空で何も載っていなかったのです。きっと、小さなPAだけにそんなにマメには補充されないのでしょうし、私が来るタイミングも悪かったのでしょう。ま、PDF版がウェブで見られますし、郵送対応もあるようなので、ここは潔く諦めるとしますか。。。


せっかく来たのに残念ですが、ほかにはもう戸塚PAに用などないので、さっさと先程とは別のバス停(実はこちらのほうがPAに近いのです)に移動して、戸塚駅を目指します。
余計な前置きが長くなりましたが、ようやく本日のウォーキングの起終点となる戸塚駅に到着です。なお、戸塚PAに寄り道をしなければ、湘南台駅で小田急線から横浜市営地下鉄に乗り換えるだけで来られる駅なのでした。
戸塚駅は、上の写真のように地上層が大きなバスターミナルになっていて駅前らしい景色がなかったので、階段を昇ってペデストリアンデッキに上がってみましたが、そこも工事中でパッとした写真は撮れませんでした。


戸塚駅から大通りを歩いている間はほぼ平坦だった道も、税務署への道に入ったら結構な登り坂。この日は気温が高かった上に湿気が多めでムシムシしていて、ここで早くも汗をかかされました。しかも、途中から下り坂に変わったので、近道を選んだばっかりに余計なアップダウンをしてしまったようです。
駅から15分ほどの上倉田北交差点。
交差点を渡ってからは、上倉田の小田急分譲地に入ります。
分譲地を一番奥まで進むと、小高い森へと登る階段があって、その森がもう舞岡公園の一角です。でも、ここが一般的に案内されている公園への入口ではないからか、標識も案内図も何もない、ひっそりとした場所でした。
それは階段のすぐ先にあったので、階段をすべて登り切る前に目に入ってきました。
この日のコースで見られる唯一の三角点、三等三角点の「高山」です。


階段の先からはちょっとした尾根道に変わり、いくらか山歩きっぽい雰囲気が味わえるようになった中、右側がずっと明治学院大学の敷地と接しているからか、延々とフェンスが続く景色になっているのが残念でした。
公園の中に入ったので、要所では道標を見掛けるようになりますが、中には何の案内もない分岐点もあります。
しばらくはほぼ平坦で歩きやかったです。フェンスさえなければいい感じの道なんだけどなぁ。。。
ここでフェンス沿いの道から離れて、舞岡公園の中心部へ。
中には人工物がほとんど目に入らなくなる場所も。短い間のことでしたが‥‥。
「中丸の丘」に出ました。
そこはゆったりとした雰囲気の気持ちの良い場所で、もしスッキリと晴れていれば、景色も良さそうでした。


舞岡公園の中心部は低地になっているので、「中丸の丘」の先でガクンと下ります。
手前の木段を下ってきました。ここから右へ進んだのち、ぐるっと回って向かい側の道から戻ってきます。
北門から公園の中心部に入ります。ここから先は、自然環境維持のための保護区域となっていて、日中の開門時間内しか入れませんし、犬を連れて入ることもできません。
門の中では、道の左手に耕作体験田んぼが続きます(右手側には移築された古民家などがあるエリアが)。
水車小屋もあります。中には水流で上下させた杵で精米を行える仕掛けがあり、時々実演も行われている模様。
歩いている砂利道のほかに、耕作体験田んぼに沿ったあぜ道もあったので、そこを歩いた方が楽しかったかも。
田んぼの端を過ぎると、道は森の中に入って登り坂に変わります。
南門から、一旦公園中心部の外へ。このあたりが公園の南端に当たるようです。
南門を出たところが「さくら休憩所」になっていて、ここで10分ほど休んでいきました。


少しだけ車道を歩いたら、ここからまた公園の中心部に向かいます。
こちらの道には門がなく、早朝などの開門時間外や犬連れでも歩けるようです(門は中心部への分岐点に)。
「もみじ休憩所」は名前通りにもみじの木がずらりと並んでいて、紅葉すると見事な景色が見られそうでした。
次に現れたのは「ばらの丸の丘」。名前の由来は良く分かりませんでした。
再び公園の中心部へ向かっているので、最後はガクンと下ることに。
木段を下った先は、道の左右に池がありました。右側にあったのは「宮田池」です。
そして左側にあったのが「さくらなみ池」。
「さくらなみ池」は、舞岡公園にあるいくつかの池の中で一番大きな池のようです。


見覚えのある地点に戻ってきました。ここは先程、正面の木段から下ってきたところです。
その後は公園内を北へ。「さくらなみ池」の隣では田んぼが美しい黄金色に染まっていましたが、良く見ると作物は先日の強烈な台風の影響かほとんど横倒しになっていて、きちんと収穫できるのか心配になりました。
休憩所にもなっていた「瓜久保の家」の前で、広い道からは外れます。
細い坂道に入って、軽く登っていくと「カッパ池」に出ます。
「カッパ池」の畔には、河童が相撲をとっている銅像がありました。
そろそろ舞岡公園とはお別れで、「カッパ池」の奥から木段を登って尾根道に上がります。
木段を上がったところの分岐点。右折が正解でしたが間違えて左に進んでしまい、引き返してきたところです。
ほどなく道が二俣に分かれていて、道標が「舞岡ふるさとの森」と案内している右の道へ。ここから先は、「ふるさとの森散策路」として整備された道を進みます。
すぐ先には案内図が立っていて、このあたりが「舞岡公園」と「舞岡ふるさとの森」の境界だったっぽい。


「舞岡ふるさとの森」の「ふるさとの森散策路」に入りました。舞岡公園内の道に比べると、より自然な景色にはなるものの、道はかなり人工的に整えられていて、山道らしい趣があまり感じられないのが残念です。
いくつかの分岐点には道標がきっちりと立っていて、「舞岡駅」の指示に従って進めば迷う心配はありません。
途中で一旦道路に出てしまいますが‥‥。
そこにも親切な案内図があって、散策路の続きへの道順が示されていました。
案内図に従って進むと、この階段の先が散策路の続きになるようです。
散策路は引き続き良く整備されていて、誰でも安全に歩けるように、という配慮なんでしょうけれど‥‥。
尾根が狭まる箇所に至ってはこんな具合に。ここまで過保護にされると、自然の中を歩いている気分にまったく浸れず、いささか面白味には欠けました。ここまでしないと安全性を担保できないとは思えませんが、道となる部分を目一杯人工的にする代わりに、道の外の自然を極力保護している、と考えるべきでしょうか‥‥。


さらに進むと休憩所があって、あずまやが建っていました。
あずまやの周囲にはベンチも多数あって、大人数でも休憩できそうです。
あずまやの写真を撮っていると、背後の柵の上を走るリスを発見!(写真中央) あまりにすばしっこく動くので、しばらくはカメラを構える間もなく、撮り逃がしちゃうかなと思っていたら‥‥。
柵の隅のところでしばらく佇んでくれたので、なんとか写真に収められました。 ※私が立っている場所からは少し離れていたので(だからこそ、そこで止まってくれたのでしょう)、望遠にして撮っています。
あずまやを過ぎると道は下りに変わって、階段が続くようになりました。
間もなく前方に人家が見えてきて、散策路も終わりが近付いたようです。


散策路の終点に出たら、真っ直ぐ進んで舞岡駅へ向かうのが一般的なようです。でもこの日はさらに、もうひとつ別の目的地を見つけてあったので、左へ折れて反対方向へ。
細い道を少し歩いたのち、階段を昇って、一段高い所を通っている道路に上がります。
階段を昇ったところが舞岡熊之堂交差点。この道は最近開通したようで、地形図にはまだ反映されていません。
交差点を渡った先で、交差点から斜め右前方に延びている道に入れば、間もなく次の目的地です。
すぐに道路の終点に達したら、その先に目的の山道が続いているはずでしたが、、、なんだか様子が変です。
なんと、墓園の造成工事で通行止め! 看板によると、もう1年も前からこの状態らしいのに、あまりにマイナーで情報の少ない道だけに(ヤマレコの記録もごく僅か)、通行止めという情報も見つからなかったのでした。
ちなみに私がこの道の存在を知ったのは、Googleマップのストリートビューで下のキャプチャのように、道のない所に点々と画像を示す丸印が並んでいたから(この状況は2019/10/25の記事作成時も変わっていません)。
さらに、下の画像にマウスを乗せると、同じ縮尺にした地形図に切り替わりますが、そこが南北方向に細長い形で裾野をのばす小さな山の尾根にあたっていて、実線や破線で道が描かれていることも分かります。
そして、ストリートビューの丸印をクリックするとこんな画像が表示されるので、先程までの散策路よりもずっと自然が濃い中で、より山歩きらしい感覚が味わえるのではと楽しみにしていたのでした。
看板を見ると通行止めは大がかりなもので、ここにある小さな山はほぼ全域がその範囲に含まれています。コースを変えれば歩ける場所を探せる、という感じでは全然なく、ここはきっぱりと諦めざるを得ないようです。
とはいえ、まだ大して歩いていないので、ここから戸塚駅(割と近かった)に戻ったりすると物足りない印象で終わってしまいそう。改めて地図を見ると、車道歩きにはなってしまうものの、山裾を同じ方向に歩ける道があるようなので(2つ上の図の「迂回コース」)、そこを通り、予定コースに途中から復帰することにしました。


てな訳で、歩きたかった山を右手に見ながらの車道歩き。パッと見、山の上は何事もなさそうなんですけどね。
しばらく進むと、なるほど墓園の造成工事が行われている箇所もありました。ここに関しては、確かに尾根もザックリと削り取られている模様で、元々あった尾根道も無事ではないのでしょう。
でもそこを過ぎると、山際にフェンスが続いて入れないものの、山の姿にはあまり変わった様子がありません。
その先でフェンスが途絶えたあたりから振り返っても、山全体を通行止めにするほど大それた工事は行われていないように見えました。だとすると、尾根を削った箇所だけ迂回路でも設ければ十分に思われて、もしも山道の利用者が多ければ何らかの形で工事との共存が図られたかもしれませんが、そのために払うリスクやコストが利用の少なさに見合わないと判断されたのでしょうか。まぁ一見しただけの部外者ゆえ、本当の事情は何も分かりませんが、これだけのことで全然通れなくなっているというのは、せっかく訪れた者としては残念でした。


元々通る予定だった十字路まで来ました。当初の予定では、ここには右から出てくるはずだったのです。
十字路からは、山から下りてくる予定だったあたりが眺められて、そこは通行が規制されていないようでした。
山道からの出口付近をアップで(このスロープを下ってくる予定でした)。平穏な様子に見えるのは、宅地が近いだけにこの付近は土地の所有者が違うなどしていて、通行止めにできる範囲から外れているとかなのかな?


元々の予定コースに復帰して、細い路地で坂を上っていくと、ほどなく東峯八幡大神の参道の途中に出ました。
せっかくなので、休憩も兼ねて東峯八幡大神に立ち寄って行きます。
境内には巨大なシイの古木が。幹回りは4.6mもあって、御神木としての風格が見事でした。
東峯八幡大神を後にしたら、参道を戻るようにして入口へ。
参道の入口を振り返りました。
あとは戸塚駅まで車道を歩くだけ。元町交差点で広い道に突き当たると、そこから先は昼前に戸塚PAから戸塚駅へ向かった時にバスに乗って通った道になります。
元町交差点には元町バス停もありますが、ここから乗っても2区間だけなので、駅まで歩いてしまいます。
戸塚駅に戻ってきました。舞岡公園内やそこからの散策路に期待ほどの自然な雰囲気はなく、その後も予定外に車道歩きが長くなり、最初の戸塚PAでの空振りもあったりと、消化不良気味に終わった今回のお出掛けでした。

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高畑山・倉岳山 [高尾・陣馬]

2019/10/09(水)

■第414回 : 高畑山(981m)・倉岳山(990m)


この日の行先は、中央線の駅から登り下りできて、手軽な日帰りの山として人気のある高畑山と倉岳山です。どちらもそれぞれ10年ほど前に別々に登頂済みですが、久々の再訪となる今回は、2つの山を縦走してきました。

秋晴れのさわやかな陽気に恵まれて、登山には快適なコンディションだったのに、残念ながらスッキリとした青空が広がっていたのは朝のうちだけ。ともに大月市から「秀麗富嶽十二景」に選定された、富士山を美しく望める山々だけに、展望を楽しみにしていましたが、登頂する頃には富士山はすっかり雲の中に隠れていました。

 累積標高差(登り):888m / 距離:11.4km / 歩行時間:4時間20分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:5時間35分 

(往路)
古淵 06:46-07:08 八王子 07:17-07:24 高尾
高尾 07:43-08:00 上野原 08:35-09:24 無生野

(登山行程)
無生野バス停 09:25
雛鶴峠    10:15
高岩     10:40
楢峠付近   11:10-11:15
高畑山    11:35-11:50
穴路峠    12:15
倉岳山    12:40-13:00
立野峠    13:20
登山口    14:05
梁川駅    14:25

(復路)
梁川 14:27-14:52 高尾 14:53-14:59 八王子
八王子 15:22-15:45 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

上野原駅で無生野行きのバスに乗り換えます。平日は朝に1往復があるだけのこの路線、駅から乗った3人のうち、2人がまだ市街地内を走っているうちに早々に降りてしまうと、以降の乗客は私ひとりだけになりました。
バスに小1時間揺られて下車した終点の無生野は、秋山川に沿って点在する集落の最奥部で、ちょっと寂れた雰囲気です。バス停の横にある石塔は、無生野という地名の由来に関わるとされる雛鶴姫の伝承にちなんだもの。
※この写真ではバス停名が分かりませんが、それはちょうどバス停名を隠すようにして、ダイヤ改正に関する注意書きが貼られていたからです。なお、ここから上野原駅に向かう便は、乗ってきたバスが間もなく折り返す便だけなので、このあと途中で何かトラブルがあってここに戻ってきたとしても、もう乗れるバスはありません(ただし土休日は午後にもう1便あります)。


バス停から5分ほど歩いた所にはバスの転回所があって、そこにはさっきまで乗っていたバスが。だったらここにもバス停を設けて、ここまで乗せてくれても良かったのに‥‥。
さらに5分ほど歩くと、雛鶴姫を祀った雛鶴神社があるので、立ち寄って行きました。
本殿と拝殿は平成元年の再建とあって、建物は立派ですし、境内もきれいに整えられていました。ところで、雛鶴峠を越えた反対側にも同名の雛鶴神社があって、雛鶴姫の終焉の地はそちらだという説も(詳細は不明)。


元の道に戻ると、間もなく差し掛かるヘアピンカーブの所で旧道が分岐するので、そちらに入ります。
その後はしばらくの間、旧道を歩きます。そこそこの傾斜で坂道が続くので、ここでひと汗かかされることに。なお、旧道はこの先のトンネルが封鎖されていて通り抜けできないので、人も車も通らず静かでした。
雛鶴トンネルが見えてきたら、その手前が登山口。ここまでバス停から35分ほどでした。
登山道に入る前にトンネルの様子を見てみると、一応封鎖はされているものの、柵の中央部には人が入れるほどの隙間がありますし、通行止めや立入禁止などの標識もなく、通ろうとする者を拒絶する雰囲気は感じられません。中を覗いてみても、入口から見る限りでは大きな損傷は見られず、歩きならば問題なく通れそうでした。


トンネルの前から戻ってきたら、ここから登山開始。まずは、トンネルのほぼ真上にある雛鶴峠を目指します。
登山道の一部には石垣が見られました。車道ができる前は、きっとこの道で人々が往来していたのでしょう。
その後も古来の峠越えの道らしい、ジグザグで傾斜を抑えた優しい道が続きます。中には路面が荒れている箇所もありましたが、昔から生活路として使われていたことが感じられる、歩きやすい道でした。
雛鶴峠には、登り始めてから15分ほどで到着。反対側へ下る道も、峠から見られる範囲では道形は明瞭でした。


雛鶴峠からは尾根道に変わります。はじめのうちは、歩きやすくて気持ちの良い道でした。
すぐに通過する送電線鉄塔の脇からは、富士山の頂上部がきれいに眺められました。この日は朝からスッキリとした秋晴れで、頂上に着いてからの展望が楽しみでしたし、まさか、この富士山が見納めになるなんて‥‥。
送電線鉄塔の先にはなんとヤブが! このあたりは、普段もあまり歩かれていないんでしょうね。ほんの20~30mでしたが、ここだけ道が見えないほどの草藪で、背丈よりも高く伸びた草を掻き分けて進むようでした。
ヤブの先に待っていたのは急な登り。登山地図に実線で記載される一般登山道にしては、歩く人が少ないからか歩きやすい道にはなっておらず、急斜面でもジグザグを描かずに直登するので、少々骨が折れます。
急登の途中には、リニア実験線の車両基地を見下ろせる場所もありました。
高岩の手前で傾斜はさらに急に。登るのも辛かったけれど、下りだと滑落に注意して慎重に歩く必要ありです。
高岩は展望のない地味なピーク。ここで西へ分岐する破線路も、道形は不明瞭に見えました。


高岩からは、一旦少し下ります。ここの下りは比較的穏やかな道でした。
下り切ったところがイヤゲ峠らしいのですが、標識等に現在地名の表記はありませんでした。
イヤゲ峠からの登り返しは、何箇所かで露岩が現れる道で、ここまでと比べると傾斜は落ち着いていました。
登り詰めたところが大タビ山です。ここも展望はなく、尾根上のちょっとしたコブに過ぎない印象でした。
大タビ山の標識。これ以外にももう1つ別の標識があって、いずれも私製の物でした。


大タビ山からの下りはかなりの急降下で、しかもそれが少々長く続きます。程よい間隔である立ち木に掴まりながら下れるので、そこまで困難な下りではなかったけれど、このような道に慣れていないと少し戸惑うかも。
急降下を終えると、鞍部のあたりが楢峠のはず。しかし付近のどこにも標識はなく、地形図の破線路も東西ともに不確かで、峠の位置は不明だったのですが、次なる登り返しに備えて、ここで最初の小休憩を取りました。
その後は高畑山までずっと、容赦ない急登が続きます。結局、雛鶴峠と高畑山の間は、急登と急降下が大半を占めていて、歩きやすい箇所は少なく、道形も薄くて時として不明瞭になることもあるなど、あまり一般登山道らしくないという印象を持ちました。この区間は、山慣れした人でないと厳しく感じるのではないでしょうか。
どうにか急登を登り詰めて、高畑山と倉岳山を結ぶ稜線に上がりました。もう高畑山は目と鼻の先です。


高畑山に到着しました。思っていたよりもこぢんまりとした山頂です。
冒頭で触れた通り、「秀麗富嶽十二景」の1座です。が、「秀麗」を拝めるとばかり思っていた富士山は‥‥。
なんと、全く見えていませんでした。唯一開けている南の空には、いつの間にか雲が増えていて、富士山を完全に隠してしまっていたのです。上空が良く晴れているので期待していただけに、これにはガッカリでした。
さて、ややマイナーなコースを平日に歩いているので、ここまでは鹿2頭を見掛けただけで、この山頂も無人でしたが、休憩中にやっと自分以外のハイカーと会っています。その単独行の女性は、倉岳山方面から現れたと思ったら、今はほとんど展望のないこの山頂ではほんの一瞬立ち止まった程度で、ほぼスルーするように鳥沢駅への道を下って行かれました。だからある程度の展望は、倉岳山ですでに楽しまれていたのかもしれませんね。


高畑山からは、来た道を少し戻るように歩いて、先程右から上がってきた分岐を直進し、倉岳山に向かいます。
すると、ここからは一般登山道の中でもメジャーで良く歩かれているコースになります。斜面にはきちんとジグザグが描かれて勾配が緩和されているなど、雛鶴峠からのコースとは全く別格の歩きやすい道に変わりました。
しばらくは急な登り下りが現れることがなく、本当に気持ち良く歩ける尾根道が続いていきます。
軽く登り返したところが天神山。
天神山も小さなコブといった感じですが、ちゃんとした山頂標識がありました。
さらに、北面が大きく開けていて、この日初めて、展望らしい展望を楽しめています。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


天神山からは少し急な下りで穴路峠へ。南北に峠越えする道はいずれも登ってきたことがあって(南の無生野から登った時は高畑山へ(2007)、北の鳥沢駅から登った時は倉岳山へ(2009))、訪れたのが3回目になります。
穴路峠から倉岳山への登りは、穏やかで気持ち良く歩けるところがあるかと思えば‥‥。
倉岳山に近付くと急坂の連続となりますが、道はジグザグになっていたりして、歩きにくい箇所はありません。


倉岳山に到着すると、そこは割とゆったりとした広さのある頂上で、ベンチもあって腰を下ろして休憩ができます。また到着時は単独行の男性が先着していて、この日見掛けた2人目の(そして結果的に最後の)ハイカーとなりました。10分ほどでその方が先発されると、山頂には私だけが残されています。
ここも「秀麗富嶽十二景」の1座ではありますが‥‥、富士山の方向は先程までよりも雲が増えていたような。
そして倉岳山は山梨百名山でもあるので、その標柱も設置されていました。手前に写っているのは三角点です。
雲が多い南側に比べると、北側は雲が少なくて割とスッキリとした展望を得られていました。樹木がやや邪魔で大きくは開けていないのが残念なものの、北西側を眺めてみるとこんな具合です。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
そして真北の方角には奥多摩の山々を眺められています。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
雲が多かった南側も一応は写していますが、道志の稜線が見られた程度であまりパッとしない眺めでした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。


倉岳山での休憩後は、立野峠を経由して梁川駅へと向かいます。倉岳山の直下は少し急な下りでしたが、その後は穏やかな道に変わって、何度か小さなアップダウンを繰り返しつつ高度を落としていきます。
立野峠で尾根道を離れて、左へ下る梁川駅への道に入ります。
はじめのうちは緩やかな坂道を、快調に下って行きます。
植林の中に入る上、北向きの斜面になるからか、中には少し薄暗くなる場所も(写真は明るく写りましたが)。
沢筋まで下った所は水場になっていて(ただし飲用不適とのこと)、そこからは沢沿いに下って行きます。
沢筋の道はダラダラと下っていく具合で、景色にあまり変化が無いこともあり、やや単調な歩きになるのが長く感じたりした一方で、沢沿いの道にしてはあまり石がゴロゴロしておらず、歩きにくくなかったのが幸いです。
また沢筋を下る途中で、何度も対岸に渡ったりしますが、涸れ沢になっているか橋が架けられている箇所が大半でした。数回あった飛び石を伝って徒渉するこのような箇所も、流量は僅かで靴を濡らすことはなかったです。
終盤になって、小さな登り返しが何度か現れるのが少々煩わしかったものの、最後は穏やかな道になりました。


ようやく登山口まで下ってきました。ここで車道に合わさります。
登山口を振り返りました。
あとは車道を歩くだけ。途中にあった迂回箇所も、幸い歩く距離は大きくは変わらず、影響は最小限でした。
ゴールの梁川駅に到着です。この駅に来るのは2006年以来で、新しくなった駅舎を見るのは初めてでした。

タグ:高尾・陣馬
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