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かしの木山自然公園・成瀬尾根 [東京・神奈川(平野部)]

2021/03/31(水)

■第438回 : かしの木山自然公園・成瀬尾根


この日は、東京都町田市と神奈川県横浜市の境界になっている成瀬尾根を歩いてきました。
たった3kmほどの短い尾根は、一番高い地点でも標高が100mに満たない上に、途中に山としての名前が付くようなピークらしいピークもなくなだらかで、感覚的にはちょっとした丘の上を歩いた程度にとどまります。
しかもその大半のエリアで、宅地開発が尾根上にまで及んでいて、車道を歩くだけの味気ない時間も長かったのですが、途中には自然な山道が残された区間もあって、ほんの束の間のプチ山歩きも楽しめました。

成瀬尾根の山道区間では、20分ほど、こんな景色の中を歩けています。
その後、恩田川沿いの遊歩道に向かうと、桜並木がちょうど見頃でした。

 累積標高差(登り):260m / 距離:11.5km / 歩行時間:2時間55分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
自宅-自転車移動(約4.4km)-芹ヶ谷公園

(登山行程)
芹ヶ谷公園     11:50
高瀬橋       12:00
かしの木山自然公園 12:35 (公園管理棟「森の家」)
化石谷公園     12:45
奈良谷戸橋     13:10
風の広場      13:35
成瀬山吹緑地    13:45-13:50
成瀬吹上公園    14:05-14:10
弁天橋公園     14:35
高瀬橋       14:45
芹ヶ谷公園     14:55

(復路)
芹ヶ谷公園-自転車移動(約4.4km)-自宅


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、感染リスクは相変わらず高いままなので、まだ当分の間は公共交通機関の利用を控えて、歩きに行く際も、その目的地は自転車での移動圏内にとどめたいと思います。
(クルマを持っていれば、もっと自由に出掛けられるんでしょうけれど‥‥。でも行先の選択肢が狭まることよりも、積極的に公共交通を利用したい思いに反して、全く公共交通を使わずにいる歯痒さのほうが強いです)

ということで、今回も自転車を漕いで、お隣の町田市にある芹ヶ谷公園まで来ました。
トイレの利用がてら、園内を少しだけ見てみると、ここでも桜が満開になっていました。


芹ヶ谷公園から歩き始めたら、成瀬街道に出て成瀬方面へと進みます。
10分ほどで恩田川に架かる高瀬橋へ。ここから先は周回コースになります。橋の南側で見事に咲き揃っている桜並木が目に入りますが、そちらは最後にゆっくり見ることにして‥‥。
まずは対照的に華が少ない北側へ向かいます。恩田川は高瀬橋を境に、南北でガラッと景色が変わるのでした。
このあたりの恩田川は両岸に遊歩道があるので、車を気にせずにのんびりとした気分で歩けます。
河岸を進むのは三蔵寺橋まで。上流方向に見えてきた桜並木っぽい景色にそそられつつ、右折して住宅街へ。
稲荷神社の鳥居が見えてきたら、それが最初の目的地への目印。左の小道に入って小さな坂を登ります。
鳥居のところを左に曲がると、手作り感満載の標識が現れました。


舗装道路が終わった先が「かしの木山自然公園」の南側の入口。中に入れるのは日中だけのようですね。
園内に入るとすぐに、案内図が立っていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真はこちら。また写真にマウスを乗せると、歩いたコースを表示します。
名前に「自然公園」と入っている通り、人工物少なめで緑豊かな公園で、歩いていて気持ち良かったです。
上の写真の休憩舎を過ぎたあたりは、ちょっとした広場になっていました。
広場の先には樹木見本園です。さらに進むと、北側の入口にある建物が見えてきたので、一旦引き返しました。
南側の入口近くの分岐点まで戻ったら、トンボ池への道に入ります。
トンボ池はかなり低い所にあって、木段をグングンと下っていきます。このあたりはまるで山道のようでした。
木段を下り切った先にトンボ池が見えてきました。
あまり大きな池ではありません。背後に今下ってきた斜面があるので、水源はそこからの湧水でしょうか。
池の周囲は散策路で回れるようになっています。小さな池だけに、ぐるっと回ってもほんの2~3分でした。
園内ではトンボ池だけが低い場所にあるようで、トンボ池を過ぎると園路はすぐに登りの木段に変わります。
竹林に入っても登り坂は続いて、先程下った分を一気に登り返す具合でした。
入口付近と同じ高さまで登ってしまえば、園路も穏やかな雰囲気に。
北側の入口近くには公園管理棟の「森の家」があって、トイレを利用させて頂きました。今回のコースは、この先約2時間ほどトイレがなく、ここのトイレは貴重でしたし、寒い時期だと同じように歩くのは厳しいかも。


「かしの木山自然公園」を北側の入口から出たら、しばらく道なりにそのまま進みます。
T字路に突き当たっても、その先に歩行者専用の小道が続いているので、そこに入ります。
特に名前がある訳でもなさそうなその小道は、舗装路なのがやや趣を欠きますが、景色はまずまずです。
左手にグラウンドが見えているあたりでは、ちょっとしたお花見もできました。


小道を歩き終えた先は、車道歩きがしばらく続きます。玉川学園の住宅街に入って、町田市コミュニティバスのバス停がある化石谷公園の前を通過したら、ここからは下り坂。
2車線の道路まで下ると、その道路は桜のトンネルになっていました。
下ったかと思えば、次は急な階段を登ります。この一帯は起伏が激しくて、登ったり下ったりで結構忙しい。
高台の住宅地を抜けたのち細い階段道を下ると、住所が成瀬台に変わって、目指す成瀬尾根ももう間近です。


成瀬尾根の北側の突端といえる地点に来ました。正面に見えてきた坂が尾根の始まりで、しばらくは尾根上に車道が続きます。ちなみに右側が東京都町田市、左側が神奈川県横浜市青葉区です。それでは、いざ登らん。
軽く登った先には奈良谷戸橋があって、下を通るバス道路を跨ぎます。橋上は好展望とされていますが‥‥。
残念ながら春霞で見通しが悪く、西側に一望できるはずの丹沢連峰はほとんど見られません。唯一、肉眼ではうっすらと確認できた大山も、写真にしたらほぼ分からなくなりました。できれば空気の澄んだ寒い時期に来たかったところ、すでに触れたトイレ問題を踏まえ、暖かくなってから出掛けてきたので、まぁ仕方ありませんが。
成瀬尾根の北側はこんな景色が続きます。緑地が残された左側が一段高くなっていて、そこが尾根筋に当たるらしいものの、柵があって入れずに脇の車道を歩くしかありません。しかも右側は尾根の間際まで宅地化が進んでいるため、住宅街のただ中を進んでいるような気分で、尾根を歩いている、という感覚には乏しかったです。
尾根筋の木立の中に遊歩道でも通してくれれば、もっと気持ち良く歩けそうなものなのに、緑地を囲む柵はかなり厳重で、何人も一歩たりとも入れないという強い意志が感じられます。緑地の向こうには6棟からなる大規模マンションが建っていて、緑地部分もその管理組合の土地らしいので、保安上必要な措置なのでしょうけれど。
途中には尾根が車道に分断されている箇所も。尾根を進むには階段の昇降と車道の横断を余儀なくされました。
でもその先で尾根脇の道が車道ではなくなって、いくらか雰囲気がマシになったでしょうか。といっても、舗装路のままなので味気なさは依然として続きますし、尾根筋にも相変わらず入れてもらえません。
さらに進むと右側の建物が減ってきて、のどかな景色に変わってきました。
ここで一旦右側の建物がなくなって、見通しが良くなりました。なのに、この日の眺めといったら‥‥。
先程まで見えていた大山すら、肉眼でもほぼ判別不可能なほど霞が濃くなっていて、何も楽しめませんでした。
その後、尾根脇の道は再び車道に戻ってしまいますが、嬉しい事にこんな景色にも終わりが近付いていました。
そう、成瀬尾根の北側の車道区間はここまでで、この先を左に入ると、いよいよ「尾根道」が現れます。


成瀬尾根の中間部だけにわずかに残された、貴重な山道区間が始まりました。
北側からこの山道区間に入ると、すぐの所に「成瀬の自然を守る会」による案内板が立っています。
案内板では、会の活動内容が紹介されていたほか、成瀬尾根(山道区間)の案内図も見ることができました。これから歩く尾根道は、会の精力的な活動によって保全・維持されている様子で、私もその恩恵にあずかります。
  ※案内図の大きな写真は こちら です。
先程までは入ることさえできなかった「尾根上」を歩けるようになって、建物などもほとんど見なくなります。
はじめのうち、横浜市側に無骨なフェンスがずっと連なっているのが少々目障りですが‥‥。
やがてそれもなくなり、入口付近では道の両脇に沿う程度で狭かった森も、次第に広さを増していきます。
短い間ではありますが、このあたりではれっきとした山道を歩いている気分が味わえました。
送電線鉄塔が2基並んでいる地点は少し開けた場所になっていました。
送電線鉄塔の先には「風の広場」。奥には野草園もあったようです。
その先には畑地が広がる、のどかな景色の場所も。満開の菜の花からは濃厚な香りも漂っていました。
畑地の少し先で、山道は割と唐突な感じで車道に出て終わります。山道区間の距離はほんの1kmほどでした。


車道に出たら、今度はすぐ先に広場が見えてきます。
そこが成瀬尾根の中でも随一の展望を誇る、成瀬山吹緑地です。
第1回町田市景観賞(2014年)の景観大賞に「成瀬の尾根道」が選ばれていますが、その際に評価されたもののひとつが、ここからの展望だったようです。
ですが、再三書いてきた通り、この日は何も見えていないも同然でした。丹沢の山並みを一望する素晴らしい写真は、「成瀬の自然を守る会」のウェブサイトでご覧ください。
展望図によると、丹沢山塊のみならず、箱根連山・富士山・南アルプス・大菩薩連嶺・奥秩父・奥多摩・奥武蔵という広範な山岳展望を楽しめるとあって、条件の良い日を選んでまた来たくなりました(夜景も絶品とか)。
  ※展望図の大きな写真は こちら です。
成瀬山吹緑地自体はそれほどの広さはなく、南側から全体を見渡すとこんな具合でした。


成瀬山吹緑地の先にも、土の道を歩ける区間が少しありますが‥‥。
それもここで前方に見えてきたバリケードまで。
バリケードを過ぎると、尾根の周囲は両側ともすっかり住宅地と化して、車道で急な坂道を下ります。
尾根の南側の突端は急斜面になっているため、車道はそれを避けて左折してしまいますが、直進方向にも階段が続いていて、歩行者ならその階段でほんの少しだけ長く尾根筋をたどることができます。
とはいえ、この階段も尾根の末端までは届いておらず、途中から車道で迂回する形になりました(階段下に見えるガードレールの先にもまだ階段が続いていて欲しかった)。成瀬尾根と言えるのはこの階段まででしょうか。


最初にも少し歩いていた成瀬街道に出たら、吹上交差点を左折して、最後のお楽しみの恩田川へと向かいます。
でもその前に、しばらく休憩を入れずに歩き続けていたので、成瀬吹上公園のベンチでちょっとひと休み。
恩田川沿いの桜並木が見えてきました。ちょうどドンピシャで見頃を迎えているようで、圧巻です。
このあたりの恩田川は両岸それぞれに桜並木と遊歩道が続いていて(高瀬橋までずっと)、以降は写真を撮りながらゆっくり歩きました。この日は展望は楽しめなかったけれど、その代わりにお花見ができて良かったです。
(吹上橋から)
(向橋から)
(成瀬中央橋の手前あたりから(2枚))
(南第二小学校前あたりから)
川沿いの弁天橋公園にもちょこっとお立ち寄り(かしの木山自然公園の次のトイレがここなのでした)。
 ※結局この日はトイレは問題にならずに済みましたが、ここまで持たなそうなら少し手前で総合体育館に寄る策もありました。
(弁天橋から(3枚))
(鹿島橋から)
周回コースを終えて高瀬橋まで戻ってきました。恩田川遊歩道にはそれなりに人出があったけれど、平日ですから混雑というほどではなく、誰もが静かに歩いているだけでもあったので、特に危なくはなかったと思います。
あとは来た道を引き返して芹ヶ谷公園へ。穏やかな天気に恵まれて、快適に過ごせた1日でした。

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