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吾妻山・弘法山・権現山 [丹沢]

2021/10/06(水)

■第443回 : 吾妻山(140m)・弘法山(235m)・権現山(243m)


コロナが下火になってきて、極度に警戒する必要性が薄れてきたようなので、今回は久々に公共交通機関を利用して山に出掛けてきました。現在の状況が一時的なもので終わらずに、今後も続いてくれれば良いですね。

山をマトモに歩くことも、ほぼ半年ぶりのことになりますから、念のため登山というよりもハイキングに近いグレードの場所のほうが良かろうと、行先は欲張らずに丹沢前衛の弘法山・権現山を選んでいます。
近場でお手軽なだけに、このブログへの登場が5度目となる山々で、しかも 2019年7月 の時と同様、最もポピュラーなコースを何の捻りも入れずにそのまま歩くという、目新しさが何もない記事になりましたが‥‥。

 累積標高差(登り):411m / 距離:6.9km / 歩行時間:1時間55分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:2時間20分 

(往路)
古淵 05:36-05:40 町田 05:51-06:20 鶴巻温泉

(登山行程)
鶴巻温泉駅 06:30
吾妻山   06:50-06:55
弘法山   07:35-07:40
権現山   07:55-08:15
秦野駅   08:55

(復路)
秦野 09:06-09:43 小田急相模原 10:00-10:15 長久保


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

鶴巻温泉駅からスタート。念のため小田急線は各駅停車を選びましたが、それでも思いのほか乗客が多くて(早朝の下りなのに)、着席するとディスタンスが保てない状況が続き、本厚木までは座る気になりませんでした。
駅前の市街地を抜け、東名高速の下をトンネル(?)でくぐれば、登山口は間もなくです。
登山口。この民家の前で車道が終わり、その先が山道に変わって、奥の森の中へと入っていきます。


山道を歩き始めると、そもそもが低い山ですし、しかも尾根の突端あたりなので、ほんのひと登りですぐに尾根に上がり、反対側から登って来る「関東ふれあいの道」と合わさります。
ところで、結構手前からこの分岐点に立つ人の姿が見えていて、極力ほかの人が写り込むのを避けようと、立ち去ってくれるのを待ちながら牛歩の如くの歩みでのろのろと登っていたのに、全然そこを離れてくれません。
少々の膠着状態ののち、私が痺れを切らして追い付き、こんな写真を撮ることになりましたが、見ると動画撮影のために留まっておられたようで、その方にとってはむしろ私のほうが邪魔な存在だったのかもしれません。
尾根道の傾斜は基本的に穏やかで、権現山までは急な坂がほとんどなく、歩きやすい道が続いて快適です。
登山口から10分も登れば、吾妻山とされる地点に到着です。あずまやのほか、ベンチがいくつもあって、いつ来ても誰かしらが休んでいたりするこの場所も、平日の早朝だからか、珍しく無人でした。
方位盤があるので、かつては開けていたのかもしれないけれど、現在はこの通り、展望はほとんどありません。
ここは地形的にはピークでもなんでもなく、登り坂の途中に過ぎない中途半端な地点です。なのにここが吾妻山とされているのは、近くに立つ解説板によれば、日本武尊の伝承に因んでのことらしい。吾妻神社の碑も立っているので、この神社も日本武尊を祀ったものなのでしょう。


吾妻山を後にすると、そこがピークではなかった証に、その先にも登り坂が続いています。
その後は軽いアップダウンを繰り返しながら、徐々に高度を上げていきます。一旦下って登り返すと、矢倉沢往還への分岐点で、ここで「関東ふれあいの道」とは分かれます(あとで再び合わさりますが)。
すぐ先で、今度は「野仏の道」を左に分けます。とても雰囲気のいい道らしく、次はそこを歩いてみようかな。
連なるアップダウンはどれも小さなもので、勾配も緩やかですから、久々の山歩きでも快調に足が進みます。
送電線鉄塔の脇を通過。現在地確認には格好のポイントです。
ここでは、大山へと続いていく善波峠への道を右に分けます。弘法山へ向かっている私は左へ。
その先で車道に出ると、先程一旦分かれた「関東ふれあいの道」がまた合わさってきました。
車道はほんの少しかすめる程度で、またすぐに山道へ入ると、そこからが弘法山への最後の登りになります。
山頂の手前でもさほど急な斜面にはならず、引き続き気持ち良く登ることができました。


弘法山に到着すると、なんとこの山頂にも誰もいません。無人の弘法山なんて初めてのことで、少々意外な気分になりました(次の人が現れたのは小休憩を終える頃)。そして、山頂一帯をどなたかが掃き清めて下さった直後らしく、地面に落ち葉ひとつ見られないほど綺麗に整えられていて、とても清々しい心地で過ごせています。
弘法大師が修行したことから名付けられたと伝わる弘法山。釈迦堂・鐘楼・井戸などがある、小広くてゆったり寛げる山頂は、隅々まで丁寧に掃かれた清浄さに朝の爽やかな空気も相まって、心まで浄化されるようでした。
弘法大師像を祀った釈迦堂。元々弘法大師像と共に祀られていた釈迦如来像は、火災で焼失してしまったとか。


弘法山から先のエリアは、弘法山公園として整備されていて、遊歩道を歩けるようになります。でも私は足への衝撃が大きな硬い路面は好まないので、その脇に残された、身体に優しい土の道を下っていきます。
ひとしきり下ると、道幅の広い、ほとんど平坦に続く道に出ました。
そこは馬場道と呼ばれていて、昔周辺の農民が草競馬を楽しんだことに由来する模様。両側に桜並木が続いて、春にはピンク色のトンネルとなり、初夏なら紫陽花が楽しめたりもしますが、今の時期は何もないようでした。
馬場道が終わって遊歩道の登り坂に変わったら、この日の最高点となる権現山はもう、このすぐ先です。


遊歩道の階段を登り詰めれば、そこは権現山の山頂の一角で、まずは平和の塔が目に入ります。
山頂は開放感あふれる広場になっていて、左を向けば、小田急線の車窓からも良く見える展望台があります。
展望台へと向かいます。朝早いだけに、見渡しても片手で数えられるほどの人しかおらず、広場はとても静か。
展望台のそばには三角点があって、そこが最高点なのでしょう。そしてその脇には「関東の富士見百景」の碑が(碑のあたりで露光が調節されたのか、肝心の富士山が左上で空に埋もれた写真になってしまったけれど)。
いざ展望台の上へ。まともな山岳展望を見るのも久々ですし、好天にも恵まれて、期待に胸が高鳴ります。
夏の暑さがぶり返したようなこの日は、気温の高さゆえか空気がやや霞んで遠くまでクリアに見えなかったのが残念だったものの、スッキリと晴れてどの方角にもほとんど雲がなく、まずまずの展望を楽しめました。
まずは富士山から。左に箱根の山々、右には西丹沢の山々を従えて、貫禄すら感じられる堂々とした姿です。
富士山をアップで。手前の街並みは下山方向の秦野市街です。
富士山を中心とした西側のパノラマはこんな具合でした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
箱根の山々(上のパノラマの左半分)を大きめにして撮ってみたものです。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
北側には表丹沢エリアを一望です。展望台の標高が低いので、丹沢の核心部までは見通せないようでしたが。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
表丹沢の山並みを少しだけ大きく撮ってみました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
展望台には、このような展望写真がいくつか掲示されていて、すごく分かりやすかったです。
良く見ると、塔ノ山(この写真右半分のこんもりとした山)の左側に、うっすらとビル群が確認できました。ほぼピッタリ北東の方角で、どうやら相模大野駅と小田急相模原駅の周辺の建物っぽいのですが、いくらGoogleマップのフル3Dモードをグリグリしてもなかなか同じような見え方にならなくて、正確なところは分からないままです(でも、かなり似た感じの見え方にまでは迫れたので、きっと大きく外してはいないかと)。


展望を楽しんだら、秦野駅へ向かいます。すると、ここまでずっと緩やかだった道が、一転して急勾配の道に。
こんな木段が続いて、ガクンと高度を落としていきます。
ただ、下りはじめの木段はさほど長いものではなく、車道に降りたところで一旦は収まります。
車道をそのまま下る「関東ふれあいの道」と分かれて、車道の向かい側に続く山道を軽く登り返していくと‥‥
すぐ先にあるのが、ちょっとしたピークになっている浅間山です。
ここも居心地が良さそうですが、たいした展望もないですし、権現山で休んだばかりなので、スルーして先へ。
するとその先にはもう、穏やかな山道を歩けるような場所はほとんどありません。
あとは急降下の連続となって、市街地まで一気に下ってしまいます。
九十九折りの木段が長く続くので、ゆっくりと歩くことを心掛けて、なんとか下り切りました。今回のコースは、ここが急降下になるのを避けて、進行方向を逆向きにするほうが、身体に優しく歩けるような気がします。
車道に出たところが登山口で、「弘法山公園入口」の大きな標識が目立っていました。


その先はすっかり市街地に入ってしまい、車道ばかり歩いては味気ないので、水無川沿いの遊歩道を進むことにします。水無川の川辺に出たところが、ちょうど飛び石で渡れるようになっているので、そこを通って対岸へ。
水無川の右岸を進みます。ここまではずっと木陰を歩けて、時間も早かったですから、あまり暑さを感じなかったのに、この頃になると結構気温が上がっていて、強い日差しにもさらされ、最後に少し汗をかかされました。
川辺の遊歩道では、権現山の展望台では見られなかった角度から丹沢の山々を眺められました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
秦野駅に着いたのはまだ9時前。帰りも用心して、上りでは午前中に3本しかない各駅停車を選んだところ、混んでいた急行との差は歴然でガラガラに近い状況が続き、安心して過ごせたのでこの選択は大正解でした。

久しぶりの山歩きとあって、敢えて行程を軽めに抑えましたが、思いのほか以前と同じような感覚で歩けて、疲労感も後日の筋肉痛などもなかったので、結果的にはここまで慎重にならなくても良かったようです。

1時間弱程度のウォーキング(坂道の登り下りをそれなりに含めています)でも、毎日のように続けていれば一定の効果がある、ということなのでしょうか。これならもう少しガチ寄りの登山でも大丈夫そうですし、願わくばコロナがこのまま落ち着いて、遠くへのお出掛けを再開できれば行先の幅も広げられるのだけれど‥‥。

タグ:丹沢
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