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御岳山・鍋割山・大岳山 [奥多摩]

2023/10/07(土)

■第469回 : 御岳山(929m)・鍋割山(1084m)・大岳山(1266m)


今回は久しぶりに休日の山へ。しかも御岳山・大岳山なんて割と人気の山を選んだものだから、終始多くのハイカーと出会うことになって、互いの距離を保つのが難しい局面も多く、コロナばかりかインフルまで流行っているらしい昨今、やはり日取りと行先は選ばなくてはと思いました(どうにか無事で済んだ様子ですけれど)。

そしてこの日は、ちょっとしたトラブルから最後に少々大きな登りを余計にさせられた結果、登りの累積標高が約4年ぶりに1,000mを超えることに。山行回数が減って運動不足になりがちなコロナ禍以降、脚力維持に重きを置いたハイキング的な行先が多くなっていた中で、久々のガチな感じの山歩きにもなっています。

 累積標高差(登り):1093m / 距離:11.1km / 歩行時間:4時間15分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録域外か、非掲載の登山道を含む) 

(往路)
古淵 05:27-05:49 八王子 05:51-06:03 拝島
拝島 06:09-06:27 青梅 06:40-06:57 御嶽
御岳駅 07:12-07:22 ケーブル下 → 滝本 07:30-07:36 御岳山

(登山行程)
御岳山駅 07:40
御岳山  08:00-08:10
奥の院峰 08:50-08:55
鍋割山  09:10-09:20
大岳山  10:15-10:30
芥場峠  11:05
綾広の滝 11:20
七代の滝 11:45-11:55
長尾平  12:25-12:40
御岳山駅 13:00

(復路)
御岳山 13:14-13:20 滝本 → ケーブル下 13:35-13:43 御岳駅
御嶽 14:04-14:21 青梅 14:25-14:55 立川
立川 15:00-15:11 八王子 15:20-15:43 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

休日なのでなるべく人が少ないうちにと、御嶽駅からのバスとケーブルカーはともに始発を乗り継ぎます。
バスを降りたら、すでにマイカーの人たちの列ができていてケーブルカーでは座れなかったけれど(でも乗車時間が6分と短いから全然OK)、その代わり最前方に陣取れて、こんな眺めにテンションが上がりました。
ケーブルカーの御岳山駅から歩き始めます。
まだ朝の早いこの時間、山の上だけに空気はヒンヤリとしていて、歩いていてちょうど心地良い陽気でした。
今回は一般的に案内されている道順から外れて、茅葺き屋根が趣を感じる馬場家住宅の前を通ってみます。
ほかにハイカーの姿のない道は静かに歩けます。でも一般的な道順と同様、御師集落内の上り坂は結構きつめ。
武蔵御嶽神社の石段が始まりした。大鳥居と隋身門をくぐって、330段の石段を登ります。
御岳山の頂上に鎮座する武蔵御嶽神社。
いつものように、拝殿の奥に向かって最高点にある大口真神社に行こうとしたら、なんと門が閉まっていて玉垣内に入れません。帰宅後に神社のウェブを確認したら、玉垣内の参拝時間は「9時から16時」だそうな。
門の手前には、時間外の参拝者向けに大口真神社の遥拝所があり、今回はここで御岳山への登頂としました。


武蔵御嶽神社での参拝を終えたら、石段を少しだけ下ったここから、ショートカット道へ。
木段が続く道を下って、大岳山への縦走路に下りてきました。
すぐに、長尾平や七代の滝への分岐点を通過して、もう少し縦走路を進みます。
緩やかに下り続けて、天狗の腰掛け杉(写真左上)まで来たら、縦走路から外れて奥の院・鍋割山への道に入ります。御岳山と大岳山にはもう何度も登っているのに対して、奥の院と鍋割山は2008年に1度訪れたきりで、今となっては当時の記憶も定かではなく(しかも逆コースですし)、ここからはほぼ初めて歩く感覚です。
上の写真にも写っている鳥居をくぐると、道はその先でただちに斜面に取り付きます。
結構な急勾配の中に、細い道が続きます。所々に段差が大きな箇所もあって、なかなか手応えのある登り。
沿道には立派な杉の木が多く、参道らしい厳かな雰囲気に。杉並木と呼べるほど整然とは並んでいませんが。
どの杉の木にももれなく番号札が。かなり大きな番号だったので、表参道からの通し番号でしょうか。
登るにつれてさらに傾斜は急になり、道がいつしか尾根上に出ていたことで、北風に晒され続けるようにもなりました。まだ朝だからその風がかなり冷たくて、急登で身体が温まっているのに寒さが上回ってしまい、以降はしばらく薄手のウインドブレーカーを羽織って歩くことに。ウェアの調整にも気を遣う季節になりましたね。
上部にはやや険しい箇所も。概ねどこも普通に二足歩行できて、クサリには少し手を添える程度でしたけれど。


短い石段が現れたら、その上に見えてきたのが御岳山の奥の院である男具那社です。
男具那社で軽く手を合わせていきます。社殿は2005年に修復されたばかりで、赤く漆塗りされている本殿と、それを風雨や直射日光などから護る覆屋からなっていました。
社殿左上の斜面に刻まれた岩道を辿って、すぐ上のピークへ。ここは一部で手も使って攀じ登る具合でしたが、登り切ったら後続のハイカーが別方向から涼しい顔で現れたので、ほかにもっと登りやすい道があったみたい。
奥の院峰に着きました。地形図の1077m標高点の地点で、登った山にカウントしたい位の立派なピークです。
樹木には私製の「奥の院峰」プレート。地形図では無名峰なれど、これが山名としても浸透している様子です。
展望はないながらも小広くてゆっくり休憩できます。ピークの西端には小さな祠も。
樹木の影が重なって見難いですが、祠の前にも「奥の院峰 1077m」というプレートが置かれていました。


奥の院峰での小休止後は、すぐ西隣の鍋割山へ。鋭鋒でしたから下り始めは岩ゴツの道です。
でも軽く下った所でピークを巻いてきた道に合わさると、そこからは穏やかな道に変わりました。
奥の院峰と鍋割山の間の鞍部を通過。このあたりは歩きやすかったです。
次の鍋割山にも巻き道があって、山頂を踏んで行くにはこの分岐を右へ。
木の根が露出した斜面の道は、山頂直下で少し急になるものの、最後まで普通に歩ける道でした。
鍋割山の山頂に到着しました。奥の院峰と同じく、展望のないピークです。
さほどの広さはなく、平らな地面が少ない分、大人数で休憩するにはやや手狭な印象を受けました。
この標識のほかには、ほとんど何もありません。腰掛けるのに適当な物にも乏しいので、2枚上の写真で手前に写っている何かの標石に腰を下ろして足を休めていきます。


行動再開。5分少々下ったあたりで、先程分かれてきた巻き道が合わさります。
その後は穏やかなアップダウンを何度か。途中ではササの茂る小さなコブを越えていきました。
しばらくの間、登り下りはあっても緩やかで歩きやすい道が続くので、気分は上々です。
大岳山への縦走路に戻りました。ここから大岳山まで往復したのち、ロックガーデンを経由して上養沢のバス停へ下る予定で、あとは何度も歩いた道ばかりになります(その予定通りには事が運ばなかったのですが)。


縦走路を大岳山へと向かいます。このあたりは緑が清々しくて、歩いていてとても気持ちの良い道でした。
でも気持ち良く歩ける区間は短くて、やがて岩の露出が多いエリアへと入っていきます。
なんと、かつては補助的にクサリが架けられただけだったように記憶している場所に、こんなフェンスが。いくら何でも、これはちょっと大袈裟すぎやしませんか? しばらく来ない間にこんなことになっていたなんて。
でも、その先にある何箇所かの岩場は、いずれもシンプルにクサリが下がるだけで以前と変わらない様子。整備もあまり過剰になると歩いていて味気なく感じるので、できればこれ以上のことはして欲しくないかな。
大岳神社の前にある、ちょっとした広場に到着。ここまで来れば、大岳山まであともうひと登りです。
大岳神社です。南麓の白倉に立派な里宮(大嶽神社)があって、こちらは奥宮に当たります。
山頂の直下には、いくつかの岩場が。中にはやや険しい箇所もありますが、少し手を添える程度で登れます。


大岳山の山頂に到着。休日だけに、すでに多くのハイカーが先着していたものの、まだ比較的早い時間だからか、腰掛けて休む場所などはすぐに探せる状況で、先着していた方々とも距離を保ったままで過ごせました。
でも、さすがにほかの人を入れずに写真を撮るのは困難で、こうなると掲載するにも余計な手間がかかります。
ほかの人が写らない写真はこの三角点くらい。幸いこの時、三角点の周囲には居座る人がいなかったのです。
展望はまずまずで、上空に雲が少なくなかった割に、どの方向も遠くまでしっかりと見通せました。
そんな中、富士山だけは少し雲がかかっていて、クリアな見え方ではなかったのが残念でしたが‥‥。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
富士山を中心に、南の丹沢山塊から西の大菩薩の山々までがズラリと見渡せたのは、なかなか壮観でした。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


大岳山から、しばらくは来た道を引き返します。山頂直下の岩場は、下りでもさほど難しさはありません。
往路でも写真を撮っていた、問題のフェンス。両側が崖とはいえ、道幅が特に狭い訳でもなくて普通に歩くだけの所ですから、考えられるとすればすれ違い時のトラブル回避用なのかなぁ。でも仮に右側に落ちたとしても、すぐに木とかに引っ掛かりそうでどこまでも落ちるようには思えず、やっぱり過保護な印象が否めません。
岩の多いエリアを抜ければ、やはり往路でも写真を撮っていた、緑が気持ち良い区間を通ります。
先程左上の斜面から下ってきた、鍋割山への分岐点。もちろん今度は鍋割山には向かわずに直進です。
その後通過する芥場峠では、大人数のグループが所狭しと休憩中で満足に写真が撮れませんでした。
そのまま下り続けて、休憩舎が建つ分岐点まで来たら、ここで縦走路から外れてロックガーデンへ。もう何度も訪れているロックガーデンも、いつも上りでばかり歩いていたから、下るのは確か今回が初めてになるはず。
分岐点からわずかに下って綾広の滝(写真中央やや左寄り)が見下ろせる所まで来ると、滝の周囲には人また人、という様子を写したつもりでしたが、写真を縮小したらそれが伝わりにくい出来になってしまいました。
なので綾広の滝ではささっと写真だけ撮ったら、そそくさと先へ。でもその後も‥‥、
ロックガーデンはとにかく人が多くて、落ち着いて景色を楽しむ気持ちにはなれず、すれ違いで頻繁に立ち止まるからテンポ良く歩けませんし、写真を撮れるタイミングも限られました。休日に来る場所ではなかったか。
ちょっとしたゴルジュ帯を通過。静かに歩ければ気持ちの良い場所なんだけどなぁ。涼しいのだけが救い。
休憩舎とトイレがある御岳沢休憩所にも、もちろん大勢の人たちが。
人の列が全く途絶えないような混雑ではなく、観光地としてはありがちな、程々の人出ではあったと思います。でも景色を見に来たんだか、人を見に来たんだかという状況が、私にとっては少々味気なくて、ロックガーデンをただ素通りするだけみたいになったのが、些か勿体なく思いました。ま、自分の感性のせいですけれど。


沢から離れて天狗岩の手前まで来ると、登山道からその天狗岩が見えていました(写真右)。今まで逆コースでばかり歩いていたためこの景色はいつも背中側にあって、何度も通っていたのに全く気付いていなかったなぁ。
天狗岩前の分岐点。天狗岩は随分前に1度登ってからは眺める専門で、今回もスルーです(人もいますし)。
天狗岩からは、これまで立ち寄ることの少なかった七代の滝へ向かいます。七代の滝は、ロックガーデン最下流の相当低い場所にあって、行きの下りはまだしも、帰りの登り返しで骨が折れるから、行程に加えないことが多かったのです。でも今回は、七代の滝へ下ったあとも上養沢のバス停まで下り続けるだけで登り返さなくてすむと、意気揚々と向かったのでした。思わぬハプニングでそんな目論見が見事に玉砕されるとも知らず‥‥。

七代の滝へは、こんな鉄階段を何連も続けて下る、まさに急降下。行ったら戻ってくるのが本当に大変なのよ。
七代の滝の前にある広場に下ってきました。ここからだと、滝は「七代の滝」標識の左下にほんの一部がチラッと見えているだけで、写真左端の小橋で対岸に渡ると、正面から見られるようになります。
七代の滝を正面から。綾広の滝よりも見栄えがする感じなのが好きなのに、見るのはこれで3回目くらい。ここはさほど人も多くなく、割とじっくりと滝を愛でられましたし、その後も落ち着いて休憩できています。


あとはバス停まで下るだけ、のはずが、なんと次の分岐点で上養沢への道が封鎖されていて吃驚。「この先 都道崩落のため 通行できません 2022.11.3」とあり、1年近くも前からずっと通行止めになっている模様。
これは自身のリサーチ不足でしかなく、何の情報の持ち合わせもないため、崩落の規模感が分かりません。帰宅後に調べたら、歩きでなら無理なく通れる程度だったようですが、そうとは知らず、バスの時間まであまり余裕がない中で、突破できるにしても手間取って時間がかかれば結局バスに間に合わず、強引に目指したのが無駄足になる可能性なども考えて、ここでこれ以降の計画を放棄し、目的地を別地点に変えることにしました。
てな訳で、今回は完全に回避したつもりでいた、大登り返しへ。帰れる道がほかになくては仕方ありません。
急な登りがひたすら続き、もうさんざん歩いたあとの疲労感の中ですから、途中で心が折れそうになりました。
200m近くを一気に登ったでしょうか。やっとの思いで、朝に通った長尾平への分岐点まで上がってきました。
今度こそ、あとはケーブルカーで帰るだけですから、その前に長尾平に寄って、酷使した足を休ませることに。
でも長尾平も人がいっぱい。普段あまり行かない奥のほうまで進んでみても、適当な休憩場所をなかなか見つけられません。ヘリポートとしても使われる広場もスルーして、さらに奥へ。
ついに一番奥まで来てもなお、全部のベンチが埋まり、そのほか腰掛けられそうな場所も大抵は先客の姿が。
諦めかけていたら、意外にも先端にあるあずまやの中が無人で、ここでしばらく休んでいくことにしました。
ここまで来ることがほとんどないため、長尾平先端からの展望も久々で(カメラを持ち歩くようになって以降だと初めてか?)、金比羅尾根や高尾山周辺の山々などが連なる南東側の眺めを楽しみました。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


長尾平からケーブルカーの駅へは、一般的には武蔵御嶽神社の石段の途中まで少し登り返したのち御師集落へ向かいますが、せっかくなので茶店の手前まで戻ってきたところから右へ下る脇道にそれてみます。
前に地形図を眺めていて、ここに道が描かれているのを見つけて以来、近道になりそうな上に登り下りも少なくて済みそうだと気になっていたのです。その山道は細いながらも良く踏まれている様子でした。
御師集落の家並みが見えてきて、どうやら集落の南端あたりに出てきたらしい。
その先に現れた木段を登っていくと、駒鳥山荘の前に出ました。あとは車道歩きを残すのみでしょう。
その後は道順を間違えて余計に登ったりと、登り下りは目論んだほど少なくならなかったけれど(コース変更で下調べのない所を歩いたから仕方ないか)、でも近道にはなったらしく、山道を静かに歩けて上々でした。
ケーブルカーの駅に近付くと、乗車待ちの行列が見えてきて、最後はそこに加わって発車時刻を待ちます。準備不足でトラブルを招いたりしたものの、久しぶりにガッツリと山を歩けて、充実感を味わえた山行でした。


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三頭山 [奥多摩]

2023/09/26(火)

■第468回 : 三頭山(1531m)


この日は約4年ぶりに奥多摩の三頭山へ。今回で10回目の登頂になります(グループ山行を2回含みます)。
回数が多い割に、これまで似たようなコースを歩くことが多かった山なので(中でも都民の森バス停を起終点にした場合は、毎回ほぼ同じような道のりを選びがちでした)、今までとは少しばかり違うコース取りをしてみたところ、いくつか新しい発見ができたりもしています。
そして何より、長く続いた残暑がようやく収まり、涼しくなってきた中で快適な山歩きを久々に楽しめました!

 累積標高差(登り):677m / 距離:6.0km / 歩行時間:2時間20分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録域外か、非掲載の登山道を含む) 

(往路)
古淵 06:28-06:50 八王子 06:53-07:04 立川
立川 07:16-07:53 武蔵五日市 08:22-09:30(早着09:18) 都民の森

(登山行程)
都民の森バス停  09:25
三頭大滝     09:45-09:50
ムシカリ峠    10:40-10:45
三頭山(西峰)   11:00-11:10
三頭山(中央峰)  11:14
三頭山(東峰)   11:15-11:20
見晴し小屋    11:35-11:40
かおりの路テラス 12:00-12:05
森林館      12:15-12:30
都民の森バス停  12:35

(復路)
都民の森 13:05-13:16 数馬 13:21-14:21 武蔵五日市
武蔵五日市 14:42-14:59 拝島 15:03-15:18 八王子
八王子 15:21-15:44 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

武蔵五日市駅からの直通バスで、都民の森まで上がってきました。平日だけに乗客は十数人ほどと少なめ。
バスから降りると、ほかの皆さんは森林館へと歩き始めますが(基本的にはその道しかありませんし)、私は今回そちらへは向かいません。手前に写っているトイレの利用だけしたら、またこちらへ戻ってきました。
私はひとり奥多摩周遊道路に出て、バスに乗って来た道を少しだけ戻ります。ここは歩道がない上に飛ばす車も多くて要注意でしたが、歩くのはほんの2~3分だけで、幸いにもその間は1台も車が通らなかったです。


右手に道標が現れました。ここが今回初めて歩く「けやきの路」の入口になります。
「けやきの路」の入口を、少し通り過ぎた側から。道路脇からすぐに階段道が始まって斜面に取り付きます。
「けやきの路」は三頭山に端を発する三頭沢の左岸沿いに進みますが、道は沢よりもかなり高い位置にあって、流れは見えず水音が聞こえるのみです。でも大きな沢なので、そんな高さでも十分に沢沿いらしい涼しさが。
さらに、急な登りがなくほぼ一定の穏やかな傾斜に保たれていて歩きやすく、なかなか好印象の道でした。
10分ほどの登りで、あずまやの脇に出れば‥‥、
そのすぐ先で、森林館から延びてくる「大滝の道」に突き当たりました。森林館側を見ると、私よりもずっと早く歩き始めていた人たちが向かってくる姿がチラホラ。歩きやすかった「けやきの路」は距離的にもショートカットができていて、時短にもなっていたのでした。今後はこの経路を自分的な定番にしても良いかも。


「大滝の道」は登山道というよりは遊歩道。車椅子での利用を想定したとても緩やかな勾配の道は、森林セラピーロードに認定されていて、ウッドチップが敷き詰められたフカフカの路面を快適に歩くことができます。
そんな遊歩道も今回は歩くのが5分ほどにとどまり、すぐに三頭大滝を間近にした小さな広場に出ました。
三頭大滝を見るには、一旦「大滝の道」から外れて、この「滝見橋」へ。
その名前通りに滝を見るためだけの橋です。対岸で行き止まりになっていて、その先に続く道はありません。
三頭大滝は橋の右手に(暗く写ってしまったので分かりにくい写真ですけれど)。
三頭大滝は、「けやきの路」が沿っていた三頭沢にかかる滝で、解説板によると落差は33m、立派な滝です。


「大滝の道」に戻ると、すぐに休憩舎とトイレがあって、遊歩道と呼べるほぼ平坦な道はこのあたりまで。
その先で三頭沢を橋で渡ったら、対岸の分岐点を右折して、三頭沢沿いをさらに遡る「ブナの路」へ進みます。
「ブナの路」は三頭沢の間近を進むことも多く、引き続き涼やかな道です。登りが続いていて、さすがに汗はかかされているものの、そのお陰でさほど暑い思いはせず、久々に団扇もヘッドバンドも出番が無しでした。
初め右岸を辿っていた道は、ここで左岸へ。といっても沢を横切る形に並べられた石の上を歩くだけなので、渡渉という程ではないですね。降雨後など流量が多ければ、靴を濡らす程度のことはあるかもしれないけれど。
「ブナの路」も傾斜はほぼ一定で急な箇所や大きな段差などがありません。歩きやすくて順調に歩が進みます。
ほどなく右岸に戻る箇所が現れても、やはり並んだ石の上を歩くだけ。沢を渡るという意識はほぼ不要でした。
沢沿いのヒンヤリした空気と、耳に心地良い爽やかなせせらぎが、登りの暑さを本当に和らげてくれます。
次に左岸に渡った先には、何やら構造物が。。。
それは「ブナの路テラス」なる代物でした。標識には「現在 標高 約1,200m」と書かれていて、全高低差の4割ほどを登ってきたことになりそう。テラスのベンチを利用して、行動食を補給していきました。
三頭沢の上部は一貫して穏やかな渓相が続き、寄り添う登山道もずっと同じ調子で登れて、あまり疲れません。
沢を渡る箇所はすべて写真を撮っていて、「ブナの路」に入って以降これが4箇所目になりました。
短い間隔ですぐに5箇所目。とにかく全箇所に共通するのが、ただ並んだ石の上を歩くだけで良いことです。
石垣に守られた遊歩道的なところも。すごく手間をかけて整備されている様子が窺えて、有難いことですね。
沢を渡る6箇所目の地点で、初めて下山者とすれ違いました。
石の上を歩いて対岸に移るのは、次の7箇所目が最後。このあたりまで来ると、普段は沢が伏流しているらしく地表はほぼ乾燥状態で、沢沿いならではの涼しさも感じられなくなりました。
登山道脇で、しばしばヤマトリカブトを見掛けました。この時期、一番よく咲いていたようです。
登山道が沢を高巻く具合になって木段が現れれば、もう最上流部に差し掛かっていて、稜線まであと少し。
実はこのあとで、三頭沢の源流部を横断して、そこで三頭沢を見納めになるのですが、写真を撮り忘れました。


稜線上の登山道に突き当たったところがムシカリ峠。標高は1400mを越えていて、あともうひと頑張りです。
ムシカリ峠を大沢山側から見たところ。三頭山の頂上は奥に見えている木段の先です(登ってきた「ブナの路」は「三頭大滝」の道標が示す右手側に)。平日とはいえ稜線上に出ると人の動きがあって、ベンチで小休憩していたわずか5分ほどの間にも、2人組のグループが2組立て続けに私の前を通り過ぎて行きました。
最後の登りは木段が連続します。ここまでに登ってきた標高差は400m少々で、さほど疲れはないものの‥‥、
それでも木段がやや長めに続くこの箇所は少し苦しくて、ゆっくりと登ります。
標高1500m地点を通過すれば、残す登りは30mほどとなりました。
西峰を巻いて御堂峠に向かう巻き道を右に分ければ、もう頂上にいる人たちの話し声が聞こえる近さに。


三頭山の西峰に到着しました。三頭山の3つのピークの中で標高が一番低いにもかかわらず、そこそこの広さがあって居心地が良く、いくつものベンチが設置されていて多くの人が寛ぐことができるなど、最も頂上らしい風格を備えた地点です。だから皆さんここを目指して登ってきますし、立派な頂上標柱もここに立っています。
でもこの日は平日、広さのあるこの頂上も、同時に居合わせる人数は常時10人未満で、静かな雰囲気でした。
周囲の樹木で展望が限られる中、富士山の方角だけは見通しが確保され、展望写真も掲示されていますが‥‥
この時の富士山は頂上部に雲がかかっていて、少々残念な見え方でした。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。


西峰で少し足を休めたあとは、残る2つのピークも踏んで行くべく、歩きを再開します。
軽く下ったところが、鞍部の御堂峠。各ピークに通じる道や巻き道などが合わさる五差路になっています。
御堂峠を突っ切ったら、下ったのと同じくらい登り返していくと‥‥、
三頭山の最高点である中央峰に到着です。西峰からは150mほどという近さで、5分も歩いていません。
最高点でありながら、狭くて展望も特段の見所もなくて、長居できる場所でないのが残念な地点ではありますが、三頭山の標高を1531mとして山行記録を書くのであれば、ここは踏んでおかなければならないでしょう。


中央峰を通過したら、今度はものの1分で東峰に到着。中央峰と東峰との間の距離は50mあるかどうかで、すぐ近くに隣接しているのです。これで三頭山の3つのピークを全て踏んだことになりました。
中央峰と同じく展望はありませんが、三角点がここにあるので、かつては見通しが良かったのかもしれません。
また、東峰は何もないという訳ではなく、少し先へ進めば展望台があるので、もちろん寄ってみます。
三頭山東峰の展望台は、東向きの斜面に張り出す形になっていて、なので東側にある山々を眺められました。
その眺めがこちら。東側には三頭山よりも高い山がもうないので、少々地味な顔ぶれかもしれませんが‥‥。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。


三頭山の全ピークを踏破したので、展望台手前の分岐を右に折れて、下山開始です。
すぐ下で、御堂峠から直行してきた巻き道に合わさったのち、しばらくは「ブナの路」を進みます。登ってきたコースが沢沿いだったのに対して、下りはほぼ尾根歩きになるので、登り下りで道沿いの景色は対照的に。
頂上直下は、歩きやすい緩やかな道が続いて気持ち良く歩けます。しかも、お昼近い時間になっても涼しいから実に気分爽快、山を快適に歩ける季節になった嬉しさを噛みしめていて、きっと満面の笑みだったと思います。
進むにつれ足元に少し気を遣う箇所が現れたりするものの、概ね穏やかな勾配が保たれていて楽に下れます。
ここでは「コマドリの路」を右に分けるほか、鞘口峠への下山路も尾根道と巻き道の二手に分かれます。
以前は確かここに何の指示もなく、前回来た時は楽な巻き道を選んでいましたが(その時は登りでした)、今は余計に登り下りする尾根通しの道が下山路に勧められていて、初めて見るこんな看板が設置されていました。
今回は元々尾根道を歩く予定で、その看板にも従う具合になりました。登るといっても20~30mほどのこと。
登り詰めた小ピークには「見晴し小屋」が建っていて、久しぶりに来たので景色を少し楽しんでいきます。
そこからは主に東側を眺められて、東峰の展望台からと似たような見え方になっていました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
でも立つ位置によっては、少し南寄りの方角も視野に入れられて、戸倉三山などを見渡せています。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。


「見晴し小屋」のすぐ先で「探鳥の路」を分けて、引き続き「ブナの路」を進みます。
少し下ると、先程分かれた巻き道が合流します。ここにも以前はなかった看板があって、登る人に対しても尾根道のほうを勧めていました。巻き道がすれ違い困難という理由のようですが、そんなに細い道だったっけ?
このあたりは細かな分岐が相次いで現れるのがやや忙しく、2分ほど進むと再び尾根道と巻き道に分かれます。
ここでも推奨されている下山路は尾根道でした。が、そうでなくてもここは元々尾根道を進む予定で‥‥、
それは、尾根道だけが通る次の分岐(この地点)で、「ブナの路」から外れようとしていたからです。これまで鞘口峠を経由するオーソドックスなコースばかりを歩いていたので、今回は少し変化を付けてみたのでした。


そんな訳で「陽光の路」に入ると、歩く人が少ないのか、道があまり踏み固められておらず地面はフカフカ。
しばらく進んでもフカフカの道が続いてとても足に優しく、特に今は下りなのでその快適さもひとしおです。こんな様子なら人の多い休日でも静かに歩けそうですから、今後はここを下りの定番コースにしようかしらん。
5分ほど下った先はT字路状になっていて、別の道に突き当たりました。
T字路に下りて案内標識を見ると、「陽光の路」はここまでで、突き当たった道は「回廊の路」というらしい。この案内では森林館を目指して下る進路が不明確ですが、鞘口峠に行っても仕方ないので、まぁ右折なのかな。
2分ほど下るとまたT字路の突き当たりに。下の道に下りて道標を振り返って見ると‥‥、
左上から下ってきた道と、右折側の道がともに「回廊の路」なのは分かりました。一方、左折側が森林館を目指す進路なのではと思われるのに、その側には指示標が何もなくて不安になります。なんだかこのあたり案内ときたら、登る人目線で書かれているものばかりで、下る人に対してはいささか不親切ではないでしょうか。
自分の勘を信じて下っている途中には、老朽化のためか入口をロープで塞がれたこんな建物が。中に展望写真があって展望デッキだったっぽいけれど、樹木が生長したからか、今では展望もほとんどなさそうな場所でした。
さらに下ると、道が左に折れてトラバース状になった先にまた分岐が。しかし、そこに立つ道標も‥‥、
どの目的地に対してどちらへ進むべきなのかが鞘口峠以外は不明で、どうにも不親切な印象を拭えず、利用者の少ない道だけに整備も手薄なのでしょうか。ここも、鞘口峠には行きたくないので、鋭角に右に折れてみます。
すると、道幅の広い良く歩かれた感じの道に変わり、すぐ先にはやっとマトモな案内も出現。マップで現在地をしっかりと確認でき、さらに「←森林館」という道標も立っていて、ようやく進路にも確信を持てています。
このあたりは、かつての「スポーツ歩道」で、現在は「ハリモミの路」という名前に変わっているようです。
しばらく下ると、眼下にはまたも別の道への突き当たりが見えてきて、近くには何やら建物も。
その建物は「かおりの路テラス」でした。突き当たった道が「かおりの路」なのですね。
そのテラスで、「見晴し小屋」以来の小休憩を入れて、しばらく下り続けていた足を休めていきます。
「かおりの路テラス」からの眺めは、樹木が並んだ上に笹尾根の稜線が少し見られる程度にとどまりました。


あとは森林館へ向けて、「かおりの路」を下るだけ。勾配がとても緩やかで下りでも足に優しい道です。
その後は間もなく、斜面の下方に森林館の建物(この写真では縮小により不明瞭になりましたが)が見られるように。でも、とにかく道の勾配を抑えたいのか、大きなジグザグで進むため、なかなかそこに近付きません。
ここまでするか、ってな具合の、いい加減やり過ぎとも思えるほど壮大なジグザクを何度か繰り返した末、ようやく森林館が間近に迫りました。この道、将来的に拡幅して車椅子でも通れるようにする構想でもあるのかな。
あとジグザグをもう一段下れば、そこから渡り廊下のようなものを伝って森林館に入れるようです。
渡り廊下を渡った先は、森林館の2棟の建物の間にあるテラスの2階部分で、そのまま正面の展示棟の中へ。
森林館展示棟の2階はまるまる、広い休憩室になっていました。前に1階にあるレストランを利用した時も、2階には上がらなかったので、ここにこんな施設があるとは知らなかったなぁ。
室内には飲物の自販機があるほか、その隣には無料で使えて水とお茶が出る給湯器とコップなどを備えた流し台(写真ではホワイトボードに隠れています)があり、さらにその奥にあるスペースはなんと‥‥、
寝転がって寛げそうな畳の間でした。もちろん綺麗なトイレなども完備という、至れり尽くせりな感じの有難い空間で、平日だからか私以外に誰も利用者のいないのが勿体ないくらい。ここに少し滞在して着替えなど帰りの身支度を済ませていきましたが、とても良い施設なので次回以降も有効に利用させて頂きたいと思います。
外に出て地上に下りてきました。先程までいた休憩室はこの建物の2階で、1階にはレストランもあります。
そして振り返れば、恐らくこちらがメインの施設なのであろう研修棟があって、中には人の姿も多かったです。


森林館を後にしたら、バス停がある駐車場までは遊歩道を5分ほど下るだけです。
駐車場に着いたら、朝に乗った往路のバスの乗客数からして、バス停で並ぶ必要もなさそうなので(しかも次のバスが数馬までの短距離便ですし)、ソーシャルディスタンスを確保すべく適当なベンチで時間調整します。
最後はこのバス停から。直通便がない時間で、連絡バスと定期路線を乗り継いで武蔵五日市駅に向かいました。


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御岳山 [奥多摩]

2023/08/04(金)

■第466回 : 御岳山(929m)


3月頃からの忙しさは、7月には解放されていたのに、何だかんだで山行の間隔が開いてしまうなぁ。。。
脚力が取り戻せていないから、ガチな山へ行くのは気が進まず、かといってこんな時期では近場の手頃な山など快適に歩けそうもなく(今年の暑さではむしろ危険かも)、すっかり出掛ける意欲も薄らいでおりました。

でもさすがに1ヶ月何もしないでいたら、少しは歩いておかなければと思い直せたので、行き慣れた場所で特に目新しさはありませんが、御岳山界隈でゆる~いハイキングをしてきました。
山頂の武蔵御嶽神社を参拝したのち、ロックガーデンを巡って涼感をいくらかでも味わえたら、という2時間ほどのショートコースで、最後には咲き始めのレンゲショウマを愛でたりもしています。

富士峰園地のレンゲショウマ。開花はまだまだ散発的でしたけれど。

 累積標高差(登り):114m / 距離:6.8km / 歩行時間:2時間20分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録域外か、非掲載の登山道を含む) 

(往路)
古淵 05:35-05:58 八王子 06:09-06:24 拝島
拝島 06:24(遅発06:27)-06:42 青梅 06:54-07:12 御嶽
御岳駅 07:30-07:40 ケーブル下 → 滝本 07:55-08:01 御岳山

(登山行程)
御岳山駅      08:05
御岳山       08:30-08:35
天狗岩       08:55
綾広の滝      09:15-09:20
休憩舎       09:25-09:30
天狗の腰掛け杉   09:45
富士峰園地(産安社) 10:25
御岳山駅      10:40

(復路)
御岳山 11:10-11:16 滝本 → ケーブル下 11:40-11:48 御岳駅
御嶽 12:02-12:19 青梅 12:22-12:50 立川
立川 12:55-13:07 八王子 13:20-13:43 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

連日の酷暑はこの日も緩まず、朝から結構な蒸し暑さ。ケーブルカーで御岳山駅まで上がってしまいました。
駅前の御岳平では展望が開けています。が、良く晴れているのに気温の高さゆえか空気が澱んでいて、クリアに見られるのは近くの山々だけ。遠くはおろか比較的近くの市街地ですら満足には眺められませんでした。
まずは御岳山へ。先月下旬からはレンゲショウマまつりが開催中で、私も最後に花を見てから帰る予定です。
御師集落に入るとまもなく、きつい急坂が始まります。ケーブルカーで山頂直下まで登ってきたとはいえ、標高が800m程度ですから空気なんて下界とそう変わりがなく、まだ朝8時なのにもう暑いのなんの。
門前の商店街は、まだどのお店も開店準備中でした。
大鳥居の前からは石段の連続に。早くも汗だくで、手にした扇子を開いて扇ぎながら登って暑さに耐えます。
今回は先に山頂へ向かってしまうため、石段の途中で分かれる大岳山やロックガーデンへの道は見送ります。
御岳山の山頂に鎮座する武蔵御嶽神社。平日の朝早い時間だからか、この時は参拝客もまばらでした。
参拝後は玉垣内へ進んで、一番奥にあるのがこの大口真神社。このあたりが御岳山の最高点とされています。
大口真神社の左横には「御岳山山頂」の標柱が(上の写真でも小さく写っています)。


次に目指すのはロックガーデン。登ってきた石段を少し下ったら、ここから脇道に入ってショートカット。
階段道を下って、御岳山と大岳山を結ぶ縦走路に降り立ちました。
長尾平の分岐点。ここからロックガーデンへ下る道もありますが、それだと七代の滝までガクンと急降下してしまい、登り返すのも大変になるのでこの暑さの中では厳しそう。なのでその道は見送ってしまいます。
そこで縦走路をもう少し先まで進んで、次の分岐点で縦走路から外れます。
この道だと、ほとんど階段も出てこないような緩やかな傾斜でロックガーデンへと下れます。
天狗岩まで下ってくれば、間もなく沢を流れる水音が聞こえてくるようになります。


ロックガーデンに到着しました。ここから、沢沿いを緩やかに登る遊歩道が始まります。こんな時期でも、清らかな渓流を間近にすると、空気もいくらかヒンヤリとして感じられました。
きれいに苔むした沢は見た目にも涼やか。でも緩やかとはいえ登りの傾斜が続きますから、爽やかな心境でいられたのは最初のうちだけで、進むにつれて、さすがにここでも暑さが勝るようになってしまいましたけれど。
なので、たびたび立ち止まって写真を撮ったりしながら、ゆっくりと登りますが、それでも再び汗だくに。
そんな訳で、快適さは期待していたほどではなかったものの(今年の夏がいくらなんでも暑すぎるんですって)、癒される景色の連続に心が洗われて、やはり来て良かったと思いました。
御岳沢休憩所が見えてくれば、渓谷道も終盤に入ります。
御岳沢休憩所を過ぎると、次第に沢幅が狭まってきました。
その先で短いゴルジュを通過します。険しそうに見えて、その中も遊歩道だけに普通に歩ける道が続きました。
いつしか水量は減りせせらぎも小さくなっていて、沢の様相もより上流部のそれに変わっています。
奥に綾広の滝が見えてきました。武蔵御嶽神社のみそぎの行事で使われているという滝です。
紙垂が下がる注連縄が掛けられた鳥居があり、その奥で滝が流れ落ちています。
落差は10mほどで大きな滝ではありませんが、あたりを取り囲む大岩とともに幽玄な空気を醸し出しています。
河原を歩いて対岸に渡ると、滝を正面から見られる場所もありました。


渓谷沿いを歩けるのは綾広の滝まで。その先で道は滝を高巻いて高度を上げます(道の右下には滝の姿も)。
やがて現れる休憩舎の脇には、御岳山と大岳山を結ぶ縦走路があり、遊歩道はそれに突き当たって終わります。
休憩舎で足を休めて行きます。実はロックガーデンの途中くらいから身体の動きが鈍くなり、頭もボーッとしてくるし少々不快な気分になりかけたりもしていて、そのまま歩き続けられる状況でもなかったのでした。
こんな感覚、登山では今まで全くなかったのですが、このところ身体を動かす機会が減って暑さに弱くなったのか、それとも今年の暑さが異常なのか(たぶんその両方かと)、先月頃から運動でも何でもないただの日常的な外出でも同様の調子に陥ることがあって(軽度の熱中症?)、やはり体力が相当に落ちているのでしょう。


休憩後は縦走路を御岳山の方向へ。小さなアップダウンはあっても、傾斜は終始緩やかで歩きやすい道です。ただ、下りや平坦な箇所が難なく歩ける一方、登りになるとやや苦しくなるのは、休憩後も変わりませんでした。
先程ロックガーデンへ下った分岐まで戻るすぐ手前に「天狗の腰掛け杉」があり、ここで縦走路から左の道へ。
そこで左を向けば、目に入るのが「天狗の腰掛け杉」です(写真左側)。その右奥に鳥居が立っているのは、分岐する道が御岳山奥の院への登拝路になっているから。
でも奥の院へは進まず、鳥居の先を右に折れれば、そこに「神苑の森」の入口がひっそりとありました。
「神苑の森」はこれまで歩いたことがなく、今回のコースでここだけがこの日に初めて歩く区間になります。手前の分岐(3つ上の写真)に何も案内がないからか、さほど盛んに歩かれている感じではなさそうな様子。
「神苑の森」は一方通行とされていて、なるほど細くてすれ違いがあればトラブりそうな道が続きます。さらに、事前には知らなかったことで仕方ないですが、楽に歩ける平坦な箇所は少なく、登ったり下ったりを地味に繰り返したので、今日みたいな体調の日は緩やかな縦走路をそのまま歩くほうが正解だったようです。
特に景色の良い場所とかもなく(それは縦走路も一緒か)、調子も今イチでは、もう淡々と歩く具合でした。
朝にも通った大鳥居前の広場が見えてきたら、ここが「神苑の森」の出口になりますが、一方通行についての説明は何もなかったようでした(ここまでの道中でも見なかったので、Webでそう案内されているだけ?)。


その先は朝に歩いていた道を戻る形に。10時を過ぎて、軒を連ねる商店は概ね営業を始めていたようでした。
ビジターセンターの前を過ぎたら、その先の分岐をケーブルカーの駅方向(右)には向かわずに左へ。
計画時点では、きっと余力があるだろうからと、次のこの分岐を左に入って大塚山にも登ったり、そのまま自力で麓まで下りてしまおうかなんてことも目論んでいたのに、こんな体調ではそんな気にはとてもならず、右の道で富士峰園地に向かって、あとはレンゲショウマの鑑賞だけを大人しく楽しんだら帰ることにしました。
ということで富士峰園地の中へ。入口には害獣除けのネットが張られていました。
一番高い地点(地形図の883m標高点で、特に山名等は付いていないみたい)には産安社が建っています。
レンゲショウマの群落がある北斜面へと下っていきますが、上のほうはまだほとんど咲いていません。
でも下っていくうちにポツリポツリと花が現れて、花見客の多くも主に下のほうを巡っているようです。
下向きに咲く、慎ましくも優美なレンゲショウマ。事前に確認した開花情報が「ちらほらと咲いているが探さないと見つからない」としていた通り、まだ咲き始めで、所々に単発で一輪ずつ咲いているような具合でした。
探さなければ見つからないほど少なくはないけれど、物足りない印象は否めず、やはり少々早かったかな。
でも中には、2輪以上が寄り添って咲いていたところも。
この日は咲き始めでしたが、2017年にはちょうど見頃の時期に訪れていて、その時は記事はこちらで
                (富士峰園地で撮ったレンゲショウマの写真は、記事の終盤に出てきます)

そのまま富士峰園地の北端に下れば、ケーブルカーの御岳山駅はもう目と鼻の先。当初思い描いていたよりも行程を縮小したので、歩いていたのは正味2時間少々にとどまって、お散歩に毛が生えた程度の山歩きとなりました。次回はもっとしっかり歩けるように、体力を立て直しておかないと。それと、結局登り下りともケーブルカーに乗ってしまったので、だったら割引になっている往復券を買っておけば良かったな。


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