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大楠山・畠山 [三浦半島]

2010/08/01(日)

■第180回 : 大楠山(241m)・畠山(205m)


短いコースで新しいトレイルランニングシューズを試そうと、この日の行先には三浦半島の低山を選んでいます。夏に歩く道ではないような気もしましたが、住宅地に近いコースなので、季節を問わず近所の人が散歩とかで歩いているだろうと思っていました。また、かなりの暑さは覚悟の上で、それでも運動量の少ない低山だからと楽観視して出掛けます。

ところが、いざ蓋を開けてみたら、そこに待ち構えていたのは、かつて経験したことのない過酷なコンディションとの壮絶な闘いでした。畠山までは何とか頑張れましたが、当初予定していた仙元山への縦走途中で、ついに激藪に阻まれて敗走する結末となっています。精神的にも余裕がなかった後半は、1枚の写真も撮っていませんでした。

 累積標高差(登り):872m / 距離:11.3km / 歩行時間:4時間30分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
九島分譲地 06:15-06:26 相模大野 06:28-06:53 藤沢
藤沢 06:59-07:04 大船 07:09-07:21 逗子
逗子 07:34-07:57 前田橋

(登山行程)
前田橋バス停    08:00
大楠山       09:00-09:20
大楠山登山口バス停 10:00
畠山        11:00-11:05
乳頭山直下の分岐点 11:40
送電線鉄塔     12:15
上山口小学校    12:50-13:20
上山口小学校バス停 13:25

(復路)
上山口小学校 13:39-13:59 逗子 14:03-14:14 大船
大船 14:16-14:20 藤沢 14:35-14:56 相模大野
相模大野 15:10-15:25 九島分譲地


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

逗子駅からのバスを前田橋バス停で降りると、バス停のある交差点がちょうど大楠山への登山口となっていました。
細い道に入るとすぐに前田川を渡る橋があり、その袂には「前田川遊歩道」という案内図が立っています。見ると、そこから車道を歩かなくても川沿いの歩道を進めるようです。しかも、「大楠山登山口にも出られます」とあったので、ここは迷わずその遊歩道を選択しました。

ただしそこは住宅地が間近な川のこと、そんなに綺麗な風景が見られる訳でもなく、下水の排水溝近くではニオイが気になる箇所もありました。でもこの蒸し暑さの中にもかかわらず、何箇所かかなり涼しく感じられる地点もありましたので、車道を歩くよりは随分とマシだったに違いありません。

大楠山登山口の分岐点から登山道に入った途端に、ムッとした湿気が充満していきなり不快指数が急上昇しました。曇り空で日差しはなく、まだ気温もさほど上がっていないのに、その蒸し暑さで汗が止まらなくなります。
その上、明らかに雨水の通り道となっている道には、ここ2~3日に降った雨の影響か、足元が滑りやすい箇所やぬかるみが多々ありました。登りでは特に問題となる箇所はありませんでしたが、下る時には余程注意深く歩かないと滑ってしまいそうです。

バス停から、暑さに耐えながら登ることちょうど1時間で、ようやく大楠山の頂上部に到着します。
まず最初に通るのは、国土交通省の大楠山レーダ雨量観測所の前。あたかもそこが頂上であるかのような標識があり、建物には展望台まで付いていましたが、頂上にはもっと高い展望塔があるのが分かっているので、ここはスルーして先へ進みます。

本当の頂上には、雨量観測所の先をさらに短く登ってたどり着きました。展望塔に登るとかなりの高さがあって、360度全周がスッキリと見渡せる眺めが壮観です。ただ、今日の景色は遠くが霞んだままで、絶景というところまではいかないのが残念でした。
展望塔は高くて、写真にてっぺんまで収まり切りませんでした。
三角点はかなり頑丈にガードされています。


大楠山の東側は、いきなりの急降下で始まります。長い木段で一気に高度を落とすと、その後しばらくはゴルフ場のフェンスに沿って道が続いていました。
そしてゴルフ場の角のあたりからは、「阿部倉・塚山公園」を示す道標に従ってここで左に折れていきますが、みるみるうちに細くなった道は、局所的に急な登り下りが出てきたり、段差が大きな木段が出てきたりする上、地面がぬかるんで滑りやすく、悪路と言っても良い程でした。

舗装道路に降りた後は、まず大楠山登山口のバス停に出て、バス道路を1区間分だけ歩いて、不動橋のバス停へと向かいます。
そして不動橋の交差点を右折した後は、すぐ左に分かれて登っていく細い道に入ります。何の案内もないかと思っていたら、その細い道に入るところに、畠山を示すごく小さな標識が控えめに立っていました。

道の両脇に民家が点在する間は舗装道路が続き、最奥の民家の前で道路が途切れる直前なると、先程と同じ標識が現れて、畠山への登山道入口を示していました。
草が茂る中に、そうと分かって見れば辛うじて道形が認められる程度の道で、標識がなければ、そこに道があることなど全く分かりません(少なくとも今の時期は)。

最初に竹林を通過するまでは普通に歩けましたが、その先で次第に草木が繁茂する中の道に変わっていきます。しばらく誰も歩いていないらしく、クモの巣が煩わしいです。
さらに多数の蚊まで出現して、こちらが動作を止めると連中が寄ってくるので、終始動き続けていなければならないのには参りました。このクソ暑いさなかなのに、露出を最低限に抑えるため、袖を長袖に伸ばした上、軍手をはめて防御せざるを得ません(もし蚊がいなかったとしても、その後ヤブに突入したので、すぐに長袖と軍手の出番となった筈なのでしたが)。
その後もヤブの勢いは増す一方で、やがて、常にヤブを掻き分けながらでないと進めないという悲惨な状況となります。あまりの煩わしさに、もう引き返そうかと何度考えたことか。

長いヤブとの格闘の末、どうにか畠山の頂上に到着できました。意外にも東側が少し開けていて、横須賀方面の街並みや、東京湾とそこに浮かぶ猿島などを見渡すことができました。
とはいえさほど居心地の良い場所ではなく、ここでは短い時間の滞在にとどめて、そそくさと先へ進むことにします。
畠山の頂上には、古びた石祠がありました。

畠山を越えて北側に下っていくと、こちらの道はしっかりしていて、なによりヤブがないのが嬉しいことでした。
頂上からすぐの分岐点では、道標が二子山を示している左の道に入ります。すると一気に細々とした道に変わってしまいますが、それでも全くクモの巣を見ないので、今日もすでに誰かが歩いているようです。
しばらく進むと、なるほど前方を歩く人影が見えてきました。若い女性の2人組です。その次の分岐点で追いついて、そこでしばし情報交換しつつ、これまでクモの巣を払ってくれたお礼を言って、ここからは先行させてもらいました。

しかしその先も道の細さは相変わらずで、所々に通りにくい箇所もある、心許ない道が続きました。小刻みなアップダウンも多く、この暑さの中で激しく消耗していきます。
それでも畠山から40分ほどで、ついに幅広の穏やかな道に合流しました。三浦アルプスの一般コースに合流したのです。歩く人も多いはずの三浦アルプスだけに、ここから先は歩きやすい道が続いて、仙元山まで問題なく歩けると思って、ホッとしたのでしたが・・・

三浦アルプス南尾根を西に向かうと、最高点と思われる211mピークを乗り越えて、その先で送電線鉄塔のピークに登り返すまでの間は、確かに良い道が続いていました。
ところが、送電線鉄塔のピークの先で、いきなり道がヤブに埋もれています。草木が道を覆い隠してどこが道かも分からない程で、クモの巣も激しく、最近人が通った形跡が全く見られません。強引に突破しようと一旦は踏み込みましたが、その先も延々と同じ状況が続いていく様子です。
すでにさんざんヤブを漕いできて精神的に疲弊していることに加えて、暑さの中での疲労もピークに達しつつあり、ここでついに心が折れました。撤退です。

でも、先に進まないことにしたのは良けれど、問題はどこへ下るかです。その時点では非常に中途半端な地点にいて、安全確実そうな一般的な下山コースなど近くには全くなく、かといって、来た道をずっと戻るだけの体力も気力も残っていません。
唯一すがれそうなのが、少し手前に南へ向かって下る細い道の分岐があって、小さな標識が行先を「上山口」としていたこと。どういう素性の道なのかも、上山口がどんな所なのかも全く不明でしたが、南へ下ればバス道路に出ることは分かっていたので、一か八かその道に賭けてみることにします。

すると、草木がややうるさい箇所はあるものの、幸いにもヤブというほどの箇所はなく、途中からは道がやや細くなりますが、歩きにくくなることもありません。思いのほか順調に歩けてしまい、しばらく下った先でちゃんと住宅地に出られました。
いざ下ってしまえば、なんだかあっけないものでしたが、たまたま目の前にあったルートを訳も分からずに試してみたら、それが上手くいっただけのこと。このルートがこんな盛夏にも特に問題なく歩けたのは、単に運が良かっただけに過ぎません。

小学校の近くで疲弊した身体と精神を少し静めてから、上山口小学校のバス停に着いて時刻表を見ると、はたして、逗子駅への路線は休日の昼間でもほぼ30分間隔で運行がありました。次の便も15分後に来るというタイミングで、ホッと胸を撫で下ろしました。

タグ:三浦半島
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