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石垣山・白銀山 ~ 古の関白道を歩く ~ [箱根]

2013/03/23(土)

■第251回 : 石垣山(262m)・白銀山(993m)


今回はまず、豊臣秀吉が築城した“一夜城”で知られる石垣山に登って、石垣山一夜城歴史公園を散策します。
その後は尾根伝いに残る古い道筋を拾いながら進み、白銀山を越えて大観山を目指します。
その古い道筋は、秀吉が小田原攻めに向かう際に通過したとされることから“関白道”と呼ばれ、明治以降は登山道として歩かれたこともあるようなのですが、近年は顧みられることもなく藪に埋もれつつありました。

そこに再度光を当てたのが、間伐作業の折にたまたまこの古道の存在を知った「小田原山盛の会」で、2008年頃から調査が始められ、再整備に向けた刈り払いなどの作業も少しずつ進んでいる模様。
最近になってようやく、僅かながら一般のハイカーが歩き通した記録も見つかるようになってきました。

そこで出掛けてみたのですが、道筋は幾度も消失し、歩行困難な箇所も多数あって、久々に緊張感のある山行となります。一般登山道の感覚で歩けるレベルにまで整備を進めるには、なお多くの時間と労力が必要でしょう。
これから関白道を歩く方には、十分な情報収集をした上で、それなりの覚悟で臨まれることをお薦めします。

 累積標高差(登り):1374m / 距離:14.9km / 歩行時間:4時間20分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
大沼 06:51-07:00 相模大野 07:09-08:00 小田原
小田原 08:17-08:19 早川

(登山行程)
早川駅    08:20
石垣山    08:55-09:20
御所山砦跡  11:45
老懐山    12:00
白銀山    12:20-12:25
大観山バス停 13:20

(復路)
大観山 13:45-14:00 箱根町 14:35-15:10 市民会館前
小田原 15:40-16:35 相模大野 16:48-17:00 市営斎場前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

早川駅からスタート。多くの人で賑わう小田原のすぐ隣の駅なのに、意外なほど静かでした。
朝の時点では、空は青く澄んで日差しもタップリ。春らしい陽気に、最初から山シャツ姿で歩き始めます。
早川駅から石垣山までの経路はいくつかありますが、みかん畑の中を抜けていく“関白農道”を選択しました。
この後で歩く予定の“関白道”と関白繋がりですし、この道も秀吉の頃から使われていた模様です。
振り返ると、相模湾が朝の日差しを受けて輝いていました。


舗装された道路を30分ほど登って、石垣山一夜城歴史公園の入口に到着です。
この山はどの方向から登っても全て車道歩きなので、登頂したという気分は希薄でした。
広い駐車場には清潔なトイレのほか、高級感漂うレストランがありました。
春・秋の行楽シーズンの休日には「小田原宿観光回遊バス」が運行されて、それに乗って来ることもできます。


歴史公園の中に入ります。山城だけに、園内を巡る道も登山道っぽい感じの箇所が多かったです。
朝9時は、さすがに観光客の出足よりも早いらしく、園内ではほとんど人の姿を見ませんでした。
二の丸跡は、寝転がると気持ちの良さそうな芝生広場でした。
二の丸跡の先には展望台がありました。右に写っている樹木の根元には三角点もあります。
展望台からの展望。左端が箱根駒ヶ岳、そのすぐ右で一番高く見えるのが神山で、右端は明神ヶ岳です。
石垣山城は、その名の如く総石垣の山城。築城後400年が経過した石垣は、度々大地震に見舞われてこの有様。
でもこうして、ありのままの姿から当時の面影を感じられるのは貴重だと思います。
変に鉄筋コンクリートで再建した結果、完全に過去をリセットしてしまうよりも、よっぽど良いのでは?
こちらは本丸跡の広場。
本丸跡には物見台があって、小田原市街や相模湾を見渡すことができます。
彼方にはうっすらと三浦半島まで見えていたのですが、縮小写真では分からなくなってしまいました。
本丸跡の奥を一段登った所に天守台跡があって、ここが石垣山の最高点になります。
手狭な天守台跡から本丸跡を振り返りました。
下りは二の丸跡とは反対側を回って、さらに西曲輪跡などを見ていきました。


石垣山を後にして、車道を南西に進み、有料道路のターンパイクの上を渡る手前(橋の欄干がもう写真右端に見えています)で、左に分岐する小径に入ります。
その先にあったのは、堀割状に深くえぐられた山道でした。
この時点では何も感じずに歩いていますが、後から思えば、ここがすでに関白道だったのではと思います。
少し進むと、ターンパイクに突き当たってしまいました。
ターンパイクは自動車専用道路なので、歩行者の通行は認められていません。
でも真向かいにある大杉窪林道に入るだけなので、車列が途切れるのを見計らって横断させてもらいました。


大杉窪林道は舗装路と未舗装路が半々くらい。この林道の経路も、関白道と重なるとされているようです。
大杉窪林道を起点から終点まで全線(といっても1.3kmですが)歩いて、白銀林道に突き当たりました。
「小田原山盛の会」のルート図では、ここから山道に取り付くように描かれているので、突き当たった先の斜面にそれらしい道を探します。しかし道など全く見当たらないばかりか、適当に登ることも困難な急斜面でした。
ということで、そのすぐ近くから分岐する桜山林道に入ります。


桜山林道が尾根をかすめるたびに、尾根上の踏み跡の有無を確認しますが、2回目の左カーブまでは空振り。
でも2回目の左カーブの直後に、右手に堀割状の地形を発見しました。一目見て、関白道だと確信します。
一応黄色いテープが付けられていましたが(写真左上)、これだけ深くて明瞭な堀割ですから、テープがなくても見逃さなかったでしょう。かつて、余程良く歩かれていた道に違いありません。
堀割状の道には、風で折られたり、林業作業で打ち落とされた枝などが散乱して、決して歩きやすくはありません。今となっては歩く人も稀なのでしょう。
明瞭な堀割はしばらく続き、その間に境界見出標の赤い杭と、ピンクテープが道案内に加わります。
やがて堀割は不明瞭になりますが、その後も、赤い杭やテープを頼りに進むことができました。


前方にターンパイクが現れると、その下をトンネルで抜けていきます。このトンネルは「小田原山盛の会」のルート図にも写真で載っていたもの。ここまで関白道を外さずに歩けているようです。
トンネルをくぐってから振り返りました。ターンパイク上に見えている標識は、5枚組の「エン」「ジン」「ブレ」「ーキ」「使用」の3枚目と4枚目。Googleのストリートビューでその位置を確認できます。


トンネルの先にしばらく続いていた明瞭な堀割は、次にターンパイクと接する付近で消えてしまいます。
そろそろターンパイクを渡るべき頃なのですが、そこではターンパイクの対岸に道の続きを発見できません。
仕方なく堀割が消えた先に道無き道を少し進むと、堀割が復活したので、そのまま進んでみます。
その堀割も、間もなくこんな所で終わってしまって、上にはターンパイクのガードレールが見えています。
この斜面には踏み跡などなかったのですが、いい加減ターンパイクを渡りたいので、強引に登ってみました。
ターンパイクに出て横断してみると、ちょうど正面に山道の続きが見つかってホッとします。
これは横断後に振り返って撮ったもので、写真の真ん中付近で黒く写っているあたりから出てきました。
ガードレールを跨いだ時にも、振り返って下を覗いていますが、1つ前の写真の急斜面は、とても通り道には見えませんでした。もしも逆方向に歩いていたら、ここで道の行方を見失っていた可能性が高いです。
これも横断後の写真ですが、見ているのは石垣山側(東側)です。「ブレーキの効きを確認」という標識も、Googleのストリートビューで確認できますので、この地点を特定したい方はそちらへ。


ターンパイクを渡った先の山道は、少し続いただけで途絶えてしまいます。
写真中央やや上寄りに写る黄色い杭を右折すると、その先でターンパイクに突き当たって消失していたのです。
ターンパイクを避ける道筋がどこかにあるかもしれないと、足場の悪い急斜面を少し右往左往して探しましたが、そのような道筋などどこにも存在しないという結論に至りました。
このため、ターンパイクの路肩を歩くことを余儀なくされましたが、幸いにもすぐ先で鍋割駐車場に出ました。
「小田原山盛の会」のルート図で、鍋割駐車場の手前に「歩道必要箇所約100m」と書かれていたので、ちょうどその箇所を通過したのだと分かりました。
写真は、鍋割駐車場手前の路肩で見掛けた満開のミツマタです。
鍋割駐車場。ここで、通過見込み時刻を大幅に過ぎていることが判明しました。
所々で道筋が不明瞭になったり途絶えたりするため、進路を慎重に見定めながら歩く必要があって、普段よりも相当に遅いペースになっていたのです。ここからは、少し速度を上げて歩くことにしました。


鍋割駐車場の先では、細い山道が赤テープの誘導で続いていきます。
テープによる目印がなければ、そこに道があるとは分からないような箇所が多くなっていきました。
行く手にはさらに笹も現れました。この場所はまだ密度が薄いですが、次第に笹ヤブの通過も増えていきます。


御所山砦跡への分岐点で、この日初めて道標を見ました。
道標が示す脇道を登ってみたものの、一番高いと思われるあたりをウロウロしても標識などは見つからず、要領を得ないまま引き返しています。山城に関する知識でもあれば、地形から何か分かったのかもしれませんが。
その後は道に明瞭さが増してきて、進路の不安なく歩けるようになります。
箱根湯本からの道を合わせる少し手前で、道を僅か1~2mだけ外れた右手の高みに「老懐山」の標識を発見。
ここには箱根湯本から登った3年前にも来ていて、これ以降白銀山まではその時にも歩いている道になります。
すぐに分岐点に出ます。今回は、地面に木を2本並べて通せんぼをしてある右後方から歩いて来ました。
3年前に登った箱根湯本からの道は笹に埋もれていて、当時の記憶にはない小さな標識が存在を示しています。
その一方で、3年前に立っていた「←石垣山 白銀山→」という立派な道標は、見当たらなくなっていました。
さらに登ると、今度は弾正ヶ原への分岐標識を見ます。
3年前は、その弾正ヶ原へ下った後で星ヶ山を目指したのですが、その当時すでに弾正ヶ原への道は消えていて、激しいヤブ漕ぎを迫られたのでした。


白銀山の頂上に着きました。この場所の様子は、3年前とほとんど変わっていないようです。
三角点のほかには、1つ前の写真の雨量計があるだけの狭い山頂です。
難路に時間を取られて、到着は見込みより1時間も遅れていました。大観山13:45発のバスに間に合うと帰りが楽なのですが、あと1時間少々しかなく、ほとんど余裕がないので、休憩を5分で切り上げて先へ進みます。


白銀山から大観山方向への道は、最初にターンパイクに降りるまでの間は、まずまずの歩きやすさでした。
「玉川大学演習林」の看板の所で、一旦ターンパイクの路肩に出て、またすぐ山道に入ります。
そこから先は、高さがあって良く目立つこの境界見出標が良い目印になります。
が、それでも進路が不明瞭になる箇所が2~3箇所ありました。いずれの箇所でも、たまたま最初に選んだ道が正解だったので、時間をロスせずに済みましたが。。。
そして何度か、ターンパイクに出ては、またすぐ山道へ、というのを繰り返します。
アップダウンも結構あるタフな道は、疲労が進んできた身体にこたえます。中にはロープを頼るような急登も。
このほか、かなり笹ヤブの濃い一帯があったり、本当にそこが正しい進路上なのかと疑うような、足場の悪い急斜面が出てきたりして、ワイルドな道に最後まで気を抜けませんでした。
開放的な笹原に出て、平坦な道路跡に迎えられれば、ゴールは間近。ようやく緊張感を解くことができました。


大観山に到着しました。ここにはビューラウンジがあるほか、建物の裏手からも展望を楽しむことができます。
が、雲がなければ、芦ノ湖の右上あたりに富士山が見えるはずでした。この日のルートは途中からの展望がほとんどなく、ここから見る景色が最大の楽しみだったので、これにはガッカリです。
富士山が雲に隠れるのは良くある事で諦めがつくにしても、せめてもう少し澄んだ青空であって欲しかった‥‥
パノラマ写真も、富士山がないとパッとしない印象ですね。一番高く見えているのが箱根駒ヶ岳と神山です。
大きなサイズの写真は【こちら】


大観山の本当の頂上は、少し西寄りに見えるこちらなのですが、頂上部を無線中継施設が占めているばかりか、そこに通じる道路は入口からして立入禁止です。登頂不能のため、大観山は登った山には数えません。
当初の予定ではバスに乗る1時間くらい前に着いて、このビューラウンジでゆっくりできる見込みでした。
しかし、バスにはなんとか間に合ったものの、ほとんど時間の余裕はなく、中をちらっと覗いただけでした。
大観山バス停で、1日3往復しかない貴重なバスを待ちます。
大観山からは元箱根か湯河原駅に行くバスしかなく、箱根町でバスを乗り継ぎ小田原駅に向かうことにします。
箱根町での乗り継ぎ時間に芦ノ湖の湖畔に出てみると、ちょうど海賊船が接岸しようとしているところでした。


ここまでに書いてきた通り、関白道はまだまだ整備不良で、満足に歩ける状況にはありません。
最近はネット上で問題なく歩けたという記事を見るようになっていて、その存在が私がこの日出掛けることを後押ししていたのですが、その手の記事を読んだ印象と現実との間には、相当の乖離があると感じています。

もしかすると、問題なく歩けたという人は、関白道をとことんトレースすることにはこだわらず、不明瞭な所などで歩行禁止のターンパイクを歩いてスルーしてしまった区間が多いのかもしれません。
そうでなければ、難路を苦にせずに歩けるだけの高度なスキルを持つ人だということになりそうですが、だからといって、誰もが楽に歩けるかのような印象を与える記事を書いてしまうのでは、客観的な視点が欠けていると言わざるを得ません。読者の側に様々なレベルの人がいることを想像しなかったのでしょうか。
私の感覚では、現時点で不特定多数を相手にこのコースを薦めるのは時期尚早であり、十分な経験を持つ人が、相応の覚悟を以て臨む場合にのみ、この記録を情報源の1つとして活用して頂ければと思っています。

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浅間山・鷹巣山 (箱根・湯坂路) [箱根]

2012/05/05(土・祝)

■第230回 : 浅間山(802m)・鷹巣山(834m)


この日は箱根のショートコースに出掛けてきました。
行先に選んだのは、鎌倉時代から歩かれているという湯坂路。大型連休真っ只中の観光地ということで、バスを使わず、電車での移動も最小限で済むコースです。
箱根の山としては最も低いエリアなのですが、ちょうど新緑が輝くタイミングに当たって、気持ち良く歩けています。

 累積標高差(登り):808m / 距離:8.0km / 歩行時間:2時間40分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:3時間20分 

(往路)
大沼 06:06-06:16 相模大野 06:24-07:13 小田原
小田原 07:24-07:39 箱根湯本

(登山行程)
箱根湯本駅 07:45
湯坂山付近 08:50-08:55
浅間山   09:35-09:45
鷹巣山   10:05-10:15
千条ノ滝  10:40-10:50
小涌谷駅  11:00

(復路)
小涌谷 11:13-11:46 箱根湯本 11:52-12:09 小田原
小田原 12:56-13:47 相模大野 14:05-14:15 南警察署前


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スタートの箱根湯本駅。観光地の玄関口も、さすがにまだ朝8時前とあって、ガラ~ンとしていました。
歩き終えた後で、昼前にここに戻ってきた時には、もう大変なことになっていたのですが・・・
湯坂路への入口は、国道1号線脇のこんな所に、割と唐突に現れます。
それは良いのですが、この手前で国道の歩道が少し途切れるのは、なんとかして欲しい気がします。
まだ交通量の少ない時間だったので、今回はほとんど危険を感じることなく済んでいますが・・・
歴史を感じる石畳の道ですが、石が整然と敷かれている所は少なくて、荒れてしまって歩きにくい箇所が目立ちました。
手入れをする人がいないと、風雨にさらされたり、人が転がしてしまったりして、乱れていく一方なのでしょうね。


ひと登りで、「湯坂城跡」の解説板の立つ地点まで来ました。ただし山城の遺構は、ほとんど残っていないようです。
湯坂城跡を過ぎると、傾斜が緩くなったためか、状態の良い石畳の道が続くようになります。
さらに登ると、今度は木の根が露出しまくった一帯に出ます。
登山道を歩いていれば珍しくないことですが、人が歩くことによって、地中にあったものが地表に出てきてしまうのですから、ちょっと考えさせられる光景ではあります。


湯坂山の手前に差し掛かると、新緑のプロムナードが始まりました。いい季節になりましたね。
輝いていた緑の葉っぱの正体は、モミジでした。秋にはこのあたりが紅葉のトンネルとなるのでしょう。


この付近が湯坂山のはずですが、標識はおろか、あるはずの三角点すら見つからず、その場所を特定できませんでした。
ただ気になったのは、この一帯でずっと緩やかな登りが続いていて、ピークと呼ぶべき地点が存在しなかったことです。
もしかして、「三角点のある場所が山頂になる」という良く分からない法則で、むりやり山にされてしまったのかも。


湯坂山とされている付近を過ぎると、なだらかな傾斜の場所が多くなって、新緑が輝く気持ちの良い道が続きます。
左右の樹木で展望はありませんが、防火帯なので上空が常に開けていて、明るくて風通しが良いのも清々しかったです。
湯坂山と同様に標識はありませんでしたが、ここが城山(743m)のはずです。
ここが湯坂山と違うのは、ほんの僅かでも盛り上がっていたこと(山と呼べるレベルかどうかは大いに疑問ですが)。
周囲には桜の木が目立つようになっていました。地面にはたくさんの花びらが残っていたので、もう少し早ければ‥‥
しばらく1本道でしたが、大平台へ下る道が分岐するこの地点で、初めて前方からのハイカーとすれ違いました。
全く花びらを残していない桜が大半だった中で、ほぼ満開の木が1本だけありました。この極端な差は何なのだろう。


ほとんど人に会わずに歩いてきましたが、浅間山の広い頂上も無人。早い時間から歩き始めたのが良かったようです。
到着から5分ほど経った頃、2人組のハイカーが現れますが、すぐに去ってしまったので、ずっと静かなままでした。
草原の先に見えているのは、駒ヶ岳(中央・平たい頂上)と箱根最高峰の神山(右)です。
三角点は道の中央にあるせいか、結構ボコボコにされていました。


浅間山から鷹巣山へは、まず、なぜか両側にツバキが咲いている道を下ります。
鞍部まで下って林道を横切ると、その先には急登が待っていました。
石畳と木段が並ぶ急斜面を、頻繁にジグザグを繰り返しながら登り詰めていきます。
上のほうでは垂直に近い斜度になり、かなり苦しい登りでした(でもずっと木段の道なので、危険は全くありません)。


この日の最高点、鷹巣山の頂上です。ここも、着いた時点では無人でした。
先のほうに見えている、明神ヶ岳・明星ヶ岳とそこを結ぶ稜線は、実はこの日の行先候補に最後まで残っていたのです。
こんなに天気が良いのなら、展望の良いあっちに行くのが正解だったと、ちょっと恨めしげに眺めてみたりしました。


浅間山との鞍部まで戻って、この分岐から千条ノ滝を目指して下ります。
鞍部から千条ノ滝へ下る道は、悪路と呼ぶほどではないものの、酷く荒れている箇所が多くて歩きにくかったです。
沢辺まで下ると、これから渡る橋の先に、千条ノ滝が見えてきました。


千条ノ滝は、落差はないものの、幾筋もの細い流れが横一列に並んでいる、繊細で優美な滝でした。
すぐ脇を流れる蛇骨川も、きれいな水に新緑が映ってきれいでした。


滝の前のちょっとした広場を後にすると、ここから先は遊歩道となっていて、もう山道を歩くことはありません。
遊歩道からは、蛇骨川に流れ込む支沢の美しい姿も見られました。


小涌谷駅に着くと、ちょうど登山電車が出発するところでした。でもまたすぐ来るので、次を待ちます。
そして朝に降りた箱根湯本駅まで戻ってくると、4時間前とは状況が一変していました。
強羅へ向かう下り線は大混雑で入場規制が行われ、電車を待つ人の列が駅の外まで続いています。
上り線ホームはこの通り平和でしたが、国道1号線を見ると、数珠繋ぎとなった車列が全く動いていませんでした。


帰りは小田原で寄り道。
駅から少し歩いた所にある「菜の花 あ・ん工房」で、この店舗限定の「白うさぎ」を購入します。
「白うさぎ」は珍しい白あんのどら焼きです。
大きな豆の入った甘めの餡も良かったですが、もちっとした皮がなんとも美味でした。
そして近くにある風月堂にも寄って、この「城下町もなか」もお買い上げ。
中の餡が好みではなかったのが残念でしたが、この半端ではないリアルさは特筆モノですし、ちゃんと立つのも見事。
パッケージから出したらただの四角いサブレだった前々回の「YRP携帯サブレー」も、この心意気を見習ってみては?

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曽我丘陵(不動山ほか)・八国見山 [箱根]

2011/02/05(土)

■第197回 : 曽我丘陵(不動山(327m)ほか)・八国見山(319m)


今回の行先は神奈川県西部の曽我丘陵です。その西麓に広がる曽我梅林では折しも梅まつりが開催中ですが、なにも人出の多い所にいかなくても、丘陵上でも少しは梅も見られるだろうと、梅林には目もくれずに丘陵上を目指しています。
そしてそのまま北に足を伸ばして、さらに竹山と八国見山を踏んで渋沢駅まで歩いてきました。

 累積標高差(登り):917m / 距離:16.1km / 歩行時間:3時間35分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
南警察署前 06:56-07:06 相模大野 07:19-07:59 新松田
松田 08:13-08:27 国府津

(登山行程)
国府津駅   08:35
高山     09:30-09:35
六本松跡   09:50
不動山    10:20-10:30
浅間山    10:45-10:50
高尾バス停  11:20-11:25
竹山(高尾山) 11:50-12:00
八国見山   12:20-12:25
渋沢駅    12:50

(復路)
渋沢 13:00-13:35 相模大野 14:05-14:20 南警察署前


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国府津駅から線路脇を歩いて、線路下をくぐると光明寺の前に出ました。道標に従って、ここからコンクリート舗装の狭い農道を登っていきます。

尾根上に出たところには農道建設記念碑があって、ささやかな休憩用のスペースとなっています。そして早咲きの桜がすでに満開に近くなっていました。
振り返れば、太平洋がいっぱいに広がっていました。

農道は高山の脇をかすめてしまうので、この左カーブの所から、みかん畑の中にお邪魔させて頂きました。

高山の三角点はみかん畑の中にあって、送電線のほぼ真下に位置していました。

六本松跡は古道の峠で、六本松趾の記念碑や芭蕉の句碑などが見られました。

1時間半ほど舗装された道路ばかりを歩いてきましたが、ようやくここから山道に入ります。

山道の途中にあった分岐。右の方が良く歩かれている道で、最初はそちらに進んだのですが、水平に進むばかりで全然登ろうとしないので、ここまで戻って改めて左の道に入りました。
分岐から不動山の頂上までは、ほんの短い間でしたが、なかなか気持ちの良い山道です。フカフカの土の上に落ち葉が積もって、足裏に伝わる柔らかい感触が実に心地良く感じられました。

不動山の頂上です。右下にあるのはかつての三角点で、廃止された現在は上部が削られて低くなっており、いずれは地中に埋まってしまいそうです。

不動山から浅間山へ歩いて行くと、次第に道幅が広がっていきます。この写真のあたりでは、すっかり車道になっていました。

浅間山では、幅をきかせている電波施設以外には一見何もないようですが、左手の2つの電波施設を見送った後で、右手に現れるこの電波塔の裏に踏み跡が延びていました。
電波塔の裏にあったのは仙元塔でした。

その後はハイキングコースを外れて、普通の道路をしばらく歩きます。東名高速の下をくぐった先で県道を右に折れると、高尾の集落が近付いてくる手前に、待合室付きのバス停がありました。

高尾集落の先も、再びコンクリート舗装の農道になりました。そして竹山の三角点に寄り道すべく、この分岐から「この先行止り」の道を登っていきます。

竹山の三角点はみかん畑の中にあり、農作業用のスペースと隣り合わせの、こんな状況でした。

今日最後のピークとなる八国見山へは、こんな地点から斜面に取り付いていきます。写真では分かりにくいですが、写真のほぼ中央に明瞭な踏み跡が延びていました。

八国見山の頂上の様子は、事前に参考にしたいくつかのサイトでも、時期による異なりが大きかったのですが、この日の様子はこんな感じでした。
立ち木に巻かれた黄テープには山名が書かれていますが、派手に間違いを訂正されていました。

さらに北に下って行くと、渋沢丘陵のハイキングコースに合わさります。あとは道標に従って渋沢駅を目指しました。

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