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たいら山 [甲府近郊]

2024/04/11(木)

■第480回 : たいら山(934m)


この日は「山の神千本桜」でお花見をと目論んで、山梨県中央市の「たいら山」へ。
ちょうど満開が予想された時期に雨の日が続いて、好天を待つ間に見頃は過ぎていたようなのですが、麓から山頂近くの神社まで桜並木が長く続くここなら、標高の高いあたりではまだ楽しめるかもと期待したのです。

でも実際に訪れてみたら、一番高いエリアでも花はもう終盤らしく葉桜のほうが目立っていて、全体を通しても満足に花を見られる場所なんてどこにも残っていません。おまけに、予報ほどスッキリとは晴れずに空の色がくすんでいたから、山の上からの展望までもが今ひとつ。今回はあまり報われない山行となりました。

 累積標高差(登り):750m / 距離:9.4km / 歩行時間:2時間50分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録域外か、非掲載の登山道を含む) 

(往路)
古淵 04:59-05:21 八王子 05:36-06:19 大月
大月 06:25-07:12 甲府 07:15-07:38 東花輪
東花輪 08:08-08:23 豊富

(登山行程)
豊富バス停        08:30
登山口(関原峠口)     08:55
関原峠          09:50-09:55
たいら山         10:20-10:30
山之神社         10:50
登山口(山の神千本桜口)  11:15
登山者用駐車場      11:25
シルクふれんどりぃバス停 11:35
シルクの里公園      11:35-12:15
シルクふれんどりぃバス停 12:15

(復路)
シルクふれんどりぃ 12:18-12:36 東花輪
東花輪 12:52-13:19 甲府 13:32-14:32 八王子
八王子 14:49-15:01 橋本 15:04-15:15 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

まずはじめに、「山の神千本桜」とは‥‥

「たいら山(標高934m)」の標高800m付近に鎮座する山之神社の、参道に沿って植えられた桜並木です。
地元の人たちが昭和40年から3年ほどの月日をかけ、麓の参道入口から神社まで約2.4km続く山道の両側に、昔からのものに植樹を加えていって現在の姿になったらしい。長く急な坂道を麓から山頂へと順に咲き移り、まるで天に昇る龍のように咲き揃っていく様子が素晴らしいと、山梨県名花百選にも選ばれているとか。
≪ 満開の頃の「山の神千本桜」≫ (写真にマウスを乗せると補足説明を表示)
※写真は(公社)やまなし観光推進機構「富士の国やまなし観光ネット」から転載。上記説明文も同サイトからの要約。


最寄駅の始発電車を捕まえて、JR身延線の東花輪駅まで来たら、中央市のコミュニティバスに乗り換えます。
豊富バス停で下車。ここには山梨交通のバスで甲府駅から来ることもでき、今回利用した中央市のバスが日祝運休で土曜日も本数が減る(乗ってきた便も土曜日は運行なし)のに対して、山梨交通のバスなら少ない本数ながら毎日運行されています(朝夕だけのダイヤで往復で利用するには待ち時間が長すぎてしまうけれど)。
バス停前から眺めると、たいら山の山頂部が名前通りに平たくて、ちょっと冴えない見え方をしていました。
これから、まずは左側の関原峠を目指し、たいら山登頂後は、山之神社のピーク付近から下山してくる予定。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
はじめは車道歩き。川沿いを進んで、左手に慈運院とその墓地が現れたら、その先の十字路を右折します。
その十字路まで来たところで、初めてたいら山への案内標識を目にしました。
以降はその標識に従って進めば、きちんと登山口まで案内してくれます。
すぐに配水場が見えてきて、クルマが自由に入れる道はその前まででした。


配水場の先で、フェンスの扉を開閉して進みます。公的に登山口と案内されている地点はもっと先になりますが、実質的にはここが登山口だったような気分でした。
とはいえ、フェンスの先にも舗装道路が続いていて、山に取り付いたという感覚はまだあまりありません。
道がすっかり森の中へと入り、登りの勾配が増していっても、所々で途切れながらも舗装された道路は続きます。ただ落石や落枝が散乱するなど路面は荒れていて、クルマでの通行はすでに困難かと思われました。
ここで車道が二手に分かれ、私製の小さな道標に従って右の道に入ると‥‥
その先に「関原峠口」の標識が立っていました。ここが登山口ってことは、以前はここまで車で入れたのかな?
それはともかく、この「関原峠口」が山道への入口だったことは確かでした。


登山道は、はじめのうち少々不明瞭で頼りない上、強引に登っていく感じでなんか歩きにくい。
ピンクテープを頼りに進むと、時には細い所の通過も。最初の15分くらいはあまりいい道ではなかったなぁ。
でも登るにつれて次第に道形が明瞭になり、歩きやすくはなってきますが、その一方あちこちで‥‥、
倒木がそのままになっていて、マメに手入れされているような印象は持てません。全く通れない程の場所はなかったから、もし大きな倒木があれば取り除かれるなど最小限の整備はされているのではと思われますが。
そして結構長い間、似たような景色ばかりが続くので、あまり面白味も感じられません。なお案内図には途中で馬頭観音や石祠などを複数見られると書かれていたのに、それらを全く見なかったのが不思議でした。
複数の道形が並走し、どちらを歩いても良さそうな箇所がいくつもあったので、そのたびに悉く馬頭観音とかがないほうの道を選んだりしていたのかなぁ? 一応ずっとピンクテープに従って進んでいたはずなのですが。
ここは複数の倒木が重なっていて全く通れず、でも左側を迂回できたから、それで放置されていたのかも。
変わり映えしない景色の連続が、実際の時間以上に長く感じて、ようやく着いたという感覚だった関原峠。
関原峠は十字路になっていて、各方向を示す道標がきちんと立ちながら、なぜか現在地名の表示はありません。
関原峠を右折してすぐに振り返ったところ(左手の道から登ってきました)。
「右左口方面」と案内される東への尾根道は、いくらか歩かれているようでピンクテープも見られますが‥‥、
「芦川方面」に沢沿いを下る道は、道形が不明瞭な上に荒れた感じでほとんど歩かれてなさそうでした。


関原峠の先で少し道迷い。880m圏のピークへ導くらしいピンクテープが目立っていて、つられてウロウロしてしまいました。地図を見て間違いに気付き、破線路がピーク北側を巻き気味に通っているのを見てその方角に適当に進むと、そこにはちゃんと明瞭な道が。こんなにしっかりした道から、どこで外れてしまったのだろう?
その後はやや複雑な地形の中で登り下りを小刻みに繰り返すも、道形は明瞭で道標も適切に立っていました。
たいら山への最後の登りが始まりました。はじめのうちは割と緩やかな傾斜です。
登るにつれて勾配が少しきつくなっても、頂上部っぽい景色が先の方に見えているのを励みに頑張れます。結局バスを降りて以来、自分以外のハイカーを全く見ないまま静かに歩いて来て、そのまま登頂となりそう。
ほぼ平坦な頂上部に入ったら、あとは穏やかな道で頂上へ。でもその前に物々しい何かが目に入ってきました。
それはモノレールを跨ぐ仮設の階段でした。たいら山の頂上直下では何やら工事が進行中で、その資材運搬用のモノレールらしい。登頂後に山の神千本桜へ下る時にも、同様の仮設階段を2度ほど登り下りしています。
たいら山の頂上に到着すると、そこにはいくつもの標識が立って目印になっていました。
あたり一帯が平坦だから、そんな目印でもなければ、足ではここが最高点ってことを実感できない感じです。
ここでは周囲の木立でどの方角も見通せない代わり、少し北側には木立がいくらか除かれたのか展望を楽しめるようにした上で、置かれた切り株などに腰を下ろして休める場所があります。さすがに私がこのあと下る予定の千本桜側からは、こんな時期だけに登っている人も多いようで、そこでは10人ほどの方々が休憩中でした。
そこから展望がこちら。この日は一応は晴れていて日差しもあるのに、薄曇りであまりに空が白っぽく、スッキリとした眺めではなかったのが残念でした。北側なので、甲府盆地の先に八ヶ岳連峰などが見えています。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
南アルプスは、少し場所を変えれば鳳凰三山までは眺められたものの、白峰三山などは木立越しでした。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
そして足元に、ここにはないはずの三角点が。旧版の地形図には載っていたものが、現在の地形図では抹消されているので、今はないものとばかり思っていたのに、現役同然のきちんとした姿で堂々と埋まっていました。
もしかしてと思って帰宅後に国土地理院のウェブで基準点検索をしてみると、普通に検索されるし表示されるデータにも不審な点はなく、どうやら今も運用中の三角点で間違いない模様。まさか地形図の収録漏れなのか?


千本桜側へ下る道は、登ってきた関原峠経由の道と比べると断然穏やかな傾斜です。
良く踏まれている道は歩きやすくもあり、実際に登って来る人たちともしばしばすれ違いました。
5~6分ほど下ると「登山道入口」という標識が立っていて(振り返って撮影)、山道は一旦終わります。
そこからは舗装された車道歩きに。モノレールで運搬されている資材は、この林道の延伸工事用らしい。
車道を歩き始めると、左手にちょこんと富士山のてっぺんが見えていました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
すっかり下山気分になっていたところへ、この車道区間では結構登らされるのが少し凹みました。
車道がようやく下り坂に変わると、ほどなく分岐点があり、ここで舗装された車道からは離れます。
でも分かれた先も林道のような感じの道で、雰囲気は今ひとつ。
そんな林道を歩く距離は短いもので、3~4分もすると山之神社が見えてきました。
その昔、農耕守護・商売繁栄・養蚕守護の御利益を求めて関東一円から参拝者が多数訪れたという山之神社。
今も毎年4月の例大祭には多くの人が参拝に上がっているとか。私も心を込めてお参りさせて頂きました。
神社のすぐ下には「籠り堂」なる建物が。信者が祈願・修行するためのお堂らしい。


山之神社からは、九十九折りの参道が始まります。間もなく桜並木にも出会えることでしょう。楽しみです。
ふと「十九丁目」の丁石が目に入り、それを皮切りに以降はたびたび目にすることに。帰宅後に調べてみたところ、入口から山之神社に至る参道に1~20丁までの丁石が置かれていると分かり(最初の20丁目のものは見逃したか?)、その後はそれらの丁石が、どのくらい下って来たかの良い目安にもなりました。
そして、桜並木が始まったあたりで展望が開けると、そこに東屋が建ち展望図も設置されていました。
東屋からの展望を、まずは全体の様子から。春霞なのか何なのか、この白っぽい空がとにかく残念。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
続いて、少し大きめに撮った展望写真を左側から順に並べます。まずは南アルプス方面。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
真ん中に見えていた八ヶ岳連峰までは少し距離があったので、望遠にして撮るべきだったようです。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
奥秩父の山々は満開の桜とともに。でも桜の花を見映え良く撮れたのが、この1枚だけで終わろうとは‥‥。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


そうなのです。その先の桜並木ときたら、こんな感じに葉桜のほうが目立つものが大半で‥‥。
時折それなりに花を付けた木があっても、とうに見頃が過ぎているから色合いが淡く、あまりパッとしません。
なんと期待していた標高の高いエリアですら、もう花はほぼ終わりかけていたのでした。すでに展望が期待外れだったのに、花の見頃まで外してしまうなんて。まぁ、思い通りにはいかない、こんな日もありますよね。
下るにつれて、次第に葉桜ばかりになっていき、この先はもう期待するだけ無駄な気がしてきました。
地面をピンク色に染める花びらの、空しく見えることといったら。せめて桜吹雪には間に合っていたかった...
そして、桜の木の本数自体も、思っていたより少ないのかなと感じていたら、途中からまだ背の低い若木を多く見掛けるようになって、こんな標識が。これらが立派に育つ頃には、さらに見事な桜並木になるのでしょう。
一旦林道に出る地点まで下ってきたら、参道も残すところあとわずかです。
林道を歩くのはほんの短い距離で、すぐにまた山道の続きへ。
葉桜ばかりを見ながらさらに下って、こんな鳥居をくぐります。元々はここが参道の始まりだったのかも。
ほどなく登山口が見えてきました。
車道に下りて、登山口を振り返ったところです。
登山口付近が桜の広場のようになっていましたが、そこも花がいくらかは残っている、といった程度でした。


あとは車道歩きを残すのみ。このあたりの車道沿いの桜並木も、もうあらかた葉桜でした。
たいら山を振り返ってみてもこんな具合。冒頭に載せた満開の頃の紹介写真を事前に見ていて、同じような光景が見られるのを期待していたので、それとのギャップの大きさにここで改めてガッカリしたっけ。
でもそこからは、八ヶ岳や奥秩父の山並みを眺めつつで気分良く下れる道に(もう少し空が青ければ‥‥)。
登山者用の駐車場が見えてくると、正面の山々が南アルプスに変わったり。
登山者用駐車場から振り返るたいら山。目立っているのは東屋付近に唯一残った花付きの良い木々だけですね。
多くの人たちと違って、私は駐車場がゴールではないので、車道歩きをもう少し続けます。
バス通りに出た先に、シルクの里公園の入口があります。あとで園内に入りますが、今ここからは入らず‥‥
もう少し車道を進むと、そこに並んでいた八重桜(たぶん)が、この日見た桜の中で一番綺麗に咲き揃っていたような(上の写真で奥の方に写っているあたり。車道の右側も桜並木ですが、それらはやはり葉桜でした)。
車道を進んだのは、その先に温泉施設の「シルクふれんどりぃ」があるから。施設自体は改装工事で休館中ですが、帰りに乗る予定のバスがそこから出ているのです。
上の写真にも写っていますが、バス停は施設への入口に立っていました。この位置はストリートビューで予め確認済みでしたが、温泉施設の休館で移動している可能性も考えられたため、念のため見に来ておいたのです。
バス停の位置を確認できたら、すぐ近くの入口からシルクの里公園へ。
平日のお昼時、温泉施設も休館中とあって、園内は家族連れの姿を時折ぽつんと2~3見掛ける程度で閑散としています。人がいないから、多目的トイレなんかも憚らずに使えて、着替えとかもそこで済ませられました。

この日は、一番のお目当てだったお花見が全くの空振りに終わり、展望までもがほぼ不発という体たらくで、この山にはまた改めて来なければ、という思いで現地を後にしています。お花見も、近いうちにまたどこかで。

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