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奥沼津アルプス~沼津アルプス [伊豆]

2011/12/31(土)

■第220回 : 奥沼津アルプス~沼津アルプス 縦走


年の瀬も押し迫ったこの日は、「奥沼津アルプス」と「沼津アルプス」を繋げた全山を縦走してきました。
名前こそ「アルプス」ですが、標高は最高峰の鷲頭山でも400m足らずしかなく、全8ピーク中半数の4ピークはなんと100m台という、標高だけを見るとアルプスの超ミニ版に過ぎません。
しかし標高が低いからと侮ることなかれ、多くの山は急登して頂上を極めた後に急降下が待っていて、その傾斜のキツさも半端ではなく、とにかく厳しい登降が繰り返されるルートなのです。

このため、尾根で結ばれた一連の山々を縦走しているというよりも、別々の山を次々と登っていくという印象に近かったほど。体力の消耗度は、本場のアルプスに匹敵するかそれ以上のものがあり、補助ロープを頼りに登降する急斜面が頻繁に現れることで、これまでに歩いた中で最も腕力を駆使するルートとなりました。

 累積標高差(登り):1391m / 距離:15.2km / 歩行時間:5時間25分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:7時間40分 

(往路)
南警察署前 06:16-06:26 相模大野 06:39-07:30 小田原
小田原 07:36-07:59 熱海 08:05-08:18 三島
三島 08:31-08:47 原木

(登山行程)
原木駅  08:50
茶臼山  09:25-09:30
大嵐山  09:50-10:05
大平山  11:15-11:25
鷲頭山  12:00-12:10
小鷲頭山 12:15
志下山  12:45
徳倉山  13:15-13:25
横山   13:50-13:55
香貫山  14:30-14:40
沼津駅  15:15

(復路)
沼津 15:30-16:56 町田 17:03-17:25 長久保


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

スタートの伊豆箱根鉄道線・原木駅。大晦日だからでしょうか、電車はガラガラで、この駅で降りたのは私だけでした。
すぐに石堂橋で狩野川を渡るのですが、この時間、まだ富士山は頂上近くまで見えていました。
鉄橋のトラス構造越しに写したので、ちょっと分かりにくいですが・・・


登山口に着きました。駅からは10分ちょっとです。
しばらくは登山地図の破線ルートです。特に最初はササなどが鬱蒼と茂っていて、あまり快適な道ではありません。
一応、人ひとりが通れる幅は刈り払いされていますが、こんな風にトンネル状になっていた箇所も。


最初のピークとなる茶臼山の標識はここにありました。ただ、奥に写っているササの中を下ってきたところなので、頂上はこの写真の上端付近だった模様。
茶臼山の先で、さっそく急坂が始まりました。まだ傾斜はさほどでもありませんが、足元が落ち葉で滑って定まらないので、補助ロープを片手に下ります。


大嵐山に着いた、と思ったら、行く手が柵で塞がれていて、その柵の下をくぐってから振り返りました。
大嵐山の頂上は広々としていて気持ちの良い場所でした。
三角点は展望台のすぐ脇に埋まっていました。
富士山は中腹以上が雲で隠れて、辛うじて裾野が見えているだけ。ほんの1時間前は、頂上近くまで見えていたのに。
左側に愛鷹山が写っていますが、雲がなければ、その上に重なるように富士山が見えているはずなのです。


大平山へ向かう道も、柵が塞いでいます。見えている柵の切れ間に人が通れる幅はなく、柵を乗り越えて進みました。
大嵐山~大平山の途中には、なかなかアクロバティックな一帯があって、中にはこんなハシゴを下る局面も。
このハシゴの前後にも少し険しい道が続いていて、この日最も慎重さが求められた箇所でした。


大平山に着くと、向かい側から一般登山道に迎えられたおかげで、いきなり道案内が親切になりました。
あまり展望のない頂上ですが、南側の眼下には、駿河湾に浮かぶ淡島が見えていました。


大平山~鷲頭山の間は、しばらく岩尾根が続きますが、傾斜が急な箇所はなく、足場もしっかりしています。
ちょっとしたスリルを、あまり危険を感じずに楽しめるような道になっていました。
このルートの最高点となる鷲頭山は、見晴らしの良いピークでした。標識の先は海です。
鷲頭山の先も最初は急降下でしたが、それが収まると穏やかな道になりました。気持ち良く歩ける箇所なんて、この日初めてです。
小鷲頭山からも、海がきれいに眺められて、少し遠くに田子の浦が見えてきました。


小鷲頭山の先では、ほぼ垂直に降りるような急降下が長く続きました。
馬込峠の前後には、ビューポイントが何箇所かありました。急降下してきたおかげで、海面の高さが近いです。
このあたりは、逆ルートで歩いていれば、常に前方に海を見ながら歩けるような具合でした。


志下山も、海の眺めがきれいなピークです。
徳倉山への登りも、2段階にわたって補助ロープを頼るような急登区間が現れます。
足の筋肉はまだ頑張っていますが、普段あまり使わない手の筋肉が先にパンパンになってきました。


徳倉山は、芝生のような地面が気持ちの良いピークで、展望もなかなかです。
条件が良ければ、愛鷹山の上には富士山が重なるのでしょう。
田子の浦の松原がきれいに見えていました。


徳倉山の先では、かなり厳しい下りが長く続きました(下る途中で上を振り返っています)。
一応は階段状になっていますが、所々に滑りやすい箇所があって、手すり代わりに架けられたクサリに助けられました。
横山は展望のない狭いピーク。普通なら素通りするところでしょうが、急登の後なので5分ほど休憩して息を整えます。
横山からも補助ロープを頼る急降下が続いて、ついに車道の高さまで下ってきました。


少し車道を歩いて、ゴルフ練習場の脇を通り、ここから再度山道に入ります。
最後の登りが木段というのも、体力的になかなか厳しいものがありました。


香貫山の頂上部は電波施設の敷地が幅をきかせていて、人が憩える場所はありません。
頂上の標識も、施設脇の殺風景な場所で窮屈そうに立っていました。
その代わり、西側に隣接するピークには展望台があるので寄っていきます。
こちらも遠目には単なる電波塔にしか見えていなかったのですが、「展望台」という案内を見て近付いてみると、なんと登れるようになっていました。
愛鷹山に重なって見えるはずの富士山は、とうとう裾野すら見えなくなっていました。
ここまで越えてきた山々です。左端で少し遠目に見えている茶臼山から歩き始めた尾根は、右寄りの奥で一番高く見えている鷲頭山から手前へ向けて折り返し、左手前へと延びた続きが現在地となります。
こちらは駿河湾の眺め。田子の浦の松原がきれいに続いています。


下りは香陵台経由で。この五重塔は沼津市慰霊平和塔でした。
登山口まで降りてきました。近くには黒瀬バス停もありますが、沼津駅まで歩いてしまいます。
沼津駅からは、小田急線直通の特急「あさぎり」号でゆったり座って帰ります。
3月のダイヤ改正後はこの駅まで来なくなってしまうので、沼津から乗るのはこれが最後になるのでしょう。
駅前には、沼津アルプスの案内図もありました。今回のコースの後半部分が描かれています。

タグ:伊豆
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コメント 5

ぴすけ

31日に沼津に行かれたのですね。
私は27日に発端丈山に行きました。前日に思い立ち、沼津アルプスにするか発端丈山にするか悩んだのですが、一人で沼津アルプスに行っていたら、臆病な私のことですから、きっと困り果てたことと思います。
私とcellistさんのお住まいは、どうやら関東平野の北東と南西に位置しているようで、山歩きの守備範囲があまり重ならないため(私の場合、中央線沿線はなかなか行けません)、大変参考になります。
cellistさん、今年も各地の山歩き記事、拝読できることを楽しみにしております。どうかお怪我をなさらず、お元気で、山歩きを楽しんで下さい。

by ぴすけ (2012-01-03 11:44) 

cellist

ぴすけさん、こんにちは。いつもご来訪ありがとうございます。
私もぴすけさんのブログは定期的に巡回させて頂いているので、身近に感じる山があり次第コメントを差し上げねばと思っているのですが、やはり守備範囲が重ならないためか、なかなかその機会が訪れません。
でもその分、私があまり詳しくないエリアを記事にして下さっているので、すごく興味を持って読ませて頂いています。昨年秋にダーリン殿の大会で出掛けておられた神流川方面などは、私も今年はどれかひと山登りに行きたいと思っているところですし。。。

発端丈山も、次に伊豆方面に行きたくなったら、その時に登る候補の1つとなっています。27日は海や南アルプスの眺めが綺麗だったようですね。曇りがちだった31日の沼津アルプスからは、近くの海しか見えなかったので、せっかくの遠出が好天の日に当たって何よりでした。
今後もぴすけさんの山の記事を楽しみにしております。

by cellist (2012-01-04 22:07)
(↑当初の投稿日時は上記ですが、リンク先修正のために後日投稿し直しました)

by cellist (2012-01-09 10:08) 

kan_mikami

教示ください。
『茶臼山』ですが、頂上と思われるところにあった手製の表示板には『茶臼』とあり、「山」なかったと思うのですが、どちらが正しいのですか?
by kan_mikami (2012-01-10 16:22) 

cellist

kan_mikamiさん、こんにちは。
ヤマレコのほうでもコメントを頂戴しましたね。

向こうでもお答えしておりますが、「正しい」地名となりますと、私のような他県からの一見さんではちょっと分かりかねるところです。
なにしろ行政による整備がされておらず、公的な情報発信のないエリアですから、計画段階で参考情報を得ようにも、ウェブで公開されている個人の山行記録に頼らざるを得ませんでした。

私が知ることができたのは、
  ・現地にあった私製の標識には「茶臼」と書かれていた
  ・ウェブ上の山行記録では、「茶臼山」が圧倒的に優勢
の2点です。

私製の標識が、仮に地元の方によって作成された物であれば、それが地元での一般的な呼称である可能性が高まりますが、地元での呼称が複数あるような場合は、その一例に過ぎないことになりますし、そもそもその標識が地元の方によって作成されたのかどうかを私が知る術もありません。
もしも正しい名称にこだわりをお持ちなのでしたら、地元の方もしくは自治体に聞いて頂くしかないと思います。自治体が設置した標識でも立っていれば、明白で気を揉む必要もなかったんですけどね。。。

私が現地で「茶臼」とだけ書かれた標識を見ていながら、この記録で「茶臼山」としているのは、ウェブ上で「茶臼山」とされた記録が一般的な以上、今後この山についての情報を集める方の多くが「茶臼山」で検索するであろうことから、その際にヒットするようにと考えてのことです。
もちろん、私製標識の信憑性を全面的には信頼していない、ということもありますが・・・

なお、沼津アルプスの総合案内をしている沼津アルプス登山ガイド(http://numazu-alps.jpn.org/)内では、「茶臼山」を採用しているようです。
こちらも公的なサイトではなさそうなので、書かれている内容の権威のほどまでは不明ですけれど。

by cellist (2012-01-11 19:49) 

kan_mikami

ヤマレコと同じ方が運営していたサイトでしたか、重複してしまって申し訳ありません。この件は決着しました。ヤマレコの方でコメントさせて頂いていますが、結論から言いますと、やはり『茶臼』が正解のようです。
地元の方にとって、登り口から日守山までは尾根道で、あの「こぶ」(?)を『茶臼山』とは「聞きません。」ということでした。
by kan_mikami (2012-01-17 18:01) 

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