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諏訪岳・唐沢山・浅間山 [栃木]

2020/02/09(日)

■第424回 : 諏訪岳(324m)・唐沢山(241m)・浅間山(192m)


今回は栃木県南部の低山を縦走してきました。
諏訪岳や唐沢山は、どちらも展望にあまり恵まれないなど山としては地味な印象にとどまりましたが、最後に一般的なコースから外れて浅間山に立ち寄ったところ、標高は低いのに展望絶佳で居心地も上々という思いのほか素晴らしい場所で、縦走の締めにこの山を加えたことが絶好のアクセントになりました。

 累積標高差(登り):714m / 距離:11.1km / 歩行時間:3時間35分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 04:45-04:54 長津田 04:59-07:05 東武動物公園
東武動物公園 07:13-07:51 館林 08:13-08:47 多田

(登山行程)
多田駅  08:50
京路戸峠 09:25
諏訪岳  09:45-09:55
京路戸峠 10:10
高鳥屋山 10:45-10:50
唐沢山  11:15-11:20
浅間山  12:15-12:30
堀米駅  13:00

(復路)
堀米 13:20-13:40 館林 13:58-14:27 久喜
久喜 14:34-16:38 長津田 16:43-16:59 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

今回のスタートは東武佐野線の多田駅。簡素な駅舎だけがある無人駅で、乗ってきた電車から降りたのは私だけでした。というか、次が終点だからか、もう3両編成の電車には私を含めて3人しか乗客がいなかったのです。
多田駅前から歩いて行く方向を眺めたところで、左寄りに写っているピークが最初に登る諏訪岳です。
進行方向に諏訪岳を見ながら住宅街を進んでいき、秋山川を渡ると工業地帯の景色に変わります。
諏訪岳への登山口がある京路戸公園は、テニスコートが3面あるだけの小さな公園でした。


道なりに公園の奥へと進んでくと、道路がそのまま登山道に変わりました。
なお、上の写真の地点では左にも山道が分かれていて、京路戸峠を経由せず諏訪岳に直行できるのかもと入ってみたら、この通りすぐ先で通行止めになっていました。日曜日の早朝にもかかわらず、奥からはすでに重機の音が盛んに聞こえてきて、それなりの規模で工事が行われている気配なので、ここは大人しく引き返しています。
京路戸峠への登りは、良く歩かれている様子の歩きやすい道が続きます。
傾斜も比較的緩やかで、急に感じる箇所はほとんどなく、楽に登れます。
公園から10分ほど登ればもう京路戸峠で、「関東あれふいの道」にもなっている稜線上のコースに出ました。


京路戸峠から、まずは諏訪岳を往復します。このあたりは、稜線上も穏やかな道が続いていました。
「関東あれふいの道」は諏訪岳に登らずに下っていくので、この分岐点で「関東あれふいの道」を外れます。
すると少し細い道に変わって、傾斜も少しきつくなりました。
登っている途中で眼下を見下ろせる場所に出ると、登山口付近で行われている工事の様子を垣間見られました。これだけ大きな工事をしていれば、通行止めになるのも無理はなさそう。
頂上が近付くにつれて、道はやや急になって足元も少し悪くなりますが、歩きにくいほどではありません。


諏訪岳に着きました。さほど広い頂上ではなく、寛いで過ごせるのは7~8人がせいぜいでしょうか。
周りを樹木に囲まれ、開けているのも西側だけで、これなら途中からの展望のほうが良かったかも。かつて登った大小山や足利行道山などが見えましたが、馴染みのない山域ゆえ、現地で識別できたのは大小山だけでした。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
なお、登ってきた道のほかに北側に下る道があり、登る途中で北側に日光の山々が見られたりもしていたので、気になってそちらの様子も窺ってみたものの、少し下ったくらいでは展望が開けるところはなかったようです。


てなわけで、休憩もそこそこに諏訪岳の頂上から引き返して、見晴らしの良かったベンチまで下ってきました。
ベンチがある地点では、西から北にかけての方角が大きく開けていました。まずは西側の展望で、山名を記入したほかにも、深高山の後方には榛名山が、大坊山の後方には御荷鉾山が、それぞれうっすらと見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
さらに右を向けば、北には日光の山々などが見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
日光の山々をアップで。女峰山は薄雲にまとわりつかれて微妙な見え方でしたが‥‥。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。


京路戸峠まで戻ってきたら、今度は唐沢山を目指します。唐沢山までは引き続き「関東あれふいの道」です。
唐沢山まで小さな登り下りが続くことは地図から読み取れていましたが、それが急な木段となって現れました。
1つ木段を登り終えても、また次の木段が。段差も大きめで少々きつい登りです。
せっかく登ったと思ったら、すぐさま急な木段で下ってしまいます。
息つく間もなく、その先にまたまた次の登り木段が控えていて、なかなか落ち着いて歩かせてもらえません。
それでも292mピークを巻き終わると、ようやく穏やかな傾斜の道をのんびりと歩けるようになりました。
林道が絡んできたら、しばらくは林道を進みます。


林道を進む途中のこの地点で、右に高鳥屋山(290m三角点のピーク)への道が分かれます。ここまでも、登山道は稜線上のピークを何度か巻いていて、その都度ピークへの脇道があるのを見ながらずっとスルーしてきましたが、ここは三角点ピークなので寄ってみることに。 ※これらの脇道には、特別な目印や案内はありません。
高鳥屋山への道は明瞭ながら、一般登山道ではないため少々急な箇所もあって、足元への注意が必要でした。
高鳥屋山に到着。ただ三角点があるだけのピークです。
と思ったら、普通の視線よりもかなり高い謎の位置に、私製の山名標が2つ見つかりました。なぜこの高さに?
高鳥屋山では、周囲の樹木にいくらか隙間があって、特に西側はそこそこ眺められました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
振り返ると、これまで遮られていた東側も少し見通せるようになっていて、2016年に縦走した懐かしい山々が。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
馬不入山の右奥を良く見ると、筑波の山々がうっすらと霞んでいました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
そして南側には三毳山の姿も。2016年の時は太平山から縦走を始めて、三毳山まで歩き通したのでした。
さらに関東平野を挟んで、遠く富士山まで。ここでは、枝の間から覗くような形でしか見られませんでしたが。


高鳥屋山からは、来た道を引き返して元の林道に復帰します。
すぐに林道から登山道が分かれました。地図を見ると林道を進むほうが楽そうだけど、ここは律儀に登山道へ。
何度も繰り返されたアップダウンが収まって、一定の緩やかな傾斜が続くようになると、唐沢山は近いです。


唐沢山にはかつて山城が築かれていて、今も多くの遺構が残されています。頂上部に入って、それらの遺構を結ぶように張り巡らされた遊歩道を適当に進んでいたら、二の丸の広場に出たので、そこから頂上に向かいます。
本丸跡の頂上に、現在は唐澤山神社が鎮座しています。立派な神社である一方で、あまり山の頂上という景色ではなく、登頂したという感覚には乏しかったですし、神社の境内だけに標識なども見当たらなかった模様です。
脇から神社の境内に先に入ってしまったので、参拝後に神門をくぐって石段を下ることになりました。
鳥居をくぐってさらに下ります(以上2枚は、ともに石段の途中で振り返りました)。ところで、石段を下り終えたら社務所の先に、関東平野を見渡せる展望所があったようなのですが、それを知ったのは帰宅後でした。
三の丸の広場には、たくさんの猫がいました。
人懐っこいヤツが多くて、カメラを向けていたら近寄ってきました。しばらく猫とマッタリして過ごします。
三の丸の広場より下は、どこもかしこも猫の姿であふれていて、食事処の唐澤山荘前も猫でいっぱいでした。
駐車場があるレストハウス前まで来ました。車で訪れる場合はここが唐沢山城跡の入口になるようで、停められている車の台数でお分かり頂ける通り、唐沢山は観光客の姿も多くて賑わっていました。
レストハウスの下には「上杉謙信が唐沢山城を攻めるとき西日が反射して攻撃が困難だった」とされる鏡岩が。


鏡岩のすぐ先で、車道からハイキングコースが分かれて、ここから再び山道を歩きます。
山道を歩ける区間はそう長くはなく、その間に小ピークを通る道(山頂コース)と巻く道(初心者コース)に分かれる分岐が3箇所あって、ここが1箇所目。山頂コースは、行先に見晴小屋があると書かれていますが‥‥。
小ピークに登ってみると、そこにはベンチしかなかったものの(きっと以前は小屋があったのでしょう)、見晴らしは確かに良好で、都心方向の先には、この日初めて富士山を樹木に邪魔されずスッキリと眺められました。
富士山のアップです。富士山の手前に見えていたのは奥多摩の稜線でした。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
小ピークを過ぎた先で山頂コースと初心者コースが合流すると、間もなく2箇所目の分岐点です。
2つめの小ピークは、立ち止まる気も起らないほど手狭で地味な地点でした。
3箇所目の分岐点です。
3つめの小ピークは展望は今ひとつでしたが、そこそこの広さがあり、腰を下ろすのに好都合な露岩もあったので、ここで少し休んでいきました(最初の小ピークのベンチには先客がいて、それで撮影も遠慮したのです)。
2つのコースがみたび合流すると、ほどなく車道に出て、山道は一旦ここまででおしまいになります。
この先、東武鉄道や唐澤山神社のウェブに掲載されているハイキングコースでは、堀米駅までずっと車道を歩くことになっていますが、それでは味気ないので、最後にすぐ近くの浅間山にも寄っていく計画にしてきました。
なお、それら2種類のハイキングコースの案内は、いずれも浅間山を完全に無視していて(地図上でもそこに山なんか無いことにされている)、ヤマレコを参考にしなかったら、その存在に気づけなかったことと思います。


車道を歩いて行くと、その車道のすぐお隣にあるだけに、左手の木々の間からしばしば浅間山の姿が見られるようになりました。頂上に立派なあずまやが建っていることが分かります。
ここが浅間山への入口。浅間山を示す案内は皆無ですが、堀米駅方面へ続く車道と分かれて山道へ入ります。
入口に一切の目印的なものすらなく、少々不安に感じるほどだったのに、山道は良く踏まれていて明瞭でした。
やや急になる上部は石段が組まれていたりしたので、実は古くからかなり歩かれていたりする道なのでしょう。


浅間山の頂上には高い樹木が全くなくて、わずか200m未満という標高ながら、360度の眺望が圧巻でした。
あずまやの奥には浅間神社があって、古来より信仰の山として崇められていたことが窺えます。
この山の魅力はなんといっても全方位の見事な展望でしょう。標高が低いことや、知名度が低く登山対象としてもあまり一般的でないことで、大した期待をせずに来ていたものだから、これには度肝を抜かれました。もちろん事前の下調べで好展望という情報は得ていたものの、さすがにここまでの凄さとは思っていなかったのです。
それでは、その素晴らしかった大パノラマを西側から順にぐるりと。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
大小山や足利行道山などを少し大きく撮ってみました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
うっすらと見えていた赤城山の方向も少し大きめに撮りました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
続いて日光の山々をはじめとする北側の眺望です。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
日光の山々のアップです。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
お次は、遠くに筑波山が霞んでいた東側の眺望です。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
筑波山などもアップで。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
そして最後は関東平野が広がる南側です。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
富士山も、なんとかこの時間まで見えていました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
都心方向に目を凝らすと、スカイツリーもハッキリと!(写真左端。肉眼ではもっと明瞭に見えました)


浅間山を堪能したら市街地へ下ります。こちらがメインの登り口なので、山道がずっと下まで見えていました。
下る途中で浅間神社の鳥居をくぐります(くぐった後に振り返って撮りました)。
標高が低いだけに、10分もかからずあっという間に登山口まで下ってしまいました。
住宅街に入ったら、あとは駅まで車道を歩くだけ。
ゴールの堀米駅に到着。日中は1時間に1本という運行間隔なので、電車が来るまで少し待たされました。

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大小山・妙義山・大坊山 [栃木]

2017/12/30(土)

■第370回 : 大小山(282m)・妙義山(318m)・大坊山(285m)


この日は栃木県の最南部に出掛けて、大小山と、そこから稜線伝いに歩けるいくつかの山々を歩いてきました。
岩混じりの尾根道で結ばれながら、危険を感じるような急峻な箇所はなく、ちょっとしたスリルを味わう感覚で渡り歩けるのが面白い山々で、標高が低い割に展望に恵まれた尾根上からのパノラマも楽しみのひとつでした。

しかし、下界にいる間はのどかな好天だったのに、稜線に上がった途端、烈風が間断なく吹き荒んでいました。
耳をつんざく強烈な風の唸り声の中、時として身体が浮き上がりかけるほどの状況です。せっかく展望の良いピークに立っても、立ち止まるや否や体温を奪われるので、寒風に追い立てられて早々に退散させられる始末。
気温自体は低すぎず、身体を動かしていれば寒さは平気でしたが、とても穏やかな気分では歩けませんでした。

 累積標高差(登り):930m / 距離:11.0km / 歩行時間:3時間55分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:15-05:19 町田 05:22-05:56 新宿
新宿 06:05-06:24 品川 06:33-07:51 小山
小山 08:00-08:36 富田

(登山行程)
富田駅      08:40
阿夫利神社    09:10
大小山      09:40
妙義山      09:45-09:50
越床峠      10:35
つつじ山     11:10
大坊山      11:20-11:25
長林寺      12:40
白髭神社前バス停 12:50

(復路)
白髭神社前 12:56-13:15 足利 13:43-14:23 小山
小山 14:33-15:37 赤羽 15:43-15:57 新宿
新宿 16:00-17:53 相模大野 17:50-18:05 市営斎場入口


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

JR両毛線の富田駅から歩き始めます。同じ電車から降りた数人の乗客のうち、ハイカー姿は私だけでした。
はじめは住宅街の中を進みます。道順は単純ではありませんが、道標がしっかりと道案内してくれていました。
しばらく進むとのどかな景色に変わって、少しずつ山が近付いてきます。
田畑が広がるようになると、これから登る山がスッキリと見えてきました。中央に写っている2つのピークは、「大」「小」の2文字が頂上直下に見える左側が最初に登る大小山、右側がその次に登る妙義山です。
両毛線の車窓からも良く見えていた大小山の代名詞、頂上直下に掛けられた「大」「小」の文字をアップで。
登山口の手前まで来ると、大きな駐車場がありました。奥には大小山が見えています。


富田駅から30分ほどで登山口に到着です。ここにも車が停められるほか、簡易トイレも設置されていました。
登山口からは3本の登山道が分かれますが、阿夫利神社の横を抜けて見晴らしコースに入ります。
すぐに動物除けのフェンスを開閉して、いよいよ山道へ‥‥。
と思ったら、もうしばらくアスファルト舗装の道が続きました。
舗装された道が終わったら、今度は石段が始まって、これも少し長く感じるくらい続きました。
見晴らしコースは、途中で男坂と女坂に分かれます。男坂に階段が続くのを見て、ここは女坂を選びました。
女坂とはいえ、ほとんどジグザグを描かずに直登する感じの道で、それなりの勾配に早くも汗をかかされます。
ほどなく男坂と女坂は合流し、合流点の少し先で見上げると、「大」「小」の2文字が間近に迫っていました。遠くからも良く見える物なので当然ですが、近くで見ると結構デカイ!(小さな写真では伝わりませんが‥‥)


休憩舎のある見晴台に着くと、「大」「小」の文字はすぐ上の岩壁に掛かっていました。
見晴台からは、昨年の同じ日に縦走した晃石山・馬不入山・岩船山・三毳山が間近に眺められたほか、その奥では少し遠くの筑波山や加波山が霞みながら見えていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
見晴台の休憩舎には何冊ものノートが置かれていて、最新のメッセージを見るとつい昨日書かれたものでした。
ところでこの日は、良く晴れて気温もさほど低くはなく、風も穏やかで割と快適に歩いて来ました。駅から見晴台までの軽い登りでも結構汗をかいていたので、ここでジャケットを脱いでフリース姿になっています。


見晴台から、このハシゴを登ると、間もなく稜線に出ます。
稜線に出ると岩混じりの山肌になりますが、登山道は普通に歩ける程度で危険はありません。それよりも、稜線上では強風が吹き荒れていて、突然の豹変ぶりに戸惑いつつ、すぐ上に見えている大小山の頂上を目指します。
大小山の頂上でも、風の強さと冷たさに閉口します。
ということで、遠くに見えていた富士山だけカメラに収めたら、ほぼ素通りに近い形で先へ進みます。実は富士山は、両毛線の車窓からも当たり前のように見えていて、それに気付いた時はちょっとビックリしたのでした。


すぐお隣には、次に登る妙義山がもう間近に見えていました。今いる大小山よりも少し高く、周囲も開けているので、展望はそちらで楽しむことにします。
妙義山への登りも、岩の露出した尾根を進みます。一見険しく見えますが、傾斜が急な箇所はなく、道が階段状になっていて2足歩行のまま登れる上、手を添える必要もほとんどないので、岩場というほどではありません。
妙義山の頂上では全方位が開けていて、360度のパノラマを楽しめます。なのに、あまりの強風のため、立ち止まると身体が急速に冷やされて、とても長居はできません。とはいえ展望写真は欠かせないので、最小限の枚数でてきぱきと撮り終えるようにしたら、ここでもそそくさと撤収となりました。
妙義山には二等三角点がありました。国土地理院の地形図や一部のガイドブックはここを大小山としていますが、この記録では現地の標識に従い、ここを妙義山、「大」「小」の文字が掛かったピークを大小山とします。
妙義山からの展望を、南側から時計回りに紹介します。南側には、奥多摩や奥武蔵あたりの稜線の上に、富士山が頭ひとつ抜きん出ていたほか、西南西側には八ヶ岳がぼんやりと見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
続いて西から北にかけての方角です。こちらは空気の透明度が今ひとつで、雲も結構出ていたので、赤城山は裾野しか見られず、浅間山・榛名山・男体山といったあたりも少し霞んで見える程度にとどまりました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
最後の東側は比較的近くの山々が中心の眺めで、ちょうど1年前に縦走した晃石山・岩船山・三毳山といった山並みの上で、筑波山や加波山が霞んでいるという、先程の見晴台からと似たような眺めになっています。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


妙義山の先も露岩の尾根を下りますが、この日はいつものトレランシューズではなく、ファイブテンのアプローチシューズを履いていて、靴底のグリップを完全に信頼できたので、足元への不安は全くありませんでした。
補助ロープが下がるちょっとした崖のような箇所もありましたが、ここはロープを使わずに下れました。
その後は小さなアップダウンを繰り返しながら、いくつかのコブを越えます。進むにつれて強風はさらに威力を増していて、しばしば耳をつんざくほど大きな唸り声が轟く登山道には、少々不穏な雰囲気が漂っていました。
小ピークの中には、私製の山名標を見掛けるところもありました。ここは「仮称 毛野山」だそうです。
途中には「がま岩」という標識が付けられた岩尾根があって、尾根上を乗り越えて通過していきます。ここがこの日のコースの中で唯一厄介な箇所だったのですが、帰宅後に調べると、ちゃんとした道が下にあったらしい。
「仮称 あいの山」の山名標があるピークを通過。似たようなアップダウンが続くので、少し長く感じます。
一旦大きく下って、全行程のほぼ中間地点にあたる越床峠へ。さすがに鞍部にいると強風もなく穏やかです。


越床峠からは改めて登り直す具合です。そこは「胸突坂」と呼ばれているらしいので、傾斜がきつくなりそう。
ほどなく道が二手に分かれました。尾根通しに直進する道(写真左端)は急斜面を直登していて、補助ロープがずっと連なっていることからも、いかにも苦しそうな急坂に見えます。一方、右に分岐する道はと言うと‥‥。
「ちょいやさしいコース」という標識が立っていたので、迷わずそちらを選んでみたら、その道は斜面に対して斜めに上がるような道筋を描いていて、確かに道の勾配がいくらか抑えられていたようです。


ふいに開けた場所に出ると、コースの手前から時々見えていて気になっていた建物が間近に迫っていました。
その建物の手前には簡易トイレも設置されていて、この日のコースで登山口以外にあった唯一のトイレでした。
一段上の平坦地には大きな休憩舎があって、隣には避難小屋のような建物も。休憩舎には「山頂番屋」という銘板が付けられていて、そういえば少し手前から「↑番屋 きてね」などの標識をたびたび見掛けていたのでした。
さらに奥には、しっかりした小屋も建っていました。年末のこの日はひっそりしていましたが、人がいれば軽食などが注文できるようですし、屋上が眺めの良いテラス席になっていて、そこでの休憩は気分が良さそうです。


山頂番屋を過ぎてさらに登ると、また道が左右に分かれました。右の道は足利鉱山を通るとされているので尾根筋を進むらしく、左はその巻き道になるようです。左の巻き道のほうが良く歩かれている様子ですが、すでに足利鉱山の直下に達していて、今から巻いたところで大きな差はなさそうですし、右の道で尾根を進んでみます。
足利鉱山まではほんの2~3分で到着しました。ここで登山道が左に折れるのに対して、それ以外の方向は鉄パイプやロープなどで厳重に封鎖されていて、一歩たりとも踏み出せないようになっています。
その理由は下を覗きこんで分かりました。眼下に採石場があって、山が大きく削られて崖になっていたのです。
足を踏み外せば、100m下へ真っ逆さま。登山道の崖側に、最小限の転落防止策は取られているものの、傾斜の急な岩混じりの尾根を細くて頼りない道で進むため、足腰に不安がある人は巻き道を選んだほうが安全です。


巻き道が合わさってからも、露岩の細い尾根道は続いて、いくつもの小さなコブを越えていきます。強風は相変わらず猛威を振るっていて、時として身体ごと持っていかれそうになることもあり、左右が切れ落ちている地点では油断していられません。まさか、こんな低い山で耐風姿勢を要求されることになろうとは‥‥。
ベンチのあるピークに着くと、そこが「つつじ山」で、展望が開けた気持ちの良い場所でした。
樹木に掛けられていた山名板です。このつつじ山のほか、先程の足利鉱山も展望が良かったのですが、見られた景色は妙義山からのパノラマの一部としてすでに見てきたものと大差なかったので、展望写真は割愛します。


つつじ山から軽く下ると、その次の小さなコブが、大坊山方面と長林寺方面との分岐点になっていました。このあとは、大坊山まで往復したのち、ここに戻ってきてから長林寺方面へと下ります。
大坊山へはひと登りで到着しました。広い頂上は、その全体がほぼ平坦地なので、すごく開放的な雰囲気です。
奥宮の小さな社がポツンと置かれたこの場所に、以前は大山祇神社が建っていたとのこと(落雷による焼失後、中腹に移されています)。今も残るその土台から、かつての社がとても大きな建物だったことが窺えますし、来た道の反対側からは立派な石段の参道が登ってきていたので、往時は多くの参拝者を迎えていたのでしょう。
大坊山の周囲はそれなりに開けていますが、若干の樹木があって、スッキリとした展望ではありませんでした。


先程の分岐点に戻って長林寺方面の道に入ると、それまでよりは穏やかな雰囲気の尾根に変わりました。
とはいえアップダウンはなお健在で、まだまだいくつものコブを越えていかなければなりません。
降り積もった落ち葉を踏みしめて歩ける優しい道。露岩の尾根道が続く間はほとんど味わえなかった感覚です。


長林寺が近くなってくると、道は何回か健脚者コースと初心者コースに分かれます。
最初の分岐で健脚者コースを選ぶと、露岩の尾根を進む道となりました。初心者コースは巻き道のようです。
越えてきた小さなコブを、2つのコースが再び合流した地点から振り返りました。このコブからの下りは少々嫌らしかったので、岩場が苦手な人は初心者コースのほうが無難そうです。
次に迫ってきたピークに、やたらと大きな山名標があるなぁ、と思っていたら、それは大きな展望標識でした。
朝からずっと見えていた富士山は、ここからもまだ、標識が示す方向になんとか見えていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると富士山の位置を表示します。


さらに下ると、林道のような広い道に迎えられます。
そこからしばらくは、その林道のような道を進んで、その間はほとんど平坦でした。
ほどなく車道に出ます。
車道とは、ほとんど横断するだけという接し方で終わって、少し右に進むとすぐにまた山道に入りました。


車道の先にはまたしても登り返しが現れて、疲労が溜まってきた足にはそろそろ登りがきつくなってきました。
そんな中で道は再び健脚者コースと初心者コースに分かれます。目前に迫ったピークを右に避けようとしている初心者コースのほうが明らかに楽そうでしたが、ここは敢えて健脚者コースを選んで、そのピークに挑みます。
登ったピークには浅間神社の祠がありました。そのためネット上にはここを浅間山としている記事もあります。
浅間神社のピークから下り始めると、いよいよ眼下には下山先の長林寺が見えてきました(写真中央)。


しばらく下ると、長林寺の道了堂のすぐ横に出ます。
道了堂に入ってみました。上の写真で分かる通り、急な崖の途中で空間にせり出して建っていて、今立っている場所の下に地面はありませんが、割と頑丈な造りのようなので、特に足元に不安は感じませんでした。
下を見ると、長林寺の本堂がもうすぐ近くに見えました。
道標は迂回する別の道を案内していましたが、階段状に削られていた道了堂の直下を直接下りました。この写真はちゃんとした道まで下って振り返ったもので、登山をする人ならば問題なくここを登り下りできるでしょう。
あとは整備された道で境内を進むだけです。さすがに下界まで下ってきたら、風も穏やかになっていました。
長林寺には中島が浮かぶ大きな池があり、池越しに見えてきたのが本堂です。落ち着いた佇まいの境内ですね。
長林寺の本堂前まで来ました。
長林寺の本堂です。1499年に常陸国で創建され、戦乱で焼かれた後、上杉謙信によってここに再建されたとか。
立派な山門を後にします。


最後は、白髭神社前バス停で足利駅行きのバスを待ちます。なお、このあと乗ったのは富田線のバスで、それなら1つ手前の上宮先バス停のほうが長林寺から近かったのですが、この白髭神社前バス停のほうが中央循環線も通っていて本数が少しだけ多くなるので、こちらをゴール地点として計画していたのでした。
JRの足利駅に到着しました。足利市を訪れるのは、昨年の足利行道山の時に次いで2回目となりましたが、昨年は東武線を利用していたので、JRの駅に来るのは今回が初めて。JR線は今回利用した全区間が休日おでかけパスのフリーエリア内だったものの、それでも東武線と比べてしまうと、運賃はかなり割高になりました。

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御嶽山・古賀志山 [栃木]

2017/12/16(土)

■第368回 : 御嶽山(560m)・古賀志山(582m)


今回の行先は栃木県宇都宮市にある古賀志山。稜線上のあちこちに様々な難易度の岩壁が点在して、クライマーに人気のある山です。登山者向けにも、岩尾根をクサリ場やハシゴで登下降するような変化に富んだルートがいくつもある中で、岩場らしい岩場のない穏やかなコースを選んで歩いてきました。

頂に立った2つのピークのうち、周囲が開けた御嶽山は日光連山の格好の展望台となっています。積雪はまだ期待よりもずっと少なかったのですが、冠雪した山並みが銀白に輝く、この時期ならではの展望が楽しめました。

 累積標高差(登り):500m / 距離:11.0km / 歩行時間:3時間15分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:15-05:19 町田 05:22-05:56 新宿
新宿 06:22-06:55 大宮 07:13-08:18 宇都宮
宇都宮 08:45-09:20 ニューサンピア栃木

(登山行程)
ニューサンピア栃木バス停 09:25
南登山道駐車場      10:00
不動ノ滝         10:25
御嶽山          10:55-11:05
古賀志山         11:15-11:30
東稜見晴         11:35-11:40
富士見峠         11:50
赤川ダム         12:30
森林公園入口バス停    13:10

(復路)
森林公園入口 13:33-14:10 宇都宮 14:36-16:14 新宿
新宿 16:20-16:53 相模大野 17:05-17:20 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

宇都宮駅で鉄道からバスに乗り換えて、ニューサンピア栃木というバス停で下車します。ここは古賀志山の滝コースの登山口に最も近いバス停になるはずですが、クルマ社会地域の山ゆえにバス利用の登山者など滅多にいないのか、古賀志山への道案内が全くないなど、一般的に登山の起点として想定されていない場所のようでした。
ニューサンピア栃木の前を通って、そのまま奥へと進みます。このリゾートホテルには、温泉やレストランなど日帰りで利用できる施設もあるので、逆コースを組めば帰りにここでゆっくりする手が使えそう。
途中の車道からは、古賀志山の主稜線全体をスッキリと眺められました。全部を縦走するには難所をいくつか通過する必要があるので、今回は右のほうの御嶽山から古賀志山までの稜線歩きにとどめた計画となっています。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。


歩き始めて25分ほどで、県道70号線を横断します。かつてはこの県道をバスが走っていて、この交差点に「古賀志山入口」なるバス停があった模様ですが、その路線はかなり前に廃止されてしまったらしい。
県道横断後、緩い登り坂となった道が城山西小学校の前を過ぎると、間もなく休憩舎のある唐沢池に出ます。
唐沢池の前から見た古賀志山(右端のピーク)です。唐沢池の表面は一部が薄く凍り付いていました。


唐沢池のすぐ先(なので上の写真でも、すでに左端に写っています)には南登山道駐車場があり、すでに多くの車が停められていました。のちに分かるのですが、その多くはクライマーさんの車だった模様です。
駐車場を過ぎても、もう少し車道が続きました。車道の分岐点では、瀧神社への案内標識に従って進みます。
車道の終点に突き当たると、古賀志山神社・御嶽山神社・湯殿山神社の3つの祠が並んで祀られていました。


車道の終点から山道に変わるのかと思っていたら、登山道の標識の先も林道のような道がしばらく続きます。
ようやく山道が始まると、ルートがなんだか混沌としています。道筋がいくつも存在する上、それらがしばしば無秩序に合流や分岐をしたりしていて、どう進むのが正しいのか不明なのです。道標がないことから、どれを選んでも構わないものとは思いましたが、不案内な遠征先での道迷いは避けたいところ。幸い、地元の小学生が描いた「山をきれいに」などのポスターが適度な間隔で掲示されていたので、それを目印に進むことにしました。
7~8分ほど登ると、前方に立ちはだかる垂直な岩壁と、そこに取り付くクライマーの姿が見えてきました。
不動ノ滝への案内に導かれて岩壁の基部まで登ると、瀧神社の小さな社があって、そのすぐ左側に流れ落ちていたのが不動ノ滝(雄滝)らしい。でも滝の水量は極めて少なくて、水の流れというよりは、水滴がポタポタ落ちているだけに過ぎず、この通り瀧神社の左側に滝があるようには全く見えない写真にしかなりませんでした。
クライミングを楽しんでいるグループがあちこちに。この周辺には、こんな岩壁がほかにも多数あるようです。


瀧神社から先へ進むと、さらに道が拡散して、もうどこでも歩けるような感じになってきました。
ただ、垂直な岩壁のすぐ近くを登っているだけに、道が付いている斜面もそれなりの急勾配。適当に歩いてしまうと結構歩きにくい箇所があったりして、良く歩かれているところを見極めて進むのが良さそうでした。
そうなると、やはりポスターに沿って歩くのが一番確実で、このポスターの存在は有り難かったです。
「アルマヤ堂アト」と書かれた標識のところから、左に分岐する道があったので入ってみます。
すぐに大きな洞窟の前に出ました。昔は洞窟内にお堂があって、それがアルマヤ堂と呼ばれていたようです。


元の道に戻ると、そこからはひと登りで稜線直下の分岐点に出ました。まずは左にある御嶽山に向かいます。
稜線に上がると、さらにハシゴを登って登り詰めます。
ハシゴの先にはもういくらの登りもなく、割とあっさりと御嶽山の頂上に着きました。
頂上には標識のほか、木曾御嶽山から分社されたという御嶽神社の小祠がありました。
御嶽山では、大きく開けた西側~北側の展望が素晴らしかったです。まず西側~北西側の眺めでは、雪化粧を始めていた日光連山の見応えが十分で、とりわけ関東以北最高峰の日光白根山が、ひときわ白く輝いていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
その右に視線を移すと、北側には遠くの那須岳まで見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
振り返ると南東側では、筑波山など茨城の山々が、霞の上に浮かぶ島の如く、少々粋な見え方をしていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。


御嶽山で展望を楽しんだら、引き返す形で主峰の古賀志山を目指します。先程登ったハシゴを下りると、その先に続く岩尾根が一応は歩けるようでしたが、少し厳しい岩場らしいので、分岐点まで戻って登り返すことに。
この案内図の「岩場ルート」を避けて、分岐点へ下ってから、上の写真の岩場の反対側に登り返してきました。
稜線上に赤い鳥居が出現しました。
が、そこにあったのは鳥居だけ。かつて社が建っていたらしい場所には土台だけが残されていました。
さらに稜線を進みます。分岐点には、そこと直結するコースを記載した案内図が立っていたりしましたが‥‥。
登山道が多数あって、未整備の難路も含めると100以上ものコースがあるとも言われる古賀志山は、「山と高原地図」で収録エリア外なのをはじめ、書籍で登山コースの詳細を記載したものは出版されていないようです。
また地元自治体等のウェブにも、古賀志山に関する詳細な情報を載せたものはなく、どうやら登山コースの全貌をまとめた資料はどこにも存在しないようなのです。このため今回の計画を立てる際も、どこにどんな具合・難易度の道があるのかは、ウェブ上の個人の山行記録をいくつも参照して情報収集するしかありませんでした。
これが地元の人しか登らないような無名な山ならともかく、関東百名山や日本百低山に名を連ねるなど知名度がそれなりにある山なので、今のこの状況は少し寂しく感じます。例えば、これら案内図の設置者(団体?)が、全ての分岐点に立てた案内図を1枚にまとめるだけでも、登山者にとって有用な情報になると思うのですが‥‥。


頂上の手前で岩尾根が現れますが、普通に2本足で立って歩けるので、岩場というほどの場所ではありません。
古賀志山に到着しました。そこそこの広さがあって、ゆったりした気分で過ごせる頂上です。
頂上の標識と三角点です。標識の柱の片方には、小さなクリスマスリースが飾り付けられていました。
周囲の樹木に景色を遮られ、木々が葉を落としたこの時期も、辛うじて枝越しに日光連山が見られた程度です。
たくさんのベンチが置かれていました。着いた時に空いていたこれらのベンチも、しばらく滞在しているうちに埋まってきたので(お昼時に合わせて登ってきた人が多かった?)、騒がしくなる前にここを後にしています。


古賀志山から東へ進むと、すぐに東稜見晴への分岐がありました。展望が良いらしいので寄っていきます。
たいした登りもなく、東稜見晴には頂上から5分もかからずに到着です。
開けていたのは北側と南側で、北側に関しては御嶽山よりも狭い範囲の眺めにどまりました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
一方の南側は、かなり広い角度を見渡せました。眼下には下山先の赤川ダムも見えてきています。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


分岐点まで戻ると、進路が北向きに変わり、富士見峠へ向けてグングンと下っていきます。
富士見峠は、とても富士山が見られるとは思えないような場所でした。
富士見峠からは、赤川ダムに向けての北コースを下ります。下り始めは、岩壁と岩壁に挟まれたなかなか凄い景色の中を急降下しますが、登山道は階段状になっていて難なく歩くことができました。
しばらく下って傾斜が落ち着くと、鬱蒼とした植林帯に入ります。東向きの斜面なので、少し薄暗い道でした。
さらに下ると、傾斜がいっそう緩やかになって、道幅も広がります。歩きやすい道ですが、景色は単調でした。
赤川の畔まで下ってきたところで、歩いてきた道を振り返りました。
そこからは、少しだけ赤川の右岸沿いを下ります。赤川の水は鉄分を多く含んでいるのか、川底が錆色でした。


赤川に沿って5分も歩けば、景色が開けて車道に迎えられました。赤川ダムを囲む一帯は宇都宮市森林公園として整備されていて、この時は課外活動で来たらしい中高生くらいの運動着姿の生徒さんを多く見掛けました。
車道を歩いて行くと、間もなく赤川ダムのダム湖が見えてきたので、湖畔の道に入ります。
赤川ダムの堰堤が近付いてきました。このあと、堰堤上を歩いて対岸に渡ります。
赤川ダムの先には森林公園の無料駐車場(写真奥)があり、私の前後を歩いていた登山者は一様にそちらに向かった模様。最寄りのバス停まではまだ3km以上あるので、やはりバスで来る人なんていないのでしょうね。
でも私はそのバス停がゴール地点。そこに向かうには、対岸の道のほうが若干距離を抑えられるので、ここで堰堤を渡ります。
赤川ダムの堰堤上から、登ってきた古賀志山を振り返ると、湖面にも逆さ姿が映って絵になる眺めでした。
そこからは、古賀志山だけではなく、上流側にある広い範囲の山々を見渡せて、全体ではこんな眺めでした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
ところで、後日この記録を書くため森林公園のサイトを見て知ったことには、堰堤を渡った先にあった「宇都宮市サイクリングターミナル 湖森館」の建物内にはレストランも入っていて、そこで「赤川ダムカレー」が食べられたらしい。最後にバス停で20分ほど時間を余らせたので、そんなことならここでカレー食べていくんだった!


赤川ダムの下流を赤川の右岸沿いに下る道は、入口がロープで塞がれていたので入るのが躊躇われましたが、掲示されていたのが車両通行止の標識だけだったので、歩行者の通行は何も制限されていなかったはずです。
長閑な雰囲気の道が長く続きます。車がほとんど通らず、のんびりと歩けるのも良いことだけれど‥‥。
いくら歩いても景色もほとんど変わらず、あまり歩いていて楽しい道でもありませんでした。
バス停にかなり近付いて振り返ると、朝と同じように、古賀志山の主稜線全体ををスッキリと眺められました。
朝はバスに乗ったまま通過した森林公園入口バス停で、同じ路線の復路の便を待って、宇都宮駅に戻ります。山にも森林公園にも多くの人がいたのに、そこにバス利用者はいなかったようで、バスを待つのは私だけでした。

タグ:栃木
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