SSブログ

神成山ハイキングコース [上信越]

2024/02/14(水)

■第477回 : 神成山ハイキングコース(龍王山(320m)・吾妻山(328m))


今回の行先は群馬県富岡市の神成山ハイキングコース。2001年に地元の方々の協力で整備された比較的新しい登山道は、「日本一きれいなハイキングコース」を掲げていて、どんなものか気になって訪れたのでした。

それは山道区間(西中学校から新堀神社まで)がわずか2.8kmという短いコースながら、たくさんのピークが次から次へと現れてなかなかの面白さ。どのピークも300mほどと標高は全然低いけれど、短いスパンで登り下りが繰り返される稜線は変化に富んでいて、展望の良い地点が多かったり、中には古城跡のピークもあったりと、登山の醍醐味がギュっと凝縮されたようなコースで、ミニ縦走を楽しんできました。

 累積標高差(登り):422m / 距離:7.9km / 歩行時間:2時間15分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録域外か、非掲載の登山道を含む) 

(往路)
古淵 05:59-06:22 八王子 06:31-07:12 高麗川
高麗川 07:29-08:59 高崎 09:25-10:12 上州一ノ宮

(登山行程)
上州一ノ宮駅    10:15
貫前神社      10:30-10:35
三等三角点「西浦」 10:40
宮崎公園      11:00-11:15
神成山登山口    11:20
見晴台 (姫天狗)   11:25
物見台 (P1)     11:35
龍王山 (P2)     11:45-11:50
打越御嶽山 (P5)   12:15
P8         12:25-12:30
吾妻山 (P9)     12:35-12:45
新堀神社      12:50-12:55
南蛇井駅      13:15

(復路)
南蛇井 13:15-14:07 高崎 14:28-16:51 横浜
横浜 17:00-17:39 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

高崎駅から上信電鉄線で小1時間ほどの上州一ノ宮駅で下車。神成山ハイキングコースの最寄駅は1つ先の神農原駅なのですが、短いコースだけにそれだけではあっけない気がして、2つほど寄り道を加えていたのです。
まずは、駅名の由来であろう上野国一宮だった貫前神社へ。駅からはほど近く、10分ほどで参道の入口へ。
はじめは車道だった参道も、大鳥居に近付くと石段が現れて、車道と歩道が分かれました。
石段を登り終え、大鳥居をくぐって総門の前へ。ここまで、ほかの神社と特に変わるところはないのですが‥‥
総門の先には、なんと下りの石段。一之宮貫前神社は、全国的にも珍しい「下り宮」の神社だったのです。
なので石段を今度は下って、立派な楼門の前へ。この右手には社務所などもあります。
楼門をくぐるとすぐ先が、極彩色の華やかな拝殿でした。賽銭箱がなかったため手を合わせるだけで参拝を終えたのだけれど、帰宅後に調べたら賽銭箱は手前の楼門にあり、通常の参拝はそこで行うものだったらしい。
石段を登って戻る途中、右手にちょっとした広場があるので寄ってみると、そこは12年毎に行われる式年遷宮の際に仮殿が建てられる「仮殿敷地」で、奥には末社として日枝神社や伊勢内宮・外宮が並んでいました。
仮殿敷地の入口脇には立派なスダジイの大木。樹齢は不明なれど、伝承によれば約千年とされるらしい。


神社総門前の車道を右に進んだ突き当たりが、次の目的地への入口。車道は左折と右斜め前に分かれますが‥‥
そのどちらでもなく、ほぼ直進方向に分かれる、脇に猿田彦大神の石塔が立つ未舗装の小道に入ります。
すぐの分岐では、のちに進む予定の直進側の道が少々雪深いのが気になりつつも、車の轍にならって一旦左へ。
道がやがて畑の中へと入っていくと、間もなくお目当ての三角点が、送電線鉄塔越しに見えてきました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、三角点の位置を示します。
近付いてみると、それは完全に畑のド真ん中にありました。三角点自体は公共の財産とも言えますから、たとえ私有地内でも道が通じたりしていればお邪魔させて頂いたように思います。しかし、畑が整地されたばかりの様子できれいに均されている上、1歩入ってみただけで足が深く沈み込むほどフカフカで、踏み荒らしてしまうことが大いに憚られたため、三等三角点「西浦」は畑の手前から遠巻きに眺めるだけにしておきました。
畑から分岐に戻って元の道の続きへ進むと、幸い雪深かったのは分岐付近だけで、あとは普通に歩ける道に。
その後、はじめに貫前神社の参道前まで歩いていた県道の先に出たら、西中学校への案内を目印に脇道へ。
しばらく道なりに進んで、バス停「宮崎公園」(写真右端)が立っている十字路が宮崎公園への入口でした。
細い道を進んだのち、右に入るこの地点に案内は何もなかったけれど、奥にある駐車場がもう見えていました。


神成山ハイキングコースの拠点となっている、宮崎公園の駐車場に到着です。車で来た場合はここに停められますし、最寄りの神農原駅から歩いても10分ほど、トイレも完備されていて、登山基地として申し分なさそう。
宮崎公園の駐車場には、これから歩く神成山ハイキングコースの案内図も立っていました。コースの全容がしっかり表されている分かりやすい案内図で、下の写真は縮小で字が潰れているため、大きな写真も こちら に。
公園自体はさほどの広さもなく、見所も多くはありませんが、せっかくですから、句会や茶会などが催されることがあるらしい六角堂の「しののめ堂」などを見ながら、園内を少しぶらぶらしてみることに。
公園の奥にある展望台まで来ると、南側がすぐ崖になっている絶好の立地から、南側に眺望が開けていました。
宮崎公園展望台からの展望です。南側では稲含山の存在感が大きく、御荷鉾の山並みなども見られました。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
稲含山と赤久縄山を少し大きめに。実は同じような構図を、このあとも何度も見ることになるのですが‥‥
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
西側には、西上州エリアの特徴的な険しい山容を持ついくつかの山々も眺められています。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
さらに右を向くと、西上州のシンボル的存在である妙義山のギザギサした稜線が、どうにか見えていました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
ところでこの日は春本番の陽気で午前中から気温が高く、早朝の出発時に着ていたアウターと中間着は車道を歩く間に次々と不要になっていて、ここからはペラペラのジャケットだけを羽織っての登山開始となりました。


宮崎公園からは、道標の案内に従って神成山ハイキングコースを進みます。西中学校の前まで来たら右へ。
西中学校の校舎裏が登山口になっていました。車道歩きはここで終わりです。
足元にも、こんな小さな道標が(上の写真でも登山口標識の下に一応写っています)。
はじめ西中学校の敷地沿いに進んだのち、西中学校から離れると森の中へ。いよいよ山道の始まりです。
この小さな道標、短い間隔で次々と現れるのは親切で良いのだけれど、一体どれほどの数を作ったのだろう?
最初のピークが現れて、そこが姫天狗かなと思ったら、御嶽座王大権現の石碑が立っているだけでした。
一旦下った先に見えてきた小さな岩峰が、実は姫天狗でした。登山道が右手を巻いている上、ありふれた感じの岩塊だけに特別な場所には全然見えなくて、あやうく登らずにスルーしてしまうところでしたけれど。
姫天狗の岩峰です。これでも一応ピークではあるのですが、主稜線からは外れた位置にあるとみなされたからなのか、案内図などでは「神成山 九連峰」の中にカウントされておらず、独立した存在になっています。
それでも、このあと九連峰の各ピークで見ることになるものと全く同じ体裁のプレートが、ここでも樹木に括り付けられていて、ここが姫天狗であることを示してしました。でもクセの強い字体で読むのは少々難しい。
案内図などで「見晴台 姫天狗」とされている岩峰に立てば、南側に稲含山などを眺めることができました。
そして、ここまでの軽い登りで身体がさらに温まったから、ここでペラペラのジャケットすら余計になり、ついに山シャツだけの姿に。さらにこのあと、確か二峰を越えたあたりから先はあまりの暑さに腕をまくって半袖にする有様でした。低山とはいえまだ2月中旬の北関東で、まさかこんな軽装で山を歩くことになろうとは‥‥


姫天狗の先では、やや鬱蒼とした感じの森の中を進むので、まだ稜線歩きといった雰囲気はありませんが‥‥
しばらく進むと行く手に主稜線っぽいものが見えてきて、この木段を登ればそこに上がるようです。
主稜線に上がった地点はちょっとしたコブになっていて、かつてここが神成城の本丸だったとのこと。この案内図によれば、このあと巡る九連峰も、最初の2峰(物見台と龍王山)までは神成城の一部だったらしい。
神成城本丸跡のコブは分岐にもなっていて、左へ分かれる方向に「一峰→」の案内がありました。
軽く下ったのち、これを登り返した先が一峰のようです。しかしそこは‥‥
神成山九連峰の最初のピークを飾る「一峰」なのに、狭い上にほとんど何もない場所で、そうと知らなければただ通り過ぎるだけで終わってしまいそうな、いたって平凡な佇まいでしかないのが少々拍子抜けだったかも。
唯一あったのがこのプレート。同様のものを、このあと8回見ることに(すでに姫天狗でも見てきましたが)。
神成城の物見台だったとされる一峰も、ピークでは展望もありません。でも、その先に続く踏み跡を追うと‥‥
やがて崖に行く手を阻まれると、下がスパッと切れ落ちた先に大きな展望が広がっていました。
南側には、すでに見慣れてきた稲含山などが並んでいます。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
そして西側には、険しく切り立った岩峰が連なる西上州の山々が。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。


神成城本丸跡のコブに戻ったあと、一旦下った鞍部では宇芸神社への道を分けて、二峰への登りへ。
途中にはやや急な登りも。ここは右側を巻き気味に登れる緩やかな道もあったようでしたが。
二峰は「龍王山」と山名が付いているだけあって、そこそこの広さがあり風格も感じられるピークでした。
ベンチや石祠のほか、ここには標識類も複数あって、見逃したけれど奥には三角点もあったはず。
プレートに刻まれた文字も二峰ではなくて「龍王山」でした。
龍王山でも、開けているのはほかの多くのピークと同じ南側でしたが、ここでは南側に連なる山々を東端まで見渡すことができて、そのうち行きたいと思っている吉井三山もしっかり見えていました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
西に向かって歩いていることから、西側では西上州の山々にどんどん近付いていて、大桁山まで見えるように。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。


龍王山から下った先で、登山道を外れて左手の岩峰へと伸びる薄い踏み跡があり、それが三峰かもと思って登ってみましたが、岩峰上には何も見当たらず。この岩峰は九連峰のカウントからは外れているようです。
元の道に戻ると、もう少し登った先が三峰でした。やや手狭な印象のささやかなピークです。
「三峰」のプレート。
三峰では珍しく北側が開けていて(九連峰の中でここだけだったか?)、志賀高原や谷川連峰がチラリと。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
三峰から四峰へは、単純に1度下って登り返すだけ。
四峰は広くてなだらかな頂上部を持つ、ゆったりとしたピークです。
四峰には「ミニ自然博物館」なるものがあって、ショーケースには動植物の様々な標本が飾られていました。
「四峰」のプレート。
四峰は展望には恵まれず、枝の間から稲含山を見通せた南側も、季節が進めば何も見えなくなってしまいそう。
矢継ぎ早に登ったり下ったりが忙しく繰り返される九連峰の稜線にあって、四峰と五峰の間には、とても短い間だったけれど緩やかな尾根を気持ち良く歩ける区間もありました。
次に着いた五峰には打越御嶽山という名前もあり、ここに写っている範囲が全てという小さなピークです。
五峰にも何かの石祠があって、その右側には常夜灯が並んでいました。展望はほとんどありません。
「五峰」のプレート。


五峰の先では、六峰から八峰までが短い間隔で隣り合っています。五峰を後にして下り始めた途端、道が登り返して行ったその先に、六峰らしいピークがもう見えていました。
六峰も、ここに写る範囲が全ての小さなピーク。地形図ではここに標高点があって、325mとされています。
立っていた石碑は、倒れたりでもしたのか折れていて下のほうしか残っておらず、何の石碑かは不明でした。
「六峰」のプレート。
六峰でも展望は楽しめません。この日は見通せた山々も、木々が葉を茂らせれば見えなくなるでしょう。
六峰よりも先では、アップダウンが控えめになった印象で、比較的穏やかな道を歩けるようになります。
良く踏まれた道は、その穏やかさのままで、間もなく左手に現れるピークを巻いてしまいます。でも、そのピークがどうやら七峰っぽいので、左に分かれるやや細くなった道でピークに取り付いてみました。
やはり、そこを登った先が七峰でした。狭くて展望もなく、取るに足らないようなピークでしたから、特にリピーターの方などは巻いてしまいたくなるのでしょうね。
「七峰」のプレート。
次の八峰も七峰と同様、巻き道(右)のほうが優勢で、ピークへ向かう道(左)のほうが頼りなかったです。
八峰も、ちょこんと盛り上がっただけの小さなピークで、パッと見では七峰と似たような印象でした。
「八峰」のプレート。
展望も木の枝越しに見るしかなさそうで大したことないと一旦は決めつけたのでしたが、この岩峰の向こう側に回ってみたら意外や意外、スケールの大きなパノラマが目の前にドーンと広がったのです。
もうすっかり見慣れた南側の山々も、こんなにスッキリと見渡せたのはここだけだったような。しかも見る角度が変わったことで、ほかの場所からは見えていなかったいくつかの山を、新たに見られたりもしました。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


八峰と九峰の間の鞍部には、見晴らしが抜群で居心地の良さそうな場所があり、屋根付きの休憩所も設けられていて、そこでは単独行の男性がお食事中。こんな所で食べるお昼ごはんはまた格別でしょうね。
そこは「山カフェ ドローム」だそうで、「おいしい空気」や「いい景色」などすべてのメニューが「¥0」。
その「いい景色」がこちら。南西側を広く見渡せて壮観で、食事のお供には最高の景色ではないでしょうか。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
最後の九峰が最も高くて、その手前が一番きつい登りだったかも。それでもほぼひと息で登れる長さでしたが。
吾妻山と名付けられた九峰に到着しました。標識によれば標高は328.5mで、ここが神成山の最高峰です。
ベンチで先客の女性が食事中だったので、正面から撮影するのは控えて、写真は裏側から。
吾妻山の石祠と標識です。
プレートの文字も二峰と同様に、九峰ではなく「吾妻山」でした。
吾妻山からも、南西側を中心とした広角の展望を楽しめました。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


吾妻山からは少し急な勾配の道を下りますが、足元が悪くなることはありません。神成山ハイキングコースは全体を通してきちんと整備されていて、老若男女問わず安心して歩けそうなコースでした。
5分も下ればあっけなく山道が終わって、新堀神社の前へ。ここが西側の登山口になっていました。
新堀神社境内(?)の陽だまりの広場で、吾妻山で腰掛けての休憩ができなかった代わりに少しマッタリ。
新堀神社からはもう車道を歩くだけ。集落に入ったあたりにはトイレもありました(写真左端)。私はあと10分も歩けば南蛇井駅に着きますが、宮崎公園まで戻る人も多いはずですから、これは有難い施設でしょう。
最後は西上州の山を正面に見ながら、南蛇井駅を目指します。5年前に大桁山とセットで登った鍬柄岳って、離れた場所から山容を眺めるのはこの日が初めてだったのですが、こんなに鋭く尖った岩峰だったのですね。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
そして振り返れば、歩いて来たばかりの稜線がほぼ全部見えていました。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
上信電鉄の線路沿いを歩くようになれば、間もなく前方に南蛇井駅が見えてきます。
ゴールの南蛇井駅に到着。この日は珍しく時間調整がバッチリで、すぐに乗る電車が来るタイミングでした。
帰りは八高線への乗り継ぎが悪く、上野東京ラインを利用して横浜を経由する大回りな経路となりました。
乗車時間が約2時間半と長い上に、混雑する都心部を通ったりもするので(※)、初めて普通列車のグリーン車を利用してみたところ、高崎線内はほぼガラガラの状況が続き、上野や東京でも思ったほど席は埋まらず、長時間快適に過ごせましたし感染対策上も好ましかったでしょうから大正解でした。なぜか新橋で一挙に乗客が増えて、品川でほぼ満席になったけれど、品川まで来てしまえば、残すはもう2区間だけですからね。今後も普通車グリーン席の利用は「有り」だなと思ったのですが、でも4月から値上がりしちゃうんだよなぁ。。。
(※) コロナ禍以降ずっと都心部を避けていたので、ただ通過するだけとはいえ、東京駅や上野駅まで行くのは2019年以来でした。


タグ:上信越
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:スポーツ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。