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日向山 [南アルプス]

2023/11/09(木)

■第472回 : 日向山(1660m)


この日の行先は、白い砂浜が広がる海岸のような山頂から、八ヶ岳や南アルプスを間近に望む大パノラマが圧巻の日向山。登頂は今回で3回目ですが(※)、2012年以降はすっかりご無沙汰で、11年ぶりの再訪となりました。
※グループ山行を入れると4回目の登頂です

白砂輝く日向山の山頂。指呼の間から仰ぐ南アルプスは大迫力で、八ヶ岳も全体を一望できて壮観。

 累積標高差(登り):1101m / 距離:13.8km / 歩行時間:4時間25分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録域外か、非掲載の登山道を含む) 

(往路)
古淵 04:59-05:22 八王子 05:36-06:19 大月
大月 06:25-07:13 甲府 07:24-07:50 日野春
日野春駅 08:03-08:25 名水公園べるが東

(登山行程)
名水公園べるが東バス停 08:30
尾白川渓谷駐車場    08:55-09:00
竹宇駒ヶ岳神社     09:05
矢立石         09:55-10:00
日向山 (三角点)     11:20
日向山 (山頂)      11:25-11:50
矢立石         12:30-12:35
尾白川渓谷駐車場    13:05
名水公園べるが (軽食)  13:30-14:25
名水公園べるが東バス停 14:30

(復路)
名水公園べるが東 14:32-14:52 長坂 14:58-15:32(遅延15:29-16:05) 甲府
甲府 16:11-17:14(遅延16:14-17:29) 八王子 17:43-18:07 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

2021年から、小淵沢駅と尾白川渓谷駐車場を結ぶ「マウンテンタクシー」の運行が始まり、マイカー族でなくても登りやすくなっている日向山。でも事前予約が必要(※)なのが自分のスタイルとは合わなくて山行計画には組み入れ難く、今回は北杜市のコミュニティバスを利用してアクセスしています。
※予約は前日の夕方まで受け付けているけれど、定員が6名と少なくて直前だと思い通りには予約できなかったりしそう。

そんな訳で、最寄駅の始発から電車を4本乗り継いで日野春駅へ。バス停は改札を出て右手にありましたが‥‥
乗りたいバスは左手の駐車スペースに待機していて、時刻が迫ると乗車もそこで行い、そのまま発車となりました。駅前の様子を見ていると、バス停には別路線のバスも2本が相次いで発着する時間帯で、そのためバス停前を占有しない運用をしているようです。確認はしませんでしたが、バス停にもその旨は明記されているらしい。
「名水公園べるが東」というバス停で下車して歩き始めます。写真奥で雲に絡まれているのは八ヶ岳連峰。
すぐに左折して「べるが通り」に入ると、そこで目の前に現れる景色がもう絶品でした。今から行く日向山と、南アルプスの貴公子と名高い甲斐駒ヶ岳が並んでお出迎え。日向山は、登山道のある尾根が良く見えています。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドとこれから登るコースを表示します。
それだけではなく、さらに左には鳳凰三山まで見えていて、素晴らしい眺めにテンションが上がりまくります。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
この時は、あまりの格好良さに前しか目に入らなかったのですが、振り返れば八ヶ岳や奥秩父の山々なども見渡せたのでした。こちらは下山時の写真で時系列が前後しますが、同じ場所からの展望なのでここに並べます。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
とある十字路に差し掛かって右を向くと、そこには何頭ものサルの姿が。で、何やら背中側も騒がしくて‥‥
回れ右をしてみたら、やはりそちらにも。左右どちらも、路上のほか沿道の林にも相当の数がいて、結構大きな群れだった様子です。でもサルがのんびりしているってことは、クマの心配はしなくても大丈夫そうかな?
「べるが通り」の先で道は林の中へ。わずかな傾斜とはいえ、ずっと続く登りに汗ばんできて、ここで羽織っていたジャケットが不要に。11月ももう半ばだというのに、朝から山シャツ姿で外を歩くとは思いませんでした。
25分ほどで尾白川渓谷駐車場に到着です。2011年に来た時 には、ここまで路線バスで入れたのに、その路線がほんの何年間かしか存続しなかったのが残念でなりません。需要がないはずはないと思うんだけどなぁ。。。
尾白川渓谷駐車場にはきれいなトイレもあって、もちろん行き帰りで利用させて頂きました。


駐車場からは未舗装の道でさらに奥へ。この先は緩やかな下りに変わって、尾白川渓谷へと近付いていきます。
5分ほど下ると、渓谷まであと少しという地点に、日向山への登山口がありました。
そこまで来れば、ほんの1~2分の距離なので、一旦登山口を見送り、そのまま奥へ進んでちょっと寄り道。
やって来たのは竹宇駒ヶ岳神社。南アルプス・甲斐駒ヶ岳の登山口が、ここ(竹宇)と少し離れた横手の計2箇所にあって、それぞれに里宮として駒ヶ岳神社が鎮座しています。奥宮はもちろん甲斐駒ヶ岳の山頂に。
今回の山行の無事を願って、手を合わせていきました。


神社手前の登山口に戻ったら、日向山への登山開始です。過去2回はいずれも尾白川渓谷を遡って錦滝から登ったので(魅力あるルートなのに、もう10年以上ずっと通行止め)、こちらから登るのは初めて。ここから矢立石までは、下りでは1度歩いているもののひと昔前ゆえ記憶は曖昧で、初めて歩くのと変わらない感覚でした。
登り始めのうちは、それなりの傾斜がある斜面をしっかりと登らされる具合の道が続きます。
でも林道っぽい道に出ると、大きなジグザグを繰り返しながら登る、歩きやすくて穏やかな道に変わりました。
しばらくの間ずっと、ほぼ一定した緩やかな傾斜で登れるので、このあたりでは比較的楽に歩けています。
やがて上のほうにカーブミラーやらガードレールやらが見えてくると、ほどなくここで車道に上がりました。
車道歩きは次のヘアピンカーブまでで、ほぼ直線の区間が続く短い距離にとどまります。
カーブミラー脇から登山道の続きに入ると、車道をショートカットするような道で、再び傾斜が少々きつめに。
矢立石の登山口に到着しました。この通り、ここまでは車でも入れるので、この車列もカーブの先までずっと続いていることでしょう。ここで少し休憩を取って、小1時間登り続けた足を休めていきます。
林道もこの先は崩壊箇所があるため通行止めで、ここからも錦滝に行けませんし、その先の登山道も通行止め。それに従う限り、周回コースが組めないため、日向山は矢立石からの登山道を往復するしかなくなっています。


登山を再開します。登り始めた尾白川渓谷から山頂までの標高差は約900mあり、まだその3分の2近くを残していて、ここまでは序の口、これからが本番って感じです。※スタート地点のバス停からだと標高差は約1000mに。
登山道には現在位置の目安になる番号プレートが設置されていました。ここが起点なので数字は「10\0」。
ジグザグを描きながら進む穏やかな道が結構長い間続いて、なかなか気持ち良く登れます。
次の番号プレートがなかなか現れず、やっと見えてきたと思ったら、それは「10\2」でした。あれ?!
もしかして2ずつ増えるのかも、なんて思った矢先に「10\3」のプレートが現れて、そうでもないらしい。
その後も「10\4」あたりまでは、同じような景色の中に、似たような調子の登山道が続きました。
でも次第に階段状の箇所が現れるようになったりして、上に行くほど傾斜は心なしか強まったような。
景色があまり変わり映えしないので、プレート地点の写真を続けます。「10\5」の付近が中間点なのかな。
続いて「10\6」のプレートを通過。1番を見なかっただけで、それ以降は順調に+1されていきます。
登るにつれてササ原の密度が濃くなっていき、ササの丈も人の身長に迫る高さに。
「10\7」を過ぎる頃には、道が少し細くなっていて、歩きやすいところばかりではなくなってきました。
7番と8番の間には、段差の大きな箇所もたびたび現れたりして、このあたりが頑張りどころだったみたい。
「10\8」のあたりからは再び穏やかな道に。ここまで来れば、登りも残すところあとわずかです。
やがて2~3回軽く下ったりする中に現れる、「10\9」のプレートが最後でした(山頂ではもう見なかったような)。ここには2009年までアメダスとして運用されていた雨量観測所があり、現在も防災情報に活用されている観測データを国土交通省のHPから閲覧できますが、11月からは冬期閉局期に入っていて欠測中でした。


頂上部に入ると、まずは三角点への分岐があって、すぐそこに見える距離なので先に寄り道していきます。
そこには三角点のほかは私製の標識がいくつかあるだけ。三角点に興味がなければ来る意味なんてないかも。
三等三角点は点名も「日向山」。標高は1659.89mとなっていて、山頂とほとんど変わらないようです。
なにしろ「日向」山ですから、もちろんポカ(サイズ:小)も連れて来ていましたよ。この山を10年以上ぶりに訪れた契機は、もちろん山自体の持つ魅力が一番でしたけれど、山名に「日向」と付き某推しメンが実際に来ていたりする(もはや聖地?)ことも大きくて、なんならこ~ゆ~写真が撮りたかったから来たまであります。


寄り道のあとは、ほとんど平坦に近くて、鼻歌を歌いながらでも歩けそうな大らかな景色の中を進み‥‥
忽然と砂地が現れる日向山の山頂へ。この写真の奥あたりが一番高かったようです。
たぶんここが日向山の最高点。お誂え向きに、3~4人が腰掛けて寛げそうな倒木がありました。
その後方の樹木には、私製の標識も(上の写真にも写ってはいますが縮小で判別はほぼ不可能です)。
少し離れた場所には、山梨百名山の標柱(写真右上の斜めの標柱:文字がすっかり掠れて良く見るまで気付けず)のほか、風化した花崗岩の白砂が広がる光景から名付けられたとみられる「雁ヶ原」のプレートなども。
白砂が輝く山頂を、初めて目にした時の衝撃的な感動は忘れ難いもので、今も割と鮮明に思い出せたりします。
雁ヶ原が広がる北面や西面には樹木が全くありませんから、開放的な展望が視界いっぱいに広がるのも唯一無二の日向山の魅力かと。北側には八ヶ岳の全部が見えていて、左にはなだらかな起伏の霧ヶ峰高原が続きます。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
少し引いた眺めに変えると、さらに左には雨乞岳も加わります。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
2011年に登った雨乞岳にフォーカスすると、日向山の雁ヶ原と同様、雨乞岳にも水晶ナギと呼ばれる白亜の砂礫帯があって、山頂の左手前に写っているのがそれ。2011年に行きそびれているので、次こそはあそこにも。
さらに左を向けば、南西方向には南アルプスの甲斐駒ヶ岳が。この写真ではやや逆光気味につき少々薄い色合いで写ってしまっているけれど、結構間近から見上げる具合なので、実際の見た目はなかなかの迫力でした。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
雁ヶ原が続く山頂の西側へも足を延ばしてみます。こちらは白い砂浜を少し下って、山頂を振り返ったところ。
白く輝く砂浜だけでなく、斜面に並ぶ花崗岩の造形美にも目を惹かれて、何度も振り返ってしまいます。来るのが4回目で、もう見慣れているはずなのに、毎回見るたびに感動を味わえるのも、この景色の凄いところ。
雁ヶ原も西端近くまで来ると、山頂に立つ人たちもかなり小さく見えるようになります。
花崗岩の斜面はさらに続きますが、この先は足元が悪くなりますし、ここまで来ればもう十分。というのも‥‥
そこからなら南アルプスは甲斐駒ヶ岳と鳳凰三山が並んで見えて、さらに富士山まで眺められるのでした。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
最後は鳳凰三山と富士山のクローズアップです。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


展望を楽しんだら、あとは登ってきたコースを引き返します。ほぼ平坦な山頂部は気持ちの良い道。
帰りは三角点をスルーして先へ。
同じ道の往復なので下りの写真は端折りますが、これが見えてきた時は「嘘だろ」と声に出てしまいました。
それがこの「10\1」の番号プレート。登りで見なかったので、なくなっているのか、あるのなら道からは余程見づらい場所だろうと、道の周囲にまで目を配るようにして歩いていたのに、こんなに目立っていたのを見て愕然。ほぼ登山道上にあって、むしろこれを見ないで通る方が難しそうなのに、どれだけ注意散漫だったのか。
矢立石の登山口まで戻ってきたら、車の数はかなり減っていたようです。
まぁ、登山口のこんな直近に停められるのは早く来た人たちでしょうから、先に帰った人が多かったのかな。
さらに登山道の続きを進み、最終盤の登り口近くで少々急になるあたりを慎重に下って、渓谷道の登山口へ。
尾白川渓谷駐車場に着いたら、ここで山歩きは終了。残すはバス停までの30分ほどの車道歩きとなりました。


さて、山歩きが順調そのものだったので、帰りのバスには時間の余裕がありました。多くの人はこんな時、
  ●尾白川渓谷で清流が織りなす美しい景色に癒されながらマッタリ
  ●尾白の湯でひとっ風呂浴びて気分サッパリ
あたりを選びそうですが、小腹がすいていた私は別のプランを選んでいて、そのまま往路を戻り続けることに。

「べるが通り」まで戻ってくれば、冒頭で書いていた通り、正面には奥秩父の山並みを見渡せました。
そこからバス停には直行せず、この案内を目印に右折して、予め目を付けていたその場所へと向かいます。
それが「白州・尾白の森 名水公園べるが」で、すぐ先に入口があるのでした。ここがメインゲートらしい。
名水公園内に入ると、意外なことにほとんど人がおらず、時々見掛けるのも落ち葉を片付けている関係者らしい方々ばかり。園内は平日とはいえあまりに閑散としていて、なんか想像とは違った展開に少し戸惑います。
その代わり、山中ではあまり見られなかった紅葉を、ここでは少し楽しめたりしましたが、それにしても静か。
総合案内所のほかレストランや売店などがある中心部まで来ても、まだ自分以外に一般客の姿はありません。
事前にWEBを確認して、この売店「どんぐり」で軽食の販売があると知り、焼きそばでも買って近くのベンチでと思っていたら、なんだか雰囲気が変です。幟が立っているなど店を開いている体裁でありつつも、窓の内側にはカーテンが下りていて店内も無人っぽく、どうも営業している気配が感じられません。
近付いてみると、「ソフトクリームの注文は総合案内所へ」との張り紙がされていて、売店自体はお休み中らしいと分かります。確かに考えてみれば、入園者がほとんどいない状況で店を開けていても無駄が多そうですから、客足が伸びる時間帯(お昼時とかかな?)にだけ人を配置するようにしていたのかも。
食事が目的で来ていただけに、これは実に由々しき事態です。隣にレストランはあるものの、なんかお洒落な店構えで、WEBをチラッと見た時の記憶では本格的なお食事メニューが並んでいた印象で、短時間で気楽に食べられそうな感じがしなかった上、もし入るにしても登山後の汗臭い身体のままでは大いに躊躇われます。
でも幸いに総合案内所の前に多目的トイレがあり、人がいない今で短時間の占有なら誰かに迷惑を掛けることもあるまいと、そこで着替えたりして身なりを整えられたので、一応はレストランの様子も窺ってみることに。


いざレストランテ「レ・アルピ」へ向かうと、とてもラッキーな巡り合わせに迎えられました。帰宅後に知ったのですが、従来は木曜定休でお休みだったところが、今月からランチ営業を始めた矢先で店が開いていたばかりか、「ランチ営業」だけにサンドイッチが主体の軽食メニューが並んで、もう「渡りに船」状態だったのです。
20席ほどの店内は落ち着いた雰囲気に包まれていました。外の閑散ぶりから察していた通りに客は私だけで、店内の写真など撮らせて頂きましたが、今にして思えばつい先月まで木曜日がお休みだった影響もあったのかも。
「白州野菜とハムのトーストサンドイッチ」を注文したら、これがまた美味しくて、付け合わせの何てことなさそうなポテトすら絶妙な味加減だったから、まぁ食が進むこと進むこと。さすが普段はレストランとして営業しているだけあって、きっと力量あるシェフが厨房を取り仕切っているであろうことが窺えましたし、この様子なら木曜日以外の通常のレストラン料理もまず間違いなく相当にレベルが高いのでは?。
さらに感銘を受けたのは、料理が絶品だっただけではなく、とても柔らかな物腰だったフロア担当の方の接客も素晴らしくて、なんだかとても上等で温かなおもてなしを受けた気分にさせてもらえたこと。
あまり具体的に書くのもどうかと思うので少し濁しますが、会話の中で山登りで来たことに触れていたら、それならとデザートをちょっぴり添えて下さったり、そのほかにも思いがけないサービスをして頂いたのでした。
客が私ひとりだけだったのが本当に勿体ないですし、ここには是非また来たいと思いながら、すごく幸せな気持ちで店を後にしています。こんなことなら、ここでもう少しゆっくりと寛げる行程にしておけば良かったよ。

そう、もう数分後にバスの時間が迫っていたのです。バス停へ向かう途中には「尾白の湯」があり(建物の後方が先程まで登っていた日向山)、併設の土産物店も覗きたかったのに、もうそんな時間はありませんでした。
最後は「名水公園べるが東」バス停で、長坂駅行きのバスを待ちました。

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