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稲包山 敗退記 [上信越]

2012/10/27(土)

■第240回 : 稲包山(1597m)敗退記


山を続けていく以上、いつか起きるだろうとは思っていましたが、ついに出逢ってしまいました。
熊と猪の両方に、それもたった5分ほどの間にたて続けに。(詳しい顛末は、上記リンクの詳細ページで)
幸い、身の危険を感じるような遭遇の仕方ではありませんでしたが、この日は装備面での不備もあり、リスクを2つ重ねて抱えたことになります。さらに前進を続けるのは無謀と判断し、せっかくの遠出ではありましたが、潔く撤退してきました。

この日の当初の行先は稲包山(1597m)。登りで歩く上信越自然歩道が紅葉の美しいルートなので、10月下旬になったら訪れようと随分前から決めていたのです。ところが、歩き始めて40分そこそこで、そんなトラブルに見舞われて、仕方なく登山口に引き返すことになりました。しかしその登山口も、夕方までバスが来ない所だったので、バスがある所まで、さらに歩き続けることになっています。

 累積標高差(登り):577m / 距離:11.5km / 歩行時間:3時間0分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 04:45-04:49 町田 04:55-05:38 新宿
新宿 05:41-06:01 東京 06:32-07:53 上毛高原
上毛高原 08:15-08:45 猿ヶ京 08:45-08:58 赤沢スキー場入口

(登山行程)
赤沢スキー場入口バス停 09:05
折り返し地点      09:45-09:50
赤沢スキー場入口バス停 10:20-10:25
永井宿         10:50-10:55
猿ヶ京バス停      11:50
猿ヶ京温泉バス停    12:20

(復路)
猿ヶ京温泉 12:28-13:01 上毛高原 13:22-14:14 大宮
大宮 14:15(延発14:18)-14:43 新宿 14:59-15:31 相模大野
相模大野 15:45-16:00 市営斎場前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

上毛高原駅バス乗り場。2台で待機していた谷川岳ロープウェイ行きに、登山者が次々と乗り込んでいきます。
大勢の登山者が降りたのに、猿ヶ京行きのバスを待つのは私ひとりだけ。バス停に置いたザックが寂しげです。
終点の猿ヶ京で、みなかみ町営バスに乗り換えますが、こちらも乗客は私だけでした。


赤沢スキー場入口で下車して歩き始めます。あたりは今さっき雨があがったばかり、という雰囲気でした。
バス停周囲も靄で霞んでいますが、山のほうはこの通りで、近くの低い山ですら雲の中でした。


車道を少し歩くとすぐにこの分岐点。「山と高原地図」によれば左の林道が正解のはずですが、右の道に「赤沢登山口」という道標が立っていて、少し迷いました。
現地の案内を信じて右の道を登ったら、すぐ上に登山口があってひと安心です。
スキー場の端を少し進むと、ここで左の森の中へ入る道を道標が示していました。そこから山道が始まります。


歩き始めから、ウットリするような、穏やかで美しい森を進みます。
が、雨上がり直後のため地面がウェットで、全くの無警戒で履いていた防水性ゼロのトレランシューズでは、メッシュ地の箇所から靴内に水が浸みてきました。これでは足がふやけてマメができやすくなり、長い距離を歩けそうにないので、早くも計画の縮小を決断、縦走を取りやめて、稲包山までで引き返す往復ルートに変更です。
おまけに、この標識のあたりで小雨がぶり返してきて、レインウェアを羽織ることになりました。
この時点ですでに、かなりテンションが下がっていたのです。


そしてここが事件発生の現場です。熊と猪が、相次いで登山道に現れました。(画像にマウスオンすると、奴らのルートを表示します。また遭遇の顛末は、長くなるのでこちらの 詳細ページ で)
これですっかり心が折れて、奴らをやり過ごした後は、もう引き返すことしか頭にはありませんでした。

また来年以降、もっと条件の良い日を見計らって再トライです。
何も条件の悪い日に無理して、しかもルートを短縮してまで歩くこともありません。もっと快適に歩ける日があるでしょうし、せっかくならば、やはり当初の計画通り新潟県側へ縦走したいですから。


バスを降りた地点まで戻ってきました。山の景色は相変わらずなので、登山を続行しても快適ではなかったでしょう。でも、ここは夕方までバスがないため、最初にバスを降りた猿ヶ京まで車道を歩くしかなく、まぁ2時間も歩けば着くでしょうか。幸い、この後お会いした方に付近の観光パンフレットを頂けて、永井宿の先に遊歩道があると分かったのは大きかったです。
永井宿までは、バス道路をそのまま引き返してきました。
そしてここから、「旧三国街道遊歩道」なるものに入ります。


その「旧三国街道遊歩道」は、せっかく山の中を歩けるというのに、なぜか全面的に舗装されていました。
これでは車道を歩く印象と大差なくて、少々ガッカリ。車に注意しなくてすむのだけが救いです。
途中には、「町野久吉の墓」なるものがありました。白虎隊の一員だったとのことでしたが、正直「誰それ?」って感じです。遊歩道には、ほかにも史跡はいくつかあったものの、景色の良い場所とかはなくて、少し退屈。
山道を抜けて、畑の中を進むようになっても、このように舗装路が続きます。
しまいには、ただの道路になってしまいます。車の往来がほとんどない、安心して歩ける道ではありますが。
山からは離れて、空が少し明るくなってきましたが、歩く予定だった山の方向はまだまだ雲が厚いようでした。


やがて遊歩道は小さな谷を渡り、ほどなく前方に赤谷湖が小さく見えてきました。湖畔がゴールの猿ヶ京です。
その後は市街地の中を歩くようになって、まず朝にバスを乗り継いだ猿ヶ京に着きました。時刻表を確認すると、上毛高原駅行きのバスは30分後。少し時間に余裕ができたので、赤谷湖を見て行くことにします。
散策路があるようなので、湖畔まで降りてみました。が、このようにフェンスに囲まれて、水際に出られる訳でもなく、ベンチなど憩えるものもなくて、期待外れでした。


なので赤谷湖で時間をつぶすのはやめて、まずは湖畔に最も近い猿ヶ京温泉のバス停の位置を確認しておきます。温泉街は高台の上にあって、道路沿いには何もないため、あたりは閑散としていました。
バス停脇の急階段を登り詰めれば温泉街です。昼間だからか、こちらもひっそりとしていました。
温泉街の一番奥で、こんな看板を見つけたので、矢印に従ってみました。

するとすぐに、こんな橋がお目見えです。
歩行者専用の細い橋で、相当な高さもありますが、頑丈な構造で手すりも高く、渡るだけならば特に怖さはありません。
上流側はこんな峡谷となっていました。これが看板の案内していた「名勝 駒形峡」でしょうか。
写真では伝わりにくいのですが、かなりの高さがあるので、下を覗くとカメラを持つ手にも力が入ります。
カヌーを漕いでいる人たちの姿も小さく見えていました。
下流側は、先程までいた赤谷湖にすぐに注いでいます。この眺めを最後に、バス停に戻ってバスを待ちました。

タグ:上信越
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コメント 2

ぴすけ

cellistさん、とうとう遭ってしまわれたのですね。
しかも、移動しているクマとイノシシに…。
これは迫力が相当ありそうだし、臆病な私などは恐怖で何もできないだろうと思います。
cellistさんが御無事で何よりです。
私も、平標山と三国山を連結させて歩くプランを、もうかれこれ数年来持っていまして、あとは実行あるのみなのですが、クマとイノシシには気を付けます。
一応クマ鈴をつけて(かなり大きい物)、護身兼用クマよけスプレーを持って歩いていますが、それもいざという時にきちんと使えるかどうか…。
by ぴすけ (2012-11-08 08:55) 

cellist

ぴすけさんは熊スプレーまでお持ちとは。さすがです。
私などは、この日はすっかり油断していて、熊鈴すらザックに入れたままでした。
もしも鳴らしていたら、遭遇する距離まで近付く前に、遠ざかっていてくれていたかもしれないのですが。

クマのほうは、猛スピードで遠ざかる後ろ姿しか見ていないので、さほど怖くはありませんでした。
一方イノシシとは、一旦は向かい合う形になったのですが、こちらも最初から至近距離ではなく、しかも少し後ずさりすると道のカーブにも助けられて目が合う状況からは逃れられたのが幸いでした。

平標山には私も2年前に出掛けましたが、あちらは登山者も多いですし、上の方はずっと見通しの良い稜線歩きなので、まぁ大丈夫そうですが、用心に越したことはないですよね。
今回の私のようなドジを踏まないように、どうぞ気を付けてお出掛けになって下さい。
私も、稲包山を再訪する時は、きちんと熊鈴を鳴らして歩きたいと思います。
by cellist (2012-11-08 22:30) 

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