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大岳山・鍾乳洞と滝のみち [奥多摩]

2015/10/31(土)

■第312回 : 大岳山(1266m)・鍾乳洞と滝のみち


今回は、「関東ふれあいの道」の “鍾乳洞と滝のみち” をベースにしたコースを歩いてきました。
“鍾乳洞と滝のみち” は、天狗滝・綾滝・大滝という3つの滝を巡り、さらに大岳鍾乳洞(今回は割愛)も楽しめるという、涼味あふれるコースです。
その代わり、山の頂上を全く目指さないコースなので、途中には大岳山へ寄り道するアレンジを加えています。

 累積標高差(登り):1076m / 距離:11.3km / 歩行時間:4時間20分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:5時間15分 

(往路)
古淵 06:09-06:31 八王子 06:35-06:46 立川
立川 06:58-07:34 武蔵五日市 07:39-08:05 千足

(登山行程)
千足バス停  08:05
天狗滝    08:35
綾滝     08:55-09:00
つづら岩   09:35
富士見台   10:05-10:10
大滝分岐   10:25
大岳山    10:55-11:05
大滝分岐   11:35
大滝     12:05-12:15
養澤神社   12:50-13:00
上養沢バス停 13:05

(復路)
上養沢 13:13-13:50 武蔵五日市 14:02-14:18 拝島
拝島 14:30-14:42 八王子 15:00-15:22 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

JR五日市線の終点・武蔵五日市駅から、藤倉行きのバスに乗り継ぎます。ほぼ満員になって発車したバスは、払沢の滝入口でかなりの人を降ろしたので、浅間嶺へ向かう人が一番多かったようでした。
その少し先の千足で下車したら、この商店の前を通り過ぎてすぐの道を右に入ります。
はじめは車道を歩きます。そこそこ晴れ間もある予報だったのに、空全体を雲が覆ってどんよりしていました。
5分ほど歩くとトイレがありました(この後は、大岳鍾乳洞まで下らないとトイレがなかったです)。車道はかなりの勾配で、ゆっくりしたペースでないと登れませんが、それでも沿道にはポツポツと人家が見られました。
一般車両が通行止めになった先も、もう少し舗装道路が続きます。
15分ほど経った頃、先のほうに車道の終点が見えてきました。


車道が終わった先から、登山道が始まりました。
登山道は、しばしば沢と絡むようにして登っていきます。沢の流れは穏やかで、このように横断点(何度かありました)もしっかりしていたので、余程の増水がない限りは徒渉に問題が生じることはなさそう。
まず最初に現れたのは小天狗滝でした。
間近から見た小天狗滝。落差は10mほどで、水量が少ない時期でもあるためか、穏やかな印象の滝でした。
小天狗滝から数分で、天狗滝が現れました。落差38mというスケールの大きな滝ですが、岩肌が垂直ではないため、落ちるというよりは滑り下りるような具合で、滝の大きさからすると随分と大人しく見えます。
だから、登山道が滝の間近を横切っても音が控えめで、大きな滝の目の前にした感覚とはちょっと違いました。


引き続き、登山道は沢の近くを登っていきます。天狗滝を過ぎると、道の傾斜は少し落ち着いたようでした。
行く手に綾滝が見えてきました。近付く前から、滝の大きさが良く分かります。
綾滝の落差は20mほどで、天狗滝と同じく、岩肌を撫でるように流れ落ちる優美な滝です。
綾滝も滝壺のそばまで近寄ることができますが、間近から見てもしっとりとして奥ゆかしい佇まいでした。
綾滝のすぐ脇にはベンチがあります。この先で登山道が急登に変わるのに備えて、ひと休みしていきました。


綾滝からつづら岩までは、300m近い標高差を一気に登ります。地図では急斜面を直登する具合に道が描かれていたので、一応急登の覚悟はしつつも、「関東ふれあいの道」だから、傾斜を緩和するために道がジグザグを描いて、少しは登りやすくなっているだろうと期待していたら、全然そんなことはありませんでした。
地図に描かれた通りに急勾配の道がずっと続きます。さすがに急峻と表現するほどの箇所は出てきませんが、それでも手を添えて登るほうが楽だったり安心だったりする箇所はいくつもありました。
どうにか急登を登り詰めると、馬頭刈尾根の登山道に出ました。


尾根に出たといっても、その尾根上につづら岩が乗っているので、登山道はその下を巻くようにして進みます。登山道の頭上では、これからつづら岩に挑もうとする1人のクライマーが準備作業中でした。
右端に写っているのが、登攀準備中のクライマー(ピンクのシャツに白ヘル)。ほかにも何人かいたようです。
登山道は大岩壁の下を巻ききって、つづら岩の西端に達したところで尾根上に出ます。
ようやくつづら岩と同じ高さに立てたので、つづら岩を振り返りました。登らない限り全容を見渡すことはできそうもありませんが、こんな垂直な岩壁が尾根上に長く続いているようです。


つづら岩までの急登を終えたところですが、その先の尾根道もアップダウンが続いていて、なかなか息を整える間がありません。途中には岩混じりの箇所も現れます。
「この先道悪し」の注意看板2連発。でも特段の危険はなく、アスレチック気分を楽しんで通過していきます。
岩混じりの一帯を抜けると、ようやく穏やかな気持ちで歩ける尾根道になりました。
右手側の樹木が途切れた地点からは、これから向かう大岳山の姿を眺められました。
富士見台のピークに到着。“鍾乳洞と滝のみち” を歩くだけならば、ここが最高点になります。
かつては展望が良い地点で、自分が2008年に登った時の記事にも「大岳山の良い展望台」と書き記していたのですが、その後樹木の生育が進んだのか、今ではこのように大岳山の頂上が辛うじて頭を出しているだけでした。
その状況は富士山側の樹木にも言えそうな感じで、今でも名前通りに富士山が望めるのか気になりましたが、曇っていたこの日は遠望が利かず、確かめられずに終わります。展望のないあずまやで休憩だけしていきました。


富士見台を過ぎると、尾根上のササが濃くなって、道に少しかかるような区間もありました。
ほどなくベンチのある地点に出ると、南側が広く開けていて、晴れていれば富士山が見えるはずなのですが‥‥
残念ながら近くまでしか見渡せず、本来ならば右半分に写るはずの富士山は影も形もありません。ちなみに一番手前がお隣の浅間尾根で、その奥に笹尾根が同じような高さで重なり、さらに右端には権現山が見えています。
標高が1000mを超える尾根上では、紅葉もそこそこ見られましたが、見頃というほどではなく、日差しがないこともあって見栄えもパッとしませんでした。
大滝への降下点に着きました。“鍾乳洞と滝のみち” はここから下って行くのですが、それでは山に登らないまま終わってしまうので、今回はここを直進して大岳山まで往復してから戻ってきます。
ということで、さらに尾根上を進みます。この先は登りが続くものの傾斜は緩やかで、気持ち良く歩けました。


いよいよ大岳山に近づいて、大岳山手前の分岐点まで来ました。左右に分岐するのはどちらも巻き道に当たり、ここからは頂上を目指さずほぼ水平に進んで、大岳山の東側と西側にそれぞれ向かいます。
左に分かれる西側の巻き道は歩いたことがないので、大岳山に登った後は、そちらから戻ってくる予定です。
一旦は東側の巻き道に入りますが、前にも歩いているので、バリエーションの南尾根ルートに入ろうと思っていました。ほんの2~3分進むと、左の斜面に踏み跡を発見、何も目印はありませんでしたが、登ってみます。
すると、踏み跡はその先にも続いていて、これが南尾根ルートで間違いないようです。テープなどの目印類が一切見られないものの、そこそこ歩かれているらしく踏み跡は予想よりも明瞭で、進路に不安は感じません。
その代わり、急斜面をものともせずに直登するので、なかなか容赦ない感じの登りが続きます。傾斜は上部に行くほどキツくなり、頂上直下には両手を着いて這うようにして登るような箇所もあるほどでした。


大岳山に到着。この日が6回目の登頂となる頂上は、いつものように賑わっていました。
大岳山からの展望はこの通り。馬頭刈尾根の展望地からは見られた笹尾根も、霞の中に消えようとしています。
西側では、近くの御前山(写真右端)が雲の中だったので、大岳山に雲が出ていないだけ良しとしましょうか。

計画では、下山後は上養沢14:55発のバスに乗る予定だったのですが、急登が続いたにもかかわらず快調なペースで登れたことで、大岳山に予想外の早さで着いており、この調子なら1本前の13:13発に間に合いそうです。
ということで、眺めもないことだしと大岳山での休憩を短めにすませて、そそくさと下山を始めました。


大岳山での休憩後は、一旦逆方向の鋸山・奥多摩駅側へ。下る途中には足元に要注意の急坂もありますが、問題なくスムーズに通過していき、巻き道との分岐点で進路をぐるっと変えて巻き道に入ります。
西側の巻き道は、南下すると登り基調になるのが想定外でしたが、緩やかなのでペースを落とさず進めました。
大岳山西側の巻き道で見た紅葉が、この日のコースの中で一番見栄えがしていたでしょうか。
先程の分岐点まで戻ってきました。ここから大滝への降下点までは、さっき歩いたばかりの道を逆行します。
緩やかで歩きやすい道を下るだけなので、あっという間に大滝への降下点に戻ってきました。


大滝へ下る道も、はじめはとても歩きやすく、引き続き駆け下りるような感じに飛ばして下っていきます。
ところが、しばらく下って沢音が近付いてくると、石ゴロの道に変わって快適には歩けなくなりました。
このあと、足の置き場に気を遣ういやらしい感じの下りが、そんなに長い間ではありませんが少し続きます。
道が再び穏やかな感じに戻るのは、沢に沿って下るようになってからでした。


その先は沢に絡んで進む道となり、何回か飛び石で対岸に渡りますが、この地点をはじめ増水時に問題なく通れるのか気になる箇所もありました。このコースを降雨後に歩く際は、徒渉の可否に注意が必要かもしれません。
でも水が穏やかに流れている限りは、きれいな感じの沢でした(上の写真の徒渉点から上流側を見たところ)。
その後も沢沿いの道にしては、割と歩きやすい箇所が多かったです。
そして沢の近くに出れば、苔生した美しい景色に癒されます。
さらに下ると、沢のすぐ脇を通るような所も(写真右端あたりが登山道になっています)。
ずっと近くを流れていた沢が、ここから急に落ち込み、周囲にも轟音が満ちてきました。ということは‥‥


この日の一番の見所、大滝が目の前に現れました。
流量が豊富で、落差約30m(資料によってまちまちですが)を勢いよく流れ落ちる、とても力強い滝です。
本体が2段になっているほか、滝壺の下にも、小さな滝が続いていました。
大滝も、すぐそばまで近付くことができます。
見る人を圧倒するような豪快な滝ではないものの、さすがに至近距離から見ると迫力がありました。
滝壺に近付いても、飛沫を浴びるほどではありませんが、滝とともに吹き下りてくる、沢の冷気を帯びた風が清々しく感じられて、しばらく立ちすくんでしまいました。


大滝を後にして、登山道をさらに下っていくと、、、
間もなく林道に迎えられて、沢沿いの気持ちの良い道は終わりを告げました。
退屈な林道歩きの始まりです。
途中には大岳鍾乳洞があります。実は当初の計画通り、このあと上養沢14:55発のバスに乗るのであれば、かなり時間を余らせて下ってきているはずなので、その時間でここを見ていこうと楽しみにしていたのです。
でも1本早い13:13発の便に予定を変更した時点で、そこまでの時間の余裕が作れないことがほぼ確定済みで、実際もその通りで前を素通りすることになってしまいました。また近いうちに来られると良いのだけれど。。。
林道を30分ほど歩いて、バス通りに出たところには、大岳鍾乳洞入口バス停があります。
でもまだ早いので、目の前にある養澤神社(前の写真の左端に写る鳥居の奥)の境内で、少し時間を潰します。
ほんの2~3分歩いたところに、バスの起点である上養沢バス停があります。料金は同じですし、バスが早めに来れば乗って発車時刻を待つことができ、座る席も選びやすくなるので、そこまで行ってバスを待ちました。
まだ山から下りてくるには早い時間のためか、ここからこの便に乗ったのは6人だけでした。

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