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岩本山・明星山 [静岡]

2020/02/01(土)

■第423回 : 岩本山(192m)・明星山(224m)


今回は富士山の南西麓、富士川の河口からほど近い低山2座を巡ってきました。
富士山を間近からの大きな姿で拝めるのが魅力の山々で、この日もそれはある程度は楽しめたのですが、良く晴れていたにもかかわらず、なぜか富士山の周囲だけは雲がまとわりついて、この通り少しばかり残念な姿に。
それでも、開放的な頂上はどちらも思いのほか居心地が良い場所でしたし、ごく一部ですが南アルプスが眺められたりもするなど期待以上の展望もあって、季節を変えて再度訪れてみたくなりました。

 累積標高差(登り):416m / 距離:10.3km / 歩行時間:2時間35分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 06:07-06:10 町田 06:21-07:14 小田原
小田原 07:18-07:42 熱海 08:02-08:45 富士
富士 08:52-08:57 竪堀

(登山行程)
竪堀駅  09:00
実相寺  09:30
岩本山  10:00-10:10
明星山  10:55-11:10
富士根駅 12:00

(復路)
富士根 12:10-12:23 富士 12:27-13:07 熱海
熱海 13:13-13:34 小田原 13:57-14:52 相模大野
相模大野駅北口 15:20-15:30 市営斎場入口


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

JR身延線の竪堀駅から歩き始めます。
駅前から見た富士山は、中腹に雲が出ていて、せっかく近くから大きくて立派な姿を拝めるというのに、見栄えが今ひとつでした。山に登る頃までに、この雲が取れてくれれば良いけれど‥‥。


岩本山への登山口となる実相寺までは、竪堀駅から2km少々の距離があります。そこを歩こうとする人など稀なのか、道案内は皆無でしたが、駅の近くで大きな通りに出たら、あとは道なりに進むだけで大丈夫です。
30分ほど歩いて、実相寺の門前まで来ました。総門の上に見えているのが、最初に登る岩本山です。
門前にはバス停もあって、富士駅から富士市のコミュニティバスに乗って来ることもでき、ここで降りずにそのまま乗っていれば、なんと岩本山公園まで登ってくれます(月曜日~土曜日の運行で日曜・祝日は運休です)。


それでは、総門をくぐって実相寺の境内へ。1145年の建立と伝わる、のちに日蓮ゆかりの寺ともなる古刹です。
続いて山門(仁王門)もくぐります。平坦だったのはこのあたりまで。
実相寺は岩本山の南斜面にあって、斜面のあちこちに点在しているいくつもの伽藍が、石段で結ばれています。
最初の石段を登っていくと、右手に本堂が現れて、その前には日蓮上人像が威厳ある姿で立っていました。日蓮が立正安国論を著したのがこの実相寺とされていて、像の下には「立正安国」の文字が。
石段の続きを登って祖師堂へ。本堂よりこぢんまりしていますが、落ち着いていて美しい佇まいの建物でした。
祖師堂の左手から、「岩本山七面堂ハイキングコース」が始まります。
ハイキングコースといっても、しばらくは実相寺の境内を進んで、石段がそのままコースになっています。
次に現れたのは天神堂。周囲で梅の花がほころんでいたのが、いかにも天神さんらしい雰囲気でした。
天神堂のそばには少し開けた場所があって、見晴台として東屋が建てられていました。
見晴台からの眺めです。富士市街の先に、駿河湾や伊豆半島を見渡せました。
短い間隔で次々に建物が現れ、そのたびにひと息つけるので、石段の登りが続くのをあまり苦しく感じません。
石段をさらに登ると、また別の見晴台があって、そこにはハイキングコース中間地点の道標が立っていました。
見晴台の少し上には鐘楼が。1人1回だけ突いても良いらしく、ここを通る前後に何度か鐘の音を聞きました。
石段をもうひと踏ん張りしたところには七面堂。身延の七面山から御分体を戴いてお祀りしてあるらしい。
石段の登りは七面堂までで終わり、その先はほぼ平坦な舗装道路に変わりました。


ほどなく道路は岩本山公園の中へ。実相寺の本堂から20分ほどで、さほど汗をかかされずに登ってきました。
広々としてゆったり過ごせる公園です。一面の冬景色のようで、良く見ると梅がぼちぼち咲き始めていました。
梅園に入ると結構咲いていて、それがお目当てらしい来園者も少なくなかったです。
紅梅と白梅です。
公園内をさらに登っていくと、次第に甘い香りが漂ってきて、その独特の香りに、目に入ってくる前からからロウバイだと分かります。頂上手前の斜面ではロウバイが満開でした。
ロウバイと富士山です。


公園内を岩本山の頂上まで登ると、一番高いらしい地点に三角点がありました。
頂上にはパノラマ展望台も。もちろん登ってみます。
展望台の上には展望図がありました。
一番の楽しみだった富士山は、中腹に雲がかかったままだったのが残念でした(冒頭と同じ写真です)。
富士山の右には愛鷹山。
富士山から愛鷹山にかけてのパノラマです。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
南西側には、先月登ったばかりの金丸山や大丸山あたりが見えていました。
そして西側には安倍奥の山々に加えて、南アルプスもその一部が眺められて、こんな低山から見通せるなんて思っていなかったこともあり、これにはテンションが上がりました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
安倍奥の山々を大きく撮ってみました。何年も前から気になっているのに、まだどれひとつ登れていない‥‥。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
そしてこちらが南アルプス方面。帰宅後に拡大写真を良~く確認していたら、なんと北岳も見えていたのです。しかもこの見え方はこの時期ならではのことで、木々が葉を茂らせる季節だと全く見えなくなってしまうことでしょう。低山だと侮ることなかれ、こんなところに日本の標高トップ3が揃って見られる山があったとは!
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
南アルプスは、さらに悪沢岳(荒川岳)や赤石岳も頂上部が見えていたと分かって、ちょっとびっくりでした。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。


岩本山で展望を楽しんだ後は、万野方面への道を下ります。
こちらも木段が続いているものの、傾斜はさほどきつくありません。さらに、段と段の間にちゃんと土の地面があるところも、石段ですっかり固められていた実相寺からの道よりも足に優しい感じ。
やっと木段が途切れたのは、前方にもう道路が見えかかってきた頃で、ほぼ木段ばかりの道だったのでした。
ここで道路に出ますが、下っていた時間はたったの5分ほどで、山から下りてきたという実感は全くありません。それもそのはず、こちら側は集落が高いところにあるので、90mほどしか下っていないのでした。
道路に出てから、登山道を振り返りました。
次の明星山を目指して、しばらくの間は車道歩き。まだ下り切っていない分の標高差も、その車道で下ります。
岩本山と明星山を繋げて歩くことは想定されていないのか、途中には何も道案内がありません。何度もヘアピンカーブを繰り返して下った先では、2回続けてT字路を左折します。


明星山の登山口まで来ました。一般的な登山口の反対側になるからか、ひっそりとして素っ気ない雰囲気です。
登山道は、いきなり急な木段で始まりました。
段差の高いところが大半を占める、なかなか苦しい登りです。
しかもそれがいつまでも続きます。木段によっては、木段部分を外れて少し楽な脇の斜面を歩けることもありますが、ここではそういう箇所もほとんどなく、馬鹿正直に木段を歩くしかないことも、余計にきつく感じます。
送電線の下を通るあたりで木段が途切れましたが、傾斜が緩んだのはこの短い間だけでした。
すぐに木段地獄が再開すると、ずっと先まで木段が続く様子が見えていることで、精神的にも凹まされました。
どうにか小ピークを乗り越すと、その先の鞍部で、反対側にある一般的な登山口からの道を合わせます。このあたりから上の山頂部は、岩本山と同じように公園として整備されているようで、もう頂上が近そうです。
しかし、頂上直下も急な木段の連続でした。結局、登山口から頂上までの200m近い標高差の大半を木段の急登が占めていて、登るのも難儀でしたが、ここを下るのも結構骨が折れるのではないかと思います。


明星山の頂上に到着しました。広くて開放的な頂上部は居心地が良く、この時期は色彩的に少し寂しい景色ですが、芝生の広場ですから暖かい時期は一面の緑でしょうし、桜の木が多かったので花見の頃も良さそうです。
しかも登りついた時は無人で、この気持ちの良さを独占できました(その後何人か現れましたが)。
明星山も岩本山と同じように、一番高いところに展望台があるので、登ってみます。
富士山の周りには、これまで以上に雲が増えていて、ここでもスッキリとは見られずじまいでした。
でも富士山の以外の方角は概ね良好で、富士山の右には愛鷹連峰が、左には天子山塊が、良く見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
上のパノラマの右側、愛鷹連峰のアップです。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
同じく左側、天子山塊のアップです。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
振り返った西側には、岩本山からと同様に、安倍奥の山々などが眺められました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
上のパノラマの左端に見えていたのは、つい先月登った金丸山などですが、てっきり縦走した金丸山・大平山・大久保山・大丸山の4座が全部見られたものと思っていたら、頂上が見えるのは金丸山だけだったようです。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
そしてこちらは、2つ上のパノラマの右半分に見えていた安倍奥の山々です。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
富士川の河口付近と、その先に霞む伊豆半島です。
明星山の三角点は、広い頂上部の北西端寄りにありました。
三角点の近くから、頂上部を振り返っています。
頂上部の北西端まで来ると、展望台では樹木に邪魔をされていた南アルプスの見通しが良くなりました。
上の写真の中央あたりに写っている南アルプスのアップです。北岳は、明星山からは見えていないみたい。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
最後に、2つ上の写真では左寄りの樹木と重なっていて分かりにくいのですが、同じく南アルプスの悪沢岳(荒川岳)を、少し位置を変えて撮ってみました。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
登頂から15分くらい経っても、富士山はこんな様子。粘っても期待薄なので、諦めて下山することにしました。


明星山からは、3本ある北東側の登山口への道のうち、北西端からの緩やかな道を下ります。
なるほど、一応は木段にもなっていますが、その必要がないくらいの穏やかな傾斜で下っていきます。
驚いたことに、下り始めたと思ったら、ものの3分で駐車場に出てしまいます。こちら側は、登山口から頂上までの標高差が、なんと50mほどしかなくて、本当にあっという間でした。
もし車でここまで来たら、山に登る実感が何も湧かないうちに頂上に着いてしまいそう。程度の差こそあれ、岩本山もこんな感じでしたから、今回のコースは進行方向を逆にして歩くと全然違う印象になるんだと思います。


あとは長い車道歩きで、身延線の駅を目指します。広い道路も、当面は通る車が稀で、のんびり歩けました。
30分近く歩いた頃に、ようやく人家が現れ始めました。
交通量の多い通りに出たら、北東に直線距離で約900mの所に源道寺駅がありますが、その方向には潤井川を渡る橋がなくて遠回りになり、歩く距離では富士根駅への約1.6kmが最短らしいので、富士根駅を目指します。
富士根駅までは、明星山の登山口からサクッと歩いて50分ほど。もちろんその間に道案内などは皆無でしたし、地元の人しか通らなそうな細い道を結ぶ複雑な経路をたどるので、地図がなければ歩けなかったと思います。
富士根駅のホームから見た富士山もこの有様で、結局この日は富士山をクリアに見ることができませんでした。
昨年暮れに痛めていた腰の症状がまだ残っていて、行程を控えめにしたつもりの前回ですら、結果的にはオーバーワークだったようなので、さらに軽いコースをと考えて、今回は思い切り低い山を行先に選んでいました。
だから、楽に歩けることを重視して、山そのものには多くを期待せずに臨んだのでしたが、冒頭にも書いた通り、2つの山はいずれも、低いながらも居心地の良い頂上を持つ魅力ある山でしたし、頂上の公園が花々で彩られる時期になるとまた別の楽しみ方もできそうなので、今度は違う季節に出掛けてみようかと思っています。

タグ:静岡
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