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月山 [東北]

2017/09/09(土)

■第360回 : 月山(1984m)


今回の行先は、羽黒山・湯殿山とともに出羽三山のひとつに数えられ、古来より修験道の聖地として信仰を集めてきた霊峰・月山です。山形に前泊し、山行当日は南側の姥沢から入山、登頂後は北側に広がる弥陀ヶ原に下るという、山頂を挟んで南北に駆け抜けるコースを歩いてきました。

午前中快晴だった空は、登頂直前になって曇ってしまい、期待していた頂上からの展望は一切なし。でも天気は再び持ち直して、最後に訪れた弥陀ヶ原では、広々とした高層湿原を漂い始めた秋の気配を楽しめています。

 累積標高差(登り):890m / 距離:11.3km / 歩行時間:4時間20分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:6時間20分 

(往路)
[前日] 市営斎場入口 15:38-15:48 相模大野 15:56-16:37 新宿
    新宿 16:44-16:57 東京 18:00-20:47 山形 (泊)
[当日] 山交バスターミナル 07:20-08:01 西川バスストップ
    西川IC 09:00-09:49 姥沢

(登山行程)
姥沢バス停    10:00
姥沢小屋跡    10:10
牛首下分岐    11:05
牛首       11:30-11:35
月山       12:30-12:50
仏生池小屋    13:30-13:40
月山八合目バス停 14:55

(復路)
月山八合目 16:00-17:50 鶴岡 18:23-20:07 新潟
新潟 20:20-22:02 大宮 22:05-22:36 新宿
新宿 22:51-23:30 相模大野


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

山形で迎えた朝は、予報通りの快晴でした(駅ビルからの反射光が強すぎたからか、空の色がおかしな写真になってしまいましたが、朝に撮ったものです)。
駅近くのバスターミナルで、高速バスを待ちます。山形-鶴岡間の路線は、予約不要で使いやすかったのです。
高速バスを西川バスストップで下車。高速道路上のバス停を利用したのは、これが初めてでした。


高速のバス停から専用通路で一般道路に出ると、すぐ前に西川町営バスのバス停と待合所がありました。
西川町営バスの「西川IC」バス停は2箇所にあって、それぞれが高速の上り線または下り線に直結しています。
高速道を挟んで反対側にある上り線のバス停に移動してみたら、こちらにはただバス停が立っているだけでしたが、バスが先に来るのはこちらだと読んでいたので、ここでバスを待つことにしました(といっても待ち合わせが1時間近かったので、ここからさらに高速道に上がり、高速バスの待合室で腰掛けて待っています)。
案の定、バスはこちらが始発でしたし、ここで待っていたのが私だけだったのに対して、私がいなくなったあと下り線のバス停には凄い人数が集まっていたので、こちらから乗ったのは正解だったようです。
西川町営バスを終点の姥沢で降ります。このバスは出発時点では満席でしたが、乗客の大半を占めていた学校のクラブ活動っぽい団体さんが途中で降りていたので、最後まで乗っていた登山者は10名ほどでした。
上空には予報通りの青空が広がっています。この時点では、このままずっと好天が続くと思っていました‥‥。


歩き始めたら、まずはこの小屋で「月山環境美化協力金」を払います。1人200円でした。
そして間もなく、上のほうにリフトの駅が見えてきました。そこまでは舗装された道が続いているようです。
多くの人がリフトの駅へと向かって行く中、私はひとりこの分岐を右に折れて、道路から離れます。リフトを使ってしまうと、自分の足で登る標高差が450mほどしかなくて、ちょっと物足らない感じがしてしまいそう。
すぐに姥沢小屋跡を通過します。かつてここにあった立派な小屋は、2013年に豪雪で全壊してしまったらしい。


姥沢小屋跡の裏手から、いよいよ山道が始まります。まだ山の中腹ですから、てっきり登山道は森の中を進んでいて、涼しい木陰を快適に登れるものとばかり思っていたのでしたが‥‥。
ここが、普段の行先とは勝手の違う、豪雪地帯の山だということが頭から完全に抜けていました。月山では、標高1150mの登山口で、すでに森林限界に近かったのです。このため樹木の密度は低く、しかも低木ばかりで、満足な木陰を提供してくれません。気温が低いため、日なたを登っていても暑苦しく感じないのは幸いでしたが。
当然ながら、登るにつれて木々がどんどん減っていきます。一応日焼け止めを塗ってきているものの、これだけ日差しが強いと十分ではないかもしれないので、肌の露出を抑えたくなったのですが、中途半端な高さの樹木でも風通しを悪くする働きはしっかり果たしていて、ここでその対策を行うと暑くなってしまいそうです。なので、とりあえず帽子を被り、頭部と首筋の保護だけをキッチリするにとどめて、もうしばらく辛抱します。
もうすっかり日陰はなくなりました。気温の低さに加えて、冷たい風も吹いていて、その風に当たれば涼しくなれるのに、まだ風通しが悪くて常に風を感じられる状況ではないので、もう少し今のままで我慢します。
前方に見える景色がどんどん開放的になってきて、とても気分良く登れる道でした。
木道が続く登山道脇では、ニッコウキスゲのほか、アザミ、ミヤマキンバイなどが見られました。稀に見掛けたハクサンチドリは、どれも咲き終わりなのか、綺麗に咲いているものがなくて、写真を撮れなかったけれど。


牛首下の分岐点で、途中までリフトで登ってきた人たちと合流します。いよいよ草原の真っ只中に入り、風が良く通るようになって涼しくなったので、さらなる日焼け対策としてアームカバーを装着しました。
さらに登ると、大きな雪渓が目の前に。9月まで残っているということは、年中消えないのかもしれませんね。
稜線まで上がったところが牛首の分岐点です。前方を見ると、この先は頂上直下までやや急な登りが続いているようなので、それに備えて疲れが溜まってきていた足を少し休めていきました。


牛首を過ぎると、頂上までの標高差は約300m。まだ頂上は見えず、見えているのはその肩あたりでしょうか。
せっかく景色の良い稜線上に出たのに、西側に連なる雲に邪魔されて、見えてきたはずの日本海が良く分かりません。でもこの時は、まだ見られるチャンスが当然あると思っていて、この後まさか悪くなる一方だとは‥‥。
登山道の様子はこの通り。少々急勾配な上に、時々段差の大きな箇所が現れて、ゆっくり登らないと大変です。
かなり登ったあたりで、歩いてきた道を振り返ったところです。この時も、こんな景色なんてこのあともいつでも見られると思っていたのに、下界まで見下ろせたのは、なんとこれが最後だったのです。


鍛冶稲荷神社の前まで登ると傾斜が緩んで、頂上部も目前に迫りました。
広い頂上部に入りました。これでほぼ登頂したも同然ですが、最高点はもう少しだけ登った所にあるようです。
最後にこの階段を登れば頂上で、そこには月山神社本宮が鎮座しています。
ここから月山神社本宮に入ります。
月山神社本宮内は撮影禁止でしたので、登頂の証として月山神社本宮の登拝認定証を載せておきます。参拝料と引き換えに授与するものなのだから、参拝日くらいはちゃんと記入して欲しいと思ってしまいましたけれども。


参拝を終えて戻ってくると、それまで晴れていたのが一変、ガスに巻かれてしまいました。
頂上を振り返ってもこの通り。このあとここに滞在している間は、ずっとこんな調子が続きます。
西には日本海の大海原を一望できるはずだったのですが‥‥。
もちろん東側だって何も見えません。でも、ほんの30分でも早く着いていれば、また全然状況が違ったことでしょう。登り始めた時間が私と同じでも、途中までリフトを利用した人なら、展望を楽しめたのかもしれません。
頂上の東側は小さな湿原になっていました。展望が皆無なので、近くの池塘などを見ながらの休憩となります。


頂上での休憩を終えたら、北に伸びる緩やかな尾根を下っていきます。最初はガスの中でしたが‥‥。
下るにつれて天気は少し持ち直して、時々晴れ間がのぞくようになりました。
尾根の東側には広い湿原が見られました。行者ヶ原のようです。
傾斜が緩やかなところは、大抵は木道か石畳のようになっていて、とても気持ち良く歩けます。
しかし、ゴツゴツした岩の上を渡り歩くような箇所も結構あって、得手不得手が分かれそうな道です。私はこういう所は苦にならないので、難儀している人も散見される中、快調に下って行きます。
しばらく下ると、前方に仏生池小屋が見えてきました。


仏生池小屋です。
小屋の目の前には小さな池があります。特に標識はなかったけれど、これが仏生池なのでしょう。
仏生池小屋の屋根越しに、下ってきた尾根を振り返りました。


仏生池小屋を過ぎても、岩がゴロゴロした箇所の多い道が続きます。
慣れていない人には、相当に歩きにくい道なんでしょうね。頂上から月山八合目までの間は、登山地図の標準コースタイムがかなり長めになっているのが気になっていたのですが、その理由はこの道の状況にあるようです。
前方に大きな湿原が見えてきました。ゴール地点の手前に広がる弥陀ヶ原です。
次第に登山道脇の草丈が高くなって‥‥。
近くに池を見掛けるようになると‥‥。
間もなくその弥陀ヶ原に入ります。当初はこの分岐を直進して、月山八合目に直行する計画だったのですが、ここまで快調に下ってきたことで時間に余裕ができていたので、右折して弥陀ヶ原を巡っていくことにしました。
駐車場まで、直進すると30分、これから向かう右の道では50分となっているので、20分ほどの寄り道です。


弥陀ヶ原に入って、木道をのんびりと歩きます。
湿原を見ると、やや茶色を帯びた色彩に秋の気配が感じられます。もう少し遅ければ草紅葉を楽しめたでしょうから、ちょっと中途半端な時期に来てしまったのかもしれません。
それにしても池塘の多いこと。弥陀ヶ原の池塘群は「いろは四十八沼」と呼ばれているようです。
足元で咲いていたのは、リンドウなど秋の花々が主体でした。
ここまで下ってきても、日が差したり陰ったりで、スッキリとした青空は戻りません。雲の合間から月山の頂上が姿を現したのも、ほんの一時の間だけで、写真には収められませんでした。
湿原内で見掛ける人は数えるほど。とても静かに時が流れていて、1日を締めくくるには最高の雰囲気でした。
もう少し、弥陀ヶ原の写真とお付き合い下さい。


弥陀ヶ原を満喫したら、月山中之宮(御田原神社)から、駐車場やバス停がある月山八合目に向かいます。
弥陀ヶ原の外れにあったベンチ。湿原はこのあたりまでで、道も下り坂に変わっています。
ゴールの月山八合目に到着しました。写っている「月山レストハウス」で食事をしていくはずが、帰り支度をしたりバス停に並んだりしていたらタイミングを逸してしまって、ここでは食べ損ねてしまいましたけれど。
月山八合目のバス停は、駐車場の中にありました。バスは計ったように座席定員ピッタリの乗客数で発車、約2時間かけて鶴岡駅まで下ります。途中で経由した羽黒山界隈は、いかにも霊山といった神聖な雰囲気が漂い、往時の機能と景観が今なお保たれているという門前町の佇まいも印象的で、改めて訪れてみたくなりました。なおその羽黒山では、バスから降りた人よりも乗ってくる人のほうが多く、その先は何人かが立席になっています。
今回の遠征、行きは山形駅からのアクセスでしたが、帰りは鶴岡駅が起点となったので、行きとは全く違う新潟経由の経路となります。特急と新幹線を乗り継いで帰京し、帰宅できたのは日付が変わろうかという頃でした。

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