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飯盛山(八ヶ岳界隈) [八ヶ岳とその周辺]

2022/10/04(火)

■第456回 : 平沢山(1653m)・大盛山(1643m)・飯盛山(1643m)


この日は、八ヶ岳の好展望台として知られる飯盛山からの、360度の眺望を楽しんできました。

コロナ禍以降で一番の遠出となった今回、至近距離から拝める肝心の八ヶ岳が残念ながら雲に覆われていたものの、それ以外の方角はひと通り眺められて、スケールの大きな山岳展望を久しぶりに堪能できています。

この通り、樹木のない飯盛山からは周囲の山々をぐるりと見渡せて壮観でした。
西は間近に八ヶ岳、南には豪華な南アルプス、東には重畳たる奥秩父の山並み、そして北には浅間連峰。

 累積標高差(登り):758m / 距離:11.9km / 歩行時間:3時間25分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図収録外のコースを一部含むため) 

(往路)
古淵 06:08-06:30 八王子 06:35-08:09 甲府
甲府 08:51-09:43 小淵沢 10:07-10:32 清里

(登山行程)
清里駅   10:45
宮司の滝  11:10-11:15
(登山口)  12:05-12:10  (八ヶ岳スケッチライン)
平沢山   12:50-13:00
大盛山   13:10-13:15
飯盛山   13:20-13:30
平沢登山口 14:10
千ヶ滝   14:25-14:30
清里駅   14:50

(復路)
清里 15:42-16:05 小淵沢 16:36-18:11 八王子
八王子 18:16-18:39古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

下車駅はJR小海線の清里駅。訪れるのが4回目になるこの駅は、2011年以来で10年以上ぶりの再訪でした。
まずは駅に隣接する観光案内所に立ち寄って、パンフレット類をゲット。飯盛山のものは2種類ありました。
同じ電車から20人ほどが降りていたのに、私が案内所にいる間に目的地に向かわれたのか、駅前の道路に出てみるともう人の姿はありません。観光地とはいえ、平日のしかも遅い朝のこと、閑散とした雰囲気でした。


歩き始めは車道で、どんどん下ってしまいます。この区間は往復になるので、最後にここを登り返すのか‥‥。
大門川に架かる平沢橋が見えてきました。山梨と長野の県境を流れる川なので、対岸は長野県です。橋の手前で左右に道が分かれ、それぞれ近くにある滝に行けますが、ここから時計回りの周回コースで飯盛山を巡る都合から、まずは周回方向の左の道に入って宮司の滝へ向かい、右方向の千ヶ滝は最後に寄ることにします。
ということで、左方向にある、宮司の滝への遊歩道へ(この入口は上の写真でも左端に写っています)。
そこには清里フットパスの案内図も。でもせっかくカラフルで情報量豊富なのに、汚れて判読不能になりつつあります。帰宅後にググッても清里フットパスの記事はほぼ皆無で、現在はほとんど手入れされていないのか?
遊歩道の途中には、可愛らしい看板の数々が。滝までは子供たちの遠足でも歩かれているのでしょう。
いくつかの支沢を渡りながら、大門川沿いを上流へ。小さな登り下りはあるものの、穏やかな道が続きます。
飯盛山方面への分岐点に出ました。ここから滝までは往復になるようです。
最後に川際へ下りる手前には、大岩が乱雑に重なる難所があり、クサリやロープを頼って足場の悪い中を下ります。ここは観光客や子供には少々厳しいのでは?(私もクサリ場ではカメラを構える余裕はなかったです)
いよいよ滝が間近になると、川岸はどこも岩がゴツゴツしていて満足に歩けず、遊歩道は川に架かる橋の上へ。
遊歩道終点の橋の上から見る宮司の滝は、落差が小さめな代わり、3段に分かれて続くさまが風流でした。
滝の前にはモミジが枝を伸ばしていて、色付く時期に合わせて来れば、さらに優雅な姿が見られそう。


滝を楽しんだら、先程の分岐点へ戻ります。登りになって写真を撮る余裕ができたクサリ場はこんな具合。短くてさほど難しくもないのだけれど、途中の岩が邪魔で真っ直ぐに歩けず、足さばきが少々悩ましいのでした。
分岐点から、今度は飯盛山への道に進みます。ネットの情報では、笹薮が濃い区間もあるようなのですが‥‥
はじめに小尾根をグングン登るあたりは、道がやや細いかなと感じる程度の、いたって普通の登山道でした。
ひとしきり登ると不意に分岐があって右折します。どんな地図にも載っていない分岐で、てっきり1本道だと思っていたから、もし足元の小さな道標を見逃したら、目立って見えていた直進方向に進んでしまったかも。
直進方向は「学校寮群」となっていて、調べてみたら、尾根を登り続けて小海線の線路を渡り、国道141号の「学校寮入口」交差点付近に出る模様(国道から宮司の滝への道が分岐するのをストリートビューで確認可)。
その先は平坦に近い区間が多いなだらかな道になり、しばしば軽く登ったり下ったりしながら進みます。
じきに笹原に入っても、このあたりでは背丈がまだ低くて道も明瞭でした。
道が再び大門川に近付くと、やがて小さな橋で対岸へ。案内所にあった地図によると「銀の橋」というらしい。
「銀の橋」から見る上流方向の景色です。県境を流れる川ですから、この橋を渡ると長野県側に入ります。


遊歩道として違和感がなかったのは、実はこの橋まででした。渡った先では何度か道が不明瞭になり、その都度進行方向を注意深く見定める必要があったり、見つかった道も背の高い笹薮に覆われるようになったのです。
進むにつれて笹薮は深まり、しばしば人の背丈に迫る高さになって道も隠してしまいます。こんな状況でも地面には明瞭な道筋が付いていて、躊躇なく進めましたが、それは事前に笹薮が深いとの情報を得ていたから。
一般向けの案内図にお手軽な遊歩道っぽく書かれているコースゆえ、何も知らずに来たら、ここが正しいコースとは思えずに引き返す人も出てしまいそう。せめて案内図のこの区間に「笹薮深い」などの注記を添えるか、ちゃんと道が見える程度に刈り払いをするか、いずれかをすべきではないでしょうか。
防獣フェンスが現れたら、扉部分を開閉して先へ。ここには道標もあり、コース上にいる確認もできました。
フェンスの先で車の轍が残る林道っぽい道に合わさると、しばらくはほぼ平坦で歩きやすくなります。
ほどなく正面に何かの施設が現れて、車の轍もそこへ通じていました。ただ、そこが立入禁止だったので、少し手前から右に分かれる道に入ってみます。結果的に正しかったのですが、ここには右折の案内が欲しかった。
その道も、笹が深くて車の轍こそ見られないものの、平坦で道幅も広く、古い林道の成れの果てでしょうか。
この道にも防獣フェンスが。確かここも手前で道標を見ていて、それで不安なく通過できたように思います。
しばらくほぼ平坦な道を楽に歩けていましたが、ここを左に折れると、いよいよ本格的な登りが始まります。
笹原の斜面に取り付くと、登り始めはやや急に感じました。でも、急な登りは長くは続きません。
じきに勾配が落ち着いて、以降は楽に登ることができ、ここでは笹も道を隠すほど深くはなりませんでした。
登り一辺倒だった道が下りに変わると、車道の八ヶ岳スケッチラインに出ます。特に名前のない地点ですが、この車道からの登山口のひとつなので、この記事では「(登山口(八ヶ岳スケッチライン))」としました。


車道を横断した先に続く登山道は、登山地図で難路を示す破線で表記されています。積雪期には歩いたことがあって、その時は問題なく通れたのですが(とはいえ随分前(2010年3月)のこと、今では冬の様子も変わっているかもしれません)、この時期はどうなのかと思って見ると、取り付きの木段からして草木に埋もれてほとんど見えていません。こんな有様でちゃんと歩けるのかと不安になりつつ、覚悟して入ってみました。
すると破線路だけに、木段の先にも濃密な笹薮が続き、そこを構わず急登していきます。地面にハッキリと道が付いていても、それが目の高さから分からないほどの笹の海で、この様子ではろくに歩かれていないっぽい。
電波関連と思われる施設の横を抜けて行くと、そこにも防獣フェンスがありました。
その後も酷い笹薮が続いて、しまいには人が埋もれる高さになる始末。当分は好転する気配もなさそうです。
そんな中で地面にはなんと木段が。急斜面でのこと、大きな段差の登りに骨が折れましたが、ここが登りだったのはまだ救いだったかも。相変わらず笹で足元が見にくくて、もし下りだったらトラブルになりかねません。
結構登ったかなと思えてきたあたりで、激しかった笹薮がいくらか薄まって、やっと道らしくなりました。
すると視界が開ける場所も現れて、かなり近付いてきた今になってようやく、目指している山々を望めるように。手前に大きく見えているのが最初に登る平沢山で、右後方にチラッと見えているのは飯盛山です。
さらに進んで登り詰めた小ピークにはベンチが置かれていました(ここからの眺めは上の写真とほぼ同じ)。
一旦は開けたと思っても、その先で再び草藪に突入して、破線路区間は最後まで快適には歩けませんでした。


やっと平沢峠からの一般登山道に合流して、ここでついに歩きにくい道から解放されました。ヤレヤレ。
この先は過去に2度歩いている道で、何の心配もありません。一般登山道って、なんて歩きやすいんでしょう。
笹が現れても、もちろん道幅はしっかりと保たれています。これ以降はすれ違う人も多くなりました。
途中で傾斜が緩んで穏やかな道になってからは、小さな登り下りが続くのを少し長く感じました。
それでも巻き道との分岐点まで来たら、もうここは頂上直下です。


あとはひと登りで平沢山の頂上へ。着いた時は無人でした(数分後にご夫婦らしいお2人が到着するまで)。
以前は周囲に多少あった樹木がすっかり消えた開放的な頂上は、見晴らし抜群になりどの方角もスッキリと眺められて、実に気分爽快です。なのに空にはちょっと雲が多くて、大展望とまではいかなかったけれど。
平沢山の頂上標識です。背後の金枠(最初に来た2008年から変わってなさそう)は、元は何だったのだろう?
控えめな頂上標識のほか、三等三角点が埋まっているだけという慎ましさが、とても好ましく思える頂上です。

今回は3つの頂と2つの滝を巡り、そもそも見所が多かったばかりか、すでに書いてきたように途中の道もひとクセふたクセあって、写真数が多くなってしまったため、展望写真は別の記事に分けました。

平沢山からの展望写真は、こちらのページにまとめました


平沢山からの下りは、ザレザレの石ゴロ道。石車に乗って滑らないよう気を遣いました。
平沢山を巻いてきた道に合流したら、残る2つの山も標高がほぼ同じなので、もう大きな登りはありません。
平沢山の南側一帯は笹原で見通しが良く、心が弾むような道です。正面は飯盛山、右には遠くの富士山も。
次に登る大盛山は道標による案内はなく、飯盛山手前の分岐を「三沢」の指示標に従って左折します。
大盛山の手前にも防獣フェンスがありました。今日は良く見かけるなぁ(これで4つ目)。
大盛山の頂上が見えてきました。そこも今なら誰もいないようです。
到着した大盛山も、周囲を草原に囲まれていて、見晴らしは良好でした。
ところで、この大盛山は登山地図では平盛山となっています。地図に付属の小冊子には「平盛山」という標識が立つ写真まで載っていて、かつてここが平盛山だったことは間違いなさそう。現在の標識が大盛山なので、この記事でも大盛山を採用しましたが、1650という標高は明らかに間違いです(地形図の1643m標高点の地点ですし、「平盛山」の頃の標識には標高値も1643と正しく書かれていたのに)。これでは、なんか大盛山という名前まで疑いたくなりますが、ネットで調べても平盛山から大盛山に変わった経緯等は何も分かりませんでした。

大盛山からの展望写真も、こちらのページにまとめました


間近に隣り合う大盛山と飯盛山は標高も同じで、行き来は鞍部に軽く下るだけ。防獣フェンスはここにも。
なので、あっという間に飯盛山の直下へ。頂上部は、名前通りのお茶碗形の山容ですね。(冒頭と同じ写真)
飯盛山も、平沢山・大盛山と同じく好展望で、とても居心地の良い頂上です。ただ展望に関しては、あまりにも近くに隣接しすぎるゆえに、どの山からのものも印象がほとんど変わらないのですけれど。
飯盛山の頂上標識を正面から。ほぼ南側を向いていて、遠くには富士山が見えています。
私とは逆方向の周回が一般的なのか、飯盛山に着いたのは、先着していた全員が平沢山へ歩き始めて無人になってから。さほど広くない頂上も、私ひとりなら自由に動けて、同じ方角をもう少し大きく写してみました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
今度は頂上標識を裏側から。標識後方の左側は最初に登った平沢山、右はその次に登った大盛山です。
飯盛山から眺める、平沢山の頂上部です。
同じく大盛山の頂上部です。

飯盛山からの展望写真も、こちらのページにまとめました


3つの山からの展望を堪能したら、飯盛山直下の分岐点から、平沢登山口への下山路に入ります。
飯盛山から平沢への登山道は、良く整備されているものの、木段が連続していて快適には下れません。
執拗な木段は、こんな傾斜が緩い箇所でも全く途絶えなくて、下り続けるのがいい加減煩わしく感じてきます。しかし、これだけ広い道幅全体が裸地化している以上、これも道の保全には必要な措置なのでしょう。
中には木段がすっかり障害物と化した箇所も。整備しなければ、すぐに土砂が流れてしまう状況のようです。
しばらく下ってクランク状の柵を通過すると‥‥
その先には休憩舎が建っていました。
そこには林道が通じていましたが、登山道は林道には進まず、その手前を左へと下ります。
その後も傾斜が緩まるにつれて段の間隔こそ開くものの、相変わらずの木段で、普通の坂道に全然なりません。
ようやく建物が現れたと思ってもまだ終わりではなく、すぐにまた森の中に入ったらまたしても木段。結局この登山道は、最初から最後までずっと木段道でした。
再び建物が現れたところで舗装道路に迎えられ、やっと木段地獄から逃れられました。


少し車道を歩いて、平沢集落に入ります。変則的な四つ角まで進んできたら、その手前に「飯盛山登山南口駐車場」があったので、この四つ角を平沢登山口として記録しました。
その後は車道を軽く登り下り。小さな登りも、疲労が溜まってきた足には地味にこたえて苦しかったです。
見覚えのある地点に戻りました。大門川に架かる平沢橋です。
そこからは、最後のお楽しみに取っておいた千ヶ滝へ。まずは川沿いの車道を緩やかに下ります。
未舗装の車道はヴィラ千ヶ滝(宿泊施設)の前まで。さらに奥へ進むと、ここから川へと下るようです。
階段道に変わるとともに、滝の轟音が大きくなってきます。
さらに鉄階段が続いて、川辺に下りる頃には、あたりに滝からの水しぶきが舞うようになっていました。
千ヶ滝は水量豊富で豪快な、見応えのある滝でした。来て良かったと思います。
大量の水しぶきと太陽光の加減で、滝壺に落ちる少し手前のあたりに虹が出来ていて、縮小したこの写真でも、7色っぽく見える箇所がほんのりと残りました(さすがに元々の見え方を知らないと識別が難しいですが)。
難点を言えば、この滝を落ち着いて見られる場所はなかったようです。岩がゴロゴロと転がる川辺に安定して立てる場所は少なく、しかも水しぶきを浴びた岩だけに、立つには滑りやすく腰掛ける気にもなれないのでした。


そんな訳で5分ほどで滝を後にしたら、あとは清里駅へと戻るだけです。駅までは緩やかながら登りが続いて、疲れた足ではもうゆっくりとしか歩けない上、せっかく滝で涼んだあとなのに、最後に汗をかかされました。
清里駅まで戻ってきました。雲が多かったにしては、展望もまずまず楽しめたほうでしょうし、ついでに観光気分も味わえて、満足度の高い山行になったように思います。


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