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愛宕山・夢見山・大笠山・大日影山 (前編) ~ 山歩き編 ~ [甲府近郊]

2022/12/03(土)

■第459回 : 愛宕山(423m)・大笠山(550m)・大日影山(734m) (前編)


この日は甲府駅からの周回コース。まずは、愛宕山こどもの国の園内にあって、遊歩道で結ばれた3つの山に次々と登頂したのち、バリエーションルートで登る大日影山にも足を延ばして、計4座を巡ってきました。
また山歩きを終えたあとには、武田神社など武田氏と所縁の深いいくつかの寺社等にも訪れています。

 累積標高差(登り):706m / 距離:12.7km / 歩行時間:4時間10分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:26-05:49 八王子 05:51-05:58 高尾
高尾 06:14-07:43 甲府

(登山行程)
甲府駅     07:50
(途中、工事のため迂回あり)
愛宕山     08:40-08:45
夢見山     09:00
(ベンチで休憩:09:05-09:10)
大笠山     09:30-09:40
茶道峠     10:00
大日影山    10:45-10:55
躑躅ヶ崎園地  11:20-11:25
武田神社    11:45-11:55
護國神社    12:05
武田信玄公の墓 12:15
大泉寺     12:25-12:35
八幡神社    12:40-12:45
甲府駅     13:00

(復路)
甲府 13:32-14:32 八王子 14:40-15:03 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

JR甲府駅の北口広場からスタート。度々訪れている駅ですが、駅前から歩き始めるのは今回が初めてでした。
駅前の通りを東へ。最初に登る愛宕山はすぐ近くなのに、建物が多くてなかなかスッキリとは見られません。
T字路の突き当たりには、「古(いにしえ)の道」の案内図が立っていました。
その案内図です。「古の道」は甲府駅から武田神社へと至る、武田氏とゆかりの深い寺院を巡るコースですが、甲府市の観光情報サイトに概要が載っている程度で詳しい情報に乏しく、どこをどう通るのかなどの細部は現地でこの案内図を見るまで分からなかったので、こちらに 大きめの画像 を置いておきます。
今回は、下山後に武田神社から甲府駅へと戻ってくる経路でこの「古の道」との接点が多く、のちのちこの案内図を何度も見掛けることに。 ※下の画像にマウスを乗せると、私が歩いたコースを重ね合わせます。
早速「古の道」と案内されている小道に入ると、石畳風に舗装されたちょっと雰囲気のある道でした。
次第に坂道に変わっていきます。
「古の道」からはこの先で外れますが、途中からは愛宕山こどもの国や山梨県立科学館への案内も出てきて、愛宕山の登路もその案内に従うだけなので分かりやすかったです。
「みはらし台」があったのは、まだ大して登っていないあたり。でも、すでに甲府市街や南アルプスなどを見渡せていて、頂上での展望に期待が高まります。なお、これ以上登らない「古の道」とはここで一旦お別れに。


その先の掲示を見て愕然。こどもの国が改修工事中で、この道は頂上付近で行き止まりになり、こどもの国に入れない、だと?! 頂上もこどもの国の園内ですから、これでは登頂もできないことになります。しかも、通行止めにするなら迂回路もセットで提示して欲しいところ、それが何もないので甚だ不親切。
慌てて地形図を確認しても、近くに手っ取り早い迂回路は見当たらず、一旦下って山の南側に回れば登り直せそうなものの、それだと相当遠回りにもなってしまいます。でも今は休日の早朝だから、工事が行われていなければ通れるかもしれないし、とりあえず行ける所まで進んでから考えようと、この先へ向かってみることに。
少し進むと舗装路が終わって山道が始まります。ここにも先程と同様、こどもの国に入れない旨が掲示されている一方で、登ったところで目的地にたどり着けない道ならば入口を封鎖するほうが理にかなっていそうなのに、先に進むのを躊躇わせるような気配がまるで感じられず、普通に通れるのが意外に思われました。
山道を登って行くと、ご近所に在住とみられる軽装の方としばしばすれ違ったので(中には犬の散歩中の方も)、この道が開放されているのは、そういう方が普段通り散策できるようにとの配慮だったのかも。
しばらく登ると、前方にこどもの国の入口らしいゲートっぽいものが見えてきて、頂上部に入ったようです。
道がこどもの国の駐車場に突き当たると、そこから立入禁止になっていました。その先では、休日の朝にもかかわらず、すでに多くの工事関係者が慌しく動いていたりして、ここは素直に指示に従うしかなさそう。
ただ、工事区域から離れているのか、駐車場の見える範囲では人や車両や資材の動きがある程度です。そこをほんの40~50mも歩けば科学館などがあるエリアに抜けられますし、そのために歩行者用の細い通路を設けるくらい造作もなさそうなのに、全面的な立入禁止とされていることはとても安直に感じました。
昨今は良かれと思ってしたことでも、何か問題が起こればすぐ訴えられたりして、周囲への親切心よりも自らの保身をまず図っておかないと危なっかしい世の中になってしまったので、こんな風潮も致し方ないんですかねぇ。結局は不利益を被る人が多くなるばかりで、社会全体では損失が大きくなるだけだと思うのですが‥‥。
しかも、ここにも迂回路等の案内が一切なくて、本当に適切な迂回手段がないのでは?、とも疑われる状況です。しかし地形図によると、頂上部の南側に進んで一旦いくらか下りかけたあたりから、頂上部の東側を回り込む道に出られるように見えたので、そこに活路を見出すべく、もう少し足掻いてみることにしましたが、もしも地形図を見る手段がなかったら途方に暮れていたでしょうし、引き返すしかなかったかもしれません。
  ※それらの道はGoogleマップでは不掲載。やはり持ち歩くべきは地形図ですね(スマホにもアプリを入れてあるけれど)。


ということで、まずは頂上部の南側を目指します。左手に見える科学館の建物に間近まで迫れているのに、そことの間を高い擁壁が阻んでいて、仮に登れたとしても、敷地の外周を囲むフェンスが越えられないでしょう。
頂上部の南側で、せっかく一旦は近付いていた科学館の建物からやや離れると、少し開けた場所に出ました。
そこには甲斐奈神社の元宮がありました。現在は金手駅の近くにある甲斐奈神社が、元はここにあったとか。
少し下ると、頂上部の東側を北上できそうな道に入れました。地形図を見て目星を付けていた道でしょう。
途中の三峯神社への分岐では、すぐ上の祠まで登ってみたけれど、道はその先に続かず、引き返してきました。
さらに進むと「桜花の径」の石碑が。行先が何も案内されていない道なのを、不安に感じながら歩いてきましたが、こんな立派な碑が立つような道なら、きっとどこかに続いているだろうと期待が持てました。
やがて前方にガードレールが現れて、山の東麓から登ってくる車道に出られそう。これで迂回成功です。
結局、結構な遠回りこそさせられたものの、余計な登り下りはほとんどせずに済み、時間を浪費しただけで体力的には楽に歩けました。先程の通行止めの地点でこの迂回路を案内しないのは、一体何故なのだろう?


あとは難なく愛宕山の頂上部へ。右前方のバリケードの40~50mほど先に先程の通行止めの地点があります。
そこには「県立科学館」バス停があって、甲府駅からバスで来ることもできます。実はここには 2011年に「武田の杜遊歩道」を歩いた時 にも来ていて、その際は22kmに及ぶ遊歩道の全体を歩き通すので精一杯だろうと、起点に選んだこの地点まではバスで移動して来たのでした(歩いて来なかったので、愛宕山はその日登った山には含めず、最高点もスルーしました)。その時に立ち寄らなかった愛宕山の最高点に、今から向かいます。
愛宕山の頂上を目指して山梨県立科学館の敷地内に入り、展望台を案内する標識に従って階段を登ります。
奥に見えてきた天体観測ドームの周囲が最も高い場所らしく、そこが展望テラスにもなっているようです。
展望テラスに上がりました。西側の景色は天体観測ドームやプラネタリウムに遮られていますが‥‥。
南側から東側にかけての、広角の眺望が目を見張ります。ちょっと雲が多かったのが残念ですけれど。
こちらは南アルプスなどが眺められた南側。
そして東側には富士山周辺の山々が。でも肝心の富士山は雲が隠してしまっていました。
パノラマ写真を、まずは南側から。こちらは右端で甲斐駒ヶ岳に雲がかかり気味な以外は上々の眺めでした。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
一方の東側は、雲が多かったばかりか、この時間は逆光で写真を撮るには厳しい状況でした。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
南アルプスの北部を少し大きめに撮りました。甲斐駒は、タイミングによって頂上だけは見えていたり。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
少し左にカメラを振ると、身延線沿線の山々が並ぶ眺めになりました。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
さらに左を向いて、こちらがほぼ南側の眺め。一番高く見えそうな毛無山には雲がかかっていました。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
南東側は雲と陽光であまり絵になりませんでした。富士山も全く見えていませんし...。
    ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


さて、今いる山梨県立科学館の展望テラスが、愛宕山で一番高い場所になるのは確からしいものの、それはあくまで建物の上でのこと。自然地形での最高点は、少し北側に遊具が立つのが見える、あの丘の上になりそう。
なので、来た道を少し戻ったら、円形広場の階段を上がって、最高点っぽい場所も踏みに行っておきます。
このあたりが最高点でしょうか。こどもの国や科学館の建設で地形も変えられていそうですが、旧版の地形図では、かつてこの付近に三角点(その標高が422.9m)があったとされていて、元からこのあたりが一番高かったと考えられそう。特にそれらしい標識等は見当たらなかったけれど、この記録ではここを頂上としました。
※なお、2021年に甲府市が25座を選定した「甲府名山」に、この愛宕山も選ばれていて、事業の一環で各山頂に「甲府名山」の標柱も立てられましたが、愛宕山の標柱はここではなく、この日は工事中で入れなかった自由広場への登り口あたりにあります(ストリートビューで確認可)。ただ、自由広場だとここよりもずっと高くて、地形図の430mの等高線内ですから、「甲府名山」の資料が愛宕山の標高を423mとしていることと辻褄が合わなくて、標柱の立つ位置が適切とは思われないのが残念な感じです。


次の夢見山も愛宕山の近くにあって、この高架橋を渡って自由広場を横切ればすぐに着けそう。でも自由広場はまさに改修工事の核心部で(再整備中らしい)その中を通れず、高架橋も途中までで通行止めでした。
しかし高架橋を渡るつもりは元々なく、下に降りて先程のバス停付近に戻ってきました。というのも、もしも工事が行われておらず、写真の左奥方向に進めれば、愛宕山の「甲府名山」標柱を見られたはずでしたから。
それはともかく、上の写真のバリケードには様々な掲示もありました。このあと向かうつもりの夢見山と大笠山もこどもの国の園内ですから、予定通りに歩けるか不安だったのですが、どうやらそれらが工事区域から外れていることと、自由広場を通らなくても行けるらしいことが分かって、胸を撫でおろしています。
ちなみに、この工事は来年3月いっぱいまでの予定とされていて、甲府駅側からの遊歩道の通行止めもそれまで続く可能性がありそうですから、その間に愛宕山に遊歩道で登る予定の方はどうぞお気を付け下さい。
こちらは変形自転車広場(地図右上)への迂回路の案内で、ほぼ同じ方角の夢見山にもこの要領で行けそう。
2度目の迂回は小さな遠回り程度。車道を軽く下れば、数分で現在のこどもの国の入口となっている地点へ。
そこから山道をちょこっと登ればすぐに‥‥。
元々歩く予定だった遊歩道に突き当たりました。工事による規制はこの左側までで、右へ進む分にはもう何の制限もありません。ここまでなかなか順調に進めなかったけれど、この先はようやく計画通りに歩けそうです。


すぐに車道を跨ぐ橋に差し掛かると、左前方に夢見山のこんもりとした盛り上がりが見えてきました。
橋を渡れば、いよいよ夢見山が目の前に。この高さなら、あっという間に登れてしまえそう。
夢見山への登り口は、上の写真のT字路をわずかに直進した先にありました。
一応階段状に整備された道がありますが、不揃いな岩が並んでいるため足元が不安定です。しかも季節柄、岩と岩の間を滑りやすい落ち葉が埋め尽くしていて、足運びには気を遣いました。
登る高さは20mもなかったくらいで、1~2分でもう頂上でした。
夢見山は、頂上部も岩が乱雑にゴロゴロ転がるばかりで平坦な場所がなく、どこにいても落ち着かなくて居心地は今ひとつ。展望もないことだしと、写真だけ撮ったらすぐに引き返しています。
夢見山には標識が2つあって、右側の茶色のものが、愛宕山では見られなかった「甲府名山」の標柱でした。


夢見山への登り口に戻ったら、こどもの国園内の遊歩道をさらに先へと進みます。
ベンチがある場所に出たので、次に向かう大笠山への登りに備えて、少し足を休めていきました。
そこではベンチの反対側の斜面が階段になっています。地形図で、大笠山の登り口に階段が書かれているのを見ていたため、ここがそうに違いないと思って登り始めてしまいましたが、それは早とちりでした。
そこから登っていくと階段はすぐに終わって(あれ?)、普通の山道になってしまいます。
やがて別の遊歩道に出たら、もう上に続く道がない様子です。そこに案内図があったので確認してみると‥‥
予定していた登山道とはかなり離れた所を登っていたと分かりました。でも幸いにこの地点からは、本来の登山道に向かう道もあり、図らずも少し近道を通ったような具合になったから、結果オーライだったような。
    ※下の写真にマウスを乗せると、道間違いの状況を補足します。
予定していた登山道へと移動中。ここはあまり歩かれていないのか、少々頼りない道でした。
ほどなく舗装され、かつ手すり付きの立派な園路に出ました。これが大笠山への正しい道でしょう。そういえば、正しい登り口に大笠山を案内する道標があることを知っていたはずなのに、道を間違えたことでそれを見ていないことにも気づかずに登り始めていたようで、少々注意力が散漫だったのかも。
結構な斜度の道です。ここまで公園内の遊歩道みたいな道ばかりだったので、急な登りが続くのは初めて。
所々に眺めの良い場所も。とはいえ山登り気分に浸るには、舗装路というのが少々いただけなかったですが。
舗装路のまましばらく登ってしまったのち、かなり標高を上げたあたりで、ようやく山道に変わりました。


ちょっとした平坦地に出ると、遊歩道で登れるのはここまででした。大笠山の実際の頂上はもう少し登った先になりますが、一般的にはここが頂上とされているらしく、「甲府名山」ほか2種類の標識なども見られます。
ここで特筆すべきは、それらの標識に添えられた標高値。どちらも548mとなっていて、それが、標識が立つこの地点の正しい標高らしいのです(背後の頂上は地形図の550m圏の等高線内ゆえ550m以上あります)。
この手の標識ときたら、頂上とかけ離れた地点にあっても、頂上と同じ標高が書かれた物ばかりで、粉飾まがいのインチキ臭さに辟易することが多いのに(もちろん場所や状況により、それが相応しいと思える物もあります)、この標識は頂上のすぐ近くにありながら、それでも頂上とは異なる標高をきちんと掲げていて、少しの誇張もしない誠実さは賞賛にも値すると感じました(単に標高に誤認があるだけかもしれませんが)。
さらにそこにはコンクリートの構造物も。かつてここにあったというジャンボ滑り台の残骸でしょうか。
平坦地より上にしっかりした道はなく、あとは岩の間を縫って歩きにくい斜面を適当に登るしかありません。
それでも2~3分も登れば大笠山の頂上に到達です。踏み跡すらほとんどなくて、ここまで来る人は少なそう。
そこには私製の標識が1つあるだけ。ここで気になったのは、その私製標識も標高を548mとしていたことで、その根拠が何なのかが謎でした。地形図の旧版を2世代遡っても、この地点には標高の記載がなく、地形図が由来ではなさそうなので、ほかに大笠山の標高を548mとする何かしらの資料が存在するのでしょうか?
頂上を少し通り過ぎて振り返っています(右端の樹木に見えるのが私製標識の裏側)。この通り展望は全くなく、腰掛けられる場所にも乏しくて、気持ち良く長居できるような雰囲気ではない地味な地点でした。
さて、大笠山まではほぼ愛宕山こどもの国の園内に終始して、ここが3つ目の山になる割にあまり登山をしたという実感はなく(歩いた距離も登った標高差も小さめですし)、そうなることは計画時点でも察しが付いていたので、ここからさらに尾根伝いに大日影山まで足を延ばすコースを考えてきていました。
この先になると、もう整備された登山道はなく、いわゆるバリエーションルートの範疇に入るので(ルートファインディングを要するほどではないけれど)、登山としてはいよいよここからが本番、といった心構えです。


大笠山から北に下り始めてみると、なんと地面には踏み跡すらほとんど見られません。でも幸いに尾根が延びている方向が分かりやすくて、勘に頼って何となく進んでいても尾根筋を大きく外す心配はなさそうでした。
大量の落ち葉が地面という地面を覆い尽くして、どこも同じように見えてしまう斜面は、適当に下るしか手がありません。普段ならうっすらと見えるのかもしれない踏み跡を、夥しい量の落ち葉が隠しているようにも思われて、このようなコースを歩くのに適した季節ではなかったと今さら悟っても、もう後の祭りでした。
でも樹木に控えめなペンキマークが付いていたり、稀にはテープを見掛けることもあって、途中からはそれらにも助けられつつ下れましたし、尾根が狭まった下部になると、踏み跡が収束して分かりやすくなりました。
鞍部まで下り切って車道が見えてくれば、不明瞭な道を歩く区間もここまでです。
そこはT字路になっていて、次の大日影山への登り口は、直進方向に林道を進んだ先にあります。
しかしその前に、右手側に峠のサミットが見えているので、ちょっくらそちらへ向かってみます。
サミットを過ぎて少し下り始めた先に、茶道峠の道標が立っていて、それを撮るためだけの寄り道でした。


T字路に戻って林道を進むと、右に大きく曲がったのち左カーブが始まるあたりで、山道が分岐していました。
ピンクテープだけが入口を示す山道に入ると、細くて頼りない印象の道は登り口付近だけで終わり‥‥。
すぐに尾根に上がったらあとは広い道に。道案内は一切ないけれど、これだけ明瞭なら何の心配もなさそう。
登るにつれて切り開きの幅が広がって、これは完全に防火帯ですね。人が歩く前提の道ではないからか、かなり急な勾配になる箇所も多く、それでもジグザグを描かずに直登するので、相当きつい登りです。
しかもそんな急斜面を覆う大量の落ち葉に足を取られて、登りでも厄介な箇所も。そしてそれが長く続きます。
かなり登ってからは、尾根上に時折小さなコブが現れて、軽いアップダウンを交えるようになります。
そのあたりでは傾斜も緩んで、気持ち良い尾根歩き気分を味わえたりもしましたが、それも束の間‥‥。
上部は落ち葉が滑る急斜面の再来で、体力的に結構堪えました。景色も変化に乏しく、単調な道のりでしたし。
それでもこの大岩が現れる頃には、空が広く見えるようになっていて、頂上が近そうな予感を励みに登ります。


苦しい登りの末にようやく着いた大日影山は、防火帯が頂上まできっちり続いていたことと、左側(下山方向)から別の防火帯も合わさってきたことで、上空が大きく開けた開放的な場所になっていました。
そこは人工物がほとんどなく、寂峰という形容がお似合いの、慎ましい佇まいが好ましく思える場所でした。
ある物といえば、鳥獣保護区の標識と、2つの私製の山名標(ここに写るのがそのうちの片方)だけです。
もう一方の私製山名標がこちらで、先程の大笠山にあったものと同じ方の手によるものでしょう。
展望はほとんどありませんが、葉を落とした樹木の間から、茅ヶ岳と金ヶ岳を眺められました。


あとは気楽に下るだけ、といきたかったところ、その下りがなかなか厳しくスリリングで痺れました。
登ってきた尾根よりもさらに急勾配の防火帯は、上から見下ろすとまるで絶壁のような角度に見え(写真では伝わらないけれど)、そこに滑りやすい落ち葉が厚く降り積もりまくって、とても無難に下れるようには思われなかったのです。こんな季節に下りに来るような道でないのは明らかで、どうか何事もなく済みますように‥‥。
足を取られないよう、一歩一歩慎重に足場を見定めながら下ります。でもあまりの傾斜に、どうしても滑るようにしか降りられない場所も度々で、かなりの緊張を強いられましたし、軽い尻餅も1度つかされました。
途中で一度傾斜が緩んで楽に歩けるようになったりしても、それは長続きせずに再び急坂に突入です。
かなり下った頃、ついに道がジグザグを描き始めると、やがて傾斜も収まって、ようやく普通に歩ける道に。
唐突に、少し開けた場所に出ました。この場所が何なのかは分からず、ただ通り過ぎるだけでしたが‥‥。
そのすぐ下で、目指してきた「武田の杜遊歩道」に合わさりました。2011年に全線を歩き通した遊歩道です。
そこに立っていた道標には、私製の指示標が追加されていて、下ってきた大日影山などを案内していました。
遊歩道を進むと、ほどなく躑躅ヶ崎園地に出ます。2011年の記録を振り返ると「展望の良い場所」と書いていて、南アルプスや櫛形山などを眺めた写真も撮っていたのに、この日は展望など何も目に入らず。過酷だった下りに疲弊してその余裕がなかったか、それとも11年の時を経て見える景色も変わっていたか、どちらだろう?
それはさておき、11年ぶりの再訪となった園地の休憩舎で、長い急坂と格闘した足を少し休めていきました。


ここからはもう遊歩道を進むだけですから、安心して歩けます。躑躅ヶ崎園地の少し先で、武田神社への道が分岐するので、「武田の杜遊歩道」とはここで別れて武田神社へと向かいます。
遊歩道の本線から外れたからか、少し細い道に変わったものの、整備はきちんとされていました。
2箇所ほどあった分岐にも道標がしっかりと立っていて、道案内も万全です。
次第に下界から人の声などが届くようになってきて、観光地の武田神社にどんどん近付いている気配。
森の中を抜けると、ちょっとした橋を渡ります。
橋の上からは、ほど近くに武田神社に隣接する史跡公園が見えていて、そこには観光客の姿もちらほら。結局、最初に愛宕山へ登る途中で散歩中の人たちとすれ違ったのを最後に、以降はここまでハイカーを全く見掛けることのないまま歩いてきたので、久しぶりに見る人の姿でした。

武田神社まで下ってきて、この先は街歩きに変わりますから、山歩きと言えるのはここまでとなります。今回は予期せぬ事態の発生も絡んで写真数も多くなりましたので、ここで記事を分けることにしました。

この続きは 後編 をご覧下さい。


タグ:甲府近郊
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