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思親山 [富士山とその周辺]

2012/12/08(土)

■第244回 : 思親山(1030m)


富士山の展望を楽しみに、日蓮の伝説が名前の由来(別の説もあります)となった思親山に出掛けてきました。
しかしこの日は西からの季節風がすさまじく、尾根道では唸りを上げる烈風を容赦なく浴び続ける厳しい条件。
防風性抜群のジャケットのおかげで、どうにか寒さに耐えて頂上に立つと、そこからの展望はこの通り申し分ないものでした。何故か頂上では風が穏やかで、刻々と変わりゆく富士山の姿をゆっくりと堪能できています。

 累積標高差(登り):1035m / 距離:12.7km / 歩行時間:3時間30分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 04:45-04:49 町田 05:11-06:11 小田原
小田原 06:22-06:45 熱海 06:49-07:29 富士
富士 07:45-08:36 井手

(登山行程)
井手駅    08:40
八木沢    09:10
林道終点   10:15
思親山    10:55-11:25
佐野峠    11:45-11:55
本村バス停  12:40
上佐野バス停 12:50

(復路)
上佐野 13:17-14:04 内船 14:25-15:25 富士
富士 15:28-16:09 熱海 16:17-16:38 小田原
小田原 16:50-17:50 海老名 (人身事故のため、海老名で運転打ち切り)
海老名 18:02-18:13 大和 18:20-18:35 相模大野
相模大野 18:45-19:00 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

JR身延線を下車した井手駅は、小さな待合室があるだけの無人駅でした。
西に見える篠井山は、上のほうが白く見えています。これから登る思親山とは標高が400mほど違いますが、雪に対する備えを何も持たずに来ていたので、少し心配を抱えてのスタートとなりました。


駅のすぐ隣にある踏切を渡って、しばらくは車道を登ります。
はじめは九十九折りの道で、どんどん登っていきます。まだ紅葉が楽しめる場所もありました。
この日のルートは、全体が東海自然歩道と重なっています。このため標識等による案内は親切でした。


八木沢集落の十字路に差し掛かりました。右折してすぐの所には源立寺バス停があります。
思親山は直進していきますが、帰りには、交差する道をバスで右から左へと横切る予定です。
集落の中を登っていくと、道の脇には茶畑が広がっていました。
道端には、山頂までの距離を示す小さな標識が現れます。先程の十字路で「思親山まで5.4km」というのを見ていて、それが最初だった模様。その後も律儀に200m間隔で現れて、道案内をしてくれました。


ほどなく、道路から山道が分岐します。
いくらも歩かないうちに、また車道にぶつかりますが、車道と比べると歩く距離をかなり短縮できていました。
すぐにまた、山道が左に分岐していましたが、そこには道標がなかったので無視して車道を進みます。
するとすぐにその山道が合わさってきて、出口側には東海自然歩道の道標が立っていました。
でも、斜面を登ったらすぐに降りてくるだけなので、ここで山道を歩くのは徒労に過ぎないと思います。
車道を少し進むと、三たび山道が分岐していました。ここも、どうせすぐ車道に戻るのが目に見えていたのですが、地図を見る限り変なアップダウンはなさそうなので、山道に入ってみます。
荒れ気味で歩きにくかった山道は、やはり車道の脇を少し並走しただけで、また車道に戻ってしまいました。
車道とはいえ全然車が通らないので、ここも車道を歩いた方がマシだったでしょう。
結局のところ、ここまでの3箇所の山道区間で、歩く価値があるのは最初の区間だけなのではないでしょうか。


その先は、しばらく車道を進みます。
次に分岐する山道は、地形図の破線路通りの地点に現れました。
まず車道をショートカットしてから、その車道を横切って進みます。
すぐにまた車道を横断しますが、この車道を見るのはここが最後となりました。


車道を離れて本格的に山道を登り始めますが、強風で舞った枝などが地面に散乱していて、とても歩きにくい状況でした。
ところどころで木段を見ますが、このように段が埋まって、ただの坂道に戻っている箇所も。
ベンチのある分岐点に出ました。ここは地形図でもT字路になっています。
ただ、地形図では西に分岐する山道が寄畑駅まで続いていますが、道標は「内船→」となっていました。
きっと、すぐ下の車道までは歩けても、そこから下の区間では山道が消滅してしまっているのでしょう。


その後も植林帯を登っていきます。この植林帯は頂上直下までずっと続きました。写真では穏やかな晴れ間にしか見えませんが、西からの強風が絶え間なく吹き荒れていて、その冷たさも半端ではありません。
ここで未舗装の林道に出て、ちょうど車で上がってきていた人を見掛けました。
車道としての林道はそこが終点で、その先(写真右奥)にあるのは車では入れなさそう踏み跡程度した。
一方、登山道は左のスロープを登って、さらに登り続けていきます。


寒風吹きすさぶ尾根道をしばらくを登った後、970m峰(相之山)を巻いてその西側をトラバースします。
西側の斜面だけに強風にさらされ続けて、防風性の高いウェアを着ていなければ、厳しい条件だったでしょう。
トラバースを終えて尾根に復帰する手前の分岐点。ここから内船へ下る道は、「悪路」とされていました。
ずっと全く景色のない道を歩いてきましたが、984m峰の付近を過ぎると、木立の間に下界が見えてきました。
たぶん内船のあたりの町並みだと思います。肉眼では、ひとつひとつの建物がハッキリと見えていました。
ただ、この高さまで登ると風の唸る音が凄まじく、風圧も強烈で、カメラを固定して構えるのも苦労しました。
思親山の頂上直下です。この最後の登りが、もっとも傾斜がきつかったと思います。


思親山の頂上に着きました。意外なことに、頂上では風が穏やかです。強く冷え込んでいた訳でもなく、日差しを受けていると普通に過ごせたので、思いがけず長居してしまいました。
ゆったりとした広さのある頂上です。
単独行の男性が先着していましたが、間もなく彼が下山してしまうと、以降はこの広さを独り占めでした。
山の頂上にしては珍しく、こんな小洒落たベンチとテーブルの組があります。
三角点は二等三角点でした。


山梨百名山も58座目になりました。
思親山からの展望は、なんといっても富士山です。着いた時には頂上に雲がかかって残念な姿でしたが・・・
30分ほど粘っている間には、雲が晴れてクリアに見える瞬間もありました(トップの写真と同じです)。
西側からの眺めでは、大沢崩れの規模の大きさが良く分かりますね。
クリアに見えたほんの数十秒後にはこんな状況に戻っていたりして、その変わりざまはネコの目のようでした。
でも、登山前と下山後はずっと厚い雲に覆われていたので、ちょうど良い時間に登っていたようです。


富士山の左側には天子ヶ岳が見えていましたが、見通しがきくのはそこまででした。
そして富士山の右側には愛鷹連峰が続きます。こちらの方向は霞んでいて、駿河湾は未確認です。
振り返ると、安倍奥の山々は木々が邪魔をしていて、一部を除いてスッキリとは見られません。
左の丸いピークは井手駅からも見えていた篠井山で、右側で双耳峰のように見えているのは十枚山。
さすがに標高の高い十枚山は、中腹のあたりまで白くなっていました。


思親山を後にして下り始めると、すぐに分岐点に出ました。
どうやら林道の終点にすぐに降りられるようなのですが、そんな所からで山に登った気分になれるのかな?
それから、左端には下ってきた木段が写っていますが、これがまた歩きにくくて閉口しました。
思親山から佐野峠への下りは、はじめに3つほどのコブを越えていきます。
なんか登り返しがキツイなと思って地形図を見たら、なんと2番目と3番目のコブは思親山よりも高い1040m台の標高があって、実はこの一帯の最高点はその2つのコブのどちらかなのでした。
コブをすべて越えると、感じの良い落ち葉道に変わります。
落ち葉道が終わると木段が現れて、以降は佐野峠に下るまでのほとんどの区間が木段でした。


佐野峠まで下りてきました。ここには車道が通じていて、駐車場とトイレ(右端の建物)があります。
これからの時期、山のトイレは凍結のために使用中止が多くなりますが、ここは水道こそ止められていたものの、トイレはまだ利用可能でした。
駐車場の端にはあずまやもありました。
佐野峠からも富士山が眺められて、その左には天子ヶ岳や長者ヶ岳などの山並みが続いていました。
なお、いくつか写り込んでいる黒い斑点は、強風で折られて舞い上がっている木の枝などです。
ひときわ風が強くなると、夥しい数の枝などが巻き上げられ、上空が一旦真っ黒く染まるほど。かなり大きな枝も飛び交い、それが近くに落ちたりして大変危険です。写真は屋根のあるトイレに避難してからカメラを構えたものなので、写せたのが舞い残りの小物ばかりになっていて、危なさがあまり伝わらないかもしれませんが‥‥


佐野峠には5本の道が通じていますが、写真右側の道を少し進むと、東海自然歩道への降下点があります。
上佐野集落へ下る道は、傾斜は緩やかなのですが、かなりの石ゴロ道です。
しかもそれが落ち葉で隠されているので、この時期に下りで歩くのはあまり快適ではありませんでした。
途中には、山の中では滅多に見ないほどにしっかり作られた階段が出現します。
さらに進むと、今度は立派な橋が現れました。このあたり、やはり東海自然歩道クオリティなのでしょうか。


しかし、沢沿いまで下ると、橋が流されたままになっていました。
この日は流れが細かったので、石伝いで適当に渡れていますが、水量が多い時は通過困難かもしれません。
この沢は、かなり激しく荒れることがあるようです。
根こそぎ倒れた大木が流れてきたりしていたので、小さな橋などひとたまりもなかったのでは?
間もなく雪で閉ざされる時期に入りますから、復旧は来春以降になるのでしょうね。


沢を渡った先では穏やかな道が続いて、やがて前方から車道に迎えられました。
車道に出ると、その先には茶畑が続く美しい景色が広がりました。


東海自然歩道を外れて、バス通りをめがけて下っていくと、そこには本村バス停がありました。
ここが、佐野峠から下ってきた時の最寄りのバス停ということになります。
ただし、通勤通学向けの町営バスのため、運行日は平日・土曜となっていて、日曜・休日は運休です。
バスの時間には余裕があったため、始発点の上佐野バス停まで歩いてきました。
集落名そのままのバス停なので、集落の中心にでもあるのかと思っていたら、集落を行き過ぎた外れの殺風景な場所にあったのは期待外れでした。たぶん転回場所をそのまま起終点にしただけなのでしょう。
やって来たのは小振りのマイクロバスで、内船駅までの全区間ずっと、私が唯一の乗客でした。
でも、親切で気さくな運転手さんと、いろんなお話ができたので、良かったです。
JR身延線の内船駅は、朝に降りた井出駅の2つ隣です。駅舎は立派なのに、ここも現在は無人駅でした。

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