SSブログ

松手山・平標山・仙ノ倉山 [上信越]

2010/10/23(土)

■第186回 : 松手山(1613m)・平標山(1983m)・仙ノ倉山(2026m)


今週は何ヶ月かぶりに体調が良かったので、やはり何ヶ月ぶりかの遠出をして、谷川連峰の最高峰・仙ノ倉山に行ってきました。スッキリとした青空の下、北アルプスや富士山まで見えるという大展望が広がって、山の上では最高の気分を味わえました。ただし下山路に選択した平標新道が、噂通りの悪路で最後は疲労困憊。前半と後半であまりにも印象の異なる1日となりました。

 累積標高差(登り):1471m / 距離:18.4km / 歩行時間:6時間20分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:9時間45分 

(往路)
古淵 04:45-04:49 町田 04:57-05:40 新宿 05:50-06:09 東京
東京 06:32-(たにがわ401号)-08:04 越後湯沢 08:20-08:54 平標登山口

(登山行程)
平標登山口バス停 09:00
巨大鉄塔     09:50-09:55
松手山      10:15-10:25
平標山      11:20-11:25
仙ノ倉山     11:55-12:05
平標山      12:35-12:50
矢場ノ頭     13:45
徒渉点      14:35-14:45
つり橋      15:20-15:25
土樽駅      16:15-16:20
蓬橋バス停    16:25

(復路)
蓬橋 16:40-17:03 越後湯沢 17:08-(Maxたにがわ420号)-18:14 大宮
大宮 18:22-(ホリデー快速むさしの号)-19:14 八王子 19:27-19:49 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

平標登山口バス停から、松手山コースを登っていきます。いきなり本格的な登りが続いて、ここでまず絞られます。下の方の紅葉の発色はこんな感じで、あまりパッとしませんでした。
上のほうで、青空の中にチラリと見えているのが、当面の目標となる巨大鉄塔。でもまだまだ上です。

巨大鉄塔を過ぎると、いくらか鮮やかになった紅葉の中を通っていきます。しかし見頃は過ぎているようで、その色は少々くすみかけていました。それにしてもこの登山道、よっぽど傾斜が緩やかな箇所以外は、ほとんどが木段です。

1時間ちょっとで、松手山まで来ました。後方に写っているのは西側の稜線で、右半分が苗場山。左側は、白岩山~佐武流山あたりの峰々です。

松手山を過ぎると、これから歩く稜線が手に取るように見渡せるようになって、実に爽快な稜線歩きが始まります。中央よりもやや右手に見えている一番奥のピークが、次に目指す平標山です。

平標山に着きました。この写真は北側の眺め。もちろん東と西の展望もクリアです。

そして南側を見ると、雲海の続く先には富士山が顔を出していました。

平標山からは、谷川連峰の最高峰・仙ノ倉山を往復します。次に歩く道も、引き続きこんな開放的な尾根歩き。でも相変わらず木段ばかりが多い道は、見た目以上に苦しかったです。
仙ノ倉山は、中央奥に2つあるコブのうち右側のほう。そのすぐ左には谷川岳も見えていて、そこから続く稜線も一ノ倉岳から茂倉岳までがこの写真に入っています。でも写真を縮小したら、特徴的な「耳ふたつ」が埋もれてしまったので、谷川岳は分かりにくいです。

仙ノ倉山の山頂です。北側に見えている山々は、私には分かりませんでしたが、居合わせた人たちの会話によると、八海山が良く分かるように見えていたようです。

仙ノ倉山では、東側に谷川連峰の核心部が一望できました。この写真ならば、中央やや左寄りに、谷川岳の「耳ふたつ」がしっかりと確認できます。
そしてここ仙ノ倉山からさらに奥に伸びる稜線(右端手前)は、谷川岳のすぐ右手前にある万太郎山を経て、谷川岳へと続いています。日帰りは困難ですが、いつかは歩いてみたい・・・

西側を振り返って、先ほどまで立っていた平標山(中央)を見ます。右奥の平坦なシルエットが苗場山、そして平標山の左後方にうっすらと見えているのは、北アルプスではないかと(確信ないけれど)。

南東側から南側にかけては、どこまでも雲海が続いていました。こちらは南東側。

そして南側には富士山がずっと見えています。富士山の右側は、方角からすると奥秩父の山並みではないかと想像。

平標山に戻ってから平標新道を下ります。長くて急な上に道が悪く、さらに状況によっては徒渉が不可能になったり道が不明瞭になるなどして、登山地図が実線ルートとしているのが不可解だという評判のあるルートです。
一応、しばらくまとまった雨が降っておらず、また霧に巻かれることもなさそうな日を選んできたつもりなのですが、無事に降りられるでしょうか。
写真左下に見えている池糖の脇を通って、緑色に見えている稜線を右の方へと下っていきます。右に行くにつれて急に落ち込んでいく様子がすでに見て取れていますが、実は手前の池糖に降りるまでが、まずは一苦労でした。

道形は概ね明瞭で、薄い所でも迷わされることのない程度には付いていました。
煩わしいのは、ササ原の中に急坂が続いていることです。あまり歩かれていないために踏み固められていない道は、まず湿った黒土が滑りやすい上に、ササが絡んで滑りやすさに拍車を掛けています。
ここでは珍しくストックを使いましたが、それなしで無事に下れた自信はありません。ストックがなければ、ササを掴んで体勢を確保しながらの下りとなるでしょう。

滑りやすい急坂続きに嫌気が差してきた頃、登ってくる単独行の男性とすれ違いました(結果的に、平標山から土樽駅までの間で見かけた唯一の登山者でした)。
この先の状況を伺うと、ササ原はもうすぐ終わるとのこと、それを聞いてホッとしましたが、その先も滑りやすい道は続くそうです。ただ最も気になっていた徒渉点は、水量が少なくて問題ないとのことでした。

男性の話の通り、ササ原を抜けても急降下が続きます。地面は土に変わりますが、それが湿っていることに変わりはなく、その上に降り積もった落ち葉がさらに滑りを良くしています。
かなり下ったあたりで、気がつくと紅葉の真っ只中に入っていました。でもそれを楽しむ余裕はこれっぽっちもありません。長い下りの間、撮った写真もこの1枚だけでした。

その後もとにかく緊張の連続でした。平標山から通して考えても、緊張を強いられずに通過できる箇所はほとんどなかった印象です。そんな中でもかなりの所までがんばって無事故で下っていましたが、次第に足の疲れから踏ん張りもきかなくなって、ついに1度派手に尻餅を付いたりもしてしまいます。それでも終わりのない道はありません。神経を遣うこの長い下りの果てに、精神的にボロボロになりながらも、やっとの思いで沢まで降りてきました。沢音が大きくなってきて、ようやく終わりが近づいたと思ってからも、下り切るまでが結構長く感じて、最後は泣きが入りそうになりました。

ここが「山と高原地図」で「徒渉点」とされている地点ですが、この最初の沢は小さくて、今日の水量ならば飛び石伝いに難なく渡れます。渡ってすぐの所に、道標を兼ねた遭難碑が立っていました。
写真は渡り終えてから振り返って撮ったもので、向こう岸の赤丸印が描かれている岩の奥から降りてきました。

先ほどの小さな沢を渡ってすぐに、次の徒渉点になります。水量が多い時には命賭けか、全く不可能となる徒渉点はこちらではないかと感じました。でもこの程度の水量ならば、ロープに掴まりながらなので渡ること自体は容易でした。
ただ、この写真も渡り終えてから振り返って撮っていますが、左奥のあたりから出てきて、ロープのある所まで岸を行くのが少し厄介でした。

しばらくすると、また次の徒渉点。この写真は渡る前に撮影したものです。
沢そのものは細くて、渡ること自体にはロープは不要でしたが、渡った先で写真左上のほうに登ろうとすると苔むした岩が滑りやすくて、そこを登る段になってロープを頼りました。
大きな徒渉はここが最後でした。

その先は徒渉こそなくなりますが、沢のようになってぬかるんだ道や、想定していなかった大きな登り返しがあったりして、あまり快適には歩けません。やっとこの吊り橋まで来た時は、ホッとしたというよりも、ヤレヤレ、という心境でした。
この写真も渡り終えてから振り返っていますが、少し奥に辛うじて写っている道標の所に出て、そこから沢岸を石伝いに歩いてきます。なお、この吊り橋、結構揺れました。

あとは車道を歩くだけです。距離的には長いはずの毛渡沢沿いの林道は、そんなに長くは感じなかったのですが、毛渡橋を渡ってから土樽駅までの短い区間がやけに長く感じたのは、何の変哲もない直線区間が続いたからでしょうか。
最後に道標に従って階段を登ると、土樽駅に出ました。ただしここには、上り下りとも6時まで電車は来ません。待合室に入ると男性が1人いましたが、そのままあと2時間待ったのでしょうか。
私は駅をやり過ごして、すぐ先にある蓬橋バス停へ向かい、越後湯沢駅行きのバスを捕まえます。なお、駅には写真を撮るために立ち寄りましたが、必要がなければ、駅には寄らずに車道をそのまま歩いた方がバス停には近道です。

南越後観光のバス、乗客は最後まで私ひとりだけでしたが、それはともかく、料金表が珍しい紙芝居形式でした。新しい料金区間に入るたび、新たな料金表が上からパタパタと降りてきます。(バスマニアさんの間では「パタパタ式」って俗称で呼ばれていたりするようです)
実は2年前に苗場山に登った時は、その日に乗った南越後観光の3路線全てがこの形式だったのですが、今日は朝に乗った苗場プリンス行きの便の料金表が電光表示に変わっていて、少しガッカリしていたのです。
でも最後に紙芝居料金表との再会を果たせて、嬉しくなって何枚も写真を撮ってしまいます。中には停留所名が手書きの表もあったりして、さらにいい味を醸し出していました。
実は、今日一番撮りたいと思っていた写真がこれだったりして(笑)。

タグ:谷川岳
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。