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栗駒山・秣岳 [東北]

2013/10/19(土)

■第265回 : 栗駒山(1627m)・秣岳(1424m)


今回は初めて東北北部に足を踏み入れて、裾野を宮城・秋田・岩手の3県に広げる栗駒山を歩いてきました。
宮城県側のいわかがみ平から登り始め、栗駒山から秣岳へ縦走した後は、秋田県側の須川高原に下山、さらに須川湖やイワカガミ湿原を巡るという、東京から日帰りの限られた行動時間を目一杯に有効活用したプランです。

あいにく栗駒山の山頂ではガスに巻かれて全く展望がなく、おまけに寒風が吹き荒んで5分で退散する始末。
樹木の紅葉も、山麓ですら見頃を終えようとしている頃合でしたが、稜線上や山麓に点在する湿原の草紅葉が黄金色に輝いていたのが見事で、この時期ならではの山上風景を存分に味わうことができました。

 累積標高差(登り):802m / 距離:12.7km / 歩行時間:3時間55分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:5時間0分 

(往路)
古淵 04:45-05:17 東神奈川 05:18-05:20 横浜
横浜 05:25-05:52 東京 06:04-08:26 くりこま高原
くりこま高原 08:45-10:10 いわかがみ平

(登山行程)
いわかがみ平バス停 10:10
栗駒山       11:10-11:15
秣岳        12:40-12:50
須川湖       13:45
イワカガミ湿原   14:00
須川温泉バス停   14:35

(復路)
須川温泉 15:00-16:26 一ノ関 17:06-18:58 大宮
大宮 19:01-19:40 新宿 20:01-20:39 相模大野


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

この日、曇りで所により雨予報の関東甲信越地方とは対照的に、東北地方は晴れ予報。
新幹線が福島県内に入ると、車窓から安達太良山や吾妻山が望めるようになって、好天に期待が膨らみます。
しかし、くりこま高原駅の手前で見えてきた栗駒山は雲に覆われて、見えているのは山麓の稜線だけでした。
くりこま高原駅で、この秋はたった7日間しか運行されない、いわかがみ平行きのバスを待ちます。
寒さを警戒していたのですが、日差しもあるお陰か、東京から着てきたフリース姿のままでOKでした。
ここで一緒にバスを待ったのは12人で、このほか始発の石越駅から18人が乗ってきていたようです。
バスに揺られて、いわかがみ平に到着。一応は日差しがありますが、上空はどんよりとした曇り空でした。
少しだけ歩いてから、いわかがみ平の駐車場を振り返りました。中央付近が1つ前の写真の場所です。


栗駒山までの最短経路でもある、中央コースに入ります。
登山口のあたりで、すでに紅葉は終わりかけていました。
ほとんどが茶色くなりかけた黄葉の名残りで、赤みが残っているものは僅かでした。
ところで、登っているうちに身体が暖まってきたので、フリースを脱いで山シャツ姿になりましたが、すれ違う下山者がことごとく重装備をガッチリと固めているのが気懸かりでした。


登山口からしばらくの間は、コンクリートで固められた石畳の道が続いて、山を歩いている気分にはなかなかなれません。そして登山口周辺を過ぎると、落葉した樹木が多くなりました。
山頂にはずっと雲が纏わり付いていましたが、時にはガスが晴れて見通せるようになる瞬間もありました。
が、そのスキを逃すとすかさずガスが漂ってきて、やがて再び山頂を覆い隠してしまいます。


長かった石畳の道が終わったかと思えば、その先も歩きにくい敷石の道が続きます。
また、中腹を過ぎると、次第に風が強くなってきました。冷たい風なので、どんどん身体が冷えてきます。
そして稜線上に出ると、それまでの寒風が、唸るような烈風に変わって猛威を振るっていました。
たまらずフリースを着直して、手袋も冬用を着用しますが、露出している頭部は容赦なく冷やされます。
しまいには、耳当て兼用のヘッドバンドで覆っていた耳が痛くなってしまうほど。
何日か前にはすでに雪も降っていたらしく、登山道脇のあちこちに雪が残っていました。


そんな中、割とあっけなく頂上に到着。短いコースだけに、登山口から僅か1時間しかかかりませんでした。
さほど広くない頂上に、3本ある登山道から次々と人が押し寄せてきて、頂上標柱の周囲は常にこの有様。
しかも頂上ではひときわ寒風が強くて、とてもフリース姿では長居などできません。人混みに近い状況で、落ち着ける場所がなかったこともあり、5分だけの滞在で退散することにしました。
もしもここに居続けるのなら、普通のジャケットではなく、フード付きの雨具を取り出す必要があったところです。登る途中ですれ違った下山者がみな一様に着込んでいたのも、この寒さに耐えていたからなのでしょう。


栗駒山の山頂から天狗平までの間は、ぬかるんでいる箇所の多い道でした。これも降雪の影響でしょうか。
宮城・岩手県境の稜線を西進しますが、左手の南側(宮城県側)から凄い勢いでガスが上がり続けてきます。
そのガスが稜線を越えている場所では、しばしばこのように視界不良となります。
前方に見えてきたのが天狗岩だったようですが、この時はガスで見られる景色もなく、素通りしています。


天狗平のすぐ手前まで来ると、ようやく空が晴れてきました。
天狗平の分岐点に到着です。ここが岩手・秋田の県境に当たっていて、ここから先は稜線の右手側が秋田県に変わります(左手側は相変わらず宮城県)。
またこの先、ほとんどの登山者が歩いているのは、右折方向に分岐する須川温泉への道でした。


ということで、天狗平を直進して秣岳への縦走路に入ると、その途端に静かになりました。
いわかがみ平からずっと人の多い道を歩いていたので、この落ち着いた雰囲気がなによりも心地良く感じます。
少し歩いていくと、北側の景色が開けてきて、展望岩頭と呼ばれているらしい一帯に出ます。
雪を抱いた鳥海山が遠くに見えてきました。この地域で2000m級の山ともなれは、すっかり冬支度なんですね。
そして眼下には、下山先となる須川湖(左端)や、その次に向かう予定のイワカガミ湿原(中央で樹木のない部分)、最後にバスを待つ須川温泉(右端)などの、須川高原一帯がきれいに見渡せていました。
ほぼ真下に近いところでは、昭和湖の白濁した緑色の湖面が、いかにも火口湖らしくて印象的でした。
この写真では白っぽい写りになってしまいましたが。


展望岩頭のあたりを過ぎると、緑の森を写真左前方の鞍部へ向けて、一旦大きく下ります。
下った後は、右奥のほうへと延びていく稜線を進むのですが、そこまで行けば起伏が穏やかで気持ち良さそう。
鞍部まで下ると、目の前にはササ原の開放的な草原が広がるようになりました。
なかなかいい雰囲気ですし、このあたりでは風もほぼ収まっていて、青空の下で快適に歩けます。
鞍部から、さっきまでいた展望岩頭のあたりを振り返りました。
この斜面を下る間は、足場のあまり良くない道が続いて、滑らないように気を遣わされたのでしたが・・・
その分、目の前に現れた開放的な景色には、気分の良さもひとしおでした。
3つ前の写真の時よりもガスが晴れて、一番奥には秣岳も見えてきています。
ここからは、小さなコブを4つほど越えていきます。最初のコブへの登りはササ原の草原でしたが(3つ前の写真)、その次のコブからは、緑の草原の中に黄金色の草紅葉が入り混ざるようになりました。


そして3つ目のコブを越えた先で目に飛び込んできたのが・・・
一面に草紅葉が広がる、しろがね湿原の感動的な景色でした。
ちょっと忘れがたい景色です。しっかりと目に焼き付けながら歩きました。
黄金色に輝く草紅葉の素晴らしさもさることながら、そこをほぼ独占しているという贅沢さに最高の気分です。
湿原を端まで歩き終えてから振り返りました。もう、このコースを選んだ自分を褒めるしかないでしょう。


ずっと同じような写真に見えるかもしれませんが、4つ目のコブを越えた先にも、また別の小さな湿原が広がっていました。そしてその先に見えてきたのが秣岳です。
秣岳への登りは少々急です。登り始めは風も穏やかで、暑くなりそうだったので、フリースを脱いで山シャツ姿になったのでしたが、上のほうへ行くなり強風がすかさずぶり返してきて、すぐに後悔する羽目に。


秣岳は、この写真に収まっている範囲がほぼ全てという狭い頂上でした。
秣岳まで来ると、須川湖は近くに大きく見えるようになっています。
須川湖の少し先にイワカガミ湿原、写真右端に須川温泉と、これから向かう方向が眼下に一望できました。
とにかく風が強くて寒いので、栗駒山と同じく5分くらいで引き揚げてしまおうと、最初は思っていました。
でも、急速に流れていく雲の帯の間から時折鳥海山が見え隠れしていて、山容がきれいに拝める瞬間を待っていたら、もう5分経ってしまいました。カメラを持つ手が強風でブレてしまうので、何枚か撮った中の1枚です。


秣岳から下山方向を見下ろします。最初がジグザグの急降下なのですが、その後で右に折れてトラバース気味に下って行くあたりの道が、緑の山肌の中に一条の筋となって良く見えています。
ジグザグの急降下を終えた所から見た須川湖。急降下で湖までの高度差がかなり詰まったのを実感できました。
さっきまでいた秣岳を振り返ると、北側から見上げる山体は端正な三角形でした。
さらに下っていくと、最後のほうでは、つい最近まで紅葉が見頃でした、って感じの落ち葉道に変わります。
もうあと何日か早かったらなぁ。。。
秣岳の登山口まで下ってきました。ここからは車道歩きとなります。


須川湖に到着したら、湖畔を約半周していきます。
栗駒山荘のウェブで、前日(18日)時点の情報として湖畔の紅葉が見頃だとされていたので期待していたのですが、その色付きからは鮮やかさは失われつつあって、私の感覚では見頃はとうに過ぎていました。残念です。
とはいえ、遠目に見ればまだ何とか楽しめる状況でもありました。
須川高原一帯はスッキリとした晴れ間が続いていますが、栗駒山は引き続き雲の中にあるようです。


次はイワカガミ湿原に向かうため、須川湖の駐車場近くに野鳥の森への入口を見つけて、そこを入ります。
すると小さな沢沿いまで下り、さらに標高を下げたのが幸いしてか、野鳥の森の中ではまだ紅葉が見頃でした。
紅葉と落ち葉の明るい道を進んでいきます。あまり歩かれていない感じですが、その分だけ静かです。


やがて目の前が開けると、イワカガミ湿原の木道が始まりました。ここも寄ってみて良かったです。
草紅葉が素晴らしいのはもちろん、周囲の紅葉もきれいで、秋を満喫した気分にさせてもらえます。
ところどころには池塘があります。
栗駒山は、結局最後まで、雲の中からほとんど顔を出さなかったようです。


イワカガミ湿原から車道に上がったら、あとはその車道で須川温泉へ向かいます。
まず目指すのは、湿原からも良く見えていた栗駒山荘(宿泊&日帰り入浴)です。
栗駒山荘の前まで来ました。このあたりの紅葉も見頃で、しばしば写真撮影のため路上駐車して車外に出ているドライバーを見掛けます。またこのあたりからも、冠雪した鳥海山がイワカガミ湿原越しに見えていました。
栗駒山荘に寄ってみると、売店が結構充実していて、特に秋田県の土産物が並んでいたのが貴重でした(ここはギリギリ秋田県内)。バスに乗って一ノ関駅まで出てしまうと、当然岩手県の土産物ばかりになりましたから。
須川温泉のバス停は、須川高原温泉の建物のすぐ向かいにありました。
運行は朝夕の2往復のみ、一ノ関まで1時間半かかる路線ですが、乗客は30人くらい集まっていたでしょうか。

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