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城峯山 [奥武蔵・秩父]

2015/05/03(日・祝)

■第304回 : 城峯山(1037m)


今回の行先は2回目の登頂となる秩父の城峯山です。
7年前の初回は東側から往復していたので、今回は南から登って北へ下るという縦断コースで歩いてきました。

偶然にもこの日は城峯山の山開きに当たっていて、城峯神社で神楽が奉納されている様子など、普段なら見られないものが見られたので、少し得をした気分でした。
また、登り下りともにマイナーなコースを選んだため、こんな日でも静かに歩くことができたのですが、展望が最大の魅力の山なのに空が霞んでいて、遠望がきかなかったのが残念でした。

 累積標高差(登り):974m / 距離:13.3km / 歩行時間:4時間0分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:5時間30分 

(往路)
古淵 06:33-06:55 八王子 06:59-07:35 東飯能
東飯能 07:54-08:49 西武秩父 09:00-09:46 万年橋

(登山行程)
万年橋バス停 10:00
中郷登山口  10:50
城峯神社   12:45-12:50
天狗岩    12:55-13:00
城峯山    13:10-13:40
石間峠    13:45
宇那室バス停 14:45

(復路)
宇那室 15:20-15:31 支所前→神泉総合支所 15:52-16:37 本庄
本庄 16:45-17:39 大宮 18:22-19:16 八王子
八王子 19:27-19:49 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

西武秩父駅からバスに50分ほど揺られて、万年橋バス停から歩き始めます。
吉田元気村行きのバスは全員が座れる程度の乗客数でしたが(万年橋では、私のほかに男性2人と女性2人の2組が下車)、その前に乗った西武秩父線は羊山公園の芝桜がお目当ての観光客を満載していて全く座れず、西武秩父駅でも三峯神社行きのバス停には長蛇の列ができていました。やはりGW中はどこに行っても混みますね。
最初は車道歩きが小1時間続きます。登っているのを意識させられない程度の緩い坂道が続くので楽に歩けますが、この時間はまだ良く晴れていて、日差しの下で舗装道路を歩くのは少々暑苦しかったです。
25分ほど歩いたところにあった「石間沢口観光トイレ」。
万年橋バス停から中郷登山口までの間にあったトイレは、この1箇所だけでした。
石間沢口観光トイレを過ぎると、間もなく漆木登山口への分岐道が分かれます。ここを入ると少し早く城峯山に着けますが、もう少し先にある中郷登山口から登るほうが山道を長く歩けるので、この分岐は見送ります。


バス停から45分ほどで、中郷登山口への分岐に到着しました。
ここから脇道に入って、もう少しだけ道路を歩きます。
山里の民家では、立派な鯉のぼりが空を泳いでいました。今なお暦ごとの行事が大切にされている様子を見ると嬉しくなりますし、庭では四季折々の花々がきれいに整えられていたりして、季節感にも溢れていますよね。
鯉のぼりの民家を過ぎると急坂に変わりますが、ほんの数分で中郷登山口に出ました。
ここから、いよいよ山道に入ります。


中郷登山口から始まる南尾根コースは、10年ほど前に整備されたらしい比較的新しいコースです。
2013年版の登山地図でも赤破線で記載されているので、少々心許ない道を想像していたところ、良く踏まれている感じの明瞭な道で安心しました。
はじめのうち、登山道脇の所々には畑地が現れて、作業道ともたびたび交差します。
登山道は道標がしっかり案内してくれることが多かったですが、中には道標のない分岐もありました。
良く歩かれているのは作業道としても使われているからのようで、畑地が点在するエリアを抜けると、道が細くなってしまいました。斜面が崩れかけていて、少々歩きにくい箇所の通過もあります。
畑地エリアを抜けてしばらく進むと、今度は植林帯に入ります。
このあたりは、林業の作業道を兼ねているようで、再び道がハッキリして歩きやすくなりました。
送電線巡視路も時折絡んできて、何度か鉄塔への道が分岐します。道標が行先を「鉄塔」と示していて、行けば何かあるのかもと気になりましたが、まだ歩き始めで先々の時間が読めていないので、ここは自重しました。


植林帯では単調なジグザグの登りがしばらく続きます。
倒壊した作業小屋の脇を通過します。すでに標高をかなり上げていますが、林業全盛の頃は、山の上のほうまで盛んに作業が行われていたのでしょうね。
きちんと建っている作業小屋もありました。こちらは比較的新しそうなので、今でも使用されているのかも。
この分岐点で、下で見送ってきた漆木登山口からの道が合わさります。この地点の標高は773mと書かれていて、当面の目標である城峯神社までの標高差が200mを切りました。バス停からは550mほど登ってきた計算で、ここで短い立ち休憩を入れていますが、ベンチがあると有り難かった。。。


この地点で分岐する道は、行先として鉄塔のほか「白岩」という具体的な地名まで書かれていましたが‥‥
上の写真の分岐標識を拡大しました。白岩への指示標には「×止めろ 迷う」とマジック書きされ、下山時は「絶対右」と書かれていたので、白岩を目指した人が道に迷うことが何度かあったのでしょう。


その後も植林帯の道が続きます。比較的新しく整備されたコースなので、自然が多く残されていることを期待していましたが、前からある作業道を繋いで登山コースにしただけのようで、見所は思いのほか少なかったです。
また、このあたりでは小刻みなアップダウンが何度か繰り返されて、急な登り下りに少し消耗させられました。
登りもそろそろ終盤に差し掛かり、914m峰の手前まで来ると巻き道が分岐していました。
ここは登り返しを覚悟の上で尾根道を選択しましたが、巻き道は入口が不明瞭で少し怪しげな雰囲気でした。
860m圏の小ピークに立って振り返ると、武甲山が今にも消えそうなほどに霞んでいます。頂上に着く頃には見えなくなっているかもしれないと(結果的には見えていましたが)、とりあえずカメラに収めておきました。
914m峰の手前はロープが下がる急斜面が長く続いて、かなり苦しい登りでした。この日はロープを頼らなくても問題なく登り下りできる状況でしたが、路面が乾いていない時はロープの出番になりそうです。


914m峰から一旦下って、同じくらい登り返すと、城峯神社へ通じている林道に出ました。
神社の方向からは、少し前から囃子が聞こえてきているので、何かしらの行事が開かれているらしいです。
林道は、城峯神社とほぼ同じ高さの所を通っていて、神社へは緩やかな下りに変わります。
神社の駐車場まで来ると、多くの車が停められていたほか、その先にある神社のあたりが少し賑わっている様子が分かるようになりました。また駐車場の脇では、ヤマザクラの咲き残りを楽しむことができています。
神社の手前では、城峯山キャンプ場の中を突っ切っていきます。
GW中ということもあってか、キャンプ場の人出も多くて、テントがいくつも張られていました。


城峯神社の神楽殿では、漆木神楽が奉納中でした。先ほどから聞こえていたのも、この神楽囃子だったのです。
ただ、この時はそれ以上のことは何も分からず、単に神社の祭礼に当たったと考えていたので、毎年5月3日が城峯山の山開きだと知ったのは、帰宅後に調べていた時だったのでした。
城峯神社は、創建が平安時代まで遡るともいわれる歴史ある神社。立派な拝殿を持っているほか、参道の杉並木も実に堂々としたもので、本来なら深い山中にあって荘厳とした雰囲気を放っていた筈だと思われます。
ところが今となっては、神社との境界がどこなのか分からない程に接近して建設されたキャンプ場のおかげで、境内からも参道からもチャラついた物がどうしても目に入り、その雰囲気が著しく損われているのが残念です。
それはともかく、せっかく来たので、城峯神社でお参りしていきます。
拝殿に隣接する社務所には関係者の方が多く詰めていましたが、山開きに関する行事は午前中に行われていたようで、正午をとっくに過ぎたこの時間、参拝する人は稀になっていました。


ここまで順調で時間に余裕が持てていたので、城峯神社での参拝を終えたら、天狗岩に寄り道していきます。
神社から城峯山と逆方向に進むと、ひと登りでちょっとした岩峰に出ました。これが天狗岩のようです。
岩峰上は人ひとり立つのがやっとという狭さ。
祠の写真も接写になってしまい(これ以上離れると落ちます!)、全体を入れられませんでした。
西側を望むと、朝のうちバスの車窓から眺められた両神山はすっかり霞んで、近くの山しか見えていませんでした。これでは頂上からの展望も期待薄でしょう。(この写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します)
振り返ると、この日初めて、これから向かう城峯山をスッキリと眺められました。


最後の100mほどを登り詰めると、ようやく城峯山の頂上が見えてきました。
さほど広い頂上ではありませんが、午後1時を回っていることもあってか、人は少なくて静かな雰囲気でした。
山開きに合わせて登ってきた人たちも、あらかた下ってしまった後だったのでしょう。帰りのバスの時間にはかなりの余裕があるので、ここで少しゆっくりと過ごしていきます。
頂上のスペースの半分ほどは電波塔が占めています。
ただ、普段なら邪魔者にしか感じない電波塔も、ここでは許せる存在なのですが、その理由はこのすぐあとで。
立派な標識の隣には、三角点についての解説板が立っていました。
そう、城峯山に設置されているのは一等三角点なのです。割と最近に新調されたらしく、標石もきれいでした。
展望に期待できないことは分かっていますが、一応、電波塔にも登っておきましょう。
この電波塔は、手すりのある8角形の層が展望台になっていて。そこまで階段で登ることができるのです。
展望台からは360度の展望が楽しめます。中央に展望図があり、8方向それぞれに山名付きの展望写真が設置されていて、見てみると日光連山・谷川連峰・八ヶ岳・浅間山などそうそうたる名前が並んでいました。空が澄み渡っている日に来れば、それは見事な眺めなのでしょう。
でもこの日の眺めといえば、すぐ近くで向かい合う武甲山ですら辛うじて見えている程度で(左端)、少し離れた山となると、方角によっては全く見えませんでした。確か、前回来た時もこんな感じだったような‥‥。
こちらは、北西側に見えていた群馬の山々です。(この写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します)


城峯山を後にしたら、神流湖のある北麓へと下ります。
そのコースは「関東ふれあいの道(将門伝説を探るみち)」として整備されているのですが、なぜか登山地図には載っていません。ですから登山地図を見て計画を立てる限り、このコースを選ぶ人はいないことになります。
そうでなくても、城峯山の登山道のうち、唯一首都圏側からのアクセスが不便なコースとなるため、そもそも需要があまり多くなさそうなので、どの程度歩かれているのかを少し心配していました。

城峯山から一旦東へ下って、5分ほどですぐに車道に出たところが石間峠です。
石間峠には大きめの休憩舎とトイレがありました。
石間峠からは、少しだけ車道を歩きます。
ここで再び山道に入るのですが、道標の立つ位置が車道から離れすぎていて、うっかり見落とすところでした。


道標はいい加減くたびれていますし、下りはじめの木段(写真左下で草に埋まりかけている)もボロボロです。
山道は、予想通りに先が思いやられる感じで始まって、このあとは案の定、もう誰にも会いませんでした。
その先に続いていた道も、少々草深くなっていて、やはり、ほとんど歩かれていないんだな、という印象です。
とはいえ、「関東ふれあいの道」だけに不明瞭になることはなく、迷わずに歩けるのは安心しましたが、結構立派なクモの巣が道を塞いだりしていて、この日ここを歩いたのは、私が最初で最後ではないかと思っています。
ほどなく沢沿いまで下ると、ベンチが2脚並んで置かれているのを見ます。でもせっかくのベンチも、どちらも苔が生えて、土砂や落ち枝が積もっているなど、もう長いこと使われている形跡が全くなさそうでした。
その後はしばらく沢沿いを下ります。「関東ふれあいの道」の案内では「沢沿いの山道は趣がある」と書かれていたのに、なんだか雑然とした雰囲気の沢で、そんなに気持ち良く歩ける感じでもなかったです。
沢から離れて植林帯に入ると、あとは単調な道が続きますが、ここからはクモの巣を気にせずに歩けました。
車道に迎えられた時、山歩きが終わるのを名残惜しく感じるよりも、ヤレヤレといった気分が先に立ちました。


あとは車道を少し歩くだけ。引き続き、私のほかには人も車も全く通らない道でした。
ゴールの宇那室バス停に着きました。バス停の手前に建っているのは、トイレと休憩舎です。
バス停は、分岐道とのカーブの内側という、なんか中途半端な場所に立っていました。
ここまでの下りで見掛けた人が皆無だったので、休憩舎もどうせ貸切だろうから、ゆっくりパンでも食べながらバスを待とうかと思っていたら、あいにく近所の人たちらしい先客が。しかも喫煙者だったため同席するのも避けたいという最悪の状況で、仕方なく少し離れた場所に移って、残った時間を過ごす羽目になりました。
最初に乗った町営バスは乗客が私だけで、この神泉総合支所で別の路線バスに乗り換えて本庄駅に向かいます。
ここは路線バスの折り返し点となっていて、待合室とトイレがあるので、待ち合わせ時間を快適に過ごせます。
この時は折り返すバスが早めに着いていたので、運転手さんと少し会話をしながら発車時刻を待ちました。

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