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石老山・高塚山 [高尾・陣馬]

2015/06/13(土)

■第305回 : 石老山(702m)・高塚山(675m)


今回は珍しく、昼前から出掛けて夕方にかけての登山となりました。
行先に選んだのは、山を始めてまだ間もない2006年に登っていて、9年ぶりの再訪となる石老山と高塚山です。

本当は、さらに嵐山にも登って相模湖駅まで歩き通すという、9年前と全く同じコースで歩く計画だったのですが、この1年ほど山行頻度が落ちて身体が鈍っていたのに加えて、暑さによる消耗もあったらしく、石老山・高塚山からの下山時にいっぱいいっぱいになりかけたので、時間が遅いことも勘案して途中で切り上げています。
それでも、奇岩群を巡りながら歩くコースは変化に富んでいたほか、標高が低いながらも、登山道にもなっている古刹・顕鏡寺の参道には深山の趣があって、石老山を登り下りするだけでも十分に楽しめました。

 累積標高差(登り):751m / 距離:9.0km / 歩行時間:3時間0分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:4時間40分 

(往路)
古淵 11:18-11:40 八王子 11:47-11:54 高尾
高尾 12:11-12:20 相模湖 12:30-12:37 石老山入口

(登山行程)
石老山入口バス停 12:40
顕鏡寺      13:10
融合平見晴台   13:35-13:45
石老山      14:10-14:20
高塚山      14:40-14:50
石老山      15:10-15:15
大明神山     15:40
大明神展望台   15:45-15:50
プレジャーフォレスト前バス停  16:20

(復路)
プレジャーフォレスト前 16:20-16:31 相模湖 16:48-17:04 八王子
八王子 17:10-17:22 橋本 17:24-17:35 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

相模湖駅からバスに数分だけ乗って、石老山入口バス停から歩き始めます。
さすがにもう昼過ぎとあって、今から山に登ろうとしているのは私だけのようです。
最初は少し車道を歩きます。進行方向に見えていたのが石老山かと思っていたら、帰宅して確認してみたら高塚山のほうでした(中央やや右寄り奥で、電線と重なって見えているピーク)。
10分少々で相模湖病院の前に着くと、そこが石老山の登山口になっていました。


顕鏡寺の表参道が登山道を兼ねているので、最初は石畳の道で始まります。
やがて石段の道に変わると、俄然傾斜がきつくなりました。
段差の大きな箇所も少なくなく、夏の暑さの中で登るのはなかなか骨が折れます。
次第に、いくつもの奇岩が次々と現れるようになって、目を楽しませてくれます。こちらは駒立岩。
奇岩にはそれぞれに謂れがあって、このように簡単な説明板が添えられていました。
しばしば巨岩も出現します。これは力試岩の男岩らしい。


顕鏡寺の山門前に出ました。ここまでは、奇岩が現れるたびに、説明板を読んだり写真を撮ったりして立ち止まりながら進んでいたので、急登もさほど苦しくは感じなくてすんでいたようです。
顕鏡寺は平安時代の創建と伝わる古刹で、本堂や境内はきれいに整えられていました。
本堂の脇からは、南高尾の山並みが眺められましたが、こんな間近なエリアでもすっかり霞んでいるところをみると、山の上からの展望は望み薄なのでしょう。


この頃はまだ余裕があったので、顕鏡寺は軽く立ち寄る程度として、鳥居をくぐってさらに進みます。
顕鏡寺の先も、奇岩の現れる道が続きます。これは散蓮華に似ていることが名前の由来になった蓮華岩。
お次は鏡岩でした。登るにつれて、巨岩が増えていくようです。
このような丁石は、登山口から時折見掛けていましたが、顕鏡寺の先にも続いていました。
奥の院までは、引き続き古くから歩かれた信仰の道らしく、そこが登山道にもなっているようです。
巨岩はついに、縦の写真にしても入らないサイズになりました。こちらは吉野岩。
ひときわ大きな岩が立ちはだかると、奥の院である飯縄権現神社の小さな社殿が、その岩に抱えられるように建っていました。背後の岩は擁護岩と名付けられていて、石老山で最も大きな岩だとか。
奥の院を過ぎて、間もなく現れる八方岩が、説明板が添えられた最後の奇岩でした。
「この岩に登れば八方が見えるといわれているが、東南方向が見えるだけである」とあって、その通りでした。
その東南方向には、津久井の町並みが見えていました。奥のほうで霞んでいるお椀型の小山は、津久井城山。


奇岩エリアを抜けると、はじめて傾斜が穏やかになって、しばらくは気持ち良く歩けたのですが‥‥。
その後、再び傾斜が強まると、このところの運動不足が露呈して、かなり苦しい登りになりました。
当初は軽く立ち寄る程度にしか考えていなかった融合平見晴台に着いた時は、暑さも手伝ってか、少し気分が悪くなりかけるほど消耗していたので、がっつり10分間休んでいきます。
融合平見晴台からは、相模湖を見下ろす先に、奥高尾の山並みが眺められます(奥で霞んでいるのは陣馬山)。
このとき展望席には2人組の先客の姿があって、こんな時間なのでてっきり下山している途中だろうとばかり思っていたら、のちほど山頂に着いて休んでいた時に私に続いて現れたので、少し驚きました。


融合平見晴台から上になると、傾斜はほどほどに収まっていたようで、特段苦しくなることもなく登れました。
山頂の手前には大小のコブがあって、軽いアップダウンをさせられますが、そのことは地形図を見ながら歩いていれば一目瞭然で、余計な一喜一憂をせずにすんでいます。
この木段が現れれば、石老山への登りも大詰めで、登り切ったところが山頂でした。


そこそこ広さのある石老山の山頂に到着すると、時間的にもう誰もいないだろうという読みは外れて、意外にも大人数の団体さん(しかもこんな地味な山には珍しい若い人たち)が休憩中。彼らが最高点にある山頂標柱の傍をしばらく離れてくれなかったので、写真は後回しにして、一段下がった場所にあるベンチで過ごします。
先に高塚山を往復して、写真は戻ってきた時にと腰を上げたら、同時に団体さんも引き揚げ始めます。これ幸いと最高点を撮影していると、下の見晴台にいた2人組が現れたりして、意外に人の姿が絶えない山頂でした。
石老山では、西南西の方角がわずかに開けているだけ。それでも条件が良ければ、西丹沢の山並みの上に、ちょうど富士山が見られるようなのですが、この日はこんな感じで何も見えていないに近かったです。
中央右寄りの手前で低く見えているのが伏馬田城跡のピークで、左上のほうで霞んでいるのが袖平山か黍殻山だと推定してみたものの、あまりに見えているものが少なすぎるので、正しいかどうか分かりません。


石老山と高塚山を結ぶ尾根道は、9年前の時は冬でも下草がうるさかったので少々心配だったのですが、今はその当時よりも良く歩かれているのか、こんな時期でも草が登山道にかかる箇所もなく快適に歩けました。
石老山からの下りが穏やかだったのに対して、最低鞍部から高塚山への登り返しは、短いながらも急登でした。
高塚山の山頂は、9年前の記憶と同じ佇まいが保たれていたようです。低山の山頂なんて本来はこんなものだと思うので、展望がないからと乱暴に樹木を伐採したりせず、今後もこのままの姿であり続けることを望みます。
そこにある人工物も、標識と三角点だけという潔さが、実に好ましかったです。
ただ、この時は無人だったので、誰に遠慮することなく三角点に腰を下ろして休めましたが、先客がいて座る場所に困ったりしたら、ベンチくらいはあってもいいのにと思うのかもしれません。勝手なものですね‥‥。


高塚山で休んだ後は、来た道を引き返して石老山に戻ります。石老山の手前で草付きの斜面が長く続くところは、急登でこそないものの風が通らないので暑さがこたえて、汗だくになりました。
再び石老山の山頂に立ったのはすでに午後3時を過ぎていて、間違いなく誰もいないことを確信していたので、新たに見る2人組の姿があったのは完全に想定外でした。

ところで、高塚山を往復している間に、少し足運びが軽くなったのが自覚できたので、身体が登山の感覚を少し思い出してくれたようです。登り始めた頃に、一旦は重たくのしかかっていた疲労感も軽減していて、この時点では、さらに嵐山を越えて、計画通りに相模湖駅まで歩けそうだという気分になっていました。


石老山を後にして、なだらかな道を少し下っていくと、道の脇にひっそりと三角点が埋まっていました。
雑木林に囲まれた山頂よりも、今は植林に囲まれたこの地点のほうが、設置当時は開けていたのでしょう。
大明神山への道が良く整備されているのは有り難いことだとしても、木段が多くて下るのは煩わしかったです。
なお途中には、露岩帯の急な下りが1箇所あって足元注意でした。
地形図から、石老山と大明神山の間で何度もアップダウンが繰り返されること自体は読み取れていて、その心構えはあったのですが、想像以上に登り返しが急だったりして、大明神山に着く頃にはかなり疲れていました。
上の写真でも右隅に写っていますが、大明神の石祠が祀られていることが、大明神山という山名の由来らしい。
大明神山から大明神展望台のピークへは、距離が僅かなのにもかかわらず、登り返しはまたしても急でした。
最後は半ばヤケ気味になって登り詰め、肩で息をしながら展望台に到着です。
大明神展望台に立つと、北から西にかけての広い方角が開けていて、9年前の時は南アルプスをはじめとする見事な展望を楽しんだ記憶があるのですが、空が霞んだこの日は、奥高尾の山々が辛うじて見渡せただけでした。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


大明神展望台までのアップダウンのダメージは大きく、ここにきて余力がなくなりつつありました。
そこで、さらに嵐山まで足を延ばすのは諦めて、ここから下山したら大人しくバスを捕まえることにします。

ただその場合、プレジャーフォレスト前にあるバス停の時刻表で、16:20 の次が 17:10 となっているのが悩ましい点でした。16:20 に間に合わせるためには、少々急いでバス停まで30分で下らなければならず、急いだところで間に合わない可能性も十分にあって、そうなれば次の便を50分近くも待つことになります。
最初から 17:10 を目標にする場合も、山の中では暗くなる時間が近付いているため、今いる展望台でゆっくりするよりも、ある程度下ってから時間調整するほうが安全なので、あとで時間を持て余してしまいそうです。

少し考えた末、16:20 を目指すことにして、霞んで近くしか見えない展望台での休憩を5分で切り上げ、急ぎ足で下り始めます。ところがここからの下りは、岩混じりの急坂が多くなったのが困りものでした。特別な危険はないものの、足元に常に注意を払う必要があってスピーディーに下るのが難しく、思うように急げません。
大汗をかきながらどうにか山道を下り切り、このキャンプ場を抜けた先に立っていた道標には、バス停まで1kmと書かれていました。時計を見ると、バスが来るまであと12分。1kmを12分ならば、急ぎ足で行けそうです。
最後の車道歩きには小走りも少し交えて、ギリギリ1分前にバス停に到着、急いだ甲斐あって、なんとか無事に間に合いました。長い列ができていましたが、駅までの乗車時間は数分なので、立つのは気になりません。それよりも噴き出す汗が止まらず、汗だくのままバスに乗り込んだので、近くの人たちは少し暑苦しかったかも。

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