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秋葉山 [静岡]

2018/03/03(土)

■第377回 : 秋葉山(885m)


今回は静岡県西部の秋葉山に行って来ました。全国にある秋葉神社・秋葉権現・秋葉寺の大半の起源とされる秋葉神社があり、東京・秋葉原の地名の由来にもなった山です。頂上の上社では、秋葉神社の総本宮に相応しい立派な社殿が見られて、登山口の下社や中腹の秋葉寺ともども、1度は訪れる価値があると感じられるものでした。

その一方、登山道はといえば、殺風景な植林の中を進むばかりで、変わり映えしない景色には退屈すら覚えてしまったほど。数少ない見所も、古い常夜灯や丁石といった、かつて神社の参道として栄えた頃の名残でした。だから、どうしても山自体の印象は薄くて、「秋葉神社の山に登ってきた」というのが率直な感想となっています。

(往路)
古淵 05:37-05:41 町田 06:01-06:21 新横浜
新横浜 06:52-08:10 掛川 08:19-09:13 西鹿島
西鹿島 09:47-10:28 西川

(登山行程)
西川バス停      10:30
戸倉(登山口)     11:05
秋葉山(秋葉神社上社) 12:55-13:10
秋葉寺        13:25
秋葉神社下社     14:15-14:20
秋葉神社バス停    14:25

(復路)
秋葉神社 15:41-16:29 西鹿島 16:36-17:08 新浜松
浜松 17:21-18:39 小田原 18:42-19:32 相模大野
相模大野 19:45-20:00 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

この日は、小田急線の遅延で朝からバタバタしましたが(後注※1)、なんとか予定通りの新幹線に乗れました。
秋葉山への登山に利用できるバスは、遠州鉄道と天竜浜名湖鉄道が接続する西鹿島駅から出ています。折角なので行き帰りでその両方の路線に乗ろうと、まずは掛川で新幹線を降りて、天竜浜名湖鉄道に乗り換えました。
天竜浜名湖鉄道は、1両編成で乗客も少なく、車内はローカル線らしい長閑な雰囲気。でも沿線は思っていた以上に開けていて、車窓から人家などの建物が途切れることがなく、田園風景はほとんど見られませんでした。
西鹿島駅に着いたら、路線バスに乗り換えます。
西鹿島駅のバス乗り場です。この日は良く晴れた上に気温がグングンと上がって(4月下旬並みだったようです)、日向ではもうポカポカ陽気。暑くて着ていられなくなったジャケットを脱いで、バスを待ちました。
西鹿島駅で購入した「遠鉄ぶらりきっぷ」です。遠州鉄道の電車・バス全線が1日乗り放題でお得なのは良いのですが、B5サイズというその大きさには驚きました。こうして二つ折りにしても、服のポケットとかには全然入らず、扱いが少々面倒なのです。ここまで大きなきっぷを見たのは、これが初めてではなかったでしょうか。
大きさの理由は、購入後3ヶ月という有効期間にありました。従って、使用する月と日はスクラッチカードの要領で削って明示する仕組みで、提示時の視認性を考慮してか、スクラッチ面がB5サイズになっていたのです。

水窪町行きのバスは、西鹿島駅からの乗客は私を含めて2人だけ、途中からの利用者を加えても4人止まりでした。まぁ休日の朝の下りですから、こんなものでしょうか。西川バス停で降りたのも、もちろん私だけでした。
バス道路からは、この細い階段道で1段下の集落へ下りますが、バス停付近には秋葉山への案内が全くなく、事前にGoogleのストリートビューを見て階段の存在を知らなかったら、少し戸惑ったのではないかと思います。
集落に下り小さな橋を渡った先で、東海自然歩道のコースになっている道路に入りますが、そこにも道標はなかったように思うので、秋葉山から西川バス停を目指す逆コースの人にとっても、ここは分かりにくいのではないかと。その後、集落内を緩やかな傾斜の道で上がっていくと、行く手に秋葉ダムが見えてきました。

東海自然歩道は、秋葉ダムのすぐ手前に架かる歩行者専用の竜山橋で天竜川を渡ります。
竜山橋は細い吊り橋ですが、鉄骨で頑丈に造られているようで、これだけ長いのにほとんど揺れませんでした。
竜山橋の上から見た秋葉ダムです。

竜山橋を渡った先に、東海自然歩道の案内図が立っていました。この日歩くコースは、これから秋葉山を越えて秋葉神社バス停に下るまでの全体が、まるまる東海自然歩道と重なっています。
何軒かだけ建っていた人家の間を細い道で抜けた先で、東海自然歩道の道標に従って階段を上がります。
車道に出たら、しばらくの間は車道歩きです。はじめのうち緩やかに上っていた道は、進むにつれてほぼ平坦に近くなって、歩くのに苦はありません。道沿いには人家が時折見られる程度で、景色はやや単調でしたけれど。
東海自然歩道だけに、ところどころにある道の分岐でも道案内は万全で、進路に全く不安はありません。
30分ほどの車道歩きも、正観世音菩薩を納めたお堂がある東福寺の前を通れば、もう終盤です。
「ここは戸倉です」と現在地が併記された東海自然歩道の案内図が現れたら、そのすぐ先で‥‥
車道から山道が分岐していました。案内図や道標等で公式にそう表現されているのは見ていませんが、ここが秋葉山(裏参道)の実質的な登山口になるのでしょう。

車道から外れて、いよいよ登山道に入ります。車道を緩やかに上っている間に、フリース姿でも汗をかいてきたので、ここでフリースも脱いで山シャツ姿に。まだ3月初旬なのに、こんな薄着で山に入ることになろうとは。
上の写真の階段を上がり、畑地などの間を抜けていくと、すぐに山道が始まりました。
登山道は、植林帯の斜面を比較的緩やかな傾斜で登っていきます。
秋葉山はかなり上までずっと植林帯が続いていて、いくら進んでも景色がほとんど変わりません。
道の様子に変化があるのは、時折こうして未舗装の林道と絡むところくらいでした。
道端には時折、丁石を兼ねた古い常夜灯が立っていました。かつては多くの人が歩いた信仰の道なのでしょう。
ほぼ一定の傾斜が保たれて、急坂や大きな段差が全くなく、とても歩きやすいのは良いのですが、とにかく似たような景色ばかりが連続するので少々退屈気味になります。

道の味気なさに耐えて黙々と登っていると、近くに舗装道路が現れました。変化に乏しかった道の中で、かなり登ってきたことが明確に分かる地点なので、ここで少し気持ちを新たにして、さらに上を目指します。
そしてこのあたりから、少し傾斜がきつくなった気がしました(疲労の蓄積の影響もあったと思いますが)。
その後も道は相変わらず植林の中ですが、頻繁に車道と交差したりするようになって、少しは気が紛れました。
そしてついに、車道と交差した先が山道ではなく、石段に変わりました。これを上がると‥‥

秋葉神社の広い第一駐車場に出ました。ここまで来れば、あとはわずかな登りを残すのみです。
第一駐車場にはバス停もあって、毎年11月~1月の特定日にはバスが運行されている模様。もちろん、こんな所までバスで上がってしまっては全く登山にならないので、この路線の運行日は全く気にせずに来ています。
巨大な大鳥居をくぐった先には、きれいに整えられた石段の参道が続いていました。

参道に入ると、常夜灯が短い間隔で並んでいました。今でも大晦日などには明かりが灯されるのでしょうか。
参道の途中で荘厳な神門をくぐります。秋葉神社は戦時中の火災でほとんどの建物を失ったのち、長い年月がかかって近年ようやく再建に至ったため、建物や参道などの多くが比較的新しいのものなのですが、その中でもこの神門は2005年の完成で、境内で最も新しい建造物のようです。
食事処と土産物店を兼ねた秋葉茶屋の前を通れば、登り続けてきた石段も残すところあと少しです。
社務所前の石段を登っていくと、前から気になっていて、実際に見るのが楽しみだったあるモノが現れました。
それがこの、金色に輝いてひときわ異彩を放つ「幸福の鳥居」です。これを立派で神々しいと見るか、悪趣味と見るかは意見が分かれそうですね~(ちなみに私は後者寄りです。もうちょっとネーミングセンスが感じられるような名前だったら、少しは印象が違ったかもしれないけれど)。
幸福の鳥居をくぐると、いよいよ最後の石段と、その上にある本殿が見えてきました。
秋葉神社の本殿です。この時は訪れる人もまばらで、ゆっくりと落ち着いて参拝することができました。

本殿の左手側には「展望台」という標識が立っていて、その奥にはこの写真で分かる段差の分だけわずかに高くなった場所がありました。ここが境内で一番高い所に当たるようです。
南側が開けた展望台には、望遠鏡が設置されていたほか、こうした展望写真も掲げられていました。
が、この日はいかんせん気温が高すぎたらしく、空気が淀んでいて実際の展望はこの通り。浜松アクトタワーや浜名湖は、一応肉眼では確認できたものの、縮小写真にしたらほとんど識別できない写り方になってしまったので、いつものようなパノラマ写真への文字入れは諦めました
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
ところで、この展望台が秋葉神社の境内で一番高いと書きましたが、秋葉山の頂上はさらに20mほど登った地点にあります。普段なら最高点には拘ることが多いのですが、ここでは本殿のさらに奥を歩き回ることが好ましそうには思われなかったので、頂上探索は自粛しました。このため、秋葉山自体の標高は885mとされていますが、今回私が登ったのは、それよりも20mほど低い865mあたりまでとなっています。

社務所の前にあった、ベンチが設置された場所で少し足を休めたら、引き続き東海自然歩道の標識に従って、秋葉神社バス停へ向かいます。登ってきた道は秋葉神社の裏参道でしたが、こちらは表参道になります。
下り始めるとすぐに神門が現れます(くぐった後で振り返りました)。火事の類焼を免れたこの門は、唯一の江戸時代の建造物で、傍らに立つ石柱碑には「文政十三庚寅年 再建嘉永三庚戌五月」と彫られていました。
表参道も穏やかで歩きやすい道です。登ってきた裏参道よりも道幅が広く、いかにもメインルートという感じ。
15分ほど下ったところに秋葉寺があるので寄っていきました。
頂上の秋葉神社が、とても立派ではあったものの建造物がどれも真新しくて垢抜けた印象を受けてしまったのに対して、この秋葉寺はこぢんまりとした境内ながらも、古びた堂宇には長い歳月を経た重みが感じられて、過去の歴史に思いを馳せるには相応しい雰囲気でした。
表参道を下っているだけに、秋葉寺には奥のほうから先に境内に入ってしまい、あとで山門の裏側から出てくることになりました。なので山門の写真も、先程の秋葉神社の神門と同様、くぐってから振り返って撮ることに。
ちなみに秋葉山は江戸時代までは、秋葉権現社(現在の秋葉神社)と秋葉寺とが同じ境内にある神仏混淆の山だったようです。それが明治時代に入ると政府の方針で神仏分離が行われ、それが引き金となって(直接の原因ではないらしい)秋葉寺は一旦廃寺となってしまい、現在の場所に改めて創建されたという歴史を持っています。

歩きやすい道ではあるけれど、こちらも裏参道と同じく、ほぼずっと植林の中を進む感じで、景色は単調です。
表参道だけに、時折すごく立派な丁石が見られました。
常夜灯も、裏参道で見たものよりもひと回り大きなサイズでした。
富士見茶屋跡を通過します。このあと、1箇所だけ東側の景色が開けた場所を通りましたが、この日はそこからの展望も今ひとつで、条件が良ければ見られるらしい富士山は影も形もありませんでした。
常夜灯についての解説版がありました。それによると、表参道に残る常夜灯の多くは、嘉永5年(1850年)に奉納されたものだとか。もう150年以上、こうして立っているものなんですね。

その後は下るにつれてやや傾斜が増したので、逆コースで表参道を登る場合は、序盤のほうがきつく感じられるのではないかと思います。終盤で九十九折りになった山道は、石畳に迎えられたところで終了となりました。
あとは楽に歩けるかと思いきや、この石畳区間がかなりの急坂で、最後まで気が抜けませんでした。
赤い橋が見えてきたあたりで、ようやく傾斜が収まって、そこからは普通の車道歩きになりました。
2車線の道路に出て10分ほど歩けば、ゴール地点に到着です。すでにバスを待つバス停も見えていますが‥‥

そこは秋葉神社の下社の門前です。折角ですから、頂上の上社だけでなく、下社もセットで参拝することに。
下社の境内へは、石段を20mほど登ります。大した長さではないのに、この石段ときたら、やたら段差が大きくて、すでにひと山登り下りしてきた足にはちょっと堪えました。
下社の境内に上がりました。火災に遭った上社が再建されるまでの間、この下社が本社として機能していたことを事前に知った上で訪れたのですが、その情報から想像していたよりは、ずっとささやかな感じの境内でした。
それでも、今もこちらにも社務所があって、お札や祈祷などを受けられるようになっていました。

下社から戻ったら、秋葉神社バス停で西鹿島駅行きのバスを待ちます。
この日はすでに朝イチで1度バタバタさせられていたのに、最後にももうひとつ思い通りにいかないことがあって、このあたりで小1時間ボーっとして過ごす羽目になってしまいました。(後注※2)
冒頭に書いた通り、往路は天竜浜名湖鉄道を利用したので、復路は浜松経由にして遠州鉄道を利用しました。
遠州鉄道は、車両こそ2両編成と短いものですが、ほぼ全線を通して住宅街や商業地域など人の多いエリアを走っているためか、12分間隔で次々と電車が来るにもかかわらず、途中からは立ち客が出るほどの盛況です。走りもとてもテキパキとしていて小気味良く、利用感はいつも乗り慣れている首都圏の鉄道と変わりませんでした。

【後注】
※1:町田で小田急線に乗り換えて小田原に向かおうとしたら、乗る予定の電車は10分程度遅れて来るとのこと。10分までの遅れならギリギリセーフですが、もう1~2分でも遅れが大きくなると、小田原で新幹線に乗り継げなくなり、その時点でこの日の計画が全部パーになります。それを回避するべく、今からでも余裕で間に合う新横浜乗り換えに変更したので、乗車券などをコマ切れで買うことになり、少しばかり余計に高く付いてしまいました。
※2:実は最後に食事でもと考えていて、バス停から歩いて5分程の秋葉橋の近くにお蕎麦やさんを見つけてあったのです。ところが店の前まで行ってみると、なんと営業していません。事前にウェブで営業時間を調べた際に、昼は~15:00という情報が見つかったのでそれを信じていたのですが、帰宅後に改めて調べたら~14:00という情報も見つかって、どうやら後者のほうが正しかったようなのです。近くにはほかにお店がなさそうなので、仕方なく持参していた行動食で繋ぐことにしたところ、幸いバス停の目の前にある気田川の河原に落ち着ける場所が見つかったので、残りの時間をそこで潰しています。

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