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横山丘陵緑地(てるて姫の里「ロマン探訪の小路」) [東京・神奈川(平野部)]

2021/09/21(火)

■第442回 : 横山丘陵緑地(てるて姫の里「ロマン探訪の小路」)


感染者数が減少傾向にあって、先の見通しに明るい兆しが少しは見えてきそうな気もしますが、まだ緊急事態宣言の発令中ですので、今回も行先は相模原市内にとどめて、自転車で行ける距離にある場所を選んでいます。

この日歩いてきた横山丘陵緑地は、相模原市の中央区に広がる樹林で、自然と触れ合えるように散策路が整備されているほか、この地区に伝わる「照手姫伝説」に因んだいくつかのスポットを巡る「てるて姫の里 ロマン探訪の小路」が設定されていて、歴史に思いを馳せながら歩く楽しみもあるらしい。

ぐるっとひと回りしても4km程度という、普段ならば少々物足りなく感じてしまいそうな短いコースも、まだ夏の暑さが残る今の時期にはむしろ丁度良い按配かもと、行先に選んで出掛けてきました。

 累積標高差(登り):140m / 距離:5.2km / 歩行時間:1時間20分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
自宅-自転車移動(約6.4km)-横山公園(東側入口)

(登山行程)
横山公園(東側入口)     12:10
上溝駅前          12:15
日金沢橋          12:25
姥沢地区入口(せどむら坂側) 12:40
あずまや          12:45
姥沢地区入口(横山小学校側) 12:50
姥沢地区入口(せどむら坂側) 12:55
日金沢橋          13:00
榎神社           13:05
横山公園(北西側入口)    13:10
横山公園(展望広場)     13:20-13:25
上溝駅前          13:30
横山公園(東側入口)     13:35

(復路)
横山公園(東側入口) -自転車移動(約6.4km)-自宅


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

横山丘陵緑地の大まかな位置はこちら。JR相模線の上溝駅からほど近く、周辺を住宅地に囲まれています。

てるて姫の里「ロマン探訪の小路」は、上溝駅から周回する具合に歩けるようになっていて、その途中で「照手姫伝説」に因んだいくつかのスポットを巡るようです。なお横山丘陵緑地は3つの地区に分かれていて、上溝駅に近いほうから順に「日金沢下地区」「日金沢上地区」「姥沢地区」となるようです。
  ※相模原市のウェブサイトにある大きなサイズのマップ(PDF)は こちら でご覧下さい。

照手姫伝説については、以降の文中にも何度も出てきますので、その内容にも簡単に触れておきましょう。
  ・照手姫は、歌舞伎や浄瑠璃などの演目として広く知られた「小栗判官物」の主人公
  ・絶世の美女照手姫と小栗判官の恋物語として語り継がれている
  ・筋書きは何種類かあって一様ではなく、また全国各地にこの物語にまつわる伝承地があるらしい
  ・相模原市内では上溝周辺や下溝周辺に照手姫と小栗判官の伝承地があり、その中でも
   このあと歩く姥沢地区は、照手姫誕生の伝承を現代に伝える地となっている
以上は相模原市のウェブサイトの解説を要約したもので、私もこれを機会に知識を深めることができました。


自宅から自転車を40分ほど走らせて、横山公園の東側の入口に到着。駐輪場もすぐ脇にありました。
公園の中を見ると、何やら白いモニュメントが立つ広場が見えますが、園内はこのあと歩く「ロマン探訪の小路」のコースに含まれていて、その順路で歩くことにしているので、今は中には入りません。
そんな訳で、まずは公園を右手に見ながら、「横山公園通り」を進みます。


5分ほどでJR相模線の上溝駅前に出たら、ここから「ロマン探訪の小路」のコースをたどります。
駅前を通過後、右側にダイエー上溝店が建つ「上溝駅下」交差点を右折して、細い道に入ります。交差点は姥川に架かる「てるて橋」と隣り合っていて、このあと「ロマン探訪の小路」は姥川を上流へと遡る形になります。
すぐに老人ホームの前まで来ると、そこで車道は終わっていて‥‥
その先が森へと入っていく小道に繋がっていました。ここが横山丘陵緑地の「日金沢下地区」の入口です。


森の中には、しっかりとした散策路が続いていました。が、蚊が多いため常に身体を動かして寄り付く蚊を振り払い続ける必要があり、落ち着いて歩くのは不可能、撮影時も静止は一瞬しか許されません(シャッターを急ぐあまりブレブレの写真も続出)。すれ違う人もなかったですし、きっとこの時期は歩かれていないのでしょう。
てっきり1本道だと思っていたら、分岐が現れたのが意外でしたが、ここはすぐにまた合流するだけでした。
横山丘陵緑地は姥川左岸の斜面樹林なので、散策路にもちょっとした起伏があります。ここを軽く下ると‥‥
近くの斜面に湧水があるのか、小さな沢を横切ったりしました。蚊さえいなければ、癒されそうな景色なのに。
その先で少し登り返したりしていると、間もなく住宅地の裏手に出て、散策路は一旦途切れます。
車道に出たところから、歩いてきた散策路を振り返りました。


すぐに県道に出ると、コースの続きが右前方に見えていますが、交通量が多くて、ここでの横断は無理そう。
でも近くに、横断歩道付きの交差点があるので、一旦左に進んで姥川に架かる日金沢橋を渡ります。
橋の欄干には、姥川で化粧に使う水を汲み上げる照手姫の姿を描いたレリーフが。「照手姫はこの沢のほとりからわく清水をつかい日に日に紅かねをつけ粧いこらした」とあり、それが「日金沢」という地名の由来らしい。


県道の反対側に渡り、日金沢橋を渡り返せば、そこが今度は「日金沢上地区」の入口です。
姥川へ下る左側の道が明瞭で歩きやすそうなのに対して、「ロマン探訪の小路」の標柱が示しているのは、草深くなっている右側の道。やはりこの時期は満足に歩かれていないのでしょう。
幸いにも草深かったのは入口だけで、森の奥に進めば散策路も明瞭になりましたが、蚊が多いのは相変わらず。
入口から緩やかに登って、右手を通るJR相模線の線路の高さに近づくと、尾根歩きに似た雰囲気になりました。
ほどなく、テラスのような場所が現れます。説明は何もありませんが、「ロマン探訪の小路」のマップで「眺望の場」とされている地点に違いありません。マップには「遠く丹沢の山々が一望できる」とありますが‥‥
樹木に眺めを完全に遮られて、見られる景色は皆無でした。木々が葉を落とした時期だと少しは変わるのかな。
もう少し進むと、分岐点に出ます。次のスポットである「鏡の泉」へはここから下るようなので、左の木段へ。
階段状の道が結構続いて、かなり下った気になったものの、地形図で確認すると高低差は20m程度だった模様。
木段の下りは姥川のすぐ脇まで続いて、河岸沿いの道に合わさりました。
右を向けば、そこにもテラス状の場所があって、どうやらそこが「鏡の泉」らしい。
でも案内は何もありません。奥を覗いてみても、チョロチョロとした流れが見えて湧水があるっぽい雰囲気が感じられるだけの、なんだか良く分からない地点でした。ここも草深くない季節だと見え方が違うのでしょうか。
「ロマン探訪の小路」のマップによれば、「鏡の泉」の先は元の道に戻るので、道標のないすぐの分岐は右へ。
すると、さきほど下ったばかりの分を、そっくり登り返すことになって、その間は木段が続きました。
ここで元の道の続きに戻ったのは良いのですが、手前にあった(下った時の)分岐点には道標が立っていたのに、ここには何の案内もなかったりして、いろいろと全般的に整備状況が中途半端な印象を受けます。
その後は平坦な道を進みます。景色は穏やかに見えても、現実はのべつ蚊にまとわりつかれて常に不快でした。
ほどなく車道へ。ここまでもランナー1人に会っただけでした。なるほど走っていれば蚊も気にならないのか。
車道に出て散策路を振り返りました。車道は「せどむら坂」という坂の途中にある屈曲点になっていて(坂名を記した石柱も立っています)、そこが「日金沢上地区」の反対側の入口でもあるのでした。


車道の「せどむら坂」を少し下ると、すぐに姥川に架かる「せどむら橋」の袂に出ます。道祖神や庚申塔など数々の石柱が並んでいる場所の背後へと土の道が分かれていて、そこからさらに奥の森へ入れるようでした。
そこが横山丘陵緑地の「姥沢地区」の入口で、姥川沿いに続く一連の緑地の最も上流側のブロックになります。入口には「ロマン探訪の小路」のマップと相模原市登録史跡「照手姫伝説伝承地」の解説板が立っていました。
「照手姫伝説伝承地」の解説板では、市内にはほかにもいくつかの伝承地があることが触れられていました。
  ※下の写真は縮小して文字が潰れているので、大き目の写真を こちら に置いておきます。

「姥沢地区」の森の中に入ると、はじめのうちは広い道。そして、そこに足を踏み入れたら最後、もう半端ない蚊の大群地獄が待ち受けていました。
先程までの森の比ではない、夥しい数の蚊の総攻撃に容赦なくさらされ、両手を常に慌しく動かして蹴散らし続けないとならないので辟易しますし、とても散策を楽しむどころではありません。周囲に誰もいなかったから別に構いませんでしたが、そんな姿も傍から見ればきっと滑稽だったでしょう。
相模原市ウェブサイト内に「夏の暑い時期なら早朝に ‥(中略)‥ 散策してみてはいかが」なんてレポートがあるけれど、確かに今は真っ昼間だけれども、こんな状況ではいくら早朝でも快適な散策なんて到底無理かと。
こんな時に限って装備も手薄で、もし登山用の万全なザックで来ていれば、その中には顔や首を覆うモスキートネットがあり、腕の露出なら日焼け対策用のアームカバーで抑えたり、手首から先も手袋をすれば護れるのに、ほぼ街歩きの感覚でいたこの日は普段使いのデイパックで来ていたからその全てがなく、丸腰で不利な戦いを迫られます。最初の森で1度刺された後は、細心の注意で持ち堪えていたのに、ここでさらに3箇所に被害が。
暑さが残る中でこんな場所を訪れたのは失敗でした。「眺望の場」からの眺めや「鏡の泉」の様子も、もっと涼しい時期なら印象が違ったかもしれませんし。読者の皆様にもここには時期を選んで来ることをお勧めします。

少し進むと道は3本に分かれて、一番広くて枕木が敷かれた中央の道がメインっぽかったところ、まずは左へ。
左に入ったあたりは、特に何の変哲もない平凡な森でした。ま、つぶさに観察する余裕もないけれど(苦笑)。
一番奥まで進むと、入口で分かれた3本の道が合わさります。ここからは、中央の道で入口に少し戻る方向へ。
すると、木道が敷かれた、ちょっと雰囲気のある道に。蚊さえいなければ気持ち良く歩けそうなのになぁ。。。
あずまやが見えてくると、そこに自転車で来たらしい2人組の姿が。これは驚くべき事で、何故こんな所で落ち着いて座っていられるのか不思議で仕方なかったのだけれど、余程強力な虫除けでも携えていたのだろうか?!
あずまやの脇には「姥沢幻想の碑」があって、幼い照手姫が描かれているレリーフに、「照手姫伝説伝承地」と題された解説が添えられ、これがこの日に見た中で最もこの伝承をしっかりと説明する資料になっていました。
あずまやから引き返して木道を戻っていくと、森の一番奥付近に「照手姫遺跡の碑」が立ち、これにも伝承について長々と書かれていましたが、文章がやや読みづらく、蚊の襲撃が続く下では内容が頭に入りませんでした。
森の奥からは市街地へと出られそうな道が何本かあり、その中で坂が一番きつそうな道を選んで入りました。せっかく歩きに来たので、平坦な道ばかりでなく多少は登り下りもして、もう少し身体を動かしたかったのです。
しばらく木段が続いて、20~30mくらい登ったあたりで車道に迎えられました。
車道に出て、登ってきた木段からの出口を振り返っています。ここが「姥沢地区」の横山小学校側の入口です。
登ったばかりの木段をすぐに引き返して、みたび森の奥へと戻ります。
森の奥から今度は、入口で3本に分かれた道のうち、まだ歩いていなかった、一番山側の石畳が敷かれた道へ。
石畳の道は、ほどなくあずまやの背後を抜けて(そこにはまだ2人組の姿があって吃驚。良くまぁ長時間じっとしていられるものです)、元の入口に戻る直前に左に小道が分かれたので入ってみましたが‥‥
そこには何も見るものもなく、すぐに森の入口に戻って、その先に「せどむら橋」が見えてきました。


「姥沢地区」から出てきたら、日金沢橋に戻るまでの間、「ロマン探訪の小路」は往復になります。でも「せどむら坂」を登り返すと、すぐに右に分かれる道があって、姥川に下りられそう。先程と同じ道で引き返すのは退屈ですし、来る途中に姥川沿いにも道があることを見ていたので、帰りはそこを歩いてみることにしました。
そういう訳で、姥川の河岸に下りて、ここからは川沿いに下流方向へと歩きます。
ここはすでに1度見に来ている「鏡の泉」なので、今回はただ通過するだけ。
その後もそのまま川沿いの道を進みます。森の中よりは開けているからか、この道では蚊も少なめでした。
日金沢橋の手前で県道に上がり、日金沢上地区の入口に戻ったら、横山丘陵緑地を歩くのはここまで。


そこから先「ロマン探訪の小路」は榎神社と横山公園を回るコースなので、坂道の県道を上がっていきます。
JR相模線の線路下をくぐってさらに登ると、左側に榎神社への入口があります。
短い階段の先で車道に出ると、神社はそのすぐ先にありました。
照手姫伝説に因んだスポットのひとつ、照手姫を祀る榎神社に到着です。
住宅地に隣接する、小さな祠だけのささやかな神社で、境内もやや手狭な印象です。
祠の左に寄り添うようにそびえる榎の大木があり、照手姫が地面に刺した杖が根付いたものだとか。現在の木は1885年に植えられたらしい二代目で、「かながわの名木100選」に選ばれたことを示す石碑が立っていました。
大榎は境内では全容を写せず、道路を渡り反対側の「えのき公園」に入って、やっと全体像を収められました。


県道に戻ったら、向かい側に横山公園を見ながら、上り坂の続きをもう少し進みます。
「横山公園前」交差点で横断歩道を渡って、最後に横山公園に寄っていきます(ここは北西側の入口)。
横山公園は照手姫伝説との直接の関連はなさそうで、「ロマン探訪の小路」のコースも中をほぼ突っ切るだけのような形です。そもそもが野球場やテニス場などが主体の運動公園なので、さほど散策に向いている訳でもありませんが、せっかく来たので、ここでは「ロマン探訪の小路」のコースを外れて園内を少し見ていくことに。
ということで、上の写真の「出会いの広場」を左に曲がると、印象的なメタセコイヤの並木が現れました。木陰にいくつかあるベンチを見ると、随所に縁台将棋を楽しむ人たちがいて、このあたりでブームなのでしょうか?
並木道の途中をさらに左に折れると「樹林広場」で、このあたりは開放的な景色の中を気持ち良く歩けました。
「エントランスプラザ」とされる一角を通ったあとは、室内プールの建物横を抜けていきます。
すると、一番最初の写真に写っていた、白いモニュメントが立つ広場へ。ここを左に折れれば自転車を停めてある駐輪場はすぐですが、それでは「ロマン探訪の小路」を歩き通したことにならないので‥‥
右に折れて、芝生広場(って名前なのに芝生なんかほとんど無さそう)を横目に進むと、前方に小高い一角が。
そこには「展望広場」があるようで、その手前でちょっとした登り坂になります。
わずかに登ったらすぐに少し開けた場所に出て、そこが「展望広場」らしいのですが、ここもその名前に反して全方向を木々に囲まれているため、展望なんて皆無でした。
「展望広場」を反対側から。なお、周囲よりもいくらか高いこのあたりを上溝城跡とする資料があったりするものの、城の遺構は何も残っていないとされていて、所在地を含めて確かなことは一切分かっていないようです。
「展望広場」を通り抜けて反対側に下ると、「ロマン探訪の小路」のコースに復帰します。


その後は横山公園の外に出て、砂利道で上溝中学校の横を抜けていき、このあと小さな森の中へと入ります。
道はずっと高台を進むので、やがて上溝駅が見えてきた時は、高架上にある駅のホームとほぼ同じ高さでした。
そのため、森の中の道は、最後は階段状になって一気に下ります。
下り終えれば上溝駅前。1時間15分ほどで「ロマン探訪の小路」のコースをひと回りしてきたことになります。
最後は「横山公園通り」を引き返す形で進んで‥‥
自転車を停めてある、横山公園の東側の入口に戻ってきました。出発から1時間25分後で、休憩らしい休憩といえば横山公園の展望広場で5分くらい過ごしただけですから、歩いていた時間は1時間20分ほどでしょうか。

以上、今回は行先に適した時期をやや見誤った感が強く、本来ならば歩く楽しさに加えて歴史探訪ができる面白さも兼ね備えたコースであり、当然ながらそれを期待した上での計画だっただけに、思わぬ邪魔物に気を取られて目論んでいたような歩き方を貫く余裕を持てず、少々消化不良気味に終わったのが心残りでした。なので、幸いにいつでも気軽に行ける距離でもありますし、折を見て再度出掛けてみたいと思っています(その際に、今回のような記録は残さないと思いますが)。

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