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守屋山 / 高遠城址公園 [南アルプス]

2018/11/03(土・祝)

■第392回 : 守屋山(1650m) / 高遠城址公園


今回の行先は、南アルプス山系の最北端に位置する守屋山です。
一般的には、杖突峠など中腹の登山口から登る山ですが、山麓の諏訪大社上社からガッツリ登ってきました。

下山後はバスで高遠まで足を伸ばし、「もみじ祭り」が開催中の高遠城址公園で紅葉狩りも楽しんでいます。

 累積標高差(登り):1146m / 距離:10.8km / 歩行時間:3時間55分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 04:59-05:21 八王子 05:35-06:19 大月
大月 06:23-07:12 甲府 07:24-08:32 上諏訪
上諏訪 08:40-09:05 上社

(登山行程)
上社バス停    09:10
諏訪大社上社本宮 09:15-09:25
展望台      09:35-09:40
武居城跡森林公園 10:00
分杭平      11:20-11:30
守屋山(東峰)  12:05
守屋山(西峰)  12:20-12:50
守屋山(東峰)  13:05
立石登山口    13:45
古屋敷バス停   14:00

(バス移動)
古屋敷 14:45-15:20 高遠横町

(おまけの散策)
高遠城址公園 15:35-16:00

(復路)
高遠駅 17:15-18:15 茅野 19:05-20:35 八王子
八王子 20:44-21:06 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

上諏訪駅から諏訪市のコミュニティバス「かりんちゃんバス」に乗車、上社バス停で下車します。
バス停から歩き始めるとすぐ、土産物店などが並ぶ参道の先に、諏訪大社上社本宮の鳥居が見えてきました。
諏訪大社上社本宮で参拝していきます。このあと登る守屋山は、諏訪大社のご神体とも言われていて(これには否定説もあります)、今回はその両方を結んで歩くコースを選びました。
一般参拝なので、拝所で参拝をすませます。祈祷をお願いすると、この奥にある拝殿の前まで入れるようです。
参拝後は、「布橋」と呼ばれる回廊を通ります。回廊の左右にも、様々な社殿が並んでいました。
「布橋」から出ると、左手に「大欅」がありました。樹齢約千年とあり、境内最古の樹木のひとつだとのこと。
東参道の鳥居をくぐって、諏訪大社上社本宮の境内を後にします。


諏訪大社上社本宮からは、少し道路を歩いても良かったのですが、山側に遊歩道が書かれた案内図を事前に見ていたので、その方向に向かいます。すぐ先にある法華寺の前までは、舗装された車道でした。
法華寺の左手から、それらしい山道が延びていて、てっきりその遊歩道かと思ったのでしたが‥‥。
山道を少し登った所に現れた広場は、その全体がゲートボール場になっており、いくつものコートが所狭しと並んでいるばかりで、その中に明確な道がありません。道標をはじめとする道案内の類も皆無で、なんか変です。
そこでは、折しも多くのシニアの方々がゲーム中で、先に進むには、プレイを邪魔しないようにしてコート内を次々と突っ切るしかありません。進行方向も感に頼るしかなく、実際はそこに遊歩道などなかったのでしょう。


それでも正しい方向に歩けたようで、諏訪大社から道路を歩いた場合の山道への入口に無事に出られました。
そこからの道は、しっかりとした遊歩道の体裁になって、不安なく進めるようになります。
数分もすると展望台がある地点に出ました。「諏訪盆地眺望」と書かれています。
高台のヘリに当たるその場所は、草原状の広場になっていて、大きく開けた北側に向けて展望台がありました。
展望台からは、まさに諏訪盆地を一望できたほか、山岳展望もそれなりに楽しめました。標高が低いので、美ヶ原などは前山にほぼ隠れてしまう眺めでしたが、条件次第では北アルプスの一部がスッキリと望めるようです。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


その後、畑に囲まれた中を進む分かりにくい箇所もありましたが、問題なく次の案内がある地点まで来ました。
その地点に立っていた、この付近の案内図です。予めネットで見ていたこの案内図を参考にして、諏訪大社から山道を歩くコースを考えてきたのに、すでに書いた通り、そこにはハイカー向けの道なんてありませんでした。
さらにその案内図には、その地点から車道をショートカットする山道が書かれているので、予定通りその方向に進んだところ、すぐに壊れかけた動物除けの柵に前進を阻まれました。ネットが破れた所から強引に突破したものの、その先は藪っぽい上に倒木が放置されているなど、満足に歩けなさそうな状況なので引き返しています。
案内図まで戻って、仕方なく車道を進むと、ほどなく登山口に出ました。なお、先程途中まで進みかけた藪道からの出口を探しても、近くに見当たらなかったので、歩かれなくなった道が不明瞭になってしまったようです。
ここまで来てようやく、道標による行先案内の中に「守屋山」が初めて現れました。


登山道は少々急な木段で始まり、以降もジグザグを描かずに斜面を直登する箇所が大半で、やや辛い登りです。
紅葉を楽しむには、来るのが若干遅かったようです。実は守屋山には、7年前のほぼ同じ時期(2011/11/02)にも登っていて、その時は紅葉がほぼ見頃だったのですが、今年は木々の色付きが少し早く推移したようです。
しばらく登っていると、なにやら解説板が現れました。武居城跡森林公園に着いたようです。
武居城跡森林公園への分岐道に入ると、すぐ上が小ピークになっていて、そこに休憩舎が建っていました。
でも、休憩舎以外で目立った人工物といえば、武居城跡森林公園と彫られたこの石柱くらいのようです。
周囲は1枚の写真に収まる程度の面積で木々が刈られ、いくらか開けた空間が広がっていますが、公園というほどの印象は持てません。森林破壊を最小限に抑えた配慮なのか、それとも整備途上なのか、どちらでしょうか。


武居城跡森林公園から登山道に戻ると、そこからが長く感じました。割と単調な景色が続いて変化に乏しい上に、登山口からずっと続いている少々きつめの傾斜が一向に収まらず、快適に歩ける箇所も少ないのです。
林道を横断してさらに登ります。
すると、次第に曇り空に変わって、元々見頃を過ぎた黄葉が、さらに冴えない色合いになってしまいました。
隣の尾根のカラマツ林も、まださほど標高を上げていないのに、かなり落葉が進んでしまっているようでした。
ひたすら淡々と登るだけの状況から解放されたのは、右折を示すこの道標が現れた時のこと。そこで道が下りに変わると、なぜか急に細くて頼りない道幅になり、少々ヤブっぽくもなります。それでも明瞭な道形を信じて下っていくと、ほどなく林道に降りた地点に何の案内もなく、林道を左右どちらに進めば良いかが分かりません。地形図を確認して、かなり近付いていた分杭平が左の方向にあると分かったので、左に進んでみましたが、間もなく林道が途切れてしまったら、そこから先には道はおろか踏み跡すら見当たらないので困ってしまいました。
林道の終点からは、別の林道がすぐ下に見えていたので、道のない斜面を強引に下って、このゲートの脇に出てきました。その斜面にはいくつかの足跡が見られたので、かつて同じ状況に陥った先人のものと思われます。※帰宅後に調べたところ、最初に林道に降りた地点では、林道に惑わされずに直進するのが正解だったようです。


それでもゲートの前に立てば、すぐ先に分杭平が見えていてひと安心です。登山口以来、全く人の気配がない中を登ってきましたが、分杭平に着くと大人数のグループが休憩中で、この日初めて会う登山者になりました。
分杭平は、7年前に訪れた時にカラマツの黄葉の最盛期で、青空の下で森全体が黄金色に輝くさまが美しく印象的でした。再会を目論んで今回もほぼ同じ日に来てみたのに、落葉は進んでいるわ、空は曇っているわで、すっかり思惑が外れてしまいましたが、曇り空の下でも心安まる雰囲気は健在で、お気に入りの場所のひとつです。
キャンプ場でもあるらしい分杭平には、避難小屋やトイレのほか、いくつものテーブルとベンチがあります。


その先も登山道は所々で急登になり、疲労してきた足には少々きつく感じますが、一気に登ってしまいます。
守屋山の東峰に到着しました。ここからの展望も見事で、一応は写真に収めたのですが、展望は最高点の西峰からのほうが一枚上に感じましたので、ここからの展望写真は割愛します。
展望写真を撮っている間に、日差しが復活! これ以降はずっと晴れ間が続いて、気持ち良く歩けています。


東峰の頂上直下には守屋神社の奥宮があります。下山先の古屋敷には里宮があって、のちほど参拝する予定。
東峰と西峰の間は、穏やかな傾斜の気持ち良い尾根道で結ばれていて、疲れた中でも足取りが軽くなりました。
避難小屋のような建物の前を通れば、もう守屋山最高点の西峰は目と鼻の先です。


守屋山の頂上(西峰)に到着です。分杭平以降は登山者と次々とすれ違っていて、この頂上でも15人前後と居合わせています。でも、広さのある頂上なので混み合っている感じはなく、座れる場所にもまだ余裕がありました。
しかも意外なことに、山シャツ1枚で快適に過ごせます。日差しには力強さがあって、穏やかに吹く風も心地良い程度。この日は今シーズン初めて冬用のウェアを着てきてみたら、予想外の暖かさに登山口の時点ですでに上に羽織っていた物が全て不要になっていたのですが、頂上での休憩中もずっとそのままでいられるなんて‥‥。
頂上では360度の展望があり、快晴に恵まれた7年前は、それはもう見事な眺めでした。しかしこの日は雲が多く、クリアに望めたのは美ヶ原や霧ヶ峰などがある真北の方角だけ。すぐ右隣の八ヶ岳は完全に雲の中でした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
南アルプスの方角は特に雲が多くて、ほとんど何も見えていない状況です。
中央アルプスは、見えている山もあるものの、肝心の核心部は雲に隠れてしまっていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
北アルプス方面も、雪を抱いた山稜の一部が辛うじて望めた程度で、多くのピークは雲に覆われていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
期待が大きかっただけに展望は残念でしたが、下山後に乗る予定のバスの時間までには余裕があり、快適な気候で居心地が良かったこともあって、珍しく頂上でゆっくりと30分ほど過ごしてから、下山を始めています。


来た道を戻って、東峰の手前まで来ると、すでに1度見送っていた古屋敷への分岐点があります。下山後は古屋敷からバスに乗るため、当然ここから下るほうが近いのですが、この道は2011年の時に歩いていることから、今回は別の道を下ることにしてきたので、この分岐は再度見送ります。
2度目となる東峰を通過して、もう少しだけ来た道を戻ります。
立石登山口への分岐点まで戻ってきました(この地点も登りの途中で1度見送っています)。立石・古屋敷の両登山口の間は15分ほどで歩ける距離なので、今回はここから立石へ下ったのち、車道で古屋敷へ移動します。


立石への道を下り始めると、登山道の上部は少々急な斜面に入って、小刻みなジグザグが繰り返されました。
上部のジグザグを下り切った地点では、三角点がある前嶽への道が分岐していました。片道3分の表示を見て往復するか迷いましたが、久しぶりにマトモに山を歩いて早くも疲れ始めていたので、スルーしてしまいました。
途中には、わずかながら紅葉が楽しめる樹木が残っていました。
その後は浅間の滝への道が2回分かれましたが、寄り道した場合の時間が読めないので見送りました。
しばらく下ると、目の前に大きな岩が現れました。標識によると「百畳岩」だそうですが、短いハシゴで岩の天辺に立ってみると、その広さなんてせいぜい数畳がいいところ。少々誇張が過ぎるような気がします。。。
「百畳岩」の上からの眺め。たぶん南東方向です。紅葉の見頃は低い山に移っているようですね。


「百畳岩」の前からコースが2つに分かれていて、そのうち「岩巡りコース」に入ってみます。すると、登山道脇に変わった形の岩が次々と現れるようになって、目を楽しませてくれました。
最初の巨岩はこの「鬼ヶ城」です。地面付近にある窪みに、かつて鬼が棲んでいたとも伝えられているらしい。
なるほど、その窪みは大人でも何人かが入れそうな大きさがあって、雨露を凌ぐのに十分使えそうでした。
親子岩と夫婦岩です。写真は別々に撮っていますが、すぐ近くに寄り添うようにしていて一緒に見られました。
こちらは十文字岩。写真にはうまく撮れていませんが、写真左上あたりに亀裂が十字状に入っていました。
そして次に現れたのが、コース名の由来らしい「立石」です。
なるほど、このコースを象徴するに相応しい立派な岩で、地元の人たちが朝晩祈りを捧げてきたとのこと。
最後は「亀石」。確かに左上端あたりが、亀が甲羅から顔を出しているように見えますね。


立石登山口まで下ってきました。ここまで車で入れるようです。
車道を少し下ると、2つ目の駐車スペースがあって、こちらのほうがやや広めだったように思います。
しばらく車道を下ると、国道256号線(杖突街道)に出ました。
ここから古屋敷まで、15分ほどこの国道を歩くのですが‥‥。
その計画はあまり宜しくなかったようです。というのも、交通量がそれなりにあり、結構飛ばしている車も多いのに、歩道が全くないばかりか、路肩すら狭い箇所が大半だったのです。車が通るたび、安全にやり過ごすのにいちいち気を遣う必要があって、沿道に時折紅葉が見られても、それを楽しむ心のゆとりは持てませんでした。


古屋敷に着いたら、危なっかしい国道歩きを終えてひと安心。待合室付きのバス停は、見覚えのある7年前の姿のままでした。その時と同じく、ここからバスに乗って高遠に向かいます(というか高遠にしか行けません)。
が、バスが来るまで随分と時間があるので、やはり前回と同じく、守屋神社で時間を潰していきます。
静かな境内で、誰も来ないものと油断していたら、地元の方らしい男性が参拝に現れて不意を突かれました。


古屋敷から乗ったバスを、今回も、この路線で高遠城址公園に最も近いと思われる高遠横町で下車します。
高遠横町バス停からも、7年前と同じ道のりで高遠城址公園へ。先週から「もみじ祭り」が開催中ですが、この日の各種イベントは午後3時までに全て終わっていたので、人が減り始めた頃合いだったのだろうと思います。
グランドゲートから公園内に入ります。春のさくら祭りとは違って、もみじ祭りは入園料はいりません。
高遠城址公園の紅葉はほぼ見頃でした。木々が密集せずに散在しているので、圧倒されるほどの印象はなく、1本1本を個別に楽しむ感じの場所が多かったです。その中でも鮮やかだったものの写真を何枚かご覧下さい。


高遠城址公園を後にしたら、高遠駅に向かう途中で、水曜日に訪れた7年前は定休日だった「あかはね」に立ち寄って、「高遠まん頭」を購入します。10個入りのものはお洒落な化粧箱入りでなかなかGoodでした。
あとは高遠駅で、2014年から運行が開始された路線バス「南アルプスジオライナー」の茅野駅行きを待ちます。伊那市駅行きのバスしかなかった7年前は、伊那市から飯田線を北上し、岡谷で中央線に乗り換えるという大回りな経路で帰ってくるしかなかったので、当時と比べると高遠からは随分と楽に帰れるようになりました。
余談になりますが、最後に大幅に時間が余ったので、高遠の中心街で食事でもと考えていました(城址公園で時間を潰してしまう手もあったけれど、遅まきながら昼食をと、時間の余裕を残して高遠駅に向かったのです)。
なのに高遠駅周辺の食事処ときたら、軒並み午後3時台には中休みに入っていて、営業再開はどこも夕方から。午後4時頃にいくら探しても、営業中のお店なんて1軒も見つかりません。タイミングが悪かったようです。
しかも、食料品を扱うお店すら見当たらず、おにぎり1つパン1個買えずじまい(住民の皆さんはどこで買物をしているのだろう?)。結局、高遠駅の待合室で暇を持て余すしかなく、食事も茅野駅までお預けとなってしまいました。でも、初めて食べた茅野駅の駅ソバが評判通り美味しかったので、それはそれで良かったけれど。

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陣馬形山 [南アルプス]

2014/04/26(土)

■第282回 : 陣馬形山(1445m)


今回は前日のうちに伊那市に入って、伊那山地にある陣馬形山に登ってきました。
中央アルプスと伊那谷を一望する大パノラマが凄いと評判の山なのですが、某登山地図の収録外ということもあってか知名度は高くないらしく、今のところは穴場的な存在である模様です。

アルプスを眺めるならば、やはり雪を抱いた凛々しい姿で見られる時期が一番だと思うのですが、自分が登る山にも雪が残る時期だと、寒さ対策をしたり足回りの装備を調えたりと色々な面倒も多くなります。
そこで、陣馬形山からは雪が消えて、中央アルプスには豊富に雪が残るこの時期を選んで出掛けてきました。

この日見たかった景色がこれです。写真では伝わらないのですが、眼下に見下ろす深い伊那谷と、その向こうにせり上がる3000m級の中央アルプスとが織りなす、空間的なレンジの広さがもう圧巻でした。

 累積標高差(登り):1136m / 距離:19.9km / 歩行時間:4時間55分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
[前日] 古淵 15:38-16:00 八王子 16:31-18:16 岡谷
    岡谷 18:37-19:31 伊那市(泊)
[当日] 伊那市 05:13-05:59 伊那本郷

(登山行程)
伊那本郷駅 06:00
飯沼橋   06:25
登山口   07:40-07:45
陣馬形山  08:45-09:15
登山口   09:55
飯沼橋   10:55
伊那本郷駅 11:30

(復路)
伊那本郷 12:23-13:57 岡谷 14:04-16:02(延着16:10) 八王子
八王子 16:20-16:42 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

金曜日のうちに現地近くまで移動しておき、伊那市駅の近くにあるホテルに宿泊して、翌朝を迎えました。
飯田線はローカル線ながら、一番電車が早朝5時過ぎにあります。展望を楽しむには早い時間ほど有利なので、早起きしてそれを捕まえましたが、ほかに乗客はほとんどなく、私が乗った車両はずっと貸切状態でした。
下車した伊那本郷駅は無人駅。私が降りたことで、乗ってきた電車もここで一旦乗客がゼロになったような。
この駅が陣馬形山に最も近い駅なのですが、ここから歩いて陣馬形山を目指す人などほとんどいないと思われ、ヤマレコで探しても、この駅をスタートまたはゴールとする記録は1件も見つかりませんでした。


高台にあった伊那本郷駅から、まずは天竜川を目指して標高差120m以上を下り、飯沼橋で天竜川を渡ります。
駅から延々と車道を歩くのは、私の山歩きでは珍しくないのですが、今回は始めに延々と下り坂が続くという、あまり前例のないパターンですし、完全往復ルートなので、復路の登り返しを考えると今から気が重いです。
飯沼橋の上で振り返ると、雲ひとつない青空の下で、雪を抱いた中央アルプスが朝日を受けて輝いていました。
飯沼橋を渡り終えてすぐの所で、なんと予定ルートが通行止めというハプニングが発生です。
示された迂回路は実に6kmもの距離があり、車ならまだしも、完全に歩行者の存在を無視した工事計画と言わざるを得ません(まぁ、住民の皆さんは基本的に車で移動していて、普段は歩行者なんて皆無なのでしょうが)。
往復ともに迂回すると、それだけで12kmも歩かされ、時間も3時間近くかかりますから、現実的に従える話ではありません。今はまだ早朝で、この日の工事が始まる前でしょうから、構わず進んでみることにしました。
幸い、道路自体はほぼ出来上がっていて、あとは路面の舗装と路肩の整備を残している程度のようでした。
もしも道路が寸断されているなど、歩行に支障がある状況ならば、帰りに通ろうとしても工事が始まっていれば拒否される可能性があるところでしたが、これなら工事中でも頼めば通してもらえそうで、ひと安心です。


その後は人家の途絶えた山の中をひたすら歩きます。早朝とはいえ、人も車も全く見掛けません。手前に通行止め区間がある影響も大きかったとは思いますが、どう考えても地元の方が普段歩くような道ではなさそうです。
谷を詰めていくと次第に前方が開けてきて、遠くに山が見えてきました。この時はこれが陣馬形山かと思っていたのですが、帰宅して検証すると、見えていたのはその手前にある無名峰だったようです。
途中で中川村営巡回バスの西丸尾入口バス停を通過します。
実はこの路線の朝の便で飯島駅~美里間を利用すれば、往路の車道歩きをほとんどを省略できるのですが、登頂が1時間ほど遅くなってしまうため、迷った末に展望条件を優先して泣く泣く利用を諦めていたのでした。
  (なお、午後の便は4時半頃に1本あるだけなので、下山時の利用はちょっと考えられない感じです)


前の写真でも奥の方に見えているのですが、美里集落内に入ると、多くの木々が満開の花を付けていました。
実際に通るルートではなかったのが残念でしたが、横道には桜並木もありました。
長い冬から解放された山里が、待ちわびた春を謳歌するように、淡い彩りに添えられています。
これも、この時期に訪れるならば見ておきたかった景色のひとつでした。


伊那本郷駅から歩くこと1時間半近く、美里集落の中心部に入って、美里バス停から上がってくるルートと合流したところで、ようやく陣馬形山への道標を発見しました。
その後は集落内を右に行ったり左に行ったりしながら、車道と山道を次々に結んで進みます。中には民家の庭をかすめるような箇所もありましたが、要所には必ず道標が立っていて、迷うことなく進めました。
最後に少し車道を歩いて、登山口に到着しました。腰掛ける物も何もありませんが、ここまで休みなしで歩き続けてきたので、立ったままで小休止していきます。車で来た場合は路肩に停めて歩き始めるようですが、この車道はなんと頂上まで通じているので、車を降りなければ頂上まで乗ったままで行けてしまいます。


立ったままの小休止を終えて登山道に入ると、ほんの1~2分で展望が良くてベンチまである地点に出ました。
知っていたらこっちで休憩できたのに・・・
ツツジの向こうの中央アルプスは、まだ雲ひとつない青空の下にあって、頂上での展望にも期待が高まります。
なお、このあと登山道はずっと樹林内を進むため、ここを過ぎるともう頂上まで全く展望はありませんでした。


登山道は、はじめは道幅が広くてゆったりとした雰囲気が続きます。
何度も車道を横断しながら進む途中で、2度目の車道横断点を過ぎると、細い山道に変わります。その後も緩やかな傾斜に終始して、とても歩きやすい登山道でした。急な斜面でも、ジグザグに折り返してほぼ一定の傾斜が保たれていましたし、大きな段差や通過に注意を要する箇所も皆無で、頂上までずっと気持ち良く歩けます。
上部はまだ冬の装いでしたが、美しいカラマツ林が続くので、秋頃に来てもきれいな景色が見られそうです。
かなり登った頃、推定樹齢600年の「丸尾のブナ」が現れます。ここにはいくつもの切り株ベンチが置かれて、登山口のすぐ上にあった展望地とともに、この登山道に2箇所しかない、腰掛けて休める貴重な地点でした。


やがて電波塔が見えてくれば、そこはもう頂上の一角です。距離はまだ600mほど残していますが、標高がすでに頂上とほとんど同じなので、この先にもう苦しい登りはありません。
登山道は電波塔の前で終わり、これまで何度も横断してきた車道に、最後の最後で合流してしまいます。
頂上を間近にしての車道歩きは少々興醒めですが、頂上直下のキャンプ場までは車道を歩くしかありません。


いよいよ陣馬形キャンプ場に到着しました。頂上はもうすぐ先で、写真右上の電波塔の奥あたりです。
テントサイトに居ながらにして中央アルプスの絶景が堪能できる、なんとも贅沢なキャンプ場です。
陣馬形キャンプ場のほぼ全景で、赤い屋根の建物は大きな避難小屋です。このキャンプ場、驚いたことにテントサイトも避難小屋も無料らしいので、将来テント用品を揃えたら、真っ先に来てみたくなりそう。


陣馬形山の頂上はキャンプ場のすぐ上で、キャンプ場まで車で来れば1分歩くだけで登頂できる近さです。
さほど広くはありませんが、ほぼ全方位が開けていて、展望図・望遠鏡・三角点と3つのベンチがあります。
望遠鏡で木曽駒ヶ岳方面を覗くと、千畳敷ホテルの建物はもちろん、登山者の姿まで見ることができました。
三角点の等級は二等で、比較的きれいな標石でした。
すぐ眼下で天竜川が深い伊那谷を刻み、その向こうに中央アルプスが3000m近くまでせり上がっているという、もの凄くダイナミックな景色が目の前いっぱいに広がって圧倒されます。手前は展望図です。
展望図には、西側の中央アルプスはほぼ全域、東側の南アルプスも最南部を除く広い範囲が描かれていました。


まずは、なんといっても伊那谷を挟んだ中央アルプスの展望です。下の写真は山名ガイドを入れた縮小版なので、ぜひ こちら の大きな写真(文字入れなし)で見て頂きたいと思います。
空木岳を中心としたあたりを少し大きくしてみました(冒頭と同じ写真の再掲です)。
一方、反対側の南アルプスはすっかり霞んでいて、残念な眺めでした。北岳や間ノ岳は写真を縮小したらほとんど分かりません。 ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
頂上で30分ほど過ごした後、一段下のキャンプ場に戻ってから再度中央アルプスを眺めてみました。
頂上に着いてすぐに写していた2つ前の写真と比べると、少し雲が出始めていたようです。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
南アルプスは、頂上やキャンプ場では、樹木が少し邪魔をしてスッキリとは見られなかったのですが、頂上部南端にある電波塔の近くまで引き返すと、何にも邪魔されずに見渡せるようになりました。
でも相変わらず霞んでいて、せっかく南側の視界が広がったのに、南部はほとんど見えていないも同然でした。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


頂上を後にして、登ってきた登山道を下ります。特筆すべきは、フカフカした柔らかな地面がずっと続いて、足にとても優しい歩き心地だったことです。傾斜が穏やかで登りやすかった道は、下るのもすこぶる快適でした。
歩きやすい登山道なので、あっという間に登山口近くの展望地まで下ってきました。結局この日、登山道を往復している間に会ったのは、単独行の男性1人と、7~8人のパーティーだけで、とても静かな山歩きでした。
ところで、中央アルプスの上を見ると少し雲が増えていたので、バスに乗るのを諦めて歩く距離が長くなったとしても、早い時間に着くことを優先しておいたのは正解だったようです。


美里集落に入ると大きな桜の木が見えたので、登山道を外れて見に来てみました。写真の真ん中あたりには中央アルプスが見えていて、桜の花とコラボしていたのに、縮小したら分かりづらくなくなってしまったのですが。
それにしても立派な桜でした。山里の遅い春が、4月の下旬までお花見を取っておいてくれたようです。
往路とほぼ同じ写真ですが、ここで美里バス停へ向かうルートと分かれます。ここまでは歩きやすい山道をグングン下ってきましたが、この先は舗装道路を延々と下るので、足を痛めないように少しペースを落としました。
その後はひたすら車道を歩きます。気になっていた通行止め区間は、たった2人で小規模な作業が行われていただけで、誰何されることもなく通過でき、飯沼橋を渡り返すところまで来ました。
中央アルプスの上には、さらに雲が増えていたので、早い時間に登っておいて良かったと、改めて思いました。


かなりの距離を歩いて、車道歩きが長かったことも影響してか、飯沼橋からの登り返しは少し苦しかったです。
振り返るとそこには、ついさっきまで頂上に立っていた陣馬形山がありました。実は往路でも同じ景色を見ているのですが、朝はちょうどこの真上に出てきたばかりの太陽があって、マトモに写真が撮れなかったのでした。
最後の直線区間に入れば、ゴールの伊那本郷駅まであとわずかです。
まだ午前中ですが、いよいよ中央アルプスの上は雲が多くなっていて、午後までは持ちそうもない気配でした。
伊那本郷駅に戻ってきた時、駅舎越しに中央アルプスが見えていることに気付きました。
朝はもっと駅舎の近くから写真を撮っていて(先頭から2枚目)、それで見落としていた模様です。
駅からも、もちろん陣馬形山が良く見えていました。頂上は、平坦に見えている頂上部の左端付近です。
飯田線のダイヤは、昼間になると電車の間隔が1時間以上空いていて、次の電車も約1時間後です。
駅の周囲を少しウロウロして写真を撮ったりした後は、2人も入れば満員になってしまうような小さな待合室で、電車が来るのを待ちました。

タグ:南アルプス
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身延山 + 久遠寺のしだれ桜 [南アルプス]

2014/04/05(土)

■第281回 : 身延山(1153m)


今回の行先は山梨県の身延山。山麓に日蓮宗の総本山・身延山久遠寺があることで、一般的には観光名所として知られている山です。頂上にもロープウェイで行けるのですが、参道を歩けば自分の足で登ることもできます。
久遠寺の境内で、しだれ桜などが見頃を迎えたようなので、登山と花見の両方を楽しみに出掛けてきました。

この山には約6年前の2007年冬にも登っていますが、今回はその時と周回方向だけを逆にして、表参道を登り、裏参道を下りました。さらに行き帰りではJR身延線を全線乗車して、乗り鉄気分も同時に満たしています。

 累積標高差(登り):918m / 距離:12.8km / 歩行時間:3時間20分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 04:59-05:21 八王子 05:35-06:20 大月
大月 06:23-07:12 甲府 07:17-08:41 身延
身延駅 08:50-09:02 身延山

(登山行程)
身延山バス停 09:00
久遠寺    09:20-09:30
大光坊    10:00-10:05
法明坊    10:35-10:40
身延山    11:00  (奥之院思親閣)
北側展望台  11:05-11:10
東側展望台  11:15-11:20
感井坊    11:40-11:45
松樹庵    12:15
妙石坊    12:30-12:35
身延山バス停 13:00

(復路)
身延山 13:05-13:17 身延 13:30-14:25 富士
富士 14:30-15:10 熱海 15:18-15:41 小田原
小田原 15:44-16:34 相模大野 16:48-17:03 市営斎場入口


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

久しぶりに始発電車をつかまえて、身延駅までやって来ました。駅前で路線バスに乗り継ぎます。
これから登る身延山は、駅前からも見えていました。写真をこのサイズにしてしまうと、小さな白い点になってしまうのですが、頂上直下にあるロープウェイ駅の白い建物が目立っていて、すぐに身延山だと分かります。


身延山バス停から歩き始めます。この時、まだバス停付近は落ち着いた雰囲気でしたが、歩き終えて昼過ぎに戻ってくると、観光バスや特設駐車場からのシャトルバスが続々と出入りして、慌ただしくなっていました。
歩き始めは、土産物屋が軒を連ねる細い路地を抜けていきます。奥に見えているのは身延山です。
すぐに三門の前まで来ると、満開の桜に迎えられて、一気に華やいだ雰囲気に変わります。
三門は壮大で見事な造りでした。京都の知恩院・南禅寺の三門とともに日本三大門に数えられているとか。


三門をくぐって杉木立の間を進むと、その奥に壁のような石段が見えてきました。
その石段は「菩提梯」と名付けられていて、全287段もの段数があり、一気に104mを登ります。
前回は逆コースで歩いたため、この菩提梯も下っただけだったので、登るのは今回が初めて。
垂直に近い印象すらある急な傾斜に対して、十分な心構えをして登り始めたつもりだったのですが・・・
1段1段の高さがもう半端ではなく、大きな腿上げが連続するのが辛くて、すぐに息が切れてしまいました。
帰ってから計算すると、287段で104mということは、単純計算で1段あたり36cmとなって、これは普通の階段の倍近い高さです。しかも、それが長く続くのですから、たまったものではありません。
何度か途中でひと息入れつつ、どうにか登り切って振り返ると、目が眩むような高さがありました。


菩提梯を登り終えると、2500人の法要を行えるという圧倒的な大きさの本堂が現れました。左上は身延山です。
五重塔と鐘楼です。五重塔は明治8年の大火で焼失し、134年の時を経て、2009年に復元されたばかりのもの。
2007年冬に来た時はまだ復元工事中だったので、今回初めて見ることになりました。


こちらが、樹齢400年といわれるしだれ桜です。満開の花を付けた枝が垂れ下がるさまが見事でした。
広い境内にはほかにも何本もの桜があり、いずれも満開で見応えがあります。
しかも、まだ人出が少な目でじっくりと見ることができたので、始発電車で出掛けてきた甲斐がありました。
もう1本あったしだれ桜。こちらも樹齢400年と書かれていました。


桜を見終わったら、境内の裏手に回ります。紅白幕で飾られているのは、ロープウェイの駅と向かう道です。
ほぼ全ての人がそこに吸い込まれていくのを横目で見つつ、右上に分かれる表参道に入ると、その途端に静寂が訪れました。元々歩く人など少ないのですが、この時間はまだ下ってくる人も稀で、当分は誰にも会いません。
表参道は舗装道路がしばらく続きます。普段ならば素っ気なく感じてしまう舗装道路も、これだけ立派な杉木立の間を進んでいると、なんだか厳粛な気持ちになって歩くことができました。
参道らしく、道路脇には時折小さなお堂や稲荷、墓所などが見られました。
そんな中、丈六堂は少し大きめのお堂でした。
このような丁石もたびたび現れます。もっと古い丁石を期待して、新しめな丁石を見送っていたのですが、ずっと同じタイプの物しか出てこないので、22丁で諦めて写真を撮りました。ちなみに頂上までは50丁です。


大光坊に着くと、そこには休憩所があって、腰を下ろして休むことができました。ここは頂上までのほぼ中間点に当たっていて、奥に見えている頂上も、ロープウェイ駅の建物の形が分かるくらいになっています。
大光坊にあった三光堂です。ここで小休止している間、お堂の中からは読経の声がずっと聞こえていました。
大光坊の先で舗装道路は終わり、砂利道に変わりますが、道幅は相変わらず車でも通れそうなままでした。
それでも荘厳な杉林が続くので、かなり山道の雰囲気に近い箇所も出てくるようになります。
40丁の法明坊まで来れば、頂上までもうひと頑張りです。ここにも休憩所があって、ひと息入れていきました。
法明坊を過ぎると、道の脇に少し残雪を見るようになっていましたが、頂上直下にはその残雪の上を歩くような箇所もありました。2月の記録的な大雪の名残りなんでしょうね。


ついに頂上部の建物が見えてくると、その手前が南側展望台になっていました。富士川を中心にその両岸の山々が広く眺められましたが、富士山の頂上が完全に雲の中で、中腹の一部しか見られなかったのが残念でした。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
頂上部に出ると、ロープウェイで上がってきた観光客と合わさって、一気に人の数が増えました。
そしてこの階段が、頂上にある奥之院思親閣への最後の登りです。
思親閣の仁王門も、堂々としていて風格が感じられます。くぐった先にある祖師堂も見えてきました。
思親閣祖師堂で参拝していきます。


思親閣を参拝した後は、南アルプスの展望に期待して、裏手にある北側展望台に向かいます。
この写真は、来る途中に中央本線の勝沼ぶどう郷駅から眺めた南アルプスの様子で、中央には白峰三山が澄み渡った青空をバックに美しく並んでいます。それが目の前にドーンと大きく現れる、はずだったのですが。。。
南アルプスが、一応は見えているのですが、いかんせん雲が多すぎます。しかも積雪と雲がともに白い色で同化してしまい、写真にするともう見分けが付きません(例えば、山梨百名山標柱の真上に北岳があるのですが)。
西から天気が緩やかに下り坂なのは承知していました。でもほんの2時間ほど前に身延線の車窓から眺めた時点では、まだ上の写真と変わらず雲ひとつない青空だったので、タッチの差で間に合わなかったことになりそう。
6年前に来た時は、クリアで雄大な展望に感動したのですが、その当時はカメラを持ち歩いていませんでした。
それで今回は写真を撮るのを楽しみにしてきたのですが、またもう1度来なさい、ということでしょうか。
こんなふうに、南アルプスの峰々がズラリと並んで見えていて、これだけでも十分に壮観なのですが、バックが青空だったらどんなに素晴らしかったことでしょう。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
白峰三山のあたりをアップにしてみました。(この写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します)
このくらいの大きさにすると、辛うじて雪の稜線と雲との区別が付けられるようになります。


ロープウェイの駅に向かうと、手前に七面山展望台があって、その名の通り七面山を正面から眺められました。
ちょうどロープウェイが着いたところらしく、駅舎から次々と人が出てきていました。
ロープウェイ駅の目の前が東側展望台になっていて、そこにも山頂と書かれた標識が立っていました。
ここは山頂ではないので違和感がありますが、ほぼ山頂と言えないこともないので山頂という表記は大目に見るとしても、標高値まで山頂と一緒にしてしまうのは乱暴ですし、それが何かのためになっているとも思えないので理解に苦しむところです(この地点の標高は1130mほど)。設置者は何の疑問も感じないのでしょうか。
東側展望台からの眺めは、最初に見た南側展望台からのものとほぼ同様でした。
こちら側の展望の主役はどう考えても富士山なので、それがほとんど見えていないのがやはり残念です。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


展望を楽しんだら、頂上部を後にして、下山を開始します。この写真はロープウェイ駅前の分岐点。右上は頂上の思親閣や北側展望台から下ってきた道で、下山路の裏参道は左に下っていきます。
裏参道は最初から完全な車道で、砂利道と舗装路が交互に現れる具合でした。
表参道と違って、さほど厳かな雰囲気も感じられず、味気ない印象は否めません。
しばらく下ると感井坊に出ます。手前のベンチで少し足を休めましたが、奥には広い休憩所もあったようです。
感井坊から下になると道路工事中で重機が入っていたりして、もう気分はすっかり台無しでした。
道路工事区間を抜けた先からは、舗装道路が続くようになって、引き続き淡々と下っていきます。


その舗装が途切れたら、表参道で見てきたような杉の大木が周囲に急に増え始めて、一気に荘厳な雰囲気に変わります。すると間もなく「千本杉」の標柱と解説板が現れました。
どの杉も幹回りが立派で、そんな大木が密集している様子からは、威圧感のようなものすら感じられました。


千本杉の一帯を過ぎて、何事もなかったように周囲がありふれた感じの森に戻ると、その後は特に見所のない道が続きます。道標が立つ地点に来たら、そこが大きく蛇行する林道をショートカットする山道の降り口でした。
ジグザグに下っていき、久々に見る建物がこの松樹庵でした。
ここまで来ると、眼下に久遠寺などが望めるようになって、ゴールに近付いた気分にさせられます。
時々林道と交差しながら、山腹に細く刻まれたジグザグ道をさらに下り続けます。


前方に再び建物が現れて、動物除けのフェンスを開閉して進むと、妙石坊の境内に裏から入る形となりました。
妙石坊の桜も満開でした。
妙石坊では、小さいながらも池を配した庭園風の境内が美しくて、心安らぐ雰囲気を醸し出していました。


山道は妙石坊までで終わっていて、あとは道路を歩いて久遠寺の三門へと向かいます。
西谷地区に入ると、そこかしこで桜が満開となっていました。
久遠寺の三門前に戻ると、人出が朝とはケタ違いに増えていました。こうなる前に回れて良かったです。
帰りの身延線は、ちょうど時間が合ったので、特急「ワイドビューふじかわ」号を利用することに。
自由席に余裕があって窓側に座れたので、仕切りのない大きな窓からの景色を存分に楽しめました。
身延山から見て雲の中だった富士山は、この時間でもこんな具合。頂上を見られたのは朝だけだったようです。

タグ:南アルプス
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