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倉見山 [富士山とその周辺]

2014/05/10(土)

■第284回 : 倉見山(1256m)


この日は少し早めに帰ってくる必要があって、長い時間を掛けてガッツリと歩くコースは選べません。そこで、1月に購入していた新しいシューズの履き慣らし第3弾(最終章)として、倉見山にサクッと登ってきました。

倉見山は手軽に登れる標高ながら、富士山の展望に優れた山です。だから、かねてよりこの山に登るのは天気の良い日にと思っていたところ、この日はほぼ揺るぎなさそうな好天予報が出ていました。条件的には申し分なさそうなのですが、さらに好条件での展望を楽しもうと始発電車に乗って、早朝のうちに登って下りてきました。

 累積標高差(登り):809m / 距離:9.4km / 歩行時間:3時間5分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:4時間20分 

(往路)
古淵 04:59-05:21 八王子 05:35-06:19 大月
大月 06:22-06:47 東桂

(登山行程)
東桂駅   06:50
長泉院   07:05
844.5m三角点 07:40
倉見山   08:40-08:50
堂尾山公園 09:30-09:40
寿駅    10:15

(復路)
寿 10:30-11:12 大月 11:22-12:16 八王子
八王子 12:20-12:42 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

富士急行線の東桂駅から歩き始めます。まだ朝早いからか、同じ電車からこの駅で下車したのは私だけでした。
駅前から、これから登る倉見山を眺めました。
写真右半分の緑の山が倉見山で、一番右のピークが頂上。左奥に見えているのは、鹿留山と杓子山です。
最初は20分ほど車道を歩きます。どこに繋がっているわけでもない細い道なのに、休日の早朝にもかかわらず交通量が多くて意外だったのですが、ガソリンスタンドまで現れたのには驚きました。


長泉院の前まで来れば、車道歩きもおしまいです。
倉見山への登山口は、長泉院の前を通り過ぎてすぐの所にありました。
長泉院の墓地の中を通った先に、登山道が続いていました。


登り始めから急斜面が長く続きます。しかもあまりジグザグを描かずに直登する辛い登りで、みるみる足に疲労が溜まります。最初で苦しくなってしまったためか、この日は最後まで登りのペースが上がりませんでした。
群生というほどではないですが、登山道脇にはツツジの花が多く見られて目を楽しませてくれました。


登山道は、途中にある三角点は踏まずに、少し南側を通過していました。三角点はこのロープを越えた先です。
844.5m三角点です。その先で北に下る尾根にも踏み跡が付いていたのですが、境方面(天満天神宮)から登ってくる道は別の地点(前の写真のロープの地点の少し先)で合流したので、その踏み跡の素性は分かりません。
送電線鉄塔の真下を通過します。鉄塔付近では展望が開けることも多いので、ここでも期待していたのですが、残念ながら展望は皆無。結局、長泉院からの登山道は、頂上に着くまで展望らしい展望はありませんでした。


送電線鉄塔を過ぎると、ようやく傾斜が収まるとともに、少し尾根が狭まって、尾根道らしい雰囲気に変わります。その後しばらくは、左側が雑木林、右側が植林という景色が続きました。
雑木林では、木立の新緑が鮮やかです。早朝の清々しさもあって、このあたりでは気持ち良く歩けました。
さらに進むと広い緩斜面に出て、穏やかな景色に心が洗われる感じになります。
そして木漏れ日が新緑を輝かせていて、この時期ならではの美しさにはウットリしてしまいました。


倉見への分岐点まで来ました。三つ峠駅から登って、ここに出てくるコースもあるようです。
その後も新緑の美しさは相変わらずですが、登り始めのような急登が断続するようになりました。
頂上近くでは、ロープが下がる急坂も出てきます。振り返ると、下りならば転がりそうな急斜面でした。


倉見山の頂上に到着しました。10人もいれば満員になりそうな狭い頂上ですが、まだ9時前という早い時間が幸いしてか、居合わせたのは三角点付近からほぼ同じペースで先行していたご夫婦らしいお2人だけでした。
倉見山でのお楽しみといえば、やはりこの富士山の眺めでしょう。
そのため、好天の予報をきっちりと見定めた上で、始発電車に乗って早い時間に登ってきたのでした。
周囲の樹木のために広い視界はありませんが、それでも富士山は、長く伸ばした裾野を片側だけとはいえ先端近くまで見渡すことができて、なかなか雄大な眺めでした。
富士山の左側には、すぐお隣にある鹿留山・杓子山の稜線があり、その奥には御正体山も顔を出していました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
振り返ると、1月に登ったばかりの三ツ峠山も見えていました。


頂上での休憩後、小さなギャップに急降下して登り返すと、すぐ南隣のコブにはベンチが置かれていました。
ベンチからの富士山の眺めも上々でした。来る前から知っていたら、腰掛けられる物のない頂上ではなく、ここを休憩場所にする手もあったのですが、でもベンチが空いているかどうかは、来てみないと分からないしなぁ。
ベンチの先に進むと、樹木が途切れて一気に展望が開ける地点に出ました。ここからの眺めがこの日一番で、雲ひとつなく見事に晴れ渡ったこともあって、実に爽快な眺めです。右のほうには南アルプスも見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
1つ前の写真で、南アルプスの白銀の峰々が見えている右のほうをアップにしたものです。


もう1度下って登り返したピークには、「相定ヶ峰」という名前があるようです。ただし、地形図では倉見山と同じ1250m圏として描かれているので、標高値が倉見山よりも高い「1260m」と書かれていた根拠は不明。
「相定ヶ峰」は分岐点となっていて、ここから堂尾山公園へ向かう道に入ります。
すると、さほど急な箇所のない快適な尾根道が続いて、ハイペースでグングンと下ることができました。
あっという間に、富士吉田の市街地がすぐ下に見える高さまで下ってしまいます。


堂尾山公園に着きました。決して山奥などではなく、市街地にほど近い場所にあるので、もっとちゃんとした公園かと思っていたら、あずま屋を中心としてこの写真の範囲がほぼ全ての小さなスペースがあるだけでした。
それはそうと、このあずま屋の、目を覆いたくなるような惨状はどうしたことでしょうか。作るだけ作って、その後は何の手入れもされていないのが明白なのですが、残念に思えたことはこれだけではありませんでした。
ここまで来れば、富士山がもう目の前なので、眺めの良さにも期待していました。しかし、せっかくその方角を伐採して見通しを良くしているのに、桜の木が狭い間隔で植えられていて、スッキリとした姿で見られません。
見る場所を選べば、桜の枝の間や桜のトンネルの下に富士山を見られるので、花の季節には絵になる眺めがあるのでしょう。でもその一方で、1年を通して来てみたいと思える景色は手放してしまったように感じました。
それにしても、この東屋に一体何が起きたのでしょう。(まさか冬の積雪に耐えられる設計ではなかったとか?)


堂尾山公園のすぐ下が分岐点になっています。寿駅には直進方向が近道で、そのほうが良く歩かれている感じでもあったのですが、ここは左折して向原への道を下ってみました。
すると、道はやがて杉林の中に入ってしまい、あまり歩いていて楽しい感じの道ではありませんでした。
向原の登山口まで下ってくると、そこには自由に使えるらしい杖がたくさん用意されていました。
堂尾山公園のあたりまでは、地元の方々によって、普段から良く歩かれているのかもしれません。


あとは、向原の集落の中を、のんびりと歩いていきます。最初は富士山を正面に見て進む道でした。
その後は、最新の地図にもない、完成したばかりらしい新しい道が出現したりして少し戸惑いましたが、その道が近そうだと見当を付けて進んでみたところ、それで正解だったようです。
なお、新しい道の先で進行方向いっぱいに広がっているのは三ツ峠山です。何度も登っていながら、これまでこの角度からは見たことがなく、すごく新鮮な眺めでした。とりわけ、屏風のように大きく立ちはだかるその姿は迫力満点で(縮小写真では伝わらないのが残念ですが)、三ツ峠山のスケールの大きさを再認識できました。
寿駅が近くなると、つい先程まで頂上に立っていた倉見山を眺められる地点もありました。
写真中央やや左寄りで少し奥まって見えているのが倉見山で、左側の突起が頂上です。


寿駅に着きました。時間はまだ10時過ぎで、こんな早い時間に登山を終えるのも珍しいです。
寿駅は無人駅です。開業当初からずっと無人駅なのか、前の写真の入口も柵があるだけで改札設備があった名残は感じられませんでしたが、ホーム上にあるのも小さな待合室だけでした。
寿駅では切符の購入もできないため、乗車後に車掌さんから車内補充券を購入しました。今でも決して珍しい物ではありませんが、旅先でスムーズに行動したいため、乗車券類を事前に手配してしまうことが多い私の場合は、この手の切符を手にすることは稀です。このあと下車駅で「無効」印を押してもらって持ち帰りました。

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積雪の三ツ峠山 [富士山とその周辺]

2014/01/25(土)

■第275回 : 三ツ峠山(1785m)・天上山(1139m)


今週も、先週に続いて雪山を歩いて来ました。豊富な雪量を期待して、かなり標高を上げて選んだ行先です。
また三ツ峠山は、間近から望む雄大な富士山をはじめ、南アルプスや八ヶ岳、さらに条件次第では北アルプスまで見えるという展望の山でもあります。空気の澄んだこの時期ならではの大展望も楽しみのひとつでした。
 (上の写真は三ツ峠山頂上からの富士山です)

が、ここ数日季節外れの暖かさだった影響か、三つ峠駅からの登山道は頂上直下までほとんど雪がありません。
今週もハズレなのかと気を揉みましたが、さすがに頂上部は積雪が多くて、十分に楽しむことができています。
そして意外にも、河口湖駅へのルートではかなり下まで雪道が続き、下山時は雪の感触を長時間味わえました。

 累積標高差(登り):1437m / 距離:16.5km / 歩行時間:5時間40分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:8時間35分 

(往路)
古淵 05:27-05:48 八王子 05:52-06:37 大月
大月 06:53-07:21 三つ峠

(登山行程)
三つ峠駅      07:25
いこいの森     08:10-08:15
達磨石       08:25
馬返し       09:10-09:15
八十八大師     09:45-09:55
三ツ峠山(開運山)  10:30-10:50
三ツ峠山(御巣鷹山) 11:05-11:10
三ツ峠山(木無山)  11:40
霜山        12:45-12:50
天上山       13:25-13:35
河口湖駅      14:05

(復路)
河口湖 14:21-15:14 大月 15:21-16:22 八王子
八王子 16:29-16:40 橋本 16:43-16:53 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

この日のスタートは三つ峠駅。今回で3回目になる三ツ峠山ですが、ここから登るのは初めてになります。
駅の裏側には、これから目指す三ツ峠山が見えています(写真右半分で奥のほうに写るギザギザが頂上)。
駅からの標高差は1200m近くあるので、まだまだ遙か上を見上げる具合でした。


富士急線の車窓から良く見えていた富士山は、建物が多い駅の周辺では一旦見づらくなります。
それでも歩き初めて数分もすれば、見通しの良い場所が現れました。
そしてもちろん、進行方向には三ツ峠山が見えていますが、高いだけではなくて、まだまだ遠い感じでした。
三ツ峠山のアップです。頂上には大きな電波塔が建ち並んでいるので、遠くの山から見てもすぐに分かります。
三つ峠駅側から見ると、コブが4つ見えて「四ツ峠山」みたいな姿なのでした。一番左のコブが最高点の開運山です(御巣鷹山は中央のコブの裏に隠れていて、木無山は左側のフレーム外(前の写真には写っています))。


駅から登山口までの途中で、さくら公園にあるトイレに寄っていきます。
さくら公園のトイレはこの時期も利用可能で、外観がなんと三ツ峠山そのもの。なかなかシャレています。
三つ峠駅からのルートは、はじめの車道歩きが結構長く続きます。
延々と車道を歩いても、三ツ峠山は遙か彼方のまま変わらず、少しも近付いた気がしないので気が滅入ります。


車道を歩くこと1時間(標準コースタイムでは1時間半)、ようやく登山口に着きました。
ここまでの車道だけで、すでに標高差300m以上を登っています。それなりに汗をかかされていて、息も少し上がっていますが、でもここからが本番なのでした。
登山口のすぐ上にあった達磨石。水難防止の祈願のために、大日如来の梵字を刻んだものだとか。


しばらくの間、登山道には全く雪がなく、すっかり乾燥していました。
登山道は、比較的きつめの傾斜が一貫して続きます。木段の箇所も多くて、なかなか登り応えがありました。
それにしても、いくら登っても全く雪が出てきません。歩きやすいのは良いのですが、ちょっと拍子抜けです。


「股のぞき」なる標識が現れました。幹が二俣に分かれた樹木の前に、登れとばかりに階段が作られています。
段の上に乗ってみると、ちょうど二俣に分かれた幹と幹との間から、富士山を覗くことができるのでした。


標高が1300mを過ぎ、「馬返し」のあたりまで来ると、ようやく雪が見られるようになります。でも、まだ雪がある箇所は断続的で、量もわずかなので、歩くのに支障はありません。
さらに登り続けていくと、次第にツルツルの箇所が目立ち始めたので、ここでチェーンアイゼンを着けました。
ところがそのあとも、雪はあったりなかったりで、むしろ雪のない箇所のほうが多い状況が続きます。
こういう時、土の上でも違和感なく歩けるチェーンアイゼンは、着けたり外したりする手間がなくて楽ですね。


なにやらたくさんの赤いものが目に入ると、それは揃って赤い前掛けを着けた八十八大師でした。
四国の八十八ヶ所巡礼にかえて、88体の弘法大師像を置き、お参りしたものらしいです。
八十八大師まで来れば、長い登りも8割がた終えていて、いよいよ残りが見えてきます。
八十八大師を過ぎて目の前に現れる頂上部も、かなり間近に感じられるようになっていました。
雪道と呼べる箇所が現れ始めたのも、このあたりからでした。まだ途切れ途切れではありましたが・・・


やがて登山道は、頂上直下にある屏風岩の下を、ほぼ水平に横切っていきます。
屏風岩はロッククライミングのメッカですが、こんな時期ですから、岩に取り付いている人はいなかった模様。
屏風岩の下をぐるっと回ると、前方に四季楽園の建物が見えてきました。あそこまで行けば、もう頂上まで残す登りはわずかです。それにしても、屏風岩の絶壁さが半端ではない様子が、良くお分かり頂けるでしょうか。
頂上部の一角に出ると、そこから上は、さすがに雪が深く積もっていました。ここが頂上への最後の登りです。


三ツ峠山の最高峰、開運山に到着です。登山シーズン中は、いつ来ても賑わっている人気の頂上も、この日の先客はわずか7~8人。静かで落ち着いた雰囲気でしたし、写真も好きな場所から存分に撮ることができます。
さらに驚かされたのは、気温が高い上にほぼ無風という気象条件が重なって、休憩中も山シャツ姿のまま、何も羽織らなくても全く寒くなかったこと。とても真冬に標高1800mの頂上にいるとは思えない穏やかさでした。
三ツ峠山と言えば、やっぱり富士山。大きな裾野を左右ともに広く見渡せて、とても貫禄ある姿に見えます。
積雪に関しては、先週三頭山から見た時よりも少ないようで、それもここ数日の暖かさの影響でしょうか。


ここからは、開運山からの展望です。薄曇りという天気に加えて、気温が高かったこともあってか、クリアな眺めではありませんでしたが、それでもどうにか、遠くの北アルプスまで見えていました。
まずは、富士山をはじめとする南西側の眺め。大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
西側には、南アルプスがほぼ全部見られて壮観でした。大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
北西側に並ぶのは、八ヶ岳や奥秩父の山々。大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
東側には丹沢や道志の山並みも見られました。大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
そして肉眼では、南アルプスと八ヶ岳の間に、ぼんやりと白銀の北アルプスも見えていたのですが、カメラに収めるのは厳しかったです(特に、写真をこのサイズにしてしまっては)。


開運山に続いて、次は御巣鷹山に向かいます。『三ツ峠』ですから、やはり3つのトッケ(突起)を全部踏まないことには。 って、先週の三頭山でも全く同じことを書いていたような。。。
開運山から御巣鷹山に直行するルートには、ほんの2~3人分のトレースしかなく、降雪直後にほぼ近い状況が保たれていて、滑って降りたり腿まで埋まったりと、楽しい雪道でした。
開運山と御巣鷹山の鞍部で、四季楽園から登ってくる車道を合わせても、トレースの数は変わりませんでした。
御巣鷹山は頂上を電波塔が独占して殺風景なので、わざわざ寄って行くのは余程の物好きぐらいなのでしょう。
先行者の足跡をなぞって進みますが、引き続き深い所は腿のあたりまで沈みます。
御巣鷹山への登りが始まる手前に、北口登山道への分岐点があります。2007年、最初に三ツ峠山に登ったのが、この北口登山道からだったので、その当時を思い出して少し懐かしい気分になりました。そして意外にも、北口登山道にはトレースが付いていました。無雪期でも難路なのに、こんな時期に歩く人がいるなんて。


御巣鷹山の頂上に着きましたが、ただ電波塔が建っているだけなので、写真に撮るような景色はありません。
電波塔のフェンスの縁をぐるりと伝って、一番高い裏手に回ってみましたが、そこにも何もありませんでした。
山頂標識が見当たらないので、その代わりに本社ヶ丸方面への案内標識を撮っておきます。
ちなみに本社ヶ丸への道は、全くトレースがありませんでした。


御巣鷹山からは、車道をそのまま歩いて四季楽園に戻ります。普段ならば退屈しがちな車道も、これだけの雪景色のおかげで、楽しんで歩くことができました。
四季楽園の前を通過して、3つのピークの残り1つである木無山へ向かいます。
四季楽園と木無山の間には、こんな展望地がいくつもありました。


木無山の頂上は、わずかに登山道から外れています。何もない場所で、付いていたトレースも1~2人分だけ。
今回は敢えて踏みに行きましたが、このあたりの登山道は両脇がロープで仕切られている箇所も多く(私が入った所にロープはなかったものの、出た所にはあったので)、もしかすると立入禁止だったのかもしれません。
木無山の標識は、頂上近くの登山道脇に立っていました。


木無山からは府戸尾根を下って、河口湖駅まで歩きます。今回が3回目の登頂となった三ツ峠山、登ったルートは3回とも違うのですが、下りは毎回決まってこのルートばかりを選んでいることになります。
距離は長くても、その分だけ緩やかなのが、このルートを好きな一番の理由ですが、施設が充実している河口湖駅なら、中途半端な時間に着いても時間を有効活用できますし、富士急線に始発から乗れるメリットも大です。

河口湖駅まで続く府戸尾根ルート、もちろん最初はタップリの積雪の中を下り始めます。
ところが、大して進まないうちに、雪の途切れる箇所が出現してしまいます。こちらも、登ってきた三つ峠駅からのルートと同じように、雪が楽しめるのは頂上直下だけなのかとガッカリしたのですが・・・
嬉しいことに、間もなく雪道が復活しました。先程までの深さはないものの、雪の感触を味わうには十分です。
その後も、時折局所的に雪が消えたりしますが、基本的には雪道が続いてくれて、雪景色を長く楽しめました。


登山道はずっと樹林帯を進むため、途中からの展望はほとんどありませんが、送電線鉄塔が立つ地点では、唯一樹林が切れて景色が開けます。いつの間にか、河口湖の湖面が近い高さに見えるようになっていました。
そして反対側の富士山は、樹木が落葉したことで、そこそこスッキリとした姿で眺められました。
その後は間もなく、三角点ピークの霜山付近に差し掛かりますが、登山道はピークをわずかに巻いています。
踏み跡は付いているものの、普段ならば気を付けていないと見落としがちな三角点です。でも木々が葉を落としたこの時期は、登山道上からも三角点の白い標柱が見えていて、分かりやすくなっていました。
前の写真の左上端にも写っていますが、霜山にはこんな小さな標識がありました。
前に来た時はなかった物ですし、見るからに新しそうなので、比較的最近に設置されたのでしょうね。


標高を落とすにつれて、雪のない箇所が増えていましたが、霜山を過ぎると、ほとんど雪を見なくなります。
でも、林道を横断した先で北向きの斜面に変わるので、チェーンスパイクは着けたままにしていました。
案の定、天上山への登りに変わると、再び雪が残る道になりました。
とはいえ積雪はごく浅く、チェーンスパイクを外していたとしても、間違いなく普通に歩ける程度でしたが。
天上山の頂上です。まだこの先も300m近い標高差を残していますが、すぐ下にカチカチ山ロープウェイの駅があるので、ここまで来れば下界まであと一歩という気分になります。
そしてここで、チェーンスパイクとスパッツを外したり、その他荷物の整理などをしていきました。


天上山からわずかに下ると、カチカチ山ロープウェイの富士見台駅に出て、一気に観光客の世界に変わります。
富士見台から見る富士山は、間近で迫力がありますし、裾野の広がりもデジカメの視野に収まらない雄大さでした(広角レンズが欲しい・・・)。手前には、富士急ハイランドも見えるようになっています。
富士山の反対側では、河口湖がやはりデジカメの視野に収まらないほど大きな姿を横たえていました。
河口湖の奥のスカイラインは御坂山地で、右端が黒岳です。
ゴールの河口湖駅に到着したら、駅舎内のお店で土産物の品定めなどをしつつ、電車の時間を待ちます。
このあと天気は下り坂で、夜には雨が降り出す予報でしたが、その割に富士山には雲がかかることもなく、最後までクリアに見えていました。

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滝戸山・春日山・春日沢ノ頭 [富士山とその周辺]

2013/12/07(土)

■第271回 : 滝戸山(1220m)・春日山(1158m)・春日沢ノ頭(1235m)


今回は、2010年に1度登っている滝戸山のリベンジ編。前回の記事は こちら です。
3年前のその日も、今回とほぼ同様の縦走を計画して出掛けたのですが、予想外の積雪によるトレースの消失により縦走は諦めざるを得ず、最初に登った滝戸山だけをピストンして帰ってきたのでした。

そこで、今回は滝戸山へ登るルートだけを変えて、その先の縦走に再チャレンジしています。
なお、滝戸山までのルート(金刀比羅神社から貉山を経て滝戸山へ至る尾根道)は、登山道として整備されたものではありません。このまま未整備の状況が続けば、さらに荒れていく一方だと思われますので、この記事を参考にして歩かれる方は、別の情報も参照するなどして、なるべく最新の状況をご確認下さい。

 累積標高差(登り):1421m / 距離:14.7km / 歩行時間:5時間10分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:6時間0分 

(往路)
古淵 05:58-06:21 八王子 06:35-08:10 甲府
甲府 08:26-08:59 石橋

(登山行程)
石橋バス停    09:05
金刀比羅神社   10:20-10:25
貉山       11:05-11:15
滝戸山      11:55-12:05
鶯宿峠      12:30
名所山      13:10-13:20
春日山      13:40
春日沢ノ頭    14:00-14:10
鳥坂峠      14:30
芦川農産物直売所 15:00

(復路)
芦川農産物直売所 15:50-16:22 河口湖
河口湖 16:29-17:24 大月 17:34-18:22 高尾
高尾 18:29-18:35 八王子 18:43-19:05 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

朝の甲府駅バスターミナル。先週は帰りのバスでここに着いたので、なんだかその続きをやりに来た気分です。
笛吹市の境川町までバスに揺られて、石橋バス停からスタートします。このあたりはまだ市街地ですね。


しばらくは車道歩きが続きます。歩き始めた時点では、山はまだずっと遠くに見えていました。
最初に登る滝戸山が正面に見えてきました。しかし・・・
まずはその麓まで行かなければ山登りも何も始まらない訳ですが、そこまでの道のりがまだ長い感じです。
境川町の藤垈地区に入り、その外れまで来た頃、右手に智光寺を見送ります。すぐ先には笛吹市営バスの金刀比羅神社入口下バス停があったはずなのですが、余程目立たなかったのか、気付かずに通り過ぎていたようです。
以前は平日ならば、笛吹市営バスに乗り継いでそのバス停まで来られたのですが、昨年6月に行われた山梨交通バスのダイヤ改正でそれが不可能になり、石橋バス停から長い距離を歩かざるを得なくなっていたのでした。
さらに進んで、ここから向昌寺の参道に入りますが、当初予定していた道と違っているのにすぐ気付きました。
そこで、畑のあぜ道を通って2本ほど右の小道に移って軌道修正しています。


やがて、舗装された道のまま登り坂が始まり、すぐに九十九折りを描くようになります。
ここで舗装が途切れます。その先に山道が続くはずなのに、それがすっかり草藪に埋もれているようにしか見えず、先行きが不安になりましたが、草藪はこの場所だけで、すぐに明瞭な山道が現れてホッとしました。
上にある金刀比羅神社の参道でもある山道は、道形こそ明瞭ですが少々荒れていて、現在ではほとんど歩かれなくなっている様子です。しかし、道が付けられている尾根がかなり急なのに対して、丹念にジグザグが繰り返されて、道自体に急な箇所が全くないなど、神社への参道であることを彷彿とさせる歩きやすい道でした。
神社へお参りする人が無理なく歩けるようにと、昔の人たちが大変な手間を掛けて急斜面を開き、守り続けてきた道なのでしょう。神仏への信仰が薄れつつある世の中で、集落でも人口減少や高齢化が進んでしまっては、小1時間も山道を登らなければ参拝できない場所が廃れてしまうのは致し方ないのかもしれません。でもこんないい道が、このまま歩かれなくなり、やがて埋もれてしまうとしたら、それは本当に勿体ないことだと思います。
かなり登った頃、足元に町目石を見つけました。この道がかつて良く歩かれていたことを、今に伝えています。


杉木立に囲まれて、少し厳かな雰囲気に変わったことを感じると間もなく、前方に鳥居が現れます。
左下隅に写っている町目石には「十二町目石」と彫られていました。
金刀比羅神社の境内に入ります。そこには本殿と拝殿のほか、神楽殿や社務所と思われる建物なども揃っていて、深い山の中に建てられたことを考えると、とても立派な神社であることが窺えました。
毎年4月に行われていた例大祭は、2009年を最後に記録が探せなくなっていて、2010年以降は行われなくなってしまった模様。でも現在もある程度は維持管理されているのか、建物に大きな傷みは見られませんでした。


良く踏まれた道で神社の奥へ進んでいくと、すぐに林道に出て、「金刀比羅神社裏参道入口」と彫られた石柱が立っていました。今では、車などで楽に来ることができるこの地点から神社へ向かうのが一般的なのでしょう。
すぐに尾根に取り付きたいところですが、裏参道の向かい側は高い擁壁が続いていて登ることができません。
そこで、林道を右に進んでいくと、事前に調べておいた通りに分岐点が現れました。
振り返ると、分岐する道はこんな具合です。
すでに道の体裁をなしていませんが、歩く分には支障がなく、労せずして尾根に向かうことができました。


尾根筋に出たところから、明瞭な掘割状の道が始まりました。この先も、かつては良く歩かれていたようです。
しかし、今では滅多に歩かれていない様子で、掘割の底は落ちた枝などが散乱して歩きにくいことも多く、しばしば掘割から外れる必要はあったのですが、掘割を追ってさえいれば、地図を見なくても歩ける状況でした。
貉山の手前で、踏み跡は尾根筋を外して進むようになり、林道のガードレールが途切れたこの地点に出ます。
写真では分かりにくいのですが、直進方向には、再び尾根筋へと復帰するための踏み跡も続いていました。
尾根筋に復帰したら、少し戻るようにして、貉山の頂上とされる地点に寄っていきますが・・・
そこにはただ三角点があるだけで、山名標などは全く見られず、周囲も少々荒れていたりして殺風景でした。


貉山から先も、掘割状の道が途切れることなく続いていきます。藤垈集落から滝戸山までの尾根道は、再び踏み固めて、倒木などの障害物を取り除き、道標を付けさえすれば、全部をそのまま登山道として使えそうでした。
とはいえ、滝戸山の直下で急斜面に突き当たった地点だけは、左右どちらに進むのかが分かりにくかったです。
左に進んでみたところ、やがて踏み跡が怪しくなり、登りながら適当に右に戻っていくと歩きやすい道に合流したので、最初から右に進んでおくのが正解だったのでしょう。


滝戸山に到着しました。2010年以来3年ぶりの頂上は、3年前と同じく無人でした。
頂上を示す物は三角点と山梨百名山の標柱だけ。このほか道標を除けば、目立った物は何もありませんでした。
落葉した木立の間に、上部に雪をまとった南アルプスが見えていたのですが、写真は上手く撮れませんでした。
今の時期ですらこの状況ですから、葉が茂る季節になると、展望など全くないのでしょう。


滝戸山を後にして、鳥坂峠への縦走路に入れば、この先はもうずっと一般登山道。道標も完備されていました。
俄然歩きやすくなった登山道を快適に下って行くと、この日初めて、別の男性ハイカーとすれ違います。一般登山道に入って、この先は会う人も増えるのかと思いましたが、結果的に人と会うのはそれが最初で最後でした。
一旦200m近く下って、車道に降ります。停まっていた車は、先ほどすれ違った男性のものかもしれません。
車道に降りた所には、登山口の大きな看板が立っていました。駐車も可能で、確かに登山口として使えます。
でもここからだと、ほんの40分で登れてしまって、登山の楽しさを味わうには、いささか短すぎる気がします。ここまで車に乗って来る時間ばかりが長そうで、山を歩くよりも車を運転するほうが好き、という人向けかな。


鶯宿峠までは、少しの間だけ、車道をそのまま進みます。
鶯宿峠から再び山道に入ります。
「ナンジャモンジャ」の木は、鶯宿峠のすぐ脇に立っていました。


鶯宿峠からは穏やかな道が続きますが、地形も緩やかになっている分、道が不明瞭な箇所もありました。
一般登山道とはいえ、このあたりはまだ「山と高原地図」の収録範囲外。歩く人もそう多くはないのでしょう。
その後は、防火帯の尾根道に入ります。結構急な斜面を直登するので、なかなか苦しい登りです。
小ピークまで登り詰めたところで、登山道は道標に従って右折しますが、左方向に少しだけ寄り道します。
寄り道の理由は、ほんの数十メートル先にあったこの三角点。写真だけ撮ったら、すぐに引き返しました。


小ピークから軽く下った先で、名所山への登り返しが始まると、防火帯の急登の再現となりました。
落ち葉が滑って足元が定まらない箇所もあり、疲労が蓄積しているところへ、この急斜面はキツかったです。
名所山の頂上は、ここに写っている範囲がほぼ全てという狭い場所で、展望もありません。
ただ、急登が続いて息が上がっていたので、境界見出標の標石に腰を下ろして、呼吸を整えていきました。
名所山からの下りは、引き続きトンデモナイ急な斜面で、しかもそれが結構長く続きました。
足場が悪い箇所も多く、降雨後や凍結時などコンディションが悪い時は、転倒が避けられなさそう。
名所山からは「山と高原地図」の収録エリアに入りましたが、この斜面には何らかの注記が欲しいところです。


150m近くを一気に下って、黒坂峠で林道を横断すると、またすぐに木段の登り返しが始まります。
このあたりは、登りにせよ下りにせよ、とにかく傾斜が急な斜面が続いて、気が休まりません。
次に踏んでいくピークは春日山。滝戸山に次いで、この日2座目の山梨百名山です。
ただ、ここの標高は地形図によれば1158mとなっているのに、山梨百名山の標柱には1235mという、次に向かう春日沢ノ頭の標高が書かれていました。1つ前の名所山にも「春日山最高点」なる標識がありましたし、このあたりの山名には何通りかの解釈があるのかもしれません。
春日山は、頂上部の大半を電波塔が占めていました。電波塔の左側は、次に向かう春日沢ノ頭です。
春日山からの眺めは、木立越しであまりスッキリとしていません。甲府盆地の先に八ヶ岳を望むことができましたが、その八ヶ岳も稜線には雲がかかっていました。また、写真右端のあたりに見えているのは金峰山です。
春日山の先は、写真中央の木立の中に進みます。標識もその方向を指しているのですが、標識を見ても最初はその方向に道があるとは分からず、左側の道路を下ってしまいそうになりました。


縦走の最後のピーク、春日沢ノ頭に到着しました。
春日沢ノ頭は地形図に山名の記載がなく、標識も比較的最近に取り付けられたもののようです。
北西側だけは樹木が伐られたのか景色が開けていて、南アルプスを一望できました。ただ、すでに日が傾きつつある時間で、クリアな眺めではなくなっていたのが残念です。大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
春日沢ノ頭からは、北側にもルートが伸びていて、笛吹市が設置したと思われる道標が付けられていました。
「山と高原地図」には未掲載ですが、自治体が整備しているルートならば、安心して歩けそうです。


春日沢ノ頭までは急な登り下りを繰り返してきましたが、春日沢ノ頭の先でようやく道が穏やかになりました。
明るい冬木立の中の歩きやすい道を、気持ち良く下っていきます。
ササが出てくると、間もなく鳥坂峠に到着します。
鳥坂峠の先も、稜線上には登山道が続いていきますが、ここで尾根から外れて、芦川町を目指します。
峠からの下りは、自然なジグザグで傾斜が緩和された、昔から峠越えで歩かれていたらしい優しい道でした。
鳥坂トンネルの出口まで来れば、あとは車道を下るだけとなります。
来た道を振り返ります。こちらは旧トンネルへと続く旧道ですが、このゲートのため車両は入ることができず、旧トンネル自体もコンクリートで完全に封鎖されていました。


しばらく車道を下っていくと、ゴール地点の芦川農産物直売所が見えてきました。最後にこの階段を下ります。
芦川農産物直売所「おごっそう家」の全景です。行楽の人出がそろそろ鈍る時期で、しかも夕方が近い時間帯とあって、もう訪れる人の数はチラホラとなっていました。
建物内では果物や野菜などの農産物やその加工品の直売が行われているほか、軽食コーナーもあり、最初からそのつもりでお腹を空かせてきていたので、カレーライスを注文してしばらく過ごしていきました。
食事客は私のほかには全くなく、1人で食べるカレーライスの味も平凡だったと思いますが、お店の方とお話ができて、私がバスで帰ることを聞くと、外は寒いから時間までここで待つように言って下さったりして、温かい対応をして頂けました。訪れたのが客足の少ない時期に当たって、それがむしろ良かったようです。
最後は駐車場の片隅にあるバス停で、河口湖駅へ向かうバスを待ちますが、同じバスを待つ人などほかには誰も現れず、走り出してからもしばらくの間、乗客は私ひとりだけでした。

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