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吾国山・難台山・愛宕山 [茨城]

2015/01/03(土)

■第298回 : 吾国山(518m)・難台山(552m)・愛宕山(293m)


今年の初歩きは、茨城県の南部まで出掛けて、筑波山のすぐ北東にある低山3座を巡ってきました。
JR線の駅と駅とを結んでいて、距離が15kmを超えている、なかなか歩き甲斐のあるルートです。
長丁場になったので、今回は普段よりも長めの記事になり、写真の点数も多くなりましたがご容赦下さい。

最後に登った愛宕山の山頂には、日本三大火防神社のひとつといわれ、創建が大同元年(806年)と伝えられる歴史ある愛宕神社があって、ついでに初詣も済ませてきました(今回このルートを選んだ最大の理由がこれ)。

 累積標高差(登り):1001m / 距離:15.8km / 歩行時間:4時間30分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:47-05:50 町田 06:00-06:29 新宿
新宿 06:42-07:17 大宮 07:26-08:15 小山
小山 08:22-09:07 福原

(登山行程)
福原駅   09:15
吾国山   10:35-10:45
道祖神峠  11:05
難台山   11:55-12:05
団子石峠  12:35
南山展望台 12:55-13:05
乗越峠   13:20
愛宕山   13:40-13:50
岩間駅   14:25

(復路)
岩間 14:51-16:29 日暮里 16:34-16:55 新宿
新宿 17:11-17:49 相模大野 18:00-18:15 大沼


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

この日のスタートは、JR水戸線の福原駅。同じ電車から降りた人数は僅かでしたが、その中にもうひとり単独行の男性ハイカーがいて、難台山までは姿を見掛けたので、私とほぼ同一行程だった様子でした。
はじめは車道歩きが続きます。都心では早朝かなり冷え込んでいた上に、はるばる北関東までやって来たこともあって、相当の寒さを覚悟していたのですが、幸いにも現地はあまり厳しい寒さになっていませんでした。
すぐに右手の方向には、2年前に登った加波山がスッキリと見えてきました。
左端には足尾山も見えていて、奥に見えている稜線すべてが、そのままその時の縦走ルートになっています。
もちろん進行方向には、最初に目指す吾国山も見えているのですが、はじめのうちは建物や高速道路や電線などが一緒に入って、なかなか綺麗な写真になりません。
田畑が広がるエリアに入ると、ようやく何にも邪魔をされずに吾国山が見られるようになります。
でも、ずっと逆光方向に当たるため、写真を撮るには厳しい条件でした。


道順は複雑ですが、曲がり角には必ず道標が立っていて、道案内は万全です。しかも、この界隈の道は大半がGoogleのストリートビューで見られるので、どこにどんな道標があるのかも、全て事前に分かっていました。
途中には、畑の中を突っ切っていくような区間もあります。引き続き正面は吾国山です。
道端には、しばしば丁目石が現れます。吾国山は山頂に神社があるので、かつては信仰の道だったのでしょう。
それにしてもこの丁目石、短い間隔で次々と現れて、またたく間に数字が増えていきます。一体どこまで数えるのかと思って見ていたら、山頂直下が32丁目でした(山頂付近には33丁目があったらしい)。
ここが最後の分岐点。なぜかここに立つ標識だけ体裁が違うばかりか、文字が色落ちして今ひとつ主張が弱いので、ここに分岐があることを分かった上で気を付けて歩いていないと、見逃す可能性もありそうです。


最後の分岐点を過ぎたすぐ先で、いよいよ山道が始まりました。
良く踏まれている感じの、歩きやすい道が続きます。
途中で林道を横断して、さらに登っていきます。
はじめは鬱蒼とした箇所も少なくなかったのですが、標高を上げて空が近くなってくると、木々が葉を落としたこの時期ということもあって、明るい登山道を気持ち良く歩けるようになりました。
カタクリの群生地に入って、道の両脇が柵で区切られるようになると、山頂は間近です。


この日最初のピーク、吾国山に到着しました。山頂には田上神社が祀られています。
山頂は狭くて、どこに立っても神社全体を収めた写真が撮れないほど。
でも神社の周囲をぐるっと1周できるようになっていて、そこからの展望はなかなか見事でした。
吾国山からは南西方向が開けていて、筑波連山をほぼ全て見渡すことができます。
見えているのは、いずれも過去に登っている山々で、それぞれを登った時のことが懐かしく思い出されました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
南西側以外の眺めは樹木に遮られたりしていて、次に向かう難台山も、樹木越しの眺めでした。
難台山の右側では、霞ヶ浦の水面が光っていたようです。
そんな中、北東方向に、ひときわ白くて大きな山がぼんやりと見えていました。
現地ではそれが何なのか分からなかったのですが、帰宅後に確かめてみると、浅間山だったようです。


吾国山から難台山へ歩き始めて、すぐに伐採地に出ると、これから向かう方向が一気に開けました。
右端が次に向かう難台山で、中央やや左寄りが最後の目的地となる愛宕山です。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
その後は比較的急な坂道が続いて、一旦大きく下ってしまいます。
ごく普通の山道なのですが、この時期は霜融けで滑りやすく、足の置き場を選ばなければなりません。北から南への今回の縦走では、この先も下るのが全て南斜面に当たるので、下り坂のたびに足元には注意が必要でした。
平坦地に出ると、そこには5年前に閉館した洗心館がありました。
洗心館の前から吾国山を振り返ります。閉館して久しい洗心館ですが、今でも手入れがされているのか、ベンチが置かれた広場はきれいに整えられていて、ホッとできる居心地の良さそうな空間になっていました。


さらに下ると道祖神峠に出て、ここが吾国山と難台山の間の最低鞍部に当たります。
車道を横断してから振り返った道祖神峠。ここから登り返しが始まります。
道祖神峠の先で、少しの間は未舗装の林道のような道を緩やかに登ります。
山道に入ると、一転して厳しい傾斜の登りに変わります。
最初の急坂を登り切ると、登山道から少し外れた場所に、428.5mの四等三角点がひっそりと埋まっていました。ここでひと息ついていきましたが、難台山への登りはまだ序の口です。この先も急坂が連続し、アップダウンも2度繰り返されるなど、消耗させられました。


難台山に到着しました。このピークがこの日の最高点です。
この時ちょうどお昼どきに当たったためか、北と南の両方から登ってきた人たちがそこそこ集まっていましたが、それなりに広さのある山頂で、ゆったりと過ごせました。
前2枚の写真の通り、樹木に囲まれた山頂で、すっかり落葉したこの時期でも展望はほとんどありません。こんなに立派な展望図が設置されていたのが謎だったのですが、かつては展望が良かったこともあるのでしょうか。
唯一樹木が途切れていた場所から、辛うじて筑波山から加波山にかけての稜線を望むことができました。
とはいえ、木々が葉を茂らせている季節だと、スッキリと見えるのが筑波山だけということになりそう。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。


難台山から団子石峠へは、ダラダラした感じの長い下りが続くことになります。
その代わり、途中にはいくつかの見所があり、最初に見られるのが、難台山を出てすぐの所にある屏風岩です。
ところどころで右手側の樹木が途切れると、そこにはいつも筑波山や足尾山の姿がありました。
その後は何度か小さな登り返しがあって、431.8mの四等三角点ピークを越えていきます。
無名峰だと思っていた431.8m三角点峰では、「団子山」と書かれた私製プレートが樹木に掛かっていました。
団子山を過ぎると急降下が続くようになり、その途中で見掛けた、ひときわ目立つ大岩が団子石です。
大岩の下に回り込むと標識が立っていましたが、名前が書かれていただけで、由来などは不明です。


急坂を下り切ったところには、車道が通っていました。
地形図では、さきほどの団子石があった場所の近くに「団子石峠」と書かれているのですが、現地では、車道に降りた所に「団子石峠」の標識が立っていました。
団子石峠からすぐに、南山展望台へ向けての登り返しが始まります。さほど大きく登るわけではない割には、しばしば急登が出現して、いずれも短いものでしたが、疲れが溜まってきている足には結構堪えました。


南山展望台が建つピークに着いたのは、ちょうど誰もいない時にあたっていて、展望を独占できています。
南山展望台からは北東側に展望が広がっていて、最終目的地の愛宕山が大きく見えていました(写真中央)。
その愛宕山の右下あたりがゴールの岩間駅付近で、その真上あたりに水戸市街があります。また、遙か遠くにうっすら見える稜線が愛宕山の左上で尖っている所が、先月登ってきたばかりの高鈴山(日立市)のようです。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
愛宕山をアップで写してみましたが、ここからでは山頂にある愛宕神社の存在は分からないようです。
先ほどまでいた難台山は、樹木の上に少し顔を出すだけ、といった見え方でした。


次に目指すのは最後のピークとなる愛宕山です。
南山展望台の直下だけは急坂でしたが、そこを下ってしまうと、あとは穏やかな道がずっと続いていました。
しばらく進むと、「見晴らしの丘」へ分岐する道が出ていたので、寄り道していきます。
ほんの1分で「見晴らしの丘」に着くと、見える方向は南山展望台と一緒で、割とこぢんまりした眺めです。
下から登ってきたのならばともかく、展望台からの大きな眺望を楽しんでから下ってきた者にとっては、特に惹かれるような眺めでもないので、すぐに引き返してしまいました。
さらに軽く下るとすぐに車道に降りて、山道はここで一旦終了となります。
車道に降りた所が乗越峠で、ここから愛宕山の手前までは、車道をそのまま歩いて向かいます。


いよいよ愛宕山が目前に迫りました。駐車場に停められている車は、大半が初詣客のものだったでしょうか。
高台にある駐車場からの眺めも良かったです。南東側なので、そんなに目立ったものは見えませんが、左端のほうには涸沼が、また右半分には霞ヶ浦が見えてきていて、その先にある海まで見渡せていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
鳥居をくぐって最後の登りに取り掛かります。鳥居の下は車道なので、車でも頂上に行けるらしいのですが‥‥
鳥居のすぐ先で、右側に石段道が分かれていて、歩きの人はここを登ります。車で訪れた人たちも、多くは先程の駐車場に車を停めて、最後だけは石段を歩いて登っていたようですが、私が登っている間も、隣の車道をそのまま登ってしまう車がちらほら。労せずにした参拝で御利益があると思うなんて、都合が良すぎませんかねぇ。


愛宕神社で、今年1年の無事を祈願しました。
まだ三が日なので、初詣客もそこそこ見られて、社務所も正月らしい装いでした。
愛宕神社の奥にはさらに石段があって、この上が愛宕山の山頂に当たるようです。
石段の上には飯綱神社がありますが、一般の参拝客でここまで来る人はなく、ひっそりとしていました。
周囲の様子から、神社が建っているのが愛宕山の最高点であることは、まず間違いなさそうでしたが、神社の回りをぐるっと1周してみても、特に山頂を示すような物は見当たりませんでした。


愛宕神社を後にしたら、表参道の石段を下っていきます。
下り終えた石段を振り返りました。駐車場側の石段よりも傾斜が急で長いので、こちらから登るのは大変そう。
鳥居をくぐって車道に出たところで、石段は終わります。そして、道が分かりやすかったのもここまで。
ここから先は、歩いて岩間駅方面に下る際の道案内が全くありませんでした。
要所には道標が立っているものの、そのすべてが例外なく登る人に向けられたものばかりで、登る際にポイントとなる地点に、登る人の目線で立っているだけだったのです。
まぁ岩間駅からの往復で歩く人が多そうですから、その場合は往路の登りさえ的確に案内されていれば、復路の下りは来た道を引き返すだけで良くて、これでも問題にならないのでしょう。でも今回の私のように、下りでしか歩かない場合には困ったことになるのでした。

事前にネット上の山行記録やストリートビューなどから得た情報を総合的に検討して、どこに道があるのかの見当があらかた付いていたので、割とスムーズに歩けましたが、縦走路の末端にある山だけに、片道しか歩かない登山者の存在は決して少なくないはずです。歩行者用の参道まではGoogleマップでも描かれていませんから、山道を見つけられずに車道を歩いてしまったり、途中で迷ったりした人が、結構いるのではないでしょうか。

車道を横断して左を向くと、道路の一段下に鳥居があるのが見えるので、まずはそこに向かうのが正解です。
下る人の目線で考えるならば、まず最初の道標がここに欲しいところ。
ほどなく道が二手に分かれたら、左を選ぶとこの休憩舎の前に出て、それ以降も車道を全く歩かずにすみます。
その分岐点にも、ぜひ道標を。
休憩舎の前を通ると、ここで道路に突き当たりますが、いくらネット上の情報を集めても、ここだけは道の続きがある場所の確信を持てていませんでした。ストリートビューを見ていて、向かい側のガードレールがここだけ不自然に途切れているのを怪しいと睨んできたら、果たして、その通りそこに道が見つかって助かっています。
ここには下る人向けの道標が不可欠でしょう。ここから道路を下ってしまうケースが、実は結構ありそうです。
公園のような中を適当に下って、二の鳥居までは来ましたが、ここで道の続きを少し探すことになりました。
少しウロウロしていたら、トイレの裏に山道があるのを発見。ただ、奥まった所にあって見つけにくかった上に、この時点では、これが探していた道かどうか分からず、ほかに道がないから試しに下ってみたに過ぎませんでした。結果的にこの道で正解だったのですが、この道の所在と行先を示す道標の設置が望まれます。
はじめは道の片側に擁壁が続いていたりして、雰囲気が今ひとつでしたが、歩く距離は車道の半分ですみます。
車道に出たところを振り返りました。登る人への案内は、こんなに親切なのにね。


最後は少し車道を歩いて、市街地を抜けていきます。
ゴールの岩間駅。少し小腹が減っていましたが、登山口から駅までの間も、駅前も(もちろん反対側も確認)、駅の中にも、商店というものが全くないという想定外の状況に、空腹のまま電車を待つことになりました。

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茨城県北部で初の山行は、日立市の低山4座を巡る [茨城]

2014/12/06(土)

■第295回 : 羽黒山(490m)・神峰山(590m)・高鈴山(623m)・助川山(327m)


今回は、これまで完全な空白区となっていた、茨城県の北部に出掛けてきました。
歩いたのは、日立駅から周回で縦走できるコースです。ただし、本当に駅から駅まで歩き通すと20kmを超える長丁場になってしまうため、行き帰りともにバスを利用して、歩く距離を少し短縮しました。

 累積標高差(登り):1001m / 距離:17.3km / 歩行時間:4時間25分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:15-05:19 町田 05:22-05:56 新宿
新宿 06:05-06:30 上野 07:00-08:33 日立
日立 08:50-09:17 鞍掛山

(登山行程)
鞍掛山バス停 09:20
羽黒山    10:20-10:30
神峰山    11:10-11:20
高鈴山    12:20-12:35
百体観音   13:20
おむすび池  13:40-13:45
助川山    13:55-14:05
城南台バス停 14:35

(復路)
城南台 14:44-14:59 日立 16:00-17:38 上野
上野 17:43-17:48 神田 17:52-18:05 新宿
新宿 18:11-18:51 相模大野 19:05-19:15 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

上野駅から常磐線の特急に乗って1時間半ほど、車窓に初めて海が現れると、間もなく日立駅に到着です。
こちらは中央口。遙か昔に音楽活動で1度だけ来ていますが、駅舎も駅前風景も大きく様変わりしていました。
反対側の海岸口は、その名の通り、目の前がもう太平洋の大海原でした。


日立駅から鞍掛山行きのバスに乗って、終点までやって来ました。
鞍掛山には大きな霊園があって、バス停はその広い駐車場の真ん中にありました。
高台にある霊園なので、駐車場からの眺めは爽快。日立市街を一望し、その先には海が広がっていました。


鞍掛山を選んだのは、羽黒山から縦走を始めようとした時に、最も近くから歩き始められるバス停だったから。
しかし、この場所は一般的な登山口ではありません。地形図には、すぐ近くに羽黒山の登山道へ通じる破線路が存在しますが、ほとんど歩かれていない様子で極めて情報に乏しく、そこが歩けるかどうかがまず不明でした。
しかも、ストリートビューで見る限り、鞍掛山霊園はほぼ全周をフェンスと擁壁で囲まれていて、霊園外の破線路との間を行き来できるかも定かではありません。それでも、霊園北端の斎場脇に、破線路の方向に下る階段の入口らしきものがあるのをストリートビューで見つけていたので、それに全ての望みを掛けていたのです。

その場所(写真右端)に来てみると、期待通りに下る階段があって、霊園外に出られるようになっていました。
階段を下ると、すぐに山道に合流して、霊園の外側を登っていきます。地形図の破線路に間違いないでしょう。
その山道は、意外にも明瞭だったばかりか、木段まで設置されていたことに驚かされました。
その後も、傾斜がある間はずっと木段が続いて、1度はしっかりと整備された道である様子が窺えます。
今では歩く人が少ないのか、草木が茂って木段上を歩けない箇所もある程、荒れているのが勿体ない印象です。
でも、バス利用で羽黒山やその先の縦走路を目指すとき、鞍掛山バス停が距離的に最も近いというだけでなく、高台にあるため標高も稼いでいて、割と楽に登れるということが、もっと知られたら良いのにと思いました。
それで歩く人が増えれば、この道もずっと歩きやすくなるのではないでしょうか。


ひと登りで広場に出ると、その中央にキャンプファイヤーの痕跡が見られて、近くには「日立クリスチャンキャンプ」と書かれた標柱が立っていました。どうやらこの場所は、キャンプ場の一角に当たるようです。
ここまでの道が、荒れつつも明瞭さが保たれていたのは、キャンプ場の利用者に歩かれているからなのかも。
広場から先では、道幅が広がって歩きやすくなります。この写真の分岐は右へ。左の道は、小さく写っている標識に「日立クリスチャンキャンプ」と書かれていたので、下っていくとキャンプ場があるのでしょう。
分岐点のすぐ先で、地形図にも描かれている林道に出たら、もうこの先に不安はありません。
林道を道なりに進み、別の林道に突き当たると、そこが羽黒山への登山口。ここで初めて道標を見ました。
ここから先は、日立市のハイキングマップでも示されているハイキングコースになります。


登山道に入ると、傾斜は穏やかですが、道が深く抉れて歩きにくい箇所が散見されました。
写真では落ち葉に隠されていますが、道の中央が流水溝になっていて、結構深く掘れていたりするのです。
しばらくは樹林帯を進むため、景色はほとんど見られませんが、伐採地に出ると前方が大きく開けました。
現地では確信が持てていなかったのですが、左奥の一番高い山が、このとき目指していた羽黒山です。
低山とはいえ北関東だけあって、少し標高を上げてからは、霜柱を踏みながら歩く道のりとなりました。
深く抉れた道は断続的に続いて、羽黒山の手前になると、やや傾斜が増して少し苦しくなります。


羽黒山の頂上は、登山道の道幅が少し広がった程度の、あまり「らしくない」場所でした。
登山道脇にあったのも、この道標とベンチ代わりに置かれたの2本の丸太だけ。
周囲の樹木のために展望もなく、南側の木々の隙間から辛うじて海が見られる程度でした。


羽黒山を過ぎると、少しの間は、右手の樹木の間から海を眺めて歩くことができました。
 (写真では分かりにくいですが、空の下で青色が濃く見える部分がすべて海です)
羽黒山と神峰山の間は、何度もアップダウンを繰り返す道で、時折穏やかな区間に出るとホッとしました。
この道標の地点から、神峰山への近道が分岐するので迷わず入ってみると、傾斜が急で歩きにくい細い道に変わりました。登る分には問題ありませんでしたが、安全に下るには路面の状況が良い日を選ぶ必要がありそう。
神峰山の三角点は、近道の途中にありました。この近道が下りに向かないことは管理者も認識しているのか、道標は登る人向けのものしかなかったので、逆回りをすると、この三角点を見ないで終わることになりそうです。


神峰山の頂上には神峰神社がありました。比較的最近に改修された様子で、とてもきれいです。
神峰神社の奥には気象観測施設があり、その手前に少しだけスペースがあって、左側が開けていました。
開けているのは南東側で、日立市街と太平洋が眺められます。
前の写真とほぼ同じアングルです。
反対側は、樹木の間からごく限られた角度を見渡せるだけでした。
南西側には次に向かう高鈴山があって、冬木立の隙間からどうにか確認できました。
高鈴山は頂上に電波塔が林立しているので、それが目印になって分かりやすいのでした。


神峰山から高鈴山への道は、途中にこのような穏やかな区間を挟みつつ、段階的にグングンと下っていきます。
一番下り切ったあたりで、少しだけ林道を歩きます。
そこからの登り返しは、はじめは穏やかでしたが、中には傾斜のキツイ箇所もありますし、その後も小刻みにアップダウンが繰り返されます。そろそろ縦走の疲れも溜まってきていて、少し苦しくなってきました。
御岩山はその手前をトラバースして登頂せずにやり過ごし、さらに登っていきます。
古びた休憩舎が建つ地点まで来ると、いよいよ高鈴山の電波塔群が大きく見えるようになってきました。
登山道が舗装道路に合わされば、この日の最高峰・高鈴山に間もなく到着です。


高鈴山で何よりも目立つのが、この巨大な雨量観測所と電波塔です。この様子を見て、こちら側は何もないと思い込んでスルーしてしまったのですが、実は奥に行けば海が眺められたりしたようです。
三角点のある最高点は、想像していたよりも狭いスペースでした。
高鈴山の頂上には展望デッキがあって、北側を中心とした180度近い範囲を見渡すことができます。
こちらは展望の左半分です(次の写真と合わせて1枚にするはずが、うまく合成できませんでした)。
この時、北東側は八溝山や男体山までしか見えていなかったのですが、居合わせた人たちの会話によれば、朝のうちならば那須連山や日光連山も見えていたとか。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
続いて展望の右半分です(※前の写真の右側と、この写真の左側は、かなりの部分が重なっています)。
北側には、なだらかな地形が続く阿武隈高地が広がっていました。馴染みのないエリアである上に、顕著なピークもないので、山座同定は省略しましたが、右端は先ほどまでいた神峰山です。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。


高鈴山を後にして、登る時に少しだけ歩いた舗装道路を、しばらくはそのまま下っていきます。
舗装道路上から、高鈴山を振り返ってみました。
「四辻」と名付けられたこの地点で舗装道路と分かれて、林道を横断する形で山道に入ります。
山道はまたすぐ林道に合わさって、以降は傾斜が穏やかで歩きやすい道がしばらく続きました。
林道の続きを左に見送って、再度山道が始まると、次第に急な下り坂が現れるようになります。道も所々で枝分かれするようになり、中にはこんな行き止まりに入ることもあって、少々分かりにくい区間でした。


緩急のある下りを繰り返した末に、百体観音が現れました。西国・板東・秩父を合わせた百箇所の札所を巡拝するのと同じ御利益があるとして全国各地に見られるもので、ここには約七十基ほどの石仏が置かれています。
百体観音を過ぎれば急な坂道はなくなって、穏やかな道を気持ち良く歩けるようになりました。
おむすび池まで来れば、残る行程もあとわずか。帰りの時間も計算できてきたので、ベンチに腰掛けてひと息入れていきます。ちなみにこの先は、1991年に起きた山林火災の跡地を整備した「助川山市民の森」エリアです。
おむすび池から車道を進んでいくと、正面に休憩舎が建つ助川山が見えてきます。
山林火災後、助川山は展望台として整備されたようで、植樹されていない草原状のピークとなっていました。
ここが車道側からの助川山への入口で、頂上まではほんのひと登りでした。


こんもりと盛り上がった丸いピークを登り詰めていくと、頂上の先にある展望台と海が見えてきました。
右手に見切れている丘の上が、助川山の頂上です。
ここが頂上です。草原のピークだけに、どの方向にも展望を遮るものが何もなく、周囲を360度ぐるりと見渡せます。300mそこそこの標高しかありませんが、そこからの眺めは実に爽快なものでした。
目を見張るのは、やはり海側の景色でした。これだけ広範囲に海を見渡せる頂上というのも、なかなかないのではと思います。北は小名浜付近、南は那珂湊付近まで見えていて、水平線には地球の丸さが感じられたような。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
振り返れば、縦走してきた3つの山をはじめ、日立市をとり囲むように連なる山々を一望できて壮観でした。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


見事な展望に立ち去りがたい助川山でしたが、バスの時間も迫っているので、車道に戻ってさらに下ります。
時間はまだ2時過ぎですが、冬の太陽はすでに大きく傾いて、自分の影が長く伸びてきました。
さらに進むと、日立セメントの索道の下を、土管のトンネルで抜けていきます。
この索道について帰宅後に調べてみると、遙か南西部の山間にある鉱山から工場まで石灰石を運搬するもので、長さは4km以上に及ぶ模様。土曜日もしっかり稼働していて、短い間隔でゴンドラが次々と送られていました。
いよいよ、市街地が眼下に迫ってきました。もうゴールは間近です。
この分岐点でハイキングコースと分かれ、小平会館を示す道標に従って右の道路に入ります。
この道路を道なりに進めば城南台バス停に出られることは、予めストリートビューで確認済みでした。
城南台バス停に着いたら、すぐに写真を撮れば良かったのですが、先に荷物の整理を始めたのが失敗でした。
直後に折り返しとなるバスがやってきて、バス停の前に居座ってしまい、バス停の写真を取り損ねることに。
なんとかバス停の裏側だけカメラに収めました。城南台バス停も、助川山から最も近いバス停のひとつだと思われるのですが、ヤマレコでここからアクセスした記録がまだ1件も登録されていないことからも、ほとんど知られていない様子が窺えます。そこそこ本数のあるバス路線ですし、うまく使えば便利だと思うんだけどなぁ。

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宝篋山 / 国土地理院・地図と測量の科学館 [茨城]

2014/03/22(土)

■第280回 : 宝篋山(461m) / 地図と測量の科学館


この日の行先は茨城県の宝篋山。筑波山のすぐお隣にあって、筑波山よりもちょっと低く、住宅地からも程近い、いわゆる「里山」です。標高は低いながらも、関東平野を一望する大きな展望を楽しんできました。

今回、短時間で手軽に登れる山を選んだのは、実はもうひとつ別の目的もあったから。
それが、国土地理院の「地図と測量の科学館」の見学です。地形図などの利用を通じて、登山者なら誰もが日頃からお世話になっている国土地理院が、地図と測量に関するさまざまな興味深い展示を行っている施設です。
3Dメガネをかけて立体的な日本地図の上を歩いたり、屋外では地球が丸いことを実感できる超大型地球儀の上を歩けたりと、特に体験型の展示が期待以上の面白さで、時間の過ぎるのがあっという間でした。

 累積標高差(登り):515m / 距離:9.0km / 歩行時間:2時間0分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:47-05:50 町田 06:02-06:37 新宿
新宿 06:41-06:59 秋葉原 07:12-08:05 つくば
つくばセンター 08:35-09:12 小田東部

(登山行程)
小田東部バス停 09:15
小田休憩所   09:20-09:25
尖浅間山    10:10-10:15
宝篋山     10:35-10:50
大池・平沢官衙入口バス停  11:40

(復路1)
大池・平沢官衙入口 11:57-12:44 つくばセンター

(国土地理院への往復 & 地図と測量の科学館の見学)
つくばセンター   13:45-13:55 国土地理院
地図と測量の科学館 14:00-15:00 (見学)
国土地理院     15:05-15:25 つくばセンター

(復路2)
つくば 15:55-16:40 秋葉原 16:50-16:52 御茶ノ水
御茶ノ水 16:54-17:05 新宿 17:29-18:01 相模大野
相模大野 18:08-18:23 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

5年ぶり3回目のつくば駅。過去2回はいずれも筑波山が行先でしたので、ここから筑波山以外に向かうのは初めてです。これといった建物がない地下駅なので、地上に出てバスセンター前を写しました。
つくバス(つくば市のコミュニティバス)に乗って、登山口へ向かいます。
車窓からは、これから登る宝篋山(右)と筑波山(左)のツーショットがずっと見えていました。
バスに40分ほど揺られて、小田東部バス停で下車します。
バスの乗客は2人しかおらず、もう1人は地元の方だったようです。ここで降りたのも私だけでした。


バス停から5分ほど歩いたところに、登山者向けの小田休憩所があります。
建物内ではトイレを利用することができ、コースマップも配布されていて、登山者には有難い施設です。
建物の右上は宝篋山で、頂上に建っている巨大な電波塔は、つくば駅付近からも分かる程に目立っていました。
小田休憩所の前には大きな駐車場があって、マイカー登山の起点となっていました。地元の人たちによってコースが良く整備され、こうした施設も充実していることで、宝篋山はこのところ人気が出ているようです。
駐車車両の多さからも、その人気ぶりが窺えます。駐車場の背後には、宝篋山のほぼ全体が見えていました。


小田休憩所からしばらくの間は、畑のあぜ道のような所がコースとなっていて、ここは極楽寺コースと常願寺コースの分岐点。要所要所にきっちりと道標が立つなど、道案内は万全でした。背後は引き続き宝篋山です。
畑の中を抜けて山裾に取り付くと、このように車が通れるような道を少し進んでから、山道が始まります。
山道が始まると、始めのうちは傾斜が穏やかな道です。間もなく、沢沿いを進むサブルートが分岐しました。
「沢の小道」に入ると、名前通りに沢の間近を沿うように進む、清々しい雰囲気の道になりました。
何度か小さな沢を渡りますが、どこも水量が少なくて石伝いに渡ることができ、靴を濡らすことはありません。
「沢の小道」は短くて、すぐにメインルートに合流しますが、その先も沢に絡んで進む道が少し続きました。
コースマップにも出ていた「くずしろの滝」は、敢えて名付ける程でもないような、とてもささやかな滝です。
始め穏やかだった登山道も、中腹を過ぎると傾斜がキツくなってきて、上部は木段が続くようになります。
木段が連続する区間は「長長坂」と名付けられていたようです。木段は頂上直下まで続いていました。


今回登りに選んだ常願寺コースは、整備されている6つのコースの中で唯一、宝篋山以外のピークを経由していくミニ縦走コースで、まず尖浅間山の頂上を踏んでいきます。
いたる所に手作り感が満載のベンチが置かれている頂上からは、木立の間に宝篋山が見えていました。ここまで登るともう間近な距離に感じられます。
関東平野が広がる方向が少し開けていて、富士山がうっすらと見えていたのですが、分かるでしょうか?
  ※この写真にマウスを乗せると、富士山の位置を示します。
富士山は春霞に埋もれそうな見え方で、アップで撮った写真でも辛うじて分かる程度でした。


尖浅間山と宝篋山の間は、比較的なだらかな尾根道が続いて、あちこちに気持ちの良い日溜まりがありました。
頂上直下には、バイオトイレがありました。すぐ上に見えているのは、麓からも目立っていた巨大電波塔です。
この鳥居の先が頂上でした。このあと、展望写真を撮るのに夢中だったのか、頂上の写真を撮り忘れてしまっていたのですが、ゆったりとした広さのある頂上でした。ベンチもたくさん置かれています。
しかも、下の駐車場に停められていた車の数から、かなりの人出を覚悟していたのに、なぜか頂上で居合わせたのは十数人程度と少なくて、静かな雰囲気の中でのんびりと過ごせたのが良かったです。
頂上に建てられていたこの宝篋印塔が、宝篋山の名前の由来らしいです。


宝篋山ではほぼ360度の展望がありますが、遠くの景色は春の陽気にすっかり霞んでいます。
ということで、この日の展望の主役は、やはりすぐお隣の筑波山だったでしょうか。左隣には、冠雪した日光連山もぼんやり見えているのですが、同じ方向に雲が出ていた関係で、写真ではもう区別が付きませんでした。
筑波山の右側には、2年前に縦走した加波山・足尾山・きのこ山といった山々を結ぶ稜線も見えていました。
筑波山の左側には、少し霞みながらも関東平野が視界いっぱいに広がっていて、なかなか爽快な眺めでした。
下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。富士山はあまりに朧気で、大きな写真でも発見が困難な有様ですが、7枚前の写真と同じ見え方をイメージして頂くと、少しは探しやすいかもしれません。
頂上の裏側に回ると、霞ヶ浦が見えていました。そのすぐ奥には太平洋(鹿島灘)があるはずで、たぶん海岸線はきっちりと見えていて、その先が全部海なんだろうとは思うのですが、ちょっとハッキリしません。
霞ヶ浦の手前で、少し見下ろすような感じになっているピークは、先程通ってきた尖浅間山です。
霞ヶ浦方面も広く見渡せたのですが、どこまでが陸地でどこからが海なのかがハッキリしないのは残念でした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。


宝篋山からの下りは、小田コース(1)を選択しました。緩やかな傾斜の箇所が多くて、軽快に下っていきます。
コースの途中には、筑波山が眺められる地点もありましたが、大半は展望のない樹林の中を進みます。
このコースの見所は少なく、頂上付近に万博記念の森があったほかは、この宝篋名水くらいだったでしょうか。
かなり下って、地形図の破線路に出合ったあたりで、山道は砂利道に変わります。
さらに進んで、このような舗装された道に迎えられると、ほどなく最初の人家が現れました。


その後は集落の中に入りますが、まだバス停までは少々距離があって、のどかな風景の中をしばらく進みます。
やがて道路の右手に北条大池が現れると、もうゴールは近いです。
ここは桜の名所らしいので、間もなく賑わう季節を迎えるのでしょうね。
バス停に着くすぐ手前には筑波総合体育館があって、ここでトイレ(左端の建物)を利用していきました。
筑波総合体育館の前から、ついさっきまで頂上に立っていた宝篋山を振り返りました。


大池・平沢官衙入口バス停に到着。ここから、朝と同じ路線のバスでつくば駅に戻ります。
次に向かう国土地理院の見学時間に余裕を持たせるため、ここで乗るバスを少し早めの便に設定したので、休憩を除けば正味2時間で登って下りる、やや駆け足な登山計画だったのですが、予定通りに歩き切れました。
つくば駅のバスセンターに着いたら、まず、バス待合所にあるコインロッカーにザックを預けて身軽になってから、向かいにあるショッピングモール1階のフードコートで適当に腹ごしらえをすませます。
約1時間後、今度は「つくばサイエンスツアーバス」に乗車します。国土地理院のほか、宇宙センターや産総研など、常設展示館を持っているいくつかの研究機関を巡る循環バスです。


やって来ました、前々から気になっていた、国土地理院の「地図と測量の科学館」です。
つくばサイエンスツアーバスは、国土地理院の敷地内まで入り、この正面入口のすぐ前で停まってくれました。
館内に入ると、まず、1階のフロアいっぱいに描かれた「日本列島空中散歩マップ」のお出迎えを受けます。
空いている時間だったのが幸いしてか、すぐに係員の方が説明に来て下さり、渡された3D立体視用の赤青メガネを手に、いざ空中散歩へと出発です。高さ1mから見ると、上空100kmを空中散歩することになるらしい。
元は平面図なのに、赤青メガネをかけて見た時の立体感は、もう想像以上でした。
山が相当リアルに盛り上がって見え、そこに足を合わせる時、足が地下にめり込むかのような感覚になります。
さらに海上に出ると、今度は海溝の深さ感がハンパなく、そこに足を置くと落ちるのではと怖さを感じるほど。
これ、結構ハマります。登ったことのある山の上なんかを、何度も往復してしまいました。


続いて2階の展示室に移動します。この立体地形図も、リアルさが凄くて見ものだったのですが、やはり平面の写真にしてしまうと、その凄さが伝わらなくなってしまうようです。
登山者には馴染み深い三角点も、測量に関するコーナーに展示されていました。
標石や盤石が地中深くまで埋められている三角点の構造が良く理解できます。
広い展示室には、地図や測量に関するさまざまな展示のほか、体験型のコーナーもいろいろとあって、大人でも子どもでも楽しめるようになっていたと思います。


展示は屋外にもあって、この「日本列島球体模型」もスグレモノでした。
白いドーム状の物体は、1/20万に縮小した地球に相当する球面で、その上には同じ縮尺で日本付近の地図が描かれています。この上も自由に歩くことができて、高度300kmの宇宙空間から日本列島を眺める体験ができます。
空いている時間だったので、この時この展示を見ていたのは私だけ。ほかの人に左右されず自由に歩き回れたのは良かったのですが、撮った写真はどれも、比較対象がなくて大きさが分かりにくいものばかりでした。
そこでGoogleマップの写真を載せてみました。右上で円形に見えているのがこの展示です。駐車場に停められている車との比較で、その大きさの程が分かりますでしょうか。
手前の地球儀で、日本を中心に書かれている白い円が、奥の「日本列島球体模型」の範囲らしい。
日本列島付近に登ってみて、こんなにも地球は丸いのかと認識を新たにしました。
地球全体から見たら、日本の面積なんてほんの僅かなのに、その日本列島だけでも、こんなに丸みがかかっていたんですね。これも一見の価値ありです。屋外展示なので、ぜひ天気の良い日を選んで訪れてみて下さい。


同じ場所では、地球と月との比較もできます。この地球儀は1/1200万なのですが、少し離れた場所に、これと同じ縮尺の距離と大きさで月が配置されているのです。(この写真にマウスを乗せると、月の位置を示します)
地球儀を離れて、月球儀の所に来てみると、こちらもちゃんと地形が描かれた精巧なものでした。
月から地球を見ると、こんな具合になるようです。(この写真にマウスを乗せると、地球の位置を示します)
この写真だと地球儀が小さく見えている印象かもしれません。でも現場では、地球から月を見るよりも随分と大きく見えるという、知識としては当然分かっていることを、実体験として感じられるのが良かったです。


最後の仕上げはこの売店で。地図記号バッジや地形図を断裁したメモ帳(これはお買い上げ!)など、数々の地図グッズが所狭しと並び、地図関連の書籍も充実していますし、地図そのものもわんさかと売られていました。
こちらは売店で購入した日本地図クリアファイル。その上に載せたのは、左がつくばサイエンスツアーバスの1日乗車券(首から提げられるホルダー入りで発券された)、右がつくば市コミュニティバスの1日乗車券です。
この施設は見学時間の目安が1時間となっていて、この日の計画では滞在時間がまさにその1時間だったのですが、思っていたよりも盛り沢山の展示があって、期待以上に楽しめました。じっくりと見られなかったものも少なくなかったので、また折を見て、今度はもっと時間をタップリと取って来たいと思います。
見学を終えたら、正面入口前で帰りのバスを待ちます。奥に見える建物は国土地理院の本館です。

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