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飯能市と国際興業、平成26年4月以降の運行継続を発表 / 縦走登山の薦め [雑感]

2012/09/16(日)
 
今年4月に国際興業から、平成26年(2014年)3月末に飯能営業所を閉鎖・全路線から撤退すると表明されていたこの問題について、飯能市と国際興業の双方から、平成26年4月以降も運行が継続されることが発表されました。
両者間で運行継続の協定が締結されたとあり、読者さんからの情報提供によると、その期間は平成29年3月までの模様です。
 
これについては、飯能市と国際興業が発表したその日のうちに、YAMA BUS INFO (ハイキングバス新着情報) さんが速攻で記事を掲載していましたし、今回の結論に達する以前の4月以降の動きについても随時記事にして下さっていて、その過程を少し詳しくご覧になりたい方はそちらをご参照下さい、と書きたいところなのですが、飯能市の文書はいずれも削除された模様でリンク切れになっていました。
 
何故このような貴重な文書を消し去ってしまうのか、全く理解に苦しみます。幸い、Googleのキャッシュには残っていたのですが、それもいずれ消える運命にあるので、自前で保存してしまいました。
       ■国際興業(株)飯能営業所の撤退に関する市の対応について [2012年6月28日]
       ■国際興業バスの運行について [2012年7月19日]
なお、著作権法違反については承知の上ですので、その点についてのご指摘は無用です。飯能市から要請があれば、削除には応じるしかありませんが、その際は納得できる削除理由を伺いたいと思っています。利用状況調査などは、バス路線の維持が難しいことを客観的に訴える資料として意義深いものでありますし、税金を投入して行われた市職員による調査ということからも、むしろ積極的に公開されるべきものであると考えていますので。飯能市民でもないのに一体何様か、って言われるんでしょうけれど。。。

さて本題に戻ると、当面は現行とほぼ同様の運行規模が維持されるという結論に、一旦はホッと胸を撫で下ろすこともできるでしょう。特に、日々生活の足として利用されている地元の方々にとっては朗報なんだろうと思います。
 
しかし、国際興業の文書に「飯能市を中心として埼玉県・日高市からの格段のご支援のご意向を頂戴した」とある通り、それを可能にしたのは専ら補助金の増額だった模様です。
このような、安直ながらも費用対効果が明確な打開策で、早期に地域住民の方々が安心できる結論を導いたことは評価できると思うのですが、その一方で、この問題が表面化してからの半年以上もの間に、バスの利用促進について何らかの策が講じられようとしている気配が全く感じられないのが気懸かりです。
 
利用者の減少に歯止めをかけなければ何の解決にもならず、単なる問題の先送りに過ぎません。行政の得意技ですよね。
都市郊外の人口減少が今後もさらに進むであろうことを考えると、放置すればするほど状況は悪くなる一方のはず。利用者が減ってきているとはいえ、まだ十分に市民の足として機能している今のうちに、利用者を増やす取り組みが始まることを期待したいと思います。



ところで先程、現行とほぼ同様の運行規模が維持されることが、地元の方々にとっては朗報なんだろうと書きましたが、利用資格が市民に限定されるデマンドバスのような形態にならず、誰もが利用できる公共交通として維持されることは、登山者をはじめとした、市外からの訪問者全般にとっても朗報のはずです。
恩恵を受ける立場にいる以上、少しでも支援できればと思うのですが、かといって毎週末、同じエリアの山ばかりに出掛けるのも気が進まず、私ひとりでは、せいぜい何ヶ月かに一度、国際興業バスを利用する程度のことしかできそうもありません。
 
そこで皆さんに、バスを利用した 縦走登山の薦め です。
 
山を登っている間は、常にその山の片側しか見ていないことになります。反対側の景色は、頂上まで登り詰めた時に初めて見ることができるのですが、そこから来た道を引き返してしまっては、反対側は見ただけで終わってしまいます。
その初めて見る反対側へ向けて、自らの足を踏み入れていくのが、登山の醍醐味だと私は思っています。特に都道府県境になっているような山では、反対側に入った途端に植生がガラッと変わって、それまでとは全く違った雰囲気を感じられることが多々ありますし、反対側の山村まで降りた時、そこに登り始めた側の山村とは全く異なった情緒があることも少なくありません。
 
この、1回の登山で2つの楽しみが味わえるようなところが好きで、登山を始めた当初から(公共交通について考えるようになる以前から)、登山道が1本しかないような山を除けば往復登山はほとんどせず、大抵は登山口とは違う所に下るような歩き方をしてきました。そして、それに欠かせないのが、バスをはじめとする公共交通(※1)の存在です。
 
普段マイカーを利用して登山されている方は、駐車場に戻ってこなければならない制約から、どうしても往復またはそれに近い形での登山になりがちかと思います。
毎回とは言いませんが、時にはバスを利用して、山の反対側へ歩いて行ってみませんか。頂上からの下りで、同じ道を戻るのとは全然違ったワクワク感があるのを保証しますし、よく「無事に下るまでが登山」と言われますが、そんな、下りが消化試合であるかのような気持ちになることもありません。
行動中は最後まで、ずっと初めて見る景色が続くのですから、往復登山の倍近い楽しみが感じられますよ。そして、それが公共交通の維持に繋がれば、また来年以降もほかの誰かが同じような歩き方を楽しめるので、良いことずくめではないでしょうか。
 
どうぞご検討ください。
 
(※1) タクシーは、単独行で利用するにはあまりに割高だという理由で最初から敬遠していたのですが、環境に与える負荷がマイカーと大差ないと思うようになってからは、なおさら利用する気がなくなりました。

  ■前の記事:国際興業バス、2年後の飯能からの撤退がいよいよ確定的か
  ■その前の記事:国際興業バス、2年後に飯能から撤退か?

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コメント 4

ぴすけ

この2か月あまり、少々体調が優れず、山より病院通いに精を出していたら、こんな変化があったのですね。
cellistさんの記事を拝読して、初めて知りました。
いままで登ったことのない山にも行かなかったので、YAMA BUS INFOさんも使わなかったし…。
もし差し支えなければ、私のブログで、こちらの記事を紹介してもかまいませんでしょうか。
私のブログでは、そのお役に立てるかというと、それはそれはお恥ずかしい次第ですが、この記事を、一人でも多くの登山者に読んでもらいたいと思うのです。




by ぴすけ (2012-09-19 11:44) 

cellist

私も今年は不調が続いて思うように出掛けられていないのですが、ぴすけさんのブログにもご不調の様子が書かれていましたね。お加減はいかがでしょうか。

さてお申し出いただいた件ですが、ご紹介頂けるとしたら、それは大変光栄なことだと感じていますし、記事をブログで公開した以上、1人でも多くの方にご覧頂けるのが喜ばしいことだという気持ちは持っております。
と同時に、果たしてこのような拙い文章が、たくさんの方の目に留まることに耐えられるかというと、それは極めて怪しいのではないかとも思われてなりません。
なので、ご紹介頂けるにしても、さりげなく触れて頂くという程度が、このような出来の悪い文章には相応でありましょうし、そんな按配でお願いできればと思っているところです。面倒くさくてすみません。
by cellist (2012-09-20 00:11) 

ぴすけ

夏目漱石から拝借して、病気は継続中です。
だましだまし?日常を過ごし、体調の良い時は山へ。
山へ行くと、むしろリラックスできるようです。

さて、御紹介のお許しをいただきまして、ありがとうございます。
御希望に副うべく、努力いたします。
私は、なるべく公共交通機関を利用した山行を目指していますが、へなちょこでもあるので、これまで何回かずる(タクシー利用・友人や知人の車に便乗)をしたり、浄土平キャンプ場利用の際には自家用車を使ってもいます。
cellistさんのような山歩きをしている方がいらっしゃることを、多くの方に知ってもらいたいです。
by ぴすけ (2012-09-20 20:48) 

cellist

ご紹介頂けるにあたってご配慮頂けるとのこと、ありがとうございます。

ところで公共交通機関利用の件ですが、私も単独行の時こそ自身のポリシーを優先していますが、グループ山行となるとクルッと態度が変わって、たとえ自分が主宰しているグループであっても、メンバーの車を利用させて頂いたりもしています。

もちろん、私の個人的なポリシーをほかの人にまで押し付けることはできない、という思いも多少はありますが、グループ山行で不測の事態の発生に備えようと思ったら、車を利用するほうがはるかに柔軟な対応が可能なんですよね。引率者として危機管理的なことを考えたときは、どうしても融通の利くほうを選んでしまいます。

それが分かっているので、マイカー登山も鉄道・バス利用の登山も同じように大いに結構と考えていて、優劣を付けて見てはいないつもりです。
私がたまたま、何が起きてもその結果を自分で受け止めさえすればいい単独行ばかりをしているので、自分の山行スタイルに関して我儘を押し通せている、というだけの話なのかもしれませんね。
by cellist (2012-09-21 21:53) 

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