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天狗山・三栗山・牛松山 [丹沢]

2021/04/23(金)

■第439回 : 天狗山(190m)・三栗山(240m)・牛松山(282m)


今回は、東丹沢の前衛も前衛、相模原市と愛川町との境界尾根にあたる三栗山ハイキングコースを、プチ縦走してきました。山名を持つ場所に出掛けたのは、昨年10月の南高尾山稜以来で、約半年ぶりのことになります。

縦走したとはいえ、全長は4kmに及ばず、標高も最高峰の牛松山でも282mという、短くて低い尾根道ゆえ、ほとんど無名で私自身もつい最近までその存在を知らなかったほど。でも存在を知った途端、自宅から最も近い距離の山に一躍のし上がり、自転車でアクセスする山としても好都合だったので、早速出掛けてきたのでした。

 累積標高差(登り):457m / 距離:11.4km / 歩行時間:3時間10分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
自宅-自転車移動(約10.3km)-高田橋(花と芝生の広場)

(登山行程)
高田橋    10:50    (花と芝生の広場)
梅沢バス停  11:15
天狗山    11:30-11:35
三栗山    11:45-11:50
牛松山    12:40-13:00
上三増バス停 13:35
三増バス停  13:50
梅沢バス停  14:05-14:10
高田橋    14:35    (花と芝生の広場)

(復路)
高田橋(花と芝生の広場)-自転車移動(約10.3km)-自宅


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

さて、冒頭で自宅から最も距離が近い山だと書きましたから、単純に考えれば自転車でのアクセスもこれまでよりは楽になりそうなものですが、走行距離を短く抑えられる一方で、途中にこれまでずっと避けてきた急坂がある(しかも3箇所も)のが不安要素でした。そこで、自転車区間については 先週に試走 を行っておりまして、無理なく往復できそうなのを予め確認しておくという前準備を経て、本日の山行となっています。

相模川に架かる高田橋が今回のスタート。「花と芝生の広場」のあたりに自転車を停めて歩き始めました。
これから向かう対岸の山並みを、「花と芝生の広場」越しに眺めます。中央奥あたりが三栗山です。
「かながわの橋100選」に選ばれている割に、あまりそそられる外観ではない高田橋。でも隣り合う橋が、下流側は約3.5km離れた新昭和橋まで、上流側に至っては約6km離れた小倉橋までないので、交通量は多いです。
先週試走で来た時には渡らなかった高田橋を渡って、相模川の対岸へ向かいます。


相模川を渡ると愛川町に入って、以降はすべて愛川町内を歩くコースになります(山道になっている三栗山ハイキングコースの区間は相模原市との境界尾根に当たりますが、相模原市側にはほとんど入らなかった模様)。
すぐに小沢バス停を通過したら、まずは次の梅沢バス停まで、バス停1区間分を歩きます。
でもその1区間が結構長くて、しかもずっと登り坂が続くのでした。ここを自転車で上り下りするのが大変そうだったからというのが、自転車での行程を高田橋までにしておいた理由だったりします。


車道で70m近くを登って、梅沢バス停に到着。すぐ脇の入口から、霊園の相模メモリアルパーク内へ入ります。
霊園内に入っても、まだまだ登り坂は続きます。
相模メモリアルパークの東側には洋風の公園墓地が広がっていて、その中に入ると景色も開放的になりました。
東丹沢の山々を一望するここからの眺めが、この日のコースから見られた景色の中で一番でした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
さらに霊園内の坂道を上へ。最初に登る天狗山は写真右側の森の奥ですから、もうそのすぐ下まで来ています。
途中にあったトイレを、お墓参りの人に混ざって有難く使わせて頂きました。
霊園の最上部まで登り詰めて、この先を右に入ったところが‥‥、
三栗山ハイキングコースの「南側登山口」でした。ここから山道に変わります。


いざ登り始めてみたら、登り坂はなんと、上の写真の登山口からすでに見えていた範囲までしか続きません。
だから、ものの1~2分であっという間に稜線上の分岐点へ。登山口の時点で天狗山の直下まで来ていたので、当然のことなんですけれど、登りの大部分が山道が始まる前に終わっていたなんて、あっけなさすぎます。
分岐点を右に折れて、まずは天狗山へ向かいます。マイナーなコースに不釣り合いなほど道幅の広い山道は、分岐点から先になるともうほとんど登ることもなく、ほぼ平坦に進むばかりでした。


縦走の1座目となる天狗山は、広場というにはやや手狭なスペースに、石碑がひとつ建っているだけでした。
それは「天狗松跡」の石碑で、かつて天狗松という大きな松があったと記されています。でもほかに山名標などは一切なく、道標にも「天狗松」としか書かれていなかったので、ここを山と呼ぶかどうかは異論もありそう。
もしここを山と捉えるならば、石碑の小広場は山頂ではなく、もう少し高い地点がすぐ脇にありましたが‥‥、
微かな踏み跡を追って最高点っぽい場所まで行ってみても、そこはただの藪でしかなくて、収穫は皆無でした。
また石碑の反対側に立派な石段が続いていましたが、何も情報がなくて、その道が繋がっている先も不明です。


来た道を引き返したら、先程左から上がってきた分岐点を見送って、尾根道を直進します。天狗山から牛松山の少し先まで続く尾根は、相模原市と愛川町との境界になっていて、右側が相模原市緑区、左側が愛川町です。
すると、断続的に割とキツめの登り坂が現れて、ようやく山登りをしている気分になれました。
そうして登り詰めた小ピークの少し先が、縦走2座目の三栗山です。
ただここも、標識が立っているのは小ピークを過ぎて3~4mほど下った地点ですし、標識の現在地名も「三栗山見晴台」となっているだけなので、ここを「三栗山」という名前の山とみなせるのかは微妙かもしれません。
念のため、通り過ぎてきた小ピークに戻ってみても、その周囲にはやはり何もなく(道の脇で地面に埋まりかけた3つの切り株が元々はベンチだったようにも見えるものの、想像の域を出ません)、「三栗山」という名前が特定のピークを指しているのか、このあたり一帯の山の連なりを総称しているのかは分からずじまいでした。
標識から少し下がった場所にはベンチが置かれていて、そこが見晴台なのでしょう。でもこの時期は木々の葉っぱに邪魔をされて、満足な展望がなかったので、ここからの景色を楽しむならば、寒い時期に限るようです。


三栗山見晴台より先になると、尾根上には短い間隔でいくつもの小ピークが連なっていて、地形図から読み取れるイメージの通りに、小さなアップダウンが繰り返されるようになります。
少し気になったのは、所々に急な傾斜が現れても、道はほぼ自然の形のままで、ジグザグを描いたり階段が設置されていたりということがないため、しばしば急坂を登り下りさせられることです。山歩きに慣れた人なら全く問題にしない程度の傾斜ですが、もしも墓参に来た人が、墓地のすぐ隣にハイキングコースがあるからついでに行ってみようという軽いノリで入って来た場合に、トラブルを招きかねない状況にあるように感じられました。
しばらく進むと、道の右側が開けてゴルフ場が現れました。これも地形図から読み取れていた通りの展開です。
ゴルフ場のグリーン越しに相模原市中心部あたりの街並みが見え、その先には都心のビル群が霞んでいました。
ゴルフ場脇の明るい道を歩く区間が少し続いたのち、補助ロープが下がる急坂を登ったら、道は再び森の中へ。
地形図の247m標高点まで来ました。この小ピークが、ここまで歩いてきた尾根の一番高い地点になります。
でもそこには小さな杭が埋まっている以外には何もなく、全くの無名峰だったようです。
247mピークを過ぎると道は下る一方になって、この先で尾根が一旦途切れる形になります。最後だけは階段道に変わって、眼下にゴルフ場の駐車場が見えてきたら、山道を歩けるのもそこまで。
駐車場に下りる手前が、三栗山ハイキングコースの「北側登山口」でした。
動物除けの柵を開閉して、ゴルフ場の駐車場に入ってから、下ってきた階段道を振り返りました。


大相模カントリークラブのクラブハウス前を通り抜けます。
すぐにゴルフ場の外に出たら、しばらくは一般の車道を歩くことになります。
車道歩きの区間では、道標が牛松山への道案内をしてくれました。
途中で車道に分断されていても、牛松山までが一体となって三栗山ハイキングコースとされているようです。
ゴルフ場越しに、最後に登る牛松山を眺めました(写真中央)。山頂のすぐ脇がゴルフ場なのが分かります。
車道歩きはここまでで、道標に従って動物除けの柵の向こう側に入ると、奥に見えている三増公園の陸上競技場からの道と合わさります。ここが牛松山の実質的な登山口ということになるのでしょう。
上の写真とほぼ同じ地点です(ただし動物除けの柵の向こう側)。ここでは牛松山を示す2本の道標が別々の方向を指していて、少々分かりにくくなっていますが、柵に沿って奥へと続くのが、牛松山への道でした。


左手に霊園を見ながら、山道を歩き始めます。牛松山に登ったあとは、霊園の反対側(写真左上)に下る予定。
やがて登り坂に変わります。現在地の標高が200mちょっとですから、牛松山までの標高差はほんの80mほど。
途中にはやや草深い区間も。ここはこれ以上季節が進むとヤブっぽくなってしまいそうですね。
右側にゴルフ場が迫っていて、ずっと柵が続くのが無粋な感じですし、境界の植え込みで見通しもききません。
上部は階段状の道が続きますが、この階段は段差が小さく抑えられていて、苦しい登りではありませんでした。


縦走最後の3座目となる牛松山に到着しました。
「牛松跡」の石碑が目立っています。最初に登った天狗松と同様、ここにも牛松と呼ばれる松があったらしい。
ここは上空が開けていて明るく、ベンチもあって、縦走してきた3座の中で唯一、寛げる雰囲気の山頂でした。
解説板によると、ここではかつて「山遊び」という民俗行事が行われていて、「牛松跡」の石碑もそれを語り継ごうと建てられたものらしい。ところで、国土地理院作成の地形図が牛松山の標高を282mとしているのに対して、この愛川町の解説板では284mとなっていて、標高値が割れています。ただ、同じ国土地理院のデータでも、数値標高モデルでは284m台の値を持っているので、実際には284mくらいあるのでしょう。
牛松山からは橋本駅周辺の街並みを眺められました。また、このさらに右側には都心方向や横浜方向も望めましたが、いずれも遠方は霞んでいてビル群がうっすらと見えていた程度だったので、写真は割愛します。


さて牛松山からの下りは、登山口の分岐点まで戻ってから三増公園に向かえば、問題なく歩けることが明らかです。でも牛松山の反対側にも尾根道が続いていて、下り始めが階段になっているなど一旦は整備されたコースであることが窺えますし、道の明瞭さからもそこそこ歩かれているっぽく見えたので、そちらに進んでみました。
すると、しばらくは明瞭な道が保たれて、アップダウンも少なくほぼ平坦なため、割と快適に歩いて行けます。
しかし、右手に続いていたゴルフ場の柵が消えたあたりから、道は細くなり草も繁茂してきて、次第に怪しげな雰囲気に。それでも構わず進んでいると、さらに倒木も増えてきて、もうほとんど歩かれていない様相でした。
ここが、市町境の尾根道をさらに北上するか、南の小尾根に折れて霊園に向かうのかの分岐点です。尾根道の続きは、途中で道が不明瞭になることがネットの情報で分かっていたので、左折する霊園への道を選びましたが、その道も情報がほとんどなくて様子が分かっておらず、この先は少々不安に感じていた区間でした。
すると、すぐに左手に「さがみ野霊園」が見えてきて、容易にその中に入れると分かったのが安心材料だった一方で、進もうとしていた尾根道は写真右半分のヤブに埋もれていました。そして一旦は踏み跡を追ってヤブに突入してみたものの、いくらも経たないうちにそれ以上進むのが困難になって、結局ここに戻って来る羽目に。
仕方なくここを通って、あとは霊園内を進ませてもらうことにしたのでしたが‥‥、
でも、また尾根上に復帰できそうな場所があったので、ここから再び尾根に上がってきました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、歩いたコースを表示します。
ただ、尾根上に戻ってはきたものの、もはやそこには踏み跡すらなく、全く歩かれていないことが明白です。ここはまだ木々が疎らで草ヤブもなく歩きやすかったのですが、こんな調子がどこまで続いてくれることやら。
次第にヤブっぽくなる中、「文化十二乙亥年」と刻まれた石柱と祠を発見。1815年に当たるようで、祠の文字は「山王大権現」と読めるような‥‥。今は通る人もないこの場所が、かつては信仰の地だったのでしょうか。
進むにつれて歩きにくさは増すばかりですし、道のない所を歩いていてもあまり楽しくもないので、次に霊園の敷地が近付いてきたこの地点から、再び霊園内に入らせて頂くことにしました。


てなわけで、山歩きと言えそうなのはこのあたりまでとなりました。
そもそもがあまりに無名な山で、ここを繰り返し訪れたなんて話になるとほとんど見たことがなく、冒頭に書いた通り実際に歩く距離も短ければ標高も低いので、正直なところ多くを期待せずに臨んだのでしたが、道の整備状況はまずまずで(最後に勝手に未整備のコースに入った区間を除けば)、それなりに楽しんで歩けました。
とはいえ特段の見所がある訳でもなく、展望とかも平凡かつ地味でしたし、途中で一旦ゴルフ場に下りてしまうのも今ひとつでしたから、歩くこと自体が好きな人でなければ、あまり魅力を感じないコースかもしれません。
そんなコースを平日に訪れたからか、結局最初から最後まで自分以外のハイカーを全く見掛けませんでした。

あとは「さがみ野霊園」内の道路を下ります。霊園の反対側には、先程までいた牛松山が見えていました。
「さがみ野霊園」から一般道に出たら、最後は長い車道歩きでスタート地点の高田橋へ向かいます。
すぐに左手に三増公園の陸上競技場が現れます。ここではトイレが利用できました。
ハイキングコースにいる間、市街地が広がる東側の展望地が若干あったのに対して、西側の眺めはずっと皆無だったのですが、コースの西麓に下ってきたことで、西側にある東丹沢の山を少しは見られるようになりました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
県道65号線に出たところにあったのは上三増バス停。ここから本厚木駅へのバス(正確には厚木バスセンターまでしか行かないけれど)が日中は毎時2本出ていて、ちょうどやって来たバスが折り返しの準備中でした。
しばらく退屈な県道歩きが続きます。歩道がきちんとあって、安心して歩けるのがせめてもの救い。
三増バス停を通過。このあたりでバスに抜かれました。
愛川ハイテク団地入口バス停まで来たら、その少し先(ちょうど水色の車が写っているT字路)を左折します。
最初に訪れていた相模メモリアルパークは、ここが正面入口。はじめに登った2座をきれいに眺められました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
相模メモリアルパークの正面入口脇には、ハイキングコースを案内する道標も立っていました。
梅沢バス停まで戻ってきました。もし交通機関として路線バスを利用して、ここを起終点としていた場合は、2時間50分で周回してきたことになります。
往路ではバス停の手前から霊園内に入ったので分からなかったけれど、なんと待合所にあったのは座り心地の良いソファー! これは珍しいのでは? 車道歩きで少し疲れていたので、ここで小休憩にさせてもらいました。
長い坂道を下って、高田橋まで戻ってきました。橋を渡ればゴールです。
高田橋周辺の散策しかしなかった先週と比べて、さすがに登山後となる今回は帰路で自転車を漕ぐ足が少し重たくはなったものの、最後まで割と普通に走れて、すんなりと帰宅できました。ただ、帰宅後は結構グッタリしてしまったので、やはりコンスタントに山を歩いていた頃よりも随分と体力が落ちているのは否めないようです。

ということで、自転車で快適に走れる季節になったことですし、また山に行く頻度を上げなくてはと思っているところです。とはいえ、多少なりとも目新しさを感じる行先の用意は1つしかなくて、あとは昨年と同じようなコースを歩くしか手がなさそうなのが苦しいところ。本当にいつまでこんな状況が続くのでしょうか‥‥。

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