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滝山丘陵 [東京・神奈川(平野部)]

2018/01/27(土)

■第374回 : 滝山丘陵


2日前から強烈な寒波に見舞われて、その中でも朝は一段と厳しく冷え込んだこの日、元々出掛ける予定はありませんでした。でも意外なほど穏やかに晴れていて、時間とともに気温もグングンと上がり、9時頃になると、もう屋外でも快適に過ごせそうな日和になっていたので、それから慌ただしく支度を始めて出掛けてきました。

遅い時間の出発につき、行先は近場の低い所に限られます。でもどうせ行くのなら、月曜日に降った大雪が、あまり踏まれずに残っている道を歩きたいと、人が入ってなさそうな場所から選んだのがこの滝山丘陵でした。
さすがに降雪から5日が経ち、トレースはしっかり付いていたものの、雪はまだ踏み固められていません。標高が低いので積雪は少なめでしたが、短時間で手軽に雪の感触を楽しめて、割と良い選択だったと思っています。

 累積標高差(登り):251m / 距離:7.2km / 歩行時間:2時間0分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 11:44-11:55 橋本 12:03-12:14 八王子
八王子 12:18-12:30 拝島 12:55-13:08 滝

(登山行程)
滝バス停      13:15
金毘羅社      13:35
滝山城跡      13:40-13:50
左入橋交差点    14:40
小宮公園      15:15
八王子郵便局バス停 15:25

(復路)
八王子郵便局 15:27-15:37 八王子 15:59-16:22 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

今回訪れた滝山丘陵は八王子市の北部にあって、西側は市街地、東側は多摩川がそれぞれ間近に迫り、接している市街地との標高差がわずか50~60mという小さな丘です。だから、拝島駅から乗ったバスも単なる市街地路線で、幹線道路を10分ほど走るうちに、北側からの登り口に一番近い「滝」というバス停に着いてしまいました。
5日前の雪が残る細い道に入ります。この辺は生活道路なので、車の轍の部分はあらかた雪が消えていました。
滝山城跡への分岐点まで来ると、家並みが続く左への道が除雪されていたのに対して、城跡に向かう正面の登り坂には雪が残っていました。そこに付けられていた足跡の数も、期待通りさほど多くはないようです。


上の写真の奥にあるカーブを曲がった所が、都立滝山公園の北側の入口でした。
丘陵への本格的な登りが始まりました。樹木の下は積雪が少なかったようで、所々で石畳が露出しています。
右に石段が分かれると、公園の関係者らしい方が除雪作業中で、手前には積雪のため通行禁止との掲示がありましたが、除雪が進んだためか(その方より上は雪がなくなっているのが分かります)、通して下さいました。


なにしろ大して高い丘ではないですから、石段を登り終えたら、もうそこが滝山丘陵のほぼてっぺん。車道を離れて登り始めてから、ほんの5分ほどしか経っていません。
丘陵上は戦国時代の滝山城跡で、現在は金毘羅社が建つ本丸跡のこのあたりが、最高地点となるようです(地形図の等高線は160m圏となっていますが、ウェブの地理院地図ではこの付近で標高170mと表示されます)。
北側に展望が開けていて、多摩川の広い河原や拝島などの市街地が見えていました。そのさらに左側には‥‥。
多峯主山や関八州見晴台といった、奥武蔵の山並みが見えていたようです。


積雪は市街地と変わらない10~20cm程度ですが、付けられていた足跡は少なくて、その足跡を外せば、ほぼ新雪を踏む感覚が味わえて楽しめました。そんな中で滝山丘陵を南下していくと、すぐに別の建物が現れました。
金毘羅社のすぐ隣に建っていたのは霞神社で、このあたりまでが本丸跡のようです。
霞神社から短い石段を下ります。随所に見られたこのような高低差も、自然地形ではなく城跡の遺構らしい。
霞神社の石段前はちょっとした広場になっていました。
滝山城跡の石碑がふたつありました。このあたりでは雪に隠されて本来の進路が分からず、勘を頼ってこの石碑の奥に強引に進んでみたら、左手にちゃんとした道があったことが後になって分かったりしています。


ちゃんとした道に合流すると、その先に橋が架かっていました。橋の下は人工的な堀切だったようです。
橋を渡ると、その先には広々とした中の丸跡の広場になっています。
中の丸跡には大きな建物が建っていましたが‥‥。
それは、かつて国民宿舎だった「滝山荘」(既に閉館)の建物を改装したもので、城跡とは無関係の模様。
中の丸跡にはトイレもあります。男女別トイレは凍結のため使用禁止で、「だれでもトイレ」が利用可でした。


滝山丘陵をさらに南下すると、中の丸跡から先は車道になります。通行できる車両は関係者のものだけで、普段なら全く目立たないのでしょうが、降雪後だけに車がほんの数回通っただけでもダメージは甚大でした。
その先にあった陽当たりの良い場所では、ほとんど雪が消えていたりもしました。
せっかく雪が復活しても、車の轍が至極残念な感じです。轍の部分は凍結に近かったので、避けて歩きました。
そんな道も、滝山二丁目バス停への分岐点まででした。車の轍は、全てバス停へ下る道に向かっていたのです。


ということで、分岐点を過ぎると、ようやく待望の雪道になりました。すでに丘陵上のハイキングコースを半分がた進んでしまってからのことだったので、もっと早くこうなっていたらより良かったのだけれど‥‥。
期待した通り先行者の足跡は少なくて、踏み固められていない柔らかな雪の感触が残り、新雪を踏むのに近い感覚が味わえました。凍結も急坂もないので、念のために持ってきたチェーンスパイクも使わずに済んでいます。
先程も書きましたが、なにしろ標高が下の市街地と大差ないため、積雪量も市街地並みで、この点は期待していた程ではありません。でもその分、シューズが雪に埋まることがなく、スパッツも付けないままで歩けました。


滝山丘陵の南端まで来たら、楽しかった雪道もここまでです。この先、道標が「小宮駅」を示す左折方向にある階段は、段に雪が残って滑りやすそうだったのですが、私の行先は小宮駅ではなく八王子駅方面。そこで‥‥。
反対の右折方向を見ると、ヤプっぽい道があり、雪上に足跡が残されているので、積雪後も歩く人がいた様子。
足跡を追ってその道を進んでみたら、すぐに車道に出て、その先に真新しい建物が現れました。
その建物は、まだいかなる地図にも載っていませんが、調べたところ、この下にある北原リハビリテーション病院の新棟だと分かりました。まるでホテルのような外観の建物前を通って、下り坂の車道に入ります。


少しだけ下って、北原リハビリテーション病院の旧棟(になるのかな?)前まで来ると、前方の景色が大きく開けました。そこからは、富士山のほか、丹沢や高尾方面の山々が見渡せて、この日一番の展望になっています。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
さらに右の方を向くと、奥多摩の山々も眺められました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
坂を下って市街地に入り、国道16号線に出たところが左入橋交差点です。ここまで来れば、本数は少ないものの八王子駅へのバスを捕まえることもできますが、まだ1時間半も歩いていないので、もう少し先へ進みます。
国道16号線を少し進んだ後、中央道八王子ICの手前から細い道に入って上っていくと、中央道の上を跨ぎます。


さらに坂を登ったところに、小宮公園の入口がありました。ここからは、公園内を軽く散策していきます。
まずは公園の外周に沿った道を、少しだけ東に進みます。最初の木道部分は、すっかり除雪されていました。
木道の先は雪道に変わります。この付近の左側は公園内の一番高い場所で、園内の案内図には「ひよどり山」との記載も見られますが、ほぼ平坦で山頂っぽい地点が存在しませんし、それらしい標識類もなかったようです。
別の公園入口の前から「ほおじろの小道」に入ります。下るにつれて雪が増えて、木道上も雪道になりました。
公園の中心部まで下ったところを右に折れて、「ひよどり沢」のデッキまで来ました。この近くでは、散策している人のほか、野鳥を観察している人の姿も見掛けていて、小宮公園は野鳥観察に適した場所のようですね。
ここは公園内でも一番奥まったエリアで、あまり日が当たらないためか雪が多く残っていました。
ここで右に分かれる「ひよどりの小道」は、今回歩いた公園内の道で、一番山道っぽい雰囲気がありました。
このあたりなどは、まさに登山道に近い趣が感じられました。ほんの短い区間ではありましたが‥‥。
坂を登り切って陽当たりの良い高台に出てからは、雪が少なくなりました。公園内の道もあと少しです。
公園のサービスセンターには、動植物の展示などを行う「雑木林ホール」が併設されているようです。
サービスセンターのすぐ先にあった正面入口を出て、小宮公園を後にします。


あとは最寄りのバス停を目指すだけ。細い路地から階段道に入って、八王子駅の方向に下って行きます。
「ひよどり山トンネル南」という交差点でバス道路に出ました。奥に見えているのが、ついさっきまで歩いていた小宮公園の真下を貫く「ひよどり山トンネル」です。
最後は八王子郵便局バス停で、八王子駅に向かうバスを捕まえます。駅までは約1kmほどの距離なので、歩いても大して時間はかかりませんが、この先はもう繁華街で情緒も何もないですし、交通量が多くて空気も悪いので、バスを使うことにしました。数分おきに頻繁に走っているバスなので、待ち時間はほとんどなかったです。

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千代田アルプス [茨城]

2018/01/20(土)

■第373回 : 千代田アルプス(剣ヶ峰(370m)・浅間山(344m))


今回の行先は茨城県の千代田アルプス、と書いたところで、通じる人なんてほとんどいないでしょう。
筑波山から南東に続く山並みが、その末端で最後に関東平野へと落ち込むあたりにある、標高300m前後の山々が連なるエリアです。割と最近になって整備された様子で、少しずつ増えてきた記事を見て行って来ました。
そんな無名のコースながらも、稜線上に雑木林が主体の心地良い景色が続いていたのが好印象でしたし、傾斜がずっと緩やかで大きな登り下りのない登山道も実に歩きやすく、とても気持ちの良い山歩きを楽しめています。

 累積標高差(登り):529m / 距離:9.4km / 歩行時間:3時間0分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:15-05:19 町田 05:42-06:17 新宿
新宿 06:23-06:43 日暮里 06:54-07:57 土浦
土浦 08:15-08:38 上佐谷

(登山行程)
上佐谷バス停     08:45
雪入ふれあいの里公園 09:20-09:25
剣ヶ峰        10:05-10:15
雪入山        10:20
あきば峠       10:35
浅間山        11:00-11:10
御野立所(権現山)   11:55-12:00
上志筑バス停     12:15

(復路)
上志筑 12:52-13:30 土浦 14:00-14:54 日暮里
日暮里 14:56-15:17 新宿 15:20-15:55 相模大野
相模大野 16:08-16:23 市営斎場入口


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

土浦駅で路線バスに乗り換えて、上佐谷バス停で下車します。バスを降りる少し前から、弱い霧雨のようなものが舞っていましたが、元々降水確率は20%と低く、空もさほど暗くはないので、予定通りに登山を開始します。
歩き始めると、早速千代田アルプスが姿を現しました。見えてきた稜線を、このあと左から右へと縦走します。
なお、かすみがうら市が作成したハイキングコースの案内マップでは、この稜線を巡るコースの名前は「雪入しぜんの道」となっていて、「千代田アルプス」というのは地元のボランティアの命名による通称のようです。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


雪入の集落内からは道順が少し難しくなりますが、「峯コース」の道案内に従って、細い路地を進みます。
人家の間を抜けると、畑の中を進むようになります。霧雨は、このあたりまでにすっかり止んだようでした。
道はやがて山道に変わり、ここから本格的な登り坂が始まります。
でも最初に山道を歩く区間は短くて、ほどなく車道に上がりました。
車道を少し歩くと、すぐに雪入ふれあいの里公園の建物が現れます。
雪入ふれあいの里公園にはハイカー向けの野外トイレがあり、休憩がてら利用させて頂きます。真冬の寒さに加えてスッキリしない空模様で人出が鈍いのか、少なくとも屋外には全く人気(ひとけ)がありませんでした。


雪入ふれあいの里公園の建物の奥から、いよいよ登山道に入るかと思ったら‥‥。
その先も車が通れそうな道が続き、こんなヘアピンカーブを何度も繰り返しながら、緩やかに登っていきます。
車道を終点まで登って、かつて採石場だったらしい平坦地に着きました。最初に展望広場の前に出ますが、周囲の樹木が整備された当時よりも伸びてしまったのか、あまりスッキリとした眺めはありませんでした。


平坦地には、そのほかに3つの池があって、まず目の前に現れるのが「風の池」でした。
3つの池の中ではこの「風の池」がたぶん一番広くて、水面には多くの水鳥が見られました。
左に進むと、次に現れるのは「花の池」。小さな池は全面的に赤い水草に覆われて、水面が赤一色ですし、鳥が全くいないようで静かです。池の畔に遊歩道があるのが見えたので、そちらに向かってみましたが‥‥。
水面が上がったのか、遊歩道は一部が水没している上、そこへの階段も壊れかけています。強引に下りると足が水に浸かり、バランスを崩せば池に転落するので、ここはロープなどで立入を制限するほうがよろしいのでは?
さらに奥へ進むと、今度は「鳥の池」が現れましたが、こちらは壁と草藪に阻まれて、水面が良く見えません。
上の写真で壁のような物がない右側は、背の高い草が一帯に繁茂して、どこからも水面は見られないようです。
ここは「鳥の池」なので、鳥のことを第一に考えて、壁の窓から静かに観察しよう、ということなのでしょう。


「鳥の池」の先にあった「芝生広場」は、草がボーボーに伸び放題で「芝生広場」の標識も埋もれかけているなど、そこが芝生広場であることが放棄されて久しい様子でした。そんな芝生広場を見送った先で、さらに奥へと続く細い道とともに「剣ヶ峰」への道標を発見します。この先のコースは「雪入しぜんの道」の案内マップに全く記載がないので、一般的なコースではなさそうなのですが、幸いにきちんと整備されているようでした。
その道は少しの間「鳥の池」の畔を進みます。なんだ、ここまで来れば普通に「鳥の池」が見られるんじゃん。
ほどなく道は平坦地の端に達して、いよいよ、いかにも登山道らしい登り坂が始まりました。


登山道はのっけから、補助ロープが下がる急斜面に取り付きます。
少し登ると、すぐに「風の池展望台」への道が分岐したので、そこに入ってみます。
すると、ほんの数秒で開けた地点に出て、そこから見てきたばかりの3つの池を見下ろせました。
  ※下の写真にマウスを乗せると池や山の名前をガイド表示します。
登山道に戻ると、その後も補助ロープが下がる厳しい急登が続きます。
ロープ場の長いことといったら。それもそのはず、地形図を見ると、この斜面には普通の等高線が描かれず、崖記号になっているのでした。どうりで急な訳です。
長かったロープ場が終わった先も、それなりに急な斜面が続いて、登りはまだしも、もし下るのであれば足下にかなり気を遣ったことでしょう。ネイチャーセンターがあり駐車場も完備の「雪入ふれあいの里公園」という、この山域の中心的施設を拠点にできて、かつ稜線に最短距離で上がれるコースなのに、「雪入しぜんの道」の案内マップに載っていないのは、急坂続きの道が山歩きに慣れていない人には厳しいからなのではと感じました。
ようやく急坂が緩んで広い道に合流し、そこから木段の道に変わると、もう稜線はすぐ上にありました。


稜線に上がった地点がちょうど剣ヶ峰で「剣ヶ峰広場」の標識がありました。ただ、ここは山頂と言えるほどの顕著なピークではなく、この稜線の最高点も南西側に400mほど歩いた所です。でもそこには電波施設があるだけで、特に山名も付いていないようなので、そこには向かわず、ここをこの日の最高点とすることにしました。
この剣ヶ峰は標高が明確ではありません。「雪入しぜんの道」の案内マップでは360mとなっていますが、帰宅後にGPSの軌跡を確認したところ370m圏に入っていたので、この記録では370mとして扱うことにします。
剣ヶ峰では南東側が開けていて、地元の方の作成による展望イラストが掲示されていました。
曇り空の下で、剣ヶ峰からは霞ヶ浦を眺められた程度でしたが、その先には太平洋が広がっていたのでしょう。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


剣ヶ峰から尾根を北東へ進むと、雑木林に覆われた稜線になだらかな道が続いて、とても良い雰囲気です。
5分ほどで着いた、すぐお隣のピークが雪入山でした。
ほとんど展望のないピークですし、剣ヶ峰で休んでいたばかりなので、雪入山は通り過ぎるだけになりました。


それにしても気持ちの良い尾根道です。一貫して緩やかな傾斜の道が続くので、歩きやすくて快適でした。
唐突に右手が開けた地点が現れて、一体なんだろうと思ったら‥‥。
この標識に「パラグライダー離陸場跡」と書かれていました。


ほとんど前触れもなく、急に目の前に車道が現れました。あきば峠です。
車道に下りて北側を向くと、加波山や足尾山などが眺められました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
車道を横切って、正面にある登山道の続きに入ったらすぐの所にあったのが‥‥。
「振り返れば筑波山」というこの標識です。
言われた通りにそこで振り返ってみたら、確かに筑波山が見えていました。


あきば峠から緩やかに登り返すとすぐ、筑波山を眺められる「黒文字平」という地点に出ました。ここではMTBの3人が休憩中。バス停以来全く人の姿を見ていなかったので、彼らがこの日初めて会う人となっています。
黒文字平から眺めた筑波山です。比較的見慣れているのとは反対側から見る姿が新鮮でした。
登山道は相変わらず穏やかですし、雑木が主体の好ましい林相もずっと続いています。
稜線上では、左右に下る道などがたびたび分岐しますが、どの分岐点でも道案内はしっかりとしていました。


浅間山への分岐点まで来ました。広い道は浅間山を巻いて緩やかなまま進みますが、浅間山はこの山域で唯一と言える、しっかりと尖った頂を持つ堂々としたピークなので、ここはきっちり登って行こうと思います。
浅間山への登りです。そこそこ急な斜面を、全くジグザグを描かずに直登するので、かなりの急坂です。
先程の分岐点から頂上までの間ずっと、登山道の両脇には杉の木が整然と並んでいて、登山道というよりも参道の雰囲気です。きっと古くから信仰の対象として登られていた山なのでしょう。
浅間山の頂上には浅間神社の祠が祀られていました。奥にある建物はテレビ放送の中継所です。
無粋な建物が入らないよう、TVの中継所の側から写してみました。そこそこの広さがある山頂で(中継所がなければもっと広かったはず)、東西両側の展望を楽しめる場所にはベンチも置かれています。
浅間山からの西側の展望です。筑波山や、筑波山から南に延びる尾根上の山々が見えていたほか、左のほうには、歩いてきた千代田アルプスの稜線も見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


浅間山からは、登ってきたのとは別の道を下って、先程までのコースに復帰します。こちらの道は、登ったほうの杉並木の道ほど急ではなく、距離も短かったように思います。
先程までのコースに下った地点は変則的な十字路になっていて、三ツ石森林公園へ下る道が分かれています。「雪入しぜんの道」のマップも案内しているその道は、道幅が広くていかにも良く歩かれていそうでした。
一方、そのまま尾根を進むコースも良く踏まれていて、雰囲気の良い木立と緩やかで歩きやすい道が続きます。
標高の低さから、快適さを重視して真冬に出掛けてきたのでしたが、この林相ならば新緑や紅葉も素敵な感じになりそうなので、このエリアの適期は春や秋なのかもしれません。季節を変えてまた来てみたいと思いました。
谷津への下山路も明瞭で、ちょうどそこを登ってきた単独行の男性が、この日出会った唯一のハイカーでした。


ほどなく、閑居山大師に下る道が分岐します。百体摩崖仏など見所が多そうで、ここから下るかどうか計画時にかなり迷ったのですが、もう少し山道を長く歩きたいという思いが勝ったので、引き続き尾根伝いに進みます。
閑居山大師への道を見送った先に、弘法石への道が分かれたので入ってみます。分岐点からほんの数秒ですぐに現れた弘法石は、これといった特徴もなく、名前を記した標識があるだけで由緒とかも分かりませんでした。
弘法石から元の道に戻ると、その先に道が深く抉られた区間があって、足元に少し注意が必要でした。でも、剣ヶ峰から先の長いコース中、歩きにくかった箇所はここだけで、心地良い尾根歩きを満喫できたと思います。
浅間山から先は、ほぼ下る一方の道になっていて標高を落としていくばかり。しまいには100mそこそこの標高になりますが、それでも一丁前に尾根道らしい雰囲気がちゃんと感じられたりしました。


その後、小さなアップダウンが続くようになると、ほどなく99.3mの三角点を通過します。これまでに見たほぼ全ての参考資料が、権現山の標高としてこの三角点の標高と同じ値を採用しているので、てっきりここが権現山の頂上になっているものと思っていたら、ただ三角点がポツンと埋まっているだけで、山の頂上を示すような物が何もないばかりか、ほとんど誰からも顧みられていない地点のように感じました。しかも、山の頂上だと言えるほど盛り上がった地点でもなかったので、この記録ではこの三角点と権現山とを区別して扱うことにします。
三角点を過ぎて下って行くと、間もなく前方に御野立所が見えてきました。昭和4年の陸軍特別大演習の折に昭和天皇が統監された場所とあり、さほど歴史の古いものではないので、あまり興味は湧きませんでしたけれど。
御野立所の石碑が立っているのが権現山だと、どの資料も口を揃えて言っている上に、山名の由来だとされる権現社の祠も、この石碑の傍らに祀られていたので、この記録ではここを権現山とします。先程の三角点からそう離れておらず、大きな目で見ればほぼ同じ場所ですが、標高には明らかな差があって85mほどになるようです。
石碑が立つ場所は見晴らしが良好でしたが、なにしろ標高が低くて、目を見張るほどの展望ではなかったです。


御野立所(権現山)から軽く下るとすぐに車道に出て、あとはバス停までのんびり歩いても10分ほどでした。
上志筑バス停には、土浦駅行のほか石岡駅行のバスも来ます。土浦駅行に乗るには少し時間があったので‥‥。
すぐ近くにあったセイコーマートへ。神奈川県民にはほとんど馴染みがありませんが、店頭で弁当や総菜類などを調理するホットシェフというのが好評らしいコンビニで、まさに上志筑店がその対応店舗だったのです。楽しみに購入してみたカツカレーは、決して特別なクオリティーではなかったけれど、レンジでチンする作り置きの弁当類と比べると明らかに別格で、それなりに満足できる食べ心地でした。ただひとつアテが外れたのが、イートインがなくて外で食べるしかなかったことです。一応はその事態も想定して、携帯チェアをザックに入れていたので、駐車場の一角に適当なスペースを見つけて食べられましたが、風が強かったりしたら厳しかったかも。
最後に少し時間が余ったので、セイコーマートの裏手に回って、先程まで歩いていた山並みを振り返りました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。

タグ:茨城
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八高山 [静岡]

2018/01/13(土)

■第372回 : 八高山(832m)


この日は、先週に続いて静岡県西部の山へ出掛けてきました。前回はかなりマイナーな山でしたが、今回登った八高山はそれなりに人気があって、このエリアのガイドブックには結構載っている、割とポピュラーな山です。
とはいえ、この時期としても厳しい寒さに見舞われたこの日、さすがに登山者は少なかったですが、空気の澄んだ真冬ならではの、富士山や南アルプスの展望を楽しんできました。

 累積標高差(登り):739m / 距離:8.9km / 歩行時間:3時間15分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:37-05:41 町田 05:51-06:10 本厚木
本厚木 06:12-06:54 小田原 07:08-08:10 掛川
掛川 08:25-09:10 泉

(登山行程)
泉バス停  09:15
川近神社  09:25
小天狗の峰 10:35
バランダ  10:50-10:55  (原の平)
八高山   11:05-11:35
馬王平   12:00
五輪段   12:25     (なだらかコース・急斜面コースの分岐点)
福用駅   13:05

(復路)
福用 13:35-13:57 金谷 14:09-14:41 静岡
静岡 15:23-16:41 熱海 16:46-17:08 小田原
小田原 17:23-18:13 相模大野 18:30-18:45 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

掛川駅を訪れるのは、粟ヶ岳に登った昨年5月以来2度目になりました。駅前で掛川市のバスに乗り換えます。
今回乗った掛川市の自主運行バスは、なんと乗車時間が45分に及びました。しかも、道のりの前半で早くもひと山越えたあとは、時折ポツリポツリと点在する小さな集落を見送りながら、山あいの細い道を走り続け、途中からは対向車もほとんど見掛けなくなった中を、八高山の麓にある最奥の集落まで運んでくれます。
終点の泉バス停で降りた時は、よくぞこんな山奥まで定時運行の路線バスが走っていてくれたと感動すら覚えましたし(全区間を通して乗客が私だけだったのは、朝早い下りの便だからでしょうか)、そのおかげで、いつも長くなりがちな登山口までの車道歩きも、今回はほとんどしなくて済みました。
バス停のポストは、バス転回所の向かいに立っていました。休日も1日6往復(ほぼ2時間に1本、平日なら8往復)あるダイヤに、45分乗って300円という料金設定、掛川市は市民サービスが充実している印象です。


歩き始めてすぐに小さな橋を渡ると、その先のT字路にコースの案内図があって、ここからのコースが3本載っていました。今回登るのは、そのうち川近神社の手前から登るコースで、ここは左折になります。
すると、すぐに山道が分かれます。これも先程の案内図にしっかり載っていたコースの1本なのですが‥‥。
「コース荒れ危険」という標識が立ち、八高山への矢印もこの道を見送る向きに書かれていました。一旦は整備したものの、何か問題が生じたのでしょうか。でも、元々ここを歩く予定ではないので、構わずスルーします。


もう少し車道を進んで、登る予定のコースの入口まで来ました。しかし、ここも敢えてスルーしてしまいます。
というのも、ほんのわずか先に川近神社への石段があるのを、予めGoogleのストリートビューで見て知っていたからです。石段の入口を見ると、両脇に門松が供えられて、お正月らしい装いになっていました。
川近神社の石段はさほど長いものではなく、すぐに境内まで登れてしまいます。
登山の無事を祈願していきます。先程の登山道だと、少し離れた所を進んでしまい、境内を通らないのでした。
本殿・拝殿のほかには、小さな社務所があるだけで、境内もさほど広くない、質素な佇まいの神社でした。


社務所の脇から微かな踏み跡をたどると、すぐに登山道に出ました。良く踏まれた感じの明瞭な道です。
紛らわしい箇所にはきちんと道標が設置されていて、道案内もしっかりしていました。
が、勾配はきつめで、地面がザレ気味の箇所も多く、登りは大丈夫でしたが、下りでは足元に要注意でしょう。
先程の案内図によると、登山道は日当山を通るはずなのに、実際は巻いていたようで、頂上に立たないうちに下りに変わります。下り切ったあたりでは、下で見送ってきたもう1つのコースが合わさるらしい地点がありましたが、そちら側のコースは入口を塞ぐように木の枝が並べて置かれ、分岐を示す標識等もありませんでした。


この日は冷え込みが厳しく、登り始めて小1時間ほど経っても、寒さが勝って全然身体が暖まりません。でも中腹あたりまでは、登山道が東側の斜面に付いていることが多くて、風の影響をあまり受けずに済んでいました。
ところが登るにつれて、道は尾根上に出ることが多くなります。すると西からの季節風に晒されるようになり、それがもう冷たいのなんの。このまま標高を上げ続けたらどんな寒さになるのかと、少し不安になりました。
林道に出る手前の596mピーク付近には、小さな祠がありました。つい最近のものと見られる真新しいお札が供えてあったので、今でもきちんと面倒を見ている人がいるようです。
そのすぐ先で、右側が大きく開けました。下で見た案内図で「東側展望良し」と書かれていた地点のようです。逆光の写真になってしまいましたが、中央で光っているのは太平洋、左側の一番高いピークが経塚山です。


そのまたすぐ先で、林道がU字にカーブしている地点に突き当たりました。
そこから少しの間は、その林道を進みます。
林道を歩く距離は短くて、林道が次にカーブする地点に、山道の入口がありました。


その先はさらに急勾配になって、中には地面に手を添えたくなるような箇所もあったほど。道もこのように、引き続きガレたりザレたりしている区間が多いので、下る時は大いに足元に気を遣わされそうです。
それでも、ササの中に入ると、ようやく傾斜が緩んできました。
小天狗の峰に到着。標高770m圏のピークですから、八高山との標高差はあと60mほど。先が見えてきました。
展望は全くなく、上の写真の範囲がほぼ全てという、狭くて地味なピークですが、私製の山名標がありました。


先が見えてきたとはいえ、八高山までの間に越えていくピークはまだこの先にもあり、そのたびに下ってから登り返すので、もう少し登りを頑張らなくてはなりません。次のピークに近付くと、照葉樹が目立ってきました。
バランダ(原の平)に到着しました。ここからは北西側の稜線にも道が付いていて、分岐点になっています。
ここも展望のない地味な地点ですが、色々な標識が賑やかで、「天狗の座敷」という標識も。別名でしょうか。


バランダからは、ひと登りで八高山に到着です。登ってきたコースは比較的最近に整備されたもので、まだ知名度は低いらしく、ここまで全く人に会いませんでしたが、それは登山口あたりの閑散とした様子を見た時点で確定していたようなものでした。この山は反対側にある福用駅からのコースが断然メジャーなので、そこから登ってきた人が誰かしらいるものと思っていたら、まさかの無人。展望の良い頂上を、しばらく独り占めです。
山名を記した標識だけで4種類も。もう少し過ごしやすい季節ならば、きっと多くの人で賑わうのでしょうね。
お団子型の山名標を久々に見ました。この山域では、それなりの高さの山に長らく登っていなかったようです。
そして地面には、ひときわサイズの大きい一等三角点が。展望に恵まれた地点だという証でもあります。
八高山では、北東側と南側が開けていて、北東側には富士山のほか南アルプス南部の峰々を広く見渡せました。残念ながら、南アルプスの核心部(聖岳あたり)には雲がかかっていて、スッキリと眺められませんでしたが。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
南アルプス南部をアップにしてみました。さすがに3000m近いあたりは真っ白ですね。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
富士山とその周辺も少し大きく。  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
富士山もアップで。小笠山から見た先週と比べると結構雪が増えて、ようやくこの時期らしい姿になりました。
一方の南側は相変わらず逆光でしたが、太平洋の大海原と、昨年5月に登った粟ヶ岳などが見えていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると粟ヶ岳の位置を表示します。
見事な眺めで気分の良い頂上ですし、下山後に乗る予定の電車の時間にも相当の余裕があります。そして、ずっと風が冷たくて寒い思いをしながら登ってきたのに、この頂上では風が穏やかで、タップリの日差しを浴びるとポカポカと暖かさすら感じられて、居心地も上々。そこで、私には珍しく少し長居をしていくことに。すると、独占していた頂上にもやがて単独行の男性が現れ、これまた私には珍しく、しばらくお話しさせて頂きました。


八高山から福用駅方面に下り始めると、すぐに白光神社の前に出ます。福用駅の近くには里宮があって、ここはその奥宮。ちなみに読みは、山名と同じ「はっこう」ですが、どちらが先かなど詳しい由来は不明のようです。
トタンで修繕されていた壁が、なんとも安っぽく見えてしまいます。でもこれだけ高い場所にあると、維持するだけでも大変でしょうし、仕方のないことかもしれませんね。
鳥居も元々のものではなさそうです。里宮がある福用駅付近も大きな集落ではないので、何をするにも人手も財政も苦しい所ではないかと思われますが、もうちょっとどうにかならなかったのかなと思ってしまいました。


さらに下ると、樹木が一部伐採されて見通しが良くなっている地点があり、東側のかなり広い範囲を見渡せました。高草山や高山の上に、天城山をはじめとする伊豆半島の山々が連なって見えていたほか、その右の洋上ではるか遠くに霞んでいたのは、天上山がある神津島だったようです。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
下に視線を移すと、馬王平がもう近くに見えていました。少し開けた場所になっているのが良く分かります。
ただ、馬王平までの下りは、段差の大きな箇所も多い道で、あまり歩きやすくはありませんでした。


馬王平まで下ってきました。ここは林道が四方から集まり、少し広めの平坦地になっています。林道はいずれも一般車が入れない筈ですが、この時は工事車両が2台も入ってきて、本来の平穏な景色ではなかったのが残念。
ベンチに腰掛けると、ちょうど正面に富士山が見えるという、なかなかのロケーションです。
富士山には、頂上にいた頃と違って雲が出ていたので、やはり展望を楽しむには早い時間に登るに限りますね。
ところで、馬王平に立つ道標が福用駅を指している方向には、林道が2本並んで出ていて、そのどちらが正しいコースなのかが明確には示されていませんでした(補助的な道標類も見られなかったと思います)。
2本の林道は、左は登り、右が下りとなって分かれていきます。下山途中なので当然右に下るのだろうと確信しつつ、念のため一応確認してからと地図を見てみたら、なんと左に登るのが正解で、少し危ないところでした。
八高山はほとんどが福用駅から往復する形で登られていて、ここは大半の人たちにとって登ってきた道を引き返すだけなので問題ないのでしょうが、私のように下りだけこのコースを使う人には少々不親切に感じています。


そんな訳で、左の林道を登っていくと、登り坂は最初に見えていた範囲くらいで、すぐに平坦な道となり、やがて緩やかに下り始めます。この一帯では新しい林道が建設中で、今後は登山コースの様子も変わりそうでした。
林道を進むことしばし、この地点で右に登山道が分かれました。
林道を左に見送り、道標に従って再び山道に入ります。
少し進むと、予期しない分岐が現れました。右に「福用川コース」が分かれていたのですが、私が参考にしていたガイドブックが古いために載っていなかったようです。少しそそられましたが、ここは予定通り直進します。


その後、登山道は広く伐採された斜面に入って、すこぶる見通しが良くなります。
伐採地内を通っている間は、再び南アルプスを含む広範な展望が楽しめました。
ただ、南アルプスも富士山と同様に、頂上から見ていた時と比べて雲が増えてしまっていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
背後には、八高山が端正な形で見えていました。登った道は結構急だったのに、こちら側は穏やかな表情です。


その後は穏やかな道が少し続きます。
さらに進んで、「なだらかコース」と「急斜面コース」との分岐点まで来ました。
分岐点には「五輪段」という地名が付けられていました。これも私が持っているガイドブックにはないので、割と新しい名前なのでしょう。さて、登りはどんなに急でも別に構わないけれど、下りはできる限り緩やかなほうが足腰への負担が軽く、それゆえにトラブルも少ないので、迷うことなく「なだらかコース」に入ります。


「なだらかコース」に入るとほどなく、「木立トンネル」と名付けられた区間が現れます。
なるほど、その名前からイメージできる通りの景色の中に入りました。そんなに長い区間ではなかったけれど。
さらに進むと、今度は「茶の木トンネル」なる区間の登場です。
ここもそのまんまの景色ですが、先程の「木立トンネル」の景色が山の中では割とありふれているのに対して、こちらは珍しいと思います(同じような景色は、満観峰に登った時に日本坂付近で見たことがあるだけかと)。
その後の登山道の様子です。「なだらかコース」の名前通り、確かに道の傾斜は緩やかだったものの、道が抉れていたり石がゴロゴロしていたりで足下に気を遣うことも多く、下りで歩きやすいとは言えなかったような。
さらに下って、登山道脇に石垣が現れたのが、集落に近付いてきたサインになりました。


間もなく車道に迎えられて、登山道はおしまいです。寒さが厳しかったこの日は、この冬初めてジャケットを着たままで山を登り下りしましたが、東側の山麓に下りてくると、西からの季節風が山に遮られていて穏やかです。日中になって少しは気温も上がり、標高も落としたので、ようやく暑さのほうが勝って、ここでジャケットを脱ぎました(でも駅まで行くと風が冷たくて、電車を待つ間にまたすぐジャケットを羽織ったのでしたが)。
車道はすぐに集落の中へと入っていき‥‥
このあとで初めて乗るのを楽しみにしている大井川鐵道の線路に突き当たったら、線路沿いを進みます。


本日のゴール、大井川鐵道の福用駅に到着です。
福用駅は無人駅ですが、駅前にある金谷福用簡易郵便局で、乗車券の委託販売が行われています。
郵便局なので、てっきり休日はお休みだろうと思って諦めていたところ、屋内には煌々と照明が点っています。「大鉄売札所」の文字も見られる入口の前に立ってみたら、なんと自動ドアが開いてくれました。
外観は単なる郵便局でしかなさそうだったのに、局内に入ると、食料品や日用品のほか土産物なども並んだショーウインドウが多くのスペースを占めていて、ほとんど商店のような雰囲気というギャップに驚かされます。
さらに、建物自体は住宅とも兼ねているようで、奥の部屋から出てきた、ここにお住まいとみられる年配のご婦人に対応して頂いて、欲しかったものを手に入れることができました。
それがこの乗車券です。記念切符など購入自体を目的としたものを除いて、実際に使用する目的で手にした硬券なんて、いつ以来だったでしょうか。このあと、終点の金谷駅で駅員さんの許可を頂いて持ち帰りました。
福用駅のホームで電車を待つ間、長閑な雰囲気の中で、ゆったりとした時間が流れていました。
やって来たのは、かつて南海電鉄を走っていた21000系でした。

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