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目次 (山行日付順:2017年) [もくじ]


No.370  2017/12/30(土)  【栃木】
   大小山(282m)・妙義山(313m)・大坊山(285m)
      ・・・烈風吹き荒ぶ中、岩混じりの尾根道をプチ縦走

No.369  2017/12/23(土・祝)  【茨城】
   高鈴山(623m)・真弓山(290m)・風神山(241m)
      ・・・久々の20km超えのロングルートは、充実感があった一方、単調で退屈さも…

No.368  2017/12/16(土)  【栃木】
   御嶽山(560m)・古賀志山(582m)
      ・・・宇都宮市内の低山から、うっすら雪化粧の日光連山を展望

No.367  2017/12/09(土)  【静岡】
   千葉山(496m)
      ・・・古い石仏が並ぶ祈りの道を歩き、古刹と巨樹に囲まれた頂上へ

No.366  2017/11/25(土)  【奥武蔵・秩父】
   太田部楢尾 / 城峯山(1037m)
      ・・・3年半ぶりに“ムツばあさん”の家を再訪

No.365  2017/11/19(日)  【茨城】
   竪破山(657m)
      ・・・山頂の立派な神社や巨岩の数々が、山岳霊場の雰囲気を今に伝える

No.364  2017/11/12(日)  【奥多摩】
   唐松山(307m)・天竺山(310m)・横沢入
      ・・・里山保全地域・横沢入の周りを尾根道で巡った後、その中の田園風景へ

No.363  2017/11/03(金・祝)  【上信越】
   子持山(1296m)・浅間山(1088m)
      ・・・雲ひとつない秋晴れの下、上越国境の展望台の山へ

No.362  2017/10/06(金)  【東北】
   姫神山(1123m)
      ・・・秋の東北遠征第2弾は、美しい名前の響きに惹かれて盛岡近郊の山へ

No.361  2017/09/30(土)  【八ヶ岳とその周辺】
   霧ヶ峰(観音沢から車山(1924m))
      ・・・車+リフトでも登れる霧ヶ峰に、知名度ほぼゼロの古道で、麓から登る

No.360  2017/09/09(土)  【東北】
   月山(1984m)
      ・・・霊山に登頂して月山神社本宮を参拝、高層湿原では秋の気配

No.359  2017/09/03(日)  【八ヶ岳とその周辺】
   美ヶ原(焼山沢から王ヶ頭(2034m))
      ・・・知られざる沢沿いのコースを登り、清冽な滝とヒカリゴケに出会う

No.358  2017/08/26(土)  【奥多摩】
   日の出山(902m)・御岳山(929m)・大塚山(920m)
      ・・・最盛期のレンゲショウマをお目当てに

No.357  2017/07/22(土)  【中国地方】
   氷ノ山(1509m)
      ・・・中国地方への初めての遠征で、下山中に土砂降りの雨に見舞われる

No.356  2017/07/15(土)  【大菩薩とその周辺】
   大菩薩嶺(2056m)
      ・・・水源林の美しい針葉樹林の中を、なだらかな登山道でゆるゆると

No.355  2017/06/24(土)  【奥武蔵・秩父】
   ウノタワ・大持山(1294m)
      ・・・別天地のウノタワと美林の尾根道に、ダブルで心癒やされる

No.354  2017/06/03(土)  【関西】
   御在所岳(1212m)
      ・・・スリリングな登山道、巨岩・奇岩が織りなす景観、そして360度の大展望

No.353  2017/05/28(日)  【静岡】
   粟ヶ岳(532m)
      ・・・新幹線の車窓から見ていた「茶文字」の山へ

No.352  2017/05/05(金・祝)  【奥多摩】
   日の出山(902m)・麻生山(794m)・勝峰山(454m)
      ・・・何度も登った日の出山を、未踏のマイナールートで登り下り

No.351  2017/04/22(土)  【奥武蔵・秩父】
   弓立山(426m)・堂山(250m)・雷電山(418m)
      ・・・マイナーで地味ながらも、とても気持ち良く歩ける穴場的な山

No.350  2017/04/15(土)  【奥多摩】
   払沢ノ峰(858m)・松生山(933m)・浅間嶺(903m)
      ・・・急登ばかりの破線ルートから好展望の山頂へ

No.349  2017/03/18(土)  【丹沢】
   茨菰山(511m)・三角山(515m)・仙洞寺山(583m)
      ・・・登山道のないヤブ山ばかり3連発

No.348  2017/03/11(土)  【伊豆】
   暗沢山(520m)・高通山(518m)
      ・・・絶景なのに、誰もいない!

No.347  2017/03/04(土)  【丹沢】
   大野山(722m)
      ・・・草原状の気持ちの良い頂上を、混み合う前の朝のうちにサクッと

No.346  2017/02/25(土)  【伊豆】
   大平山(578m)・古城山(540m)
      ・・・全く人に会わない地味な山で、一般登山道を外れると道なき道を行くことに

No.345  2017/02/18(土)  【愛知】
   湖西連峰(神石山(325m)・東山(258m))
      ・・・浜名湖を見下ろす稜線歩きは、無数のアップダウンの繰り返し

No.344  2017/02/04(土)  【房総半島】
   大日山(333m)・鷹取山(364m)・御殿山(363m)
      ・・・低山ながら、急な登降が連続する侮れないコースを縦走

No.343  2017/01/14(土)  【奥武蔵・秩父】
   天覧山(197m)・多峯主山(270m)・柏木山(303m)・龍崖山(246m)
      ・・・奥武蔵最前衛の山々を巡り、低山らしからぬ大展望揃いが嬉しい誤算

No.342  2017/01/07(土)  【奥武蔵・秩父】
   陣見山(531m)・(末野)御嶽山(247m)・鐘撞堂山(329m)
      ・・・埼玉県内最北部の山々を繋げて歩く


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大小山・妙義山・大坊山 [栃木]

2017/12/30(土)

■第370回 : 大小山(282m)・妙義山(318m)・大坊山(285m)


この日は栃木県の最南部に出掛けて、大小山と、そこから稜線伝いに歩けるいくつかの山々を歩いてきました。
岩混じりの尾根道で結ばれながら、危険を感じるような急峻な箇所はなく、ちょっとしたスリルを味わう感覚で渡り歩けるのが面白い山々で、標高が低い割に展望に恵まれた尾根上からのパノラマも楽しみのひとつでした。

しかし、下界にいる間はのどかな好天だったのに、稜線に上がった途端、烈風が間断なく吹き荒んでいました。
耳をつんざく強烈な風の唸り声の中、時として身体が浮き上がりかけるほどの状況です。せっかく展望の良いピークに立っても、立ち止まるや否や体温を奪われるので、寒風に追い立てられて早々に退散させられる始末。
気温自体は低すぎず、身体を動かしていれば寒さは平気でしたが、とても穏やかな気分では歩けませんでした。

 累積標高差(登り):930m / 距離:11.0km / 歩行時間:3時間55分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:15-05:19 町田 05:22-05:56 新宿
新宿 06:05-06:24 品川 06:33-07:51 小山
小山 08:00-08:36 富田

(登山行程)
富田駅      08:40
阿夫利神社    09:10
大小山      09:40
妙義山      09:45-09:50
越床峠      10:35
つつじ山     11:10
大坊山      11:20-11:25
長林寺      12:40
白髭神社前バス停 12:50

(復路)
白髭神社前 12:56-13:15 足利 13:43-14:23 小山
小山 14:33-15:37 赤羽 15:43-15:57 新宿
新宿 16:00-17:53 相模大野 17:50-18:05 市営斎場入口


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

JR両毛線の富田駅から歩き始めます。同じ電車から降りた数人の乗客のうち、ハイカー姿は私だけでした。
はじめは住宅街の中を進みます。道順は単純ではありませんが、道標がしっかりと道案内してくれていました。
しばらく進むとのどかな景色に変わって、少しずつ山が近付いてきます。
田畑が広がるようになると、これから登る山がスッキリと見えてきました。中央に写っている2つのピークは、「大」「小」の2文字が頂上直下に見える左側が最初に登る大小山、右側がその次に登る妙義山です。
両毛線の車窓からも良く見えていた大小山の代名詞、頂上直下に掛けられた「大」「小」の文字をアップで。
登山口の手前まで来ると、大きな駐車場がありました。奥には大小山が見えています。


富田駅から30分ほどで登山口に到着です。ここにも車が停められるほか、簡易トイレも設置されていました。
登山口からは3本の登山道が分かれますが、阿夫利神社の横を抜けて見晴らしコースに入ります。
すぐに動物除けのフェンスを開閉して、いよいよ山道へ‥‥。
と思ったら、もうしばらくアスファルト舗装の道が続きました。
舗装された道が終わったら、今度は石段が始まって、これも少し長く感じるくらい続きました。
見晴らしコースは、途中で男坂と女坂に分かれます。男坂に階段が続くのを見て、ここは女坂を選びました。
女坂とはいえ、ほとんどジグザグを描かずに直登する感じの道で、それなりの勾配に早くも汗をかかされます。
ほどなく男坂と女坂は合流し、合流点の少し先で見上げると、「大」「小」の2文字が間近に迫っていました。遠くからも良く見える物なので当然ですが、近くで見ると結構デカイ!(小さな写真では伝わりませんが‥‥)


休憩舎のある見晴台に着くと、「大」「小」の文字はすぐ上の岩壁に掛かっていました。
見晴台からは、昨年の同じ日に縦走した晃石山・馬不入山・岩船山・三毳山が間近に眺められたほか、その奥では少し遠くの筑波山や加波山が霞みながら見えていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
見晴台の休憩舎には何冊ものノートが置かれていて、最新のメッセージを見るとつい昨日書かれたものでした。
ところでこの日は、良く晴れて気温もさほど低くはなく、風も穏やかで割と快適に歩いて来ました。駅から見晴台までの軽い登りでも結構汗をかいていたので、ここでジャケットを脱いでフリース姿になっています。


見晴台から、このハシゴを登ると、間もなく稜線に出ます。
稜線に出ると岩混じりの山肌になりますが、登山道は普通に歩ける程度で危険はありません。それよりも、稜線上では強風が吹き荒れていて、突然の豹変ぶりに戸惑いつつ、すぐ上に見えている大小山の頂上を目指します。
大小山の頂上でも、風の強さと冷たさに閉口します。
ということで、遠くに見えていた富士山だけカメラに収めたら、ほぼ素通りに近い形で先へ進みます。実は富士山は、両毛線の車窓からも当たり前のように見えていて、それに気付いた時はちょっとビックリしたのでした。


すぐお隣には、次に登る妙義山がもう間近に見えていました。今いる大小山よりも少し高く、周囲も開けているので、展望はそちらで楽しむことにします。
妙義山への登りも、岩の露出した尾根を進みます。一見険しく見えますが、傾斜が急な箇所はなく、道が階段状になっていて2足歩行のまま登れる上、手を添える必要もほとんどないので、岩場というほどではありません。
妙義山の頂上では全方位が開けていて、360度のパノラマを楽しめます。なのに、あまりの強風のため、立ち止まると身体が急速に冷やされて、とても長居はできません。とはいえ展望写真は欠かせないので、最小限の枚数でてきぱきと撮り終えるようにしたら、ここでもそそくさと撤収となりました。
妙義山には二等三角点がありました。国土地理院の地形図や一部のガイドブックはここを大小山としていますが、この記録では現地の標識に従い、ここを妙義山、「大」「小」の文字が掛かったピークを大小山とします。
妙義山からの展望を、南側から時計回りに紹介します。南側には、奥多摩や奥武蔵あたりの稜線の上に、富士山が頭ひとつ抜きん出ていたほか、西南西側には八ヶ岳がぼんやりと見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
続いて西から北にかけての方角です。こちらは空気の透明度が今ひとつで、雲も結構出ていたので、赤城山は裾野しか見られず、浅間山・榛名山・男体山といったあたりも少し霞んで見える程度にとどまりました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
最後の東側は比較的近くの山々が中心の眺めで、ちょうど1年前に縦走した晃石山・岩船山・三毳山といった山並みの上で、筑波山や加波山が霞んでいるという、先程の見晴台からと似たような眺めになっています。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


妙義山の先も露岩の尾根を下りますが、この日はいつものトレランシューズではなく、ファイブテンのアプローチシューズを履いていて、靴底のグリップを完全に信頼できたので、足元への不安は全くありませんでした。
補助ロープが下がるちょっとした崖のような箇所もありましたが、ここはロープを使わずに下れました。
その後は小さなアップダウンを繰り返しながら、いくつかのコブを越えます。進むにつれて強風はさらに威力を増していて、しばしば耳をつんざくほど大きな唸り声が轟く登山道には、少々不穏な雰囲気が漂っていました。
小ピークの中には、私製の山名標を見掛けるところもありました。ここは「仮称 毛野山」だそうです。
途中には「がま岩」という標識が付けられた岩尾根があって、尾根上を乗り越えて通過していきます。ここがこの日のコースの中で唯一厄介な箇所だったのですが、帰宅後に調べると、ちゃんとした道が下にあったらしい。
「仮称 あいの山」の山名標があるピークを通過。似たようなアップダウンが続くので、少し長く感じます。
一旦大きく下って、全行程のほぼ中間地点にあたる越床峠へ。さすがに鞍部にいると強風もなく穏やかです。


越床峠からは改めて登り直す具合です。そこは「胸突坂」と呼ばれているらしいので、傾斜がきつくなりそう。
ほどなく道が二手に分かれました。尾根通しに直進する道(写真左端)は急斜面を直登していて、補助ロープがずっと連なっていることからも、いかにも苦しそうな急坂に見えます。一方、右に分岐する道はと言うと‥‥。
「ちょいやさしいコース」という標識が立っていたので、迷わずそちらを選んでみたら、その道は斜面に対して斜めに上がるような道筋を描いていて、確かに道の勾配がいくらか抑えられていたようです。


ふいに開けた場所に出ると、コースの手前から時々見えていて気になっていた建物が間近に迫っていました。
その建物の手前には簡易トイレも設置されていて、この日のコースで登山口以外にあった唯一のトイレでした。
一段上の平坦地には大きな休憩舎があって、隣には避難小屋のような建物も。休憩舎には「山頂番屋」という銘板が付けられていて、そういえば少し手前から「↑番屋 きてね」などの標識をたびたび見掛けていたのでした。
さらに奥には、しっかりした小屋も建っていました。年末のこの日はひっそりしていましたが、人がいれば軽食などが注文できるようですし、屋上が眺めの良いテラス席になっていて、そこでの休憩は気分が良さそうです。


山頂番屋を過ぎてさらに登ると、また道が左右に分かれました。右の道は足利鉱山を通るとされているので尾根筋を進むらしく、左はその巻き道になるようです。左の巻き道のほうが良く歩かれている様子ですが、すでに足利鉱山の直下に達していて、今から巻いたところで大きな差はなさそうですし、右の道で尾根を進んでみます。
足利鉱山まではほんの2~3分で到着しました。ここで登山道が左に折れるのに対して、それ以外の方向は鉄パイプやロープなどで厳重に封鎖されていて、一歩たりとも踏み出せないようになっています。
その理由は下を覗きこんで分かりました。眼下に採石場があって、山が大きく削られて崖になっていたのです。
足を踏み外せば、100m下へ真っ逆さま。登山道の崖側に、最小限の転落防止策は取られているものの、傾斜の急な岩混じりの尾根を細くて頼りない道で進むため、足腰に不安がある人は巻き道を選んだほうが安全です。


巻き道が合わさってからも、露岩の細い尾根道は続いて、いくつもの小さなコブを越えていきます。強風は相変わらず猛威を振るっていて、時として身体ごと持っていかれそうになることもあり、左右が切れ落ちている地点では油断していられません。まさか、こんな低い山で耐風姿勢を要求されることになろうとは‥‥。
ベンチのあるピークに着くと、そこが「つつじ山」で、展望が開けた気持ちの良い場所でした。
樹木に掛けられていた山名板です。このつつじ山のほか、先程の足利鉱山も展望が良かったのですが、見られた景色は妙義山からのパノラマの一部としてすでに見てきたものと大差なかったので、展望写真は割愛します。


つつじ山から軽く下ると、その次の小さなコブが、大坊山方面と長林寺方面との分岐点になっていました。このあとは、大坊山まで往復したのち、ここに戻ってきてから長林寺方面へと下ります。
大坊山へはひと登りで到着しました。広い頂上は、その全体がほぼ平坦地なので、すごく開放的な雰囲気です。
奥宮の小さな社がポツンと置かれたこの場所に、以前は大山祇神社が建っていたとのこと(落雷による焼失後、中腹に移されています)。今も残るその土台から、かつての社がとても大きな建物だったことが窺えますし、来た道の反対側からは立派な石段の参道が登ってきていたので、往時は多くの参拝者を迎えていたのでしょう。
大坊山の周囲はそれなりに開けていますが、若干の樹木があって、スッキリとした展望ではありませんでした。


先程の分岐点に戻って長林寺方面の道に入ると、それまでよりは穏やかな雰囲気の尾根に変わりました。
とはいえアップダウンはなお健在で、まだまだいくつものコブを越えていかなければなりません。
降り積もった落ち葉を踏みしめて歩ける優しい道。露岩の尾根道が続く間はほとんど味わえなかった感覚です。


長林寺が近くなってくると、道は何回か健脚者コースと初心者コースに分かれます。
最初の分岐で健脚者コースを選ぶと、露岩の尾根を進む道となりました。初心者コースは巻き道のようです。
越えてきた小さなコブを、2つのコースが再び合流した地点から振り返りました。このコブからの下りは少々嫌らしかったので、岩場が苦手な人は初心者コースのほうが無難そうです。
次に迫ってきたピークに、やたらと大きな山名標があるなぁ、と思っていたら、それは大きな展望標識でした。
朝からずっと見えていた富士山は、ここからもまだ、標識が示す方向になんとか見えていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると富士山の位置を表示します。


さらに下ると、林道のような広い道に迎えられます。
そこからしばらくは、その林道のような道を進んで、その間はほとんど平坦でした。
ほどなく車道に出ます。
車道とは、ほとんど横断するだけという接し方で終わって、少し右に進むとすぐにまた山道に入りました。


車道の先にはまたしても登り返しが現れて、疲労が溜まってきた足にはそろそろ登りがきつくなってきました。
そんな中で道は再び健脚者コースと初心者コースに分かれます。目前に迫ったピークを右に避けようとしている初心者コースのほうが明らかに楽そうでしたが、ここは敢えて健脚者コースを選んで、そのピークに挑みます。
登ったピークには浅間神社の祠がありました。そのためネット上にはここを浅間山としている記事もあります。
浅間神社のピークから下り始めると、いよいよ眼下には下山先の長林寺が見えてきました(写真中央)。


しばらく下ると、長林寺の道了堂のすぐ横に出ます。
道了堂に入ってみました。上の写真で分かる通り、急な崖の途中で空間にせり出して建っていて、今立っている場所の下に地面はありませんが、割と頑丈な造りのようなので、特に足元に不安は感じませんでした。
下を見ると、長林寺の本堂がもうすぐ近くに見えました。
道標は迂回する別の道を案内していましたが、階段状に削られていた道了堂の直下を直接下りました。この写真はちゃんとした道まで下って振り返ったもので、登山をする人ならば問題なくここを登り下りできるでしょう。
あとは整備された道で境内を進むだけです。さすがに下界まで下ってきたら、風も穏やかになっていました。
長林寺には中島が浮かぶ大きな池があり、池越しに見えてきたのが本堂です。落ち着いた佇まいの境内ですね。
長林寺の本堂前まで来ました。
長林寺の本堂です。1499年に常陸国で創建され、戦乱で焼かれた後、上杉謙信によってここに再建されたとか。
立派な山門を後にします。


最後は、白髭神社前バス停で足利駅行きのバスを待ちます。なお、このあと乗ったのは富田線のバスで、それなら1つ手前の上宮先バス停のほうが長林寺から近かったのですが、この白髭神社前バス停のほうが中央循環線も通っていて本数が少しだけ多くなるので、こちらをゴール地点として計画していたのでした。
JRの足利駅に到着しました。足利市を訪れるのは、昨年の足利行道山の時に次いで2回目となりましたが、昨年は東武線を利用していたので、JRの駅に来るのは今回が初めて。JR線は今回利用した全区間が休日おでかけパスのフリーエリア内だったものの、それでも東武線と比べてしまうと、運賃はかなり割高になりました。

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高鈴山・真弓山・風神山 [茨城]

2017/12/23(土・祝)

■第369回 : 高鈴山(623m)・真弓山(290m)・風神山(241m)


この日の行先は、茨城県日立市の高鈴山です。近場にあって行きやすい山でも、メジャーで魅力的な山でもない割には、今回が珍しく2度目の登頂となっています。この山を巡っては、前回の時も比較的長めの周回コースを歩いたのですが、今回は20kmを超えるさらなるロングコースを歩いてきました。

しかも、長距離とはいえ、アクセスが不便な山へのアプローチに延々と車道を歩いただけという、このところ多かったパターンとは違い、今回は最後の下りを除けばほぼ全体が山道だったので、5時間以上かけて歩き終えた充実感はなかなかのもの。ただ、見所の多くが高鈴山までの最初の約4kmに集中していたため、以降の大半を占める17kmは距離が長い割に見所にも変化にも乏しく、やや単調な道のりに感じられたのが否めませんでした。

 累積標高差(登り):981m / 距離:21.4km / 歩行時間:5時間5分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:15-05:19 町田 05:22-05:56 新宿
新宿 06:05-06:24 品川 06:45-08:34 日立
日立 08:40-09:12 御岩神社前

(登山行程)
御岩神社前バス停 09:15
御岩神社     09:20-09:25
賀毘礼神宮(※)  09:40
賀毘礼の高峰(※) 10:00  (御岩山)
高鈴山      10:25-10:35
日立高鈴GC   11:35
真弓神社     12:50-13:10
真弓山      13:15
風神山      14:10-14:20
風の広場     14:25-14:30
大甕駅      15:10

※賀毘礼神宮、賀毘礼の高峰・・・2文字目の毘は、正しくは田へんに比と書きます(田比)。
 御岩神社のウェブサイトでは、ひらがな表記の「かびれ神宮」「かびれの高峰」が採用されています。

(復路)
大甕 15:28-15:57 水戸 16:53-18:13 東京
東京 18:16-18:32 新宿 18:38-19:14 相模大野
相模大野 19:25-19:40 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

日立駅からバスに乗って、御岩神社前で下車します。私を含めて3人いた乗客は、全員同じ区間の乗車でした。
太平洋沿岸の日立駅前ではさほど寒さを感じなかったのに、これから登る高鈴山を越えて、その裏側に当たるここまで入ると、山間に漂う空気はキンキンに冷えていて、路面が白く見えるのも凍結しているからなのでした。
御岩神社へ通じる左の道も、一部凍結していました。不用意に足を運ぶと滑るので、そろりそろりと歩きます。


御岩神社には2~3分で到着。まだ朝早くて静かだろうと思っていたら、意外にもそこそこ人出がありました。
境内に入ると、推定樹齢500年、約3mの高さの所から幹が3本に分かれた「三本杉」がお出迎えです。境内には幹周りの立派な杉が数多く並んで荘厳な雰囲気を醸し出していましたが、その中でもひときわ立派でした。
三本杉のすぐ先で楼門(大仁王門)をくぐります。境内はすっかり新年を迎える準備が整っていました。
この拝殿に26の神様が祀られているほか、全山合わせると188もの神様が祀られていることから、「日本の神様ほぼ全てにお参りできる」と評判が広まり、それでこんな寒い時期の早朝から参拝者が訪れているのでしょう。


境内からは、奥宮の賀毘礼神宮まで表参道と裏参道の2本の道で周回できるようになっていて、表参道に入ると、しばらくは傾斜の緩い散策路のような道が続きました。これなら観光客でも問題なく歩けそうです。
最後のほうで少し傾斜が急になって山道同然になりますが、そうなると間もなく、前方に建物が見えてきます。
下の御岩神社境内からは20分ほどで、奥宮の賀毘礼神宮に着きました。
賀毘礼神宮にも、私でも名前を知っている天照大神をはじめ、3柱の神様が祀られているようです。


賀毘礼神宮の先には、さらに御岩山(賀毘礼の高峰)への登山道が続いています。御岩山自体もご神体とされていることから、御岩神社と合わせて巡る人が多いのか、このあとも頻繁に人とすれ違いながら稜線直下まで登ると、直登コースの岩場は、東日本大震災の影響による落石が原因で立入禁止になっていました。
岩場を迂回するトラバース道からも、頭上の稜線にいくつもの大岩がそそり立っているのが見られました。
稜線に上がると、神峰山と高鈴山を結ぶ登山道が通っていて、高鈴山までは2014年にも歩いた道になります。
軽く登ると、間もなく御岩山への分岐点に出ます。前回はスルーしてしまったので、今回は寄って行くことに。


分岐点からは大した登りもなく、すぐに「賀毘礼の高峰」の標識が立つ地点に出ました。周囲には多くの巨岩が点在し、ここが信仰上の聖地であることは大いに頷けます。しかし地形的には尾根上の小さなコブに過ぎず、一般的に山頂と見なされる地点ではないので、この記録では御岩山を登頂した山には含めないことにしました。
御岩山からの展望がこちら。北側が大きく開けていて、この日のコースで最も広い範囲を眺められた場所でした。ただ、少し距離のある日光連山や高原山などが、ほとんど存在感がないくらい霞んでいたのが残念です。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
日光連山や奥久慈男体山などの方角を少し大きな写真で。このサイズでも日光連山はハッキリしないのですが。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。


御岩山から高鈴山への登山道に戻ると、御岩山の南斜面を巻いて進む間は平坦に近いトラバース道が続きます。
少し進むと、御岩山からの道が右の尾根から降りてきて合流しました。実は先刻、御岩山の山頂からそのまま稜線を進めないか、先の様子を少し探り、道がないのを見て引き返したのでしたが、どこに道があったのだろう。
その後、登山道は尾根歩きに変わり、何度かのアップダウンを経て高鈴山に向かいます。
休憩舎の前を通過する頃には、高鈴山の頂上にある電波塔が間近に見えるようになっていました。
休憩舎の前を通ぎると、最後は少しだけ車道を歩くようになります。


高鈴山に到着です。御岩山まで人が多かったので、ここも誰かいるものと思っていたら、意外にも無人でした。
高鈴山でも北側を中心とした展望が開けていて、そちら側を向いた展望テラスがあります。
高鈴山からの展望です。方角的には御岩山とほぼ同じで、御岩山よりは少し狭い範囲の眺めでした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
一方、山頂の南側には電波塔などが林立し、歩ける範囲が限られていて、展望もほとんどありませんでした。


高鈴山から真弓山方面への道は、山頂に立つ道標がアバウトな方向を指して道の所在を示していたものの、南端の電波塔脇から山道に入る箇所には何の案内もなく、やや草深い道だったこともあって少々不安を感じながらの歩き出しです。でもその後は、要所には道標が立っていたので、道迷いの心配をする必要はなさそうでした。
最初に登り返したコブの先には、補助ロープの下がる急降下が待っていました。急斜面が降り積もった落ち葉で滑り台と化していて、ロープがなければ転倒は必至でしたし、この日の長いコースで唯一の要注意箇所でした。
道自体はしっかりしていますが、盛んに歩かれているという感じでもなく、中には笹が道を覆うような箇所も。
その後は小刻みなアップダウンを何度も繰り返しつつ、徐々に高度を落としながら、日立高鈴GCへ向かいます。ゴルフ場に着くまでの間、途中で近くに林道が現れる以外は景色がほとんど変わらず、単調でかなり長く感じます(実際に長いのですが)。大きな登り返しがなくて、1度にドッと疲れたりしないことだけが救いでした。
日立高鈴GCまでの山道がようやく終わり、車道に出た地点を振り返ったところです。


進行方向のすぐ先には日立高鈴GCの入口があり、右側はもうグリーンが広がっています。写っているハイキングコースの案内図には、事前に得ていた情報通り、コースがゴルフ場内の道を通ることが明記されていました。
ということで、躊躇なく日立高鈴GC内に入れますし、入った後も堂々と歩くことができます。
歩くのはゴルフ場の外周の道なので、プレーの邪魔になってしまうようなことはありません。
ほどなくクラブハウスの建物が見えてきたら、その手前をスルーする形で先へ進みます。
これはハイカーにとって有難い配慮ですね。ただ、高鈴山 → 真弓山という方向に歩く人にとっては、この看板が現れるのはクラブハウスの前を通り過ぎた後でした。
その後、左に分岐する道があって少し気になりましたが、そこには何の案内もなかったので見送り、そのまま道なりに進んでいくと、次第にグリーンが近くなって、しまいにはコースを横切って進む事態に。その頃にはもうゴルフ場内に完全に入っていて、いくら何でも変だろうと思い始めた頃、ついに道は行き止まりになりました。
きっとさっきの左の道が正解だったんでしょ、でもそこまで戻るなんて面倒臭いなぁ、と思いながら引き返そうとしたら、すぐにこの景色になって、右奥にそれらしい道と道標を発見。行ってみると、やはりそこに登山道があって、逆方向に歩く人には道標がきちんと進路を示していました。クラブハウスの利用に関する看板といい、不十分な道案内といい、高鈴山→真弓山の方向に歩くハイカーの存在はあまり想定されていないのでしょうか?


ゴルフ場を離れると、間もなく登山道は広い道に合流して、当分はその広い道を進むようになります。車の轍が残るその道は、かつては車道だったらしく、ほとんど平坦に近いほど勾配が緩やかで、ここは楽に歩けました。
しばらく進むと地図にない新しい林道との交差があり、そこを過ぎると次第に道が細くなっていきます。そしてこの道標の地点で右に直角に折れると、その先は久々の山道に変わりました。
山道に変わっても、起伏が比較的穏やかなのは良かったのですが、随分先にある真弓山にいい加減近付くまでの長い間、ずっと変わり映えのしない景色が続いて、いつまでもダラダラと歩かされた印象です。
高鈴山と真弓山の間は、ただでさえ距離が長い上に途中に見所らしい見所がなくて、正直なところ退屈でした。それゆえか、そこを2時間以上かけて歩いている間にすれ違ったのも、たった2人だけにとどまっています。私自身も、ここにもう1度来ようという気には、ちょっとならないかなぁ。


採石場への車道に出れば、面白味に欠けた長い山道もようやく終わって、真弓神社が間近に迫っています。
車道を少し歩くと、すぐに右に分岐する道に対して、「真弓神社の参道のため車両進入禁止」という趣旨の掲示が出ていたのを見て、そこを入ってみました。結果的にこの判断で正しかったのですが、ここにもハイカー向けの道案内はなく、何故かやはり高鈴山→真弓山の方向に歩くハイカーは冷遇されているようです。
その道は、すぐに風神山からの道と合流したあと、この山門をくぐった先からは下りに変わります。
最後に少しばかり登り返しましたが、車道から通算すると結構下った場所に真弓神社がありました。ここまでずっと、道標に書かれた「真弓山」の案内に従って歩いてきた訳ですが、これだけ下った場所を山頂とするのは無理がありそうですし、実際に境内には山頂を示す標識等は見当たらず、今のところ「真弓山」は行方不明です。
拝殿の正面に回りました(上の写真は横から写したもの)。山の上にあるにしては、なかなか立派な神社です。
真弓神社からは南西側が少し眺められるようになっていて、筑波山方面がうっすらと見えていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
起伏が穏やかな道だったとはいえ、ここまで14kmを歩いた足には疲労が溜まっていますし、この先もまだ7km以上歩かなければならないので、神社に軽くお参りした後は、少し長めの休憩を取って足を休めていきました。


来た道を少し引き返すと、高鈴山と風神山との分岐点。先程は左から来たこの地点を、今からは右に進みます。
その道を少し登ると、途中で左側の高みへ通じる薄い踏み跡が分かれたので、そこを入ってみました(写真は分岐点を振り返ったものなので、手前中央から分かれた踏み跡が右端の高みへ向かっている様子になります)。
その踏み跡で、上の写真の右上端付近の小ピークまで僅かに登ると、そこに真弓山の標識がありました。
標識があったので、この記録では一応この場所の位置と標高を真弓山としましたが、私製標識だけにどれだけの信憑性があるのかは定かではありません。実際に標高値ひとつ取っても、地形図を見る限りこの地点が290m圏にあるのに対して、標識では280mとなっていて、結構肝心な値のはずなのに食い違っていますし‥‥。
ちなみに、真弓神社境内の「真弓山ハイキングコース総合案内板」の地図では、一番高い場所に「陣ヶ峰(標高約300m)」と書かれていました。地形図と照合すると、そこは現在地のすぐ南隣にある別のピークで、確かにそこがこの一帯の最高点になります。ただそこを「真弓山」としていないことから察すると、「真弓山」は真弓神社がある山を漠然と示す名称に過ぎず、特定のピークを指す用途には使われていないのかもしれません。
なお最後に、「陣ヶ峰(標高約300m)」付近の様子も窺ってみたところ、そこも登山道から僅かな距離で達することができそうなのに、そこへ通じる踏み跡は見当たらず、ピークもほぼ藪に覆われた状態っぽかったです。


ともあれ、あたりで一番高い一帯を通過すると、山道は間もなく車道に一旦吸収されます。
車道を少しだけ歩いて、この地点から今度は風神山を目指して再び山道に入ります。これ以降は、どちらの方向の道案内もしっかりしていたので、真弓山と風神山の間は良く歩かれているのでしょう。
この区間では、山道がアップダウンを頻発するようになります。大きな登り返しこそないものの、すでに長い距離を歩いてきた足には、ちょっとした登りでも堪えるようになってきました。
登山道がたびたび2本に分かれるようになると、どちらも行先が同じだと道標がきっちり示してくれました。
その中には、分かれたままでかなり長い距離を進む区間もあり、分岐する時点では先々で合流することを予め見通すのが難しいことも多かったので、こういう道標はありがたかったです。
風神山が近付いてくると、アップダウンが収まってきて、穏やかに歩ける所が増えてきました。


風神山の山頂付近は公園として整備されていて、山名の3文字を冠した「風の広場」「神の広場」「山の広場」があり(反対側の日立市街から登った時に、この順で現れます)、いよいよその一角に入ったようです。
山頂があるのは「神の広場」で、三角点と休憩舎が設置されていました。周囲の樹木のため展望はありません。
標高が低く、すぐ下にある市街地から楽に登れるので、もう少し人がいるかなと思っていたら、思いのほか閑散としていました。お散歩にはちょっと遅い時間になっていたからでしょうか。
このほか山頂には、山名の由来となった風神・雷神の碑がありました。
山頂で少し休んだあとは芝生広場へ。展望台があったので登ってみましたが、何も見えなかったです。
最後に、太平洋が一望できるという「風の広場」へ移動すると、そこでは期待通りの景色が待っていました。
風の広場からの展望です。左端が日立港や日立市街で、右端は下山先の大甕あたりになる模様(そこも広義の日立市街になりますけれど)。水平線に丸みが感じられる眺めでした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
さらに右のほうには、東海村の原子力関連施設や、常陸那珂港の火力発電所などが見えていました。


風神山からの下りは、最初から車道歩きになります。でも風神山までの18kmは、ほぼずっと山道を歩いて来られたので、最後の3kmくらい車道を歩くのは良しとしましょう。
山を下り終えると、日立研究所の白亜の建物群が見えてきて、その横を抜けてさらに車道を進みます。
大甕駅付近の町並みがかなり近付いてきました。
大甕駅に着くと、その周辺は大規模整備事業による工事中。駅自体も全面改築中で仮駅舎による営業でした。

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