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さがみはら・みどりの散歩道(歴史の散歩道コース)[後編] [東京・神奈川(平野部)]

2021/02/22(月)

■第437回 : さがみはら・みどりの散歩道(歴史の散歩道コース)[後編]


前編 では、相模原麻溝公園から歩き始めて、天満宮(当麻市場)・無量光寺・当麻山公園・八景の棚の4ヶ所を巡り、三段の滝への入口に着いたところまでをお伝えしていました。ここからはその続きになります。

(前編ラストと同じ写真)八景の棚から県道46号線を南下して、三段の滝まで来ました。この付近で県道はずっと河岸段丘の端を通っているので、ここも道路のすぐ右側には崖があって、その崖に階段が付けられています。
階段を下っていくと、少し下に一旦平坦になったテラスのような場所があって、そこからの展望が格別でした。
まず目の前には、間近に迫ってきた相模川の流れが大きく広がっています。こちらは左手の下流側。
一方こちらは右手の上流側です。
そして対岸の彼方には、丹沢山系を一望です。先程までいた八景の棚からよりも広々とした範囲をずらりと見渡せているのが、実に爽快な眺めでした。でも季節外れの陽気に空気が霞んでしまい、圧巻とまではいえないのが残念だったので、ここには条件の良い時を見計らってまた来てみたいと思います。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
河畔まで階段を下ったところが三段の滝展望広場(でも展望を楽しむなら断然、階段の上のほうからでしょう)。川岸に沿って続く「相模川散策路」がこの広場を通っているので、このあとはその散策路に入ります。
三段の滝展望広場から、ついさっき下ってきたばかりの階段を振り返っています。
広場には何本か梅の木があって、いずれも満開でした。


三段の滝展望広場から下流に向かって「相模川散策路」を進むと、すぐに「新三段の滝橋」を渡ります。
橋の上では鳩川分水路の三段の滝が見られます(橋の左側にあるのはそのうちの二段で、もう一段は右側に)。
鳩川はこのあたりで相模川と並行して流れていて(前編では「水道みち緑道」を歩く途中で渡っていました)、下流域の治水のため途中から相模川へ短絡するように築造された分水路が、ここで相模川に注いでいるのです。
段丘上を流れる鳩川との高低差で生じる水流を緩和するため3段の段差が設けられたことで「三段の滝」と呼ばれていますが、滝として見るには風貌が人工的過ぎて、情緒も何もないと感じてしまうのは私だけでしょうか。
  ※なお鳩川分水路には新旧の2つがあって、こちらは1988年に新設された新分水路です。
「新三段の滝橋」を渡った先には、またすぐ、今度は「新」の付かない「三段の滝橋」があります。
「三段の滝橋」から見られるのは1933年に造られた旧分水路のほうで、新分水路よりも規模は小さめながら、やはり3段の緩衝滝を経て相模川に注がれています。こちらは石組みの景観などに少し風情が感じられるかな。


その後はしばらく「相模川散策路」を進みます。
進むにつれて、川の流れが間近に迫ってきました。
この散策路では、ずっと丹沢の山々を対岸に眺めながら歩けます。山好きな人なら、きっと楽しく歩けるかと。
河畔ギリギリを歩くようになると、次のスポットがもう間もなくです。


6番目の立ち寄りスポット、磯部頭首工公園に到着しました。
ちょっとした広場があるだけの小ぶりな公園では、ちょうどお年寄りの皆さんがゲートボールの準備中でした。
「頭首工」という言葉は今回の計画時に初めて触れたもので、全く意味を知らないまま、現地に何らかの説明があるだろうと期待して来てみたら、意外にもそれらしい解説板の類は見当たらず、結局意味が分からずじまい。
  (スマホを使えばその場で調べられたはずが、まだ使い慣れていなくてそう気付けなかったのです)
だから写真も適当に撮っていただけなのに、それが思いがけず的を射ていたようで、ここで使える写真になっていたとは‥‥。「頭首工」は河川などから農業用水を用水路へ引き入れるための施設で、通常は取水堰と取入口から構成されるものだとか。そして、私がたまたま写していたのが取水堰に当たっていたのでした。


磯部頭首工公園からは、「相模川散策路」を離れて、住宅地の中を縫うように進みます。
ほどなく「正八幡宮」と掲げられた鳥居の前へ。この道は、次に向かう磯部八幡宮の参道に当たるようです。
参道を進んで行くと、広い通りに突き当たる手前で歩道橋に上がります。
歩道橋を渡って、7番目の立ち寄りスポット、磯部八幡宮の境内に入りました。でも奥にはさらに石段が。
どうやらお社はこの急な石段を昇った上にあるようです。
石段を途中まで登ると一旦踊り場があって、そこで2本目の鳥居をくぐります。
残りの石段を上がったところに、昭和60年に新築したばかりという立派な社殿が建っていました。磯部八幡宮の創建年は不詳ながら1536年以前とされていて、その当時から旧磯部村の鎮守として信仰を集めていたようです。
石段の上には、社殿がやっと建っているような少々手狭なスペースしかなく、参拝後は下の境内に戻ります。
昇ってきた石段の脇には金比羅神社や疱瘡神社などの境内社があって、それらを巡りながら下りました。
さほど広くはなかった磯部八幡宮の境内。社務所の前にあったベンチで少し休んでいきました。


今回のコースもそろそろ終盤で、立ち寄るスポットも残りは2つ。このあとはそれらを巡りつつ、現在は河岸段丘の下段にいますから、そこから元々いた上段まで登り返すことにもなって、ここまでとは逆に上り坂が多くなります。まずは磯部八幡宮の横手にある坂道を登って、JR相模線の踏切を渡ります。
これで名前が出るのも3度目になる鳩川を渡れば、そのすぐ先が史跡勝坂遺跡公園の駐車場でした。
それでは、史跡勝坂遺跡公園の中へGO!。本日8番目の立ち寄りスポットです。入口には案内図がありました。
その案内図に、公園内の道順を示しました。 ※下の画像にマウスを乗せると、赤矢印でコースを明示します。
この公園は河岸段丘の下段と中段にまたがっていて、案内図の公園内に左上から右下にかけて斜めに濃い緑色で描かれている樹林帯がその境の段丘崖にあたります。従って、現在地からまずはその斜面樹林の中を登って中段の広場に上がり、ほどなく有鹿神社への寄り道をしに斜面樹林を下って一旦下段に戻ったのち、再度中段に登り返して南側の入口から再入園したら、復元集落などを見て回って最後に管理棟のあたりへ、という段取りです。
ということで、樹林の中へ入ったら山道っぽい道を登っていきます。
分岐には道標があったりなかったり。でも道が複雑に入り組んでいる訳ではなく、最小限の案内で大丈夫そう。
「くさはら広場」に上がりました。ぱっと見では何もないただの広場のように見えますが‥‥
いくつかこうした住居跡等の展示と説明がありました。ここは縄文時代中期(約5000年前)の大集落跡で、発掘調査後に遺構を保存するため土をかぶせて広場としていたものを、のちに遺跡公園として整備したようです。
しばし広場のへりを歩いて、森の中へ下る道を見つけたらそちらへ。ここに道標がないのは不親切だったかな。
すると一気に段丘崖を下ります。ここは急坂の割にほとんど階段状になっておらず、少々滑りやすい道でした。
下り切ったところに、石垣で守られた小さな祠と鳥居がありました。
そこが有鹿神社で、海老名市にある同名の神社の奥宮に当たるらしい。背後の斜面からの湧水が神聖なものとして信仰され(「有鹿」は古代語で水を意味するとか)、ここも起源が縄文期に遡るとも見られているようです。
ふと神社の先を見ると、先程入ってきた入口のほうから伸びてきている木道が目に入って(地図には道なんて書かれていなかったのに)。実際には森の中の道を登ったり下ったりしなくても、ここまで来られたのでしょう。
有鹿神社からは、一旦公園の外へ出てしまいます。ここでは山道を歩くような感覚を少し楽しめました。
道路に出たところを鋭角に折り返していくと‥‥
すぐ先が史跡勝坂遺跡公園の南側の入口で、ここから再入園します。
公園の南端には復元集落があって、2棟の竪穴住居が並んでいました。
それらは土葺きと笹葺きの竪穴住居で、それぞれ解説が付いていました。いずれも中を見ることはできません。
少し離れて「廃絶住居の窪地」の復元展示も。竪穴住居の耐用年数は数年から十数年程度なので、集落跡には建て替えなどによって生じるこのような住居跡も多く見られるとのことです。
広場の真ん中あたりはこれといった展示らしい展示もなく広々としていて、歩く分には気持ち良かったです。
広場の北端まで来ると、管理棟のそばにはいくつものテーブルとベンチがあります。歩いてきた距離はすでに10kmを超えていて、そろそろ疲れを感じ始めていたので、腰掛けて少し休んでいきました。
管理棟横の入口で公園を振り返ると、復元集落からはだいぶ離れたので、ただの広場にしか見えませんでした。


史跡勝坂遺跡公園を後にしたら、最後に立ち寄る勝坂歴史公園は、河岸段丘の中段から上段へ登り返す坂道の途中にあって、ここがもう公園の南端に当たります。
でも勝坂歴史公園の南端にはスポーツ広場があるだけで、お年寄りの方々がゲートボールのゲーム中でした。
ということで、道路脇の小道を歩いて公園の北側に向かっていくと、その道は次第に道路から離れていきます。
小道から道路がほとんど見えなくなったあたりまで来たら、道標と朽ちかけたベンチがあって‥‥
そこから山道へ入れるようになっていました。勝坂歴史公園は、ほとんど広場しかないような地味な公園ですが、ちょっとした山道を歩ける散策路があって、ここが入口なのです。
その散策路は、軽い登り坂で始まりました。
すぐに小さな尾根まで上がると、そこからは尾根道を進みます。
尾根とはいえ裾野との標高差なんて数m程度で、時折木々の間から下にある広場が見えているほど。でも車道歩きが大半の今回のコースにあって、そこそこの長さで山道を歩ける貴重な場所ですから、楽しんで歩きました。
尾根上の分岐点にも案内図とベンチが。ここだけを見れば、あたかも山の中にでもいるような感覚になります。
しかしそんな景色も束の間、ほどなく下り坂が始まったと思ったら、次の瞬間にはもう車道が見えていました。
最後にこの公園のメインの広場へ。後方に写っている森の中にある散策路をぐるりと回ってここまで来ました。


あとはスタート地点に戻るだけ。まだ河岸段丘の上段まで登り切れていないので、緩やかな登り坂が続きます。
相模原麻溝公園西交差点まで来ると、もうグリーンタワー相模原(写真中央の塔)が間近に見られるように。そしてこの交差点から先は、左側が相模原麻溝公園になりました。
ゴールの手前で少しだけ相模原麻溝公園の中を歩いて‥‥
駐輪場に帰ってきました。久しぶりに長い距離を歩いて、程よい疲労感が心地良かったです。
最近はこんなご時世で、山歩きのブログなのに、公園紹介みたいな内容ばかりが続いていますが、山をせっせと歩いていた頃は遠くへ出掛ける一方であまり目を向けていなかった身近な場所にも、豊かな自然や美しい景色や歴史ある見所がたくさんあることを知り、住んでいる地域の良さを改めて感じるいい機会になったと思います。

結びに備忘録として、スマホを使ってみた結果についても少しだけ書いておきます。

・GPSに関しては、今回は深い谷や鬱蒼とした樹林など、電波状況が問題になりそうな場所がほとんどなかったからか、記録したログをガーミンとiphoneとで比較しても、ハッキリとした差は出ていませんでした。
ガーミン機は10年以上前の2008年に購入した、当然「みちびき」にも対応していない古い機種にもかかわらず、電波状況が良好であれば最新の機器と比べても遜色ない性能を発揮するあたり、さすがは専用機です。
まだ当分は山に出掛けられそうにないので、今後もしばらくは両機を併用することにして、ガッツリと山を歩けるようになった頃に、改めてタイトな状況での性能の比較を試みたいと思います。

・カメラについては、撮影した写真を今のところこのブログでしか活用していないという状況においては、これはもう明らかにiphoneはオーバースペックでした。
ピクセル数で400×300(パノラマ写真でも横1500ピクセル)なんて小さな写真なら、標準的なデジカメで十分なのです(そのデジカメですら、撮影時の画像サイズを小さめの設定にして、性能を持て余していたり)。
iphoneだと撮影時のサイズは規定値から変えられず、撮影後にリサイズする手間が増えますし、PCへの転送もSDHC経由のデジカメより時間が掛かるので、普段はデジカメをメインで使い、iphoneはその補助でいいかな。

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さがみはら・みどりの散歩道(歴史の散歩道コース)[前編] [東京・神奈川(平野部)]

2021/02/22(月)

■第437回 : さがみはら・みどりの散歩道(歴史の散歩道コース)[前編]


緊急事態宣言が延長されてしまい、運動をしようにも、自宅の近くで森の中をぐるぐる回るばかりの毎日が続いている中、新しい機材のテストをしたくなったこの日は、場所を変えて少し長い距離を歩きに行きました。

かといって遠出をする訳にはいかないので、住んでいる相模原市南区内を出ないようにするべくネットを探したところ、古い資料ながら「さがみはら・みどりの散歩道」なるもののPDFを発見、紹介されている3コースのうち、「歴史の散歩道コース」が今回の目的にピッタリだと分かり、そのコースをほぼ忠実にたどっています。

 累積標高差(登り):225m / 距離:13.2km / 歩行時間:2時間40分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
自宅-自転車移動(約4.5km)-相模原麻溝公園

(登山行程)
相模原麻溝公園  11:00
天満宮(当麻市場) 11:45-11:50
無量光寺     11:55-12:00
当麻山公園    12:05-12:10
八景の棚     12:30-12:35
三段の滝展望広場 12:45-12:55
磯部頭首工公園  13:05-13:10
磯部八幡宮    13:20-13:30
史跡勝坂遺跡公園 13:55-14:00
勝坂歴史公園   14:10-14:15
相模原麻溝公園  14:35

(復路)
相模原麻溝公園-自転車移動(約4.5km)-自宅


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

ついに!!!
いきなり余談から始まってすみませんが、今さらながら、ようやくスマホユーザになりました。
読者さんの中には、私がこれまでスマホはおろか、ケータイすら持ったことがないという、21世紀にあるまじき化石級の生活を送り続けていたことをご存じの方もいらっしゃるかと思います。
何の連絡手段も持たない割に、山に入る時は大抵がソロ登山で、おまけに歩く人が少ない所ほど好んで行きがちですから、時には耳の痛いご指摘を賜ることもありましたが、そんな後ろめたさからもやっと開放されました。
連絡手段という以外にも、すでに専用機を持っていたカメラとGPSをダブルで携行できることになり、電池切れや故障といった機材トラブル時のバックアップにもなるので、今回は主にこの点を試しながら歩いています。

さて、歩いてきた「さがみはら・みどりの散歩道」については、1999年に作成されたらしいパンフレットのPDFファイルだけが残っているのを除くと、ネットには全く情報がないようで、詳細なことが何も分かりません。
パンフレットの作成者である「財団法人 相模原市みどりの協会」も現在はなく、その後継にあたるらしい「公益財団法人 相模原市まち・みどり公社」のウェブにも何も記載がありませんし、現地を実際に歩いてもそれらしい標識などを見掛けることが一切なくて、道案内はすべて自力に頼るしかないという状況でした。パンフレットの作成から20年以上が経過していますし、現在ではこの散歩道は維持も管理もされなくなっているのでしょう。

※見つけたPDFファイルは、URL的には一応「公益財団法人 相模原市まち・みどり公社」のサイト内にあるものの、メニューをたどっても到達できず、サイトマップにも見当たらないので、正式なコンテンツではなさそう。
記事を書いている本日現在、https://www.sagamiharashi-machimidori.or.jp/img/uploads/3/midori_s.pdf という場所にありますが、いつまで見られるか分からないので、以下に私が取得したイメージを載せておきます。今回選んでみた「歴史の散歩道コース」は、車道を歩く区間が大半なのが残念な反面、景勝地や史跡などの見所が多くて楽しめましたし、なかでも山好きとしては丹沢山系を一望する八景の棚や三段の滝からの眺めが最高でした。

「さがみはら・みどりの散歩道」パンフレット(表面) ※クリックで拡大版を表示
「さがみはら・みどりの散歩道」パンフレット(裏面) ※クリックで拡大版を表示

上記のイメージをご覧になれば分かる通り、コースは大雑把な地図で示されているに過ぎません。でもその割には分かりやすい箇所が多くて、ほぼ当時のコース通りに歩けたっぽいのですが、微妙な違いはありそうです。


前置きが長くなりましたが、ようやく本題へ。まずは自転車を25分ほど走らせて、相模原麻溝公園に到着です。
北東側にある上の写真の入口にも駐輪スペースがありましたが、歩くコースからは外れているので、グリーンタワーのそばの駐輪場まで行ってから自転車を停めています。なお展望塔になっている相模原グリーンタワー(左後方に写っている)は、緊急事態宣言の発令を受けて1月13日から閉鎖が続いており、中に入れませんでした。
パンフレットの紹介とは逆回りになりますが、公園を横切って伸びている「水道みち緑道」を歩き始めます。
このあたりは「花の谷」となっていて、道の両側にはさまざまな花々が見られました。
相模原麻溝公園はさほど広くはなくて、すぐに反対側の入口へ。北西側にある入口では大花壇が綺麗でしたし、ちょうど花時計から美しい鐘の音色で時報が聞こえてきて、スタートに花を添えてもらったような気分でした。


相模原麻溝公園を出て道路をまたぐと、「水道みち緑道」の両側は女子美術大学の敷地に変わります。
さらに進むと県立相模原公園に入って、「水道みち緑道」の続きはこの分岐を左へ(右は公園内の園路です)。
分岐点で左に見えていたのは、相模原ギオンスタジアム。今季からサッカーJ2リーグに昇格したSC相模原のホームスタジアムであり、ウッドチップやゴムチップが敷かれた4種類のジョギングコースもあって、1年前までは1日おきくらいに走りに来ていた場所です(コロナで他人と一緒になる所で走るのはやめてしまったけれど)。
分岐点を過ぎると、下り坂が始まりました。
下り坂は県道を横断した先も続きます。私の自宅や自転車を停めた相模原麻溝公園は、相模川によって生まれた河岸段丘の上段(相模原台地)にあって、相模川の川辺へ向かって進む今回のコースの前半には、しばしば下り坂が現れることになります。その手始めとして、まずはここで段丘の中段まで下ってしまうことに。
下り切ったあたりで、道保川を小さな橋で渡ります。約2km上流には、前回歩いた道保川公園があります。
JR相模線の原当麻駅からの徒歩圏内に入ったからか、緑道の両側には住宅が建ち並ぶようになりました。
その後は細い川を2本渡るたびに軽く登り下りする程度で(写真は2本目の鳩川)、ほぼ平坦な道が続きます。
十字路のあざみがや交差点に出たら、「水道みち緑道」はそのすぐ脇を斜めに横切って進みます。
あざみがや交差点より先になると、次第に建物が少なくなって、緑道の周囲は長閑な景色へと変わりました。


左手にJR相模線の線路が近付いてきたこの地点で、「水道みち緑道」を離れて左折します。実はここが区境になっていて、直進すると南区を出て中央区に入ってしまうのです。2010年に相模原市が政令指定都市となり3つの行政区に分かれたのに対して、その10年以上前に存在したこの「歴史の散歩道コース」が、あたかもそれを先取りしていたかのように現在の南区内にギリギリ収まっている点も、今回の私の目的にマッチしていたのでした。
左折する目印になる物は、すぐ近くに立っていた踏切注意の標識くらい。ここまで「水道みち緑道」を道なりに進むだけだった「歴史の散歩道コース」が、初めて曲がることになるこの地点に道案内が何もなかったことで、このコースがすでに過去のものとなっていることを実感しました(その後も道案内は一切見ませんでした)。
「一の沢第二踏切」を渡ります。ちょうど橋本行の電車が接近してくるタイミングでした。
その先で、夢が丘小学校の脇を進んで校舎の裏手に回ります。
細い道に入ると再び下り坂に。ここから河岸段丘の下段へと下っていくようです。
坂道の左手側の斜面には、いくつかの小さな洞穴が露わになっていて、戦時中の防空壕なのかもしれません。
県道508号線を横断する地点には、「天満宮入口」の大きな標柱が。最初の立ち寄りスポットがもう間近です。
住宅街を少し進んで行くと、家屋が並んでいる中に唐突な感じで鳥居が現れました。


鳥居をくぐって、奥にある天満宮への短い参道を進みます。
参道では梅が満開。甘~い香りに満ちた梅の花のトンネルが、なんとも天神さまらしい佇まいです。
天満宮の境内に入りました。当麻市場地区にある天満宮なので、当麻市場天満宮と呼ばれているようです。
1073年の創建とのことで、その歴史の長さもさることながら、拝殿は立派ですし境内もきれいに整えられていて、今なおこの地域で篤い信仰を集めている様子が窺えました。
境内の一角は遊具が置かれたこども広場にもなっていて、近隣の子供達にも親しまれている場所なのでしょう。
落ち着いた雰囲気の休憩スペースもあって、少し足を休めていきました。


元の道に戻った後は、県道を渡るこの歩道橋を目印に進みます。
歩道橋を渡ったら、この短い登り坂が、2番目の立ち寄りスポットとなる無量光寺への入口でした。
境内に入ると、ちょうどお昼時だったからか誰もおらず、静かで穏やかな時間が流れていました。ここは私が小学生の頃(1970年頃)、相模原市(たぶん)がスタンプ帳を作成していたスタンプめぐりの対象地点になっていて、何度かスタンプを押しに自転車で来ていた場所です。ただ、懐かしくなってそのスタンプめぐりのことを調べてみても、古すぎてネットには何も情報がないのか、今のところいくら探しても何も見つけられていません。
当麻山無量光寺は、時宗の開祖である一遍上人ゆかりの古刹で、1261年の創建と伝えられています。
こちらは鐘楼と経堂。境内は明治時代に大火に見舞われていて、現在ある建物はどれも比較的新しいです。
庭園風の境内には広さがあって、いくつか池も見られました。
先程は横から入ってきてしまいましたが、ちゃんとした参道があるので、ここを歩いて外に出ることにします。
参道から振り返った境内の様子。突き当たりに一遍上人の銅像が建っていました。
くぐってきた山門を振り返りました。この山門だけは明治時代の大火を逃れていて、開山当時のものだとか。
さらに坂道を下っていくと、車道に出る手前にはさらに外門がありました。
外に出て外門を振り返っています。こちらがちゃんとした入口なのでしょう。


続いて、隣接する当麻山公園にも寄っていきます。3番目の立ち寄りスポットです。
入るとすぐに、「トンボが棲める環境を造って」いるという池があります。
そして池の先には大きな広場が。何もなくてガラーンとしているだけの、ただの広場でしたけれど。
奥へ細長く伸びている一角は、遊具などが置かれていて児童公園のようですね。ここから広場に引き返します。
この公園は紫陽花や花菖蒲の名所になっているようで、時期を変えて来れば見るものもありそうですが、この季節は少々寂しい景色があるだけで、人の気配もありませんでした。階段が見えたので斜面を上がっていくと‥‥
すぐに道路に出てしまって、公園もそこまででした。


その先しばらくの間は車道を歩きます。この登り坂で、河岸段丘の下段から中段へ登り返すことになりました。
そこは見通しの良い坂道で、振り返ると丹沢の山並みを見渡せました。
県道48号線に入ったら、JR相模線に沿って南下していきます。この区間は幹線道路歩きが続いてちょっと退屈。


「八景の棚」バス停まで来ました。4番目の立ち寄りスポットに到着です。
八景の棚は、河岸段丘の中段の端に位置していて、その先は段丘崖となって一気に落ち込んでいます。このため、眼下に相模川の流域を広く見渡して、その先には丹沢山地を一望という、素晴らしい眺めを楽しめました。
季節外れの陽気に空気が霞んでいるのが残念ですが、展望の主役はやはり丹沢の山々で、展望図もありました。
パノラマ写真にするとこんな具合で、山名を記入したすべての山が登頂済みというのは気分が良いですね。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
丹沢の中心部を少し大きめに撮ってしてみました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
八景の棚は細長い形の公園のようになっていて、休憩舎も建っていました。


展望を楽しんだら、さらに県道48号線を南下します。
途中で左手にJR相模線の下溝駅を見ながら、さらに進んで‥‥
5番目の立ち寄りスポットとなる三段の滝まで来ました。

このあと三段の滝では、先程の八景の棚を上回る格別な展望を楽しむことになるのですが、今回は写真の点数が多くなったので、ここで記事を分割します。
続きは 後編 をご覧下さい。

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